平成26年版消費者白書

第2部 消費者政策の実施状況

第3章 経済社会の発展等の環境変化への対応

第1節 環境に配慮した消費行動と事業活動の推進

( 1 ) CO削減に向けた行動

環境省では、低炭素社会の構築に向け、地球温暖化防止のために政府が推進する国民運動を継続して展開しました。同運動では、オフィスや家庭などで実践できるCO2削減に向けた具体的な行動を提案(例えば、古いタイプの家電製品の省エネタイプへの買換え、白熱電球の電球型蛍光灯やLED照明への買換え、ハイブリッド自動車や電気自動車の購入など、エネルギー効率の良い製品の選択を促し、環境に配慮した消費行動を促進)し、その行動の実践を広く国民に呼び掛けており、趣旨に賛同した全ての個人、企業・団体に対し、国民運動への参加を呼び掛けました。

( 2 ) 身近な化学製品等に関する理解促進

環境省では、化学物質やその環境リスクに対する国民の不安に適切に対応するため、リスクコミュニケーションを推進しています。

具体的には、化学物質のリスクに関する情報の整備のため、「PRTRデータを読み解くための市民ガイドブック」、「かんたん化学物質ガイド」等を作成・配布しています。

また、市民、労働者、事業者、行政、学識経験者等の様々な主体が意見交換を行い、合意形成を目指す場である「化学物質と環境に関する政策対話」を開催しており、2013年度は、リスク評価の進展とそれを取り巻く課題等について議論しました。

( 3 ) 3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進

環境省では、2013年10月に栃木県で「第8回3R推進全国大会」を開催65)し、イベントを通して3R66)施策の普及啓発を行いました。同大会式典で環境大臣表彰を行った「3R促進ポスターコンクール」には、全国の小・中学生から約1万点の応募があり、環境教育活動の促進にも貢献しています。また、同年10月は「3R推進月間」でもあり、環境省、経済産業省が共同で「環境にやさしい買い物キャンペーン」を実施し、全国の都道府県や流通事業者・小売事業者の協力を得て、環境に配慮した商品の購入、マイバッグ持参など3R行動の実践を呼び掛けました。

また、環境省では、「新・ゴミゼロ国際化行動計画」の中で掲げる「アジア全体での循環型社会の構築」に向け、2014年2月にはスラバヤ(インドネシア)において、アジア太平洋3R推進フォーラム第5回会合を開催し、アジア諸国及び太平洋島嶼国の33カ国の政府、地方公共団体、国際機関などから約500名が参加しました。その成果として、官民連携や都市間等の協力関係の推進を記載した「スラバヤ3R宣言」を採択しました。

さらに、インターネットを利用する若い世代を中心に、ごみの減量・資源の有効活用について恒常的に周知徹底を図るため、ウェブサイト「Re-Style」(PC版、携帯版)を運営し、循環型社会の形成に関する最新データやレポート等の掲載、循環型社会形成推進基本計画の周知及び循環型社会に向けた多様な活動等の情報を更新し、国民、民間団体及び事業者等による活動の促進を図っています。

このほか、環境省では各種リサイクル法のポスターやパンフレット等を作成し、一般国民・関係機関に配布をすることで、各種リサイクル法の普及啓発を行っています。特に、2013年4月1日から新たに施行された使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律については、パンフレット(1種類)の作成や、雑誌(4紙)・新聞(全国紙)での広告等、普及啓発を行いました。

( 4 ) 生物多様性保全の取組

環境省では、経済社会における生物多様性67)の保全と持続可能な利用を促進することを目的に、2013年度は、前年度に実施した事業者(農林水産業者を含む。)に対する生物多様性に関する取組状況のアンケート調査結果及び取組事例の評価等を進め、取組促進策を検討するとともに、生物多様性分野での民間参画に関する情報を一元的に発信するウェブサイトのリニューアルを行いました。

また、農林水産省では、農林水産省生物多様性戦略(2012年2月改定)において、消費者が日常の行為を通じて、生物多様性について理解する機会を持つことが期待される「生きものマーク68)」の取組を推進していくこととしており、「生きものマークガイドブック」を利用し、農林水産業と生物多様性の関係について3回のイベント等の機会を活用して国民理解を図りました。

( 5 ) 有機農産物など環境に配慮した農産物の普及促進

有機農業は、農業の自然循環機能を増進し、農業生産活動に由来する環境への負荷を大幅に低減するものであり、生物多様性の保全に資するものです。また、消費者の食料に対する需要が高度化し、かつ、多様化する中で、安全かつ良質な農産物に対する消費者の需要に対応した農産物の供給に資するものです。

農林水産省では、2013年度において、有機農産物価値理解促進事業により、消費者等の有機農産物等に関する理解を促すための対面販売やセミナーの実施、有機農業の産地等を紹介するポータルサイトの開設に関する取組を支援しました。また、有機JAS制度69)に関して、有機関係イベント等における同制度を解説したパンフレットの配付や、農林水産省広報誌「aff」での同制度の紹介により、消費者等への啓発を行いました。

さらに、登録認定機関の認定業務等の適切な実施を確保するとともに、地方農政局等の職員が小売店舗等に対する巡回調査等を実施し、表示の適正化を図りました。

このほか、エコファーマー70)や環境保全型農業のPRを目的として、エコファーマーが生産した農産物等についての農林水産省消費者の部屋における展示や、環境保全型農業を推進している取組事例の発表等を行う全国交流会の開催などエコファーマーの取組に対する普及活動について協力しました。

( 6 ) 住宅省エネラベル・建築環境総合性能評価システム(CASBEE)の普及促進

2008年のエネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和54年法律第49号、以下「省エネ法」という。)の改正により、省エネ法第86条において、建築物の販売又は賃貸の事業を行う者は、外壁、窓等の断熱性及び建築物に設置する建築設備におけるエネルギー利用の効率性についての性能について表示するよう、消費者への情報提供に関する努力義務が規定されており、国土交通省では省エネ関連の講習会等においてその普及促進に努めています。2013年度には、住宅の省エネルギー基準に関する講習会等(開催回数:全57回)において、住宅省エネラベル71)等に関する情報提供を実施しました。

また、建築環境総合性能評価システム(CASBEE72))については、その内容や開発状況等に関して、説明会やシンポジウムを開催することにより、普及の促進を図っています。現在24の地方公共団体で、CASBEEを用いた届出制度等が導入されています。

2013年度には、省エネルギー基準の改正や住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号、以下「住宅品確法」という。)改正などを受け、4年ぶりとなるCASBEEの各ツールの大幅改訂の検討を実施し、改訂案を策定しました。また、街区単位の新しい評価ツールであるCASBEE街区や、賃貸ビルに入居するテナント部分の評価を行うCASBEEテナントオフィス(仮称)など、ツールの新規開発を実施しました。

このほか、省エネルギー基準の見直しによる一次エネルギー消費量の導入に伴い、住宅品確法に基づく住宅性能表示制度について見直しを行い、2014年2月25日に公布し、2015年4月1日に施行予定(一部は公布日施行)です。

( 7 ) 食品リサイクルの推進及び普及啓発

食品関連事業者等による食品循環資源の再生利用や熱回収、食品廃棄物等の発生の抑制や減量に関する優れた取組を全国に紹介することで、更なる取組の推進、普及啓発を図るため、環境省が2007年に食品リサイクル推進環境大臣賞を創設しました。2007年には8件、2008年には7件、2009年には8件の表彰を行い、環境省のウェブサイトで紹介しています。2010年以降は循環型社会形成推進功労者等環境大臣表彰において、食品リサイクルに関係する者も表彰しており、全国に紹介しています。

( 8 ) 環境ラベル等による環境情報の提供

環境省では、グリーン購入の普及促進を図るためには、事業者等が製品に関する環境情報を適切に提供する必要があるという考えに基づいて、事業者及び消費者双方にとって有益な環境情報を提供するために、事業者等が取り組むべき内容を取りまとめた「環境表示ガイドライン」を2008年1月に策定しました。

また、環境表示を行う事業者及び事業者団体、製品等に関して認証を行う第三者機関を対象に、同ガイドラインの利用状況等に関する調査を実施するとともに、今後の環境表示の在り方を整理・再検討し、2013年3月に同ガイドラインの改訂を行い、その後も業界団体への取組状況の調査を行うとともに、ガイドラインの配布による普及啓発を行いました。


65)

主催は、環境省・環境省関東地方環境事務所・栃木県・3R活動推進フォーラム。

66)

環境問題への対応としては、廃棄物等の発生抑制、再利用、再生利用が重要となるが、これらの英語の頭文字を採って、3R(Reduce,Re‒use,Recycle)と呼んでいる。

67)

生物多様性基本法において「生物の多様性」とは、様々な生態系が存在すること並びに生物の種間及び種内に様々な差異が存在することとされている。

68)

農林水産業の営みを通じて多くの生きものが暮らせる豊かな環境を取り戻す様々な取組を総称して、「生きものマーク(生物多様性に配慮した農林水産業の実施と、産物等を活用してのコミュニケーション)」と呼んでいる。

69)

JAS法に基づく有機食品の認証制度。農林水産大臣に登録された登録認定機関から認定を受けた事業者は、有機農産物や有機加工食品などの生産方法についての基準を満たすものに有機JASマークを付すことができる。有機農産物、有機農産物加工食品については、有機JASマークが付されているものだけに「有機」と表示できる。

70)

エコファーマーとは、1999年7月に制定された「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(平成11年法律第110号)(持続農業法)」第4条に基づき、「持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画」を都道府県知事に提出して、当該導入計画が適当である旨の認定を受けた農業者(認定農業者)の愛称名。エコファーマーになると、認定を受けた導入計画に基づき、農業改良資金の特例措置が受けられる。

71)

「住宅省エネラベル」は、省エネ法第86条の規定を実施するために告示された「住宅省エネラベル指針」に基づくものであり、住宅事業建築主は、「住宅事業建築主の判断の基準」に適合する住宅について、住宅本体への住宅省エネラベルの貼付けや刻印、広告やパンフレットへの住宅省エネラベルの印刷ができる。

72)

Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiencyの略。

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