平成26年版消費者白書

コラム9

ビットコインとは

2014年2月25日、大手ビットコイン取引所のMTGOX(マウントゴックス)が同社ウェブサイトを閉鎖したことにより、事実上の取引停止状態となりました。さらに、同月28日に、同社が民事再生法の適用を申請し、経営破綻しました。その後、同年4月24日には、東京地方裁判所が同社の破産手続開始を決定しました。

これまで、一般にはあまり馴染みのなかった「ビットコイン」でしたが、この出来事を通じて、その存在が知られるようになりました。

「ビットコイン」(単位:BTC)は、2008年に「ナカモト サトシ」の名前で発表された論文に基づいて、2009年に運用が開始されたものとされており、ビットコインのほかにも似たような仮想通貨が数多く存在すると言われています。

当初、ビットコインはIT (情報技術)の専門家や愛好家が集う一部のインターネット空間で利用されていましたが、海外では次第に大手事業者が決済に採用するようになり、2011~2012年にかけて顕在化したキプロス金融危機の際には、「金」に近い安定した資産として資金の待避先に利用されたとされています。また、2013年には、中国等の投資家の間で人気が出たことから一時期価格が暴騰し注目を集めました。

ビットコインの発行は、参加者が複雑な演算問題を解く「mining (採掘)」という作業などを通して行われ、「ブロックチェーン」と呼ばれる取引履歴データに、参加者が複雑な演算処理により新たなブロックを次々追加していく仕組みとされています。このため、データの改ざんには膨大な計算量が必要となり事実上不可能であるため、取引履歴の正統性が担保されているとされています。

ただし、こうしたビットコインを始めとするいわゆる仮想通貨は、各国政府や中央銀行による信用の裏付けがないものであり、その仕組みやリスクについて十分に理解した上でなければ思わぬ損害を被ることもあり、こうした点を納得した上で利用すべきものです。

ビットコインと通貨(米ドルや円など)との交換は、「取引所」を通しても行われます。また、ビットコインそのものの決済は金融機関を通さないため、諸経費や手数料などがほとんど発生しません。そのため、小口の売買やP2P(Peerto-Peerの略、個人同士)の取引、とりわけ国境を越えた送金・決済に利用されていることが多いようです。さらに、ビットコインによる支払いを受け付けている現実の店舗も一部に現れています。このように、手軽さや利便性の高さが人気で、開発開始から僅か4年の2013年4月には流通総価値が10億ドルを超えるまでに成長したとも言われています。

しかし、通貨との交換レートは、需給関係や経済状況に左右され、投機の影響も受けやすいため、乱高下を繰り返しています。さらに、ビットコインは匿名での取引が可能である点や、取引されるビットコインと犯罪との関連性を判断することが困難であること等を背景として、犯罪に悪用されるおそれがあるという指摘もあります。また、MTGOXの問題については、システムのセキュリティのぜい弱性により、ビットコインを喪失したのではないかとの見方もあり、その場合に利用者が何の補償も得ることが出来ないといったリスクも指摘されています。

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