平成26年版消費者白書

第2部 消費者政策の実施状況

第2章 地方公共団体、消費者団体等との連携・協働と消費者政策の実効性の確保・向上

第2節 消費者団体等との連携

( 1 ) 適格消費者団体の認定・監督

事業者の不当行為は、消費者契約法等の民事ルールのほか、特定商取引法や景品表示法等により規制されており、行政処分等が行われることもあります。このような場合、被害を受けた消費者は、消費者契約法等により個別的・事後的には救済されますが、同種の被害の広がりを防止することは困難です。このため、2007年6月から、消費者被害の未然防止・拡大防止を図るため、行政以外の枠組みとして「消費者団体訴訟制度」が導入されています。

本来、事業者の不当行為について訴訟を起こすことができるのは、直接その被害を受けている消費者に限られ、消費者団体等が事業者へ改善を求めても、法的裏付けがないため、実効性の面で限界がありました。消費者団体訴訟制度は、一定の要件58)の下で認定された消費者団体(適格消費者団体)に、事業者の不当行為をやめさせるように、差止請求を行う権利を認めています59)

行政による規制には一定の限界がある中、こうした適格消費者団体の取組は、行政を補完する役割として極めて重要です。消費者契約法の不当勧誘、不当条項に加えて、景品表示法の優良誤認表示、有利誤認表示や特定商取引法の不当勧誘や不当条項の一部についても、適格消費者団体による差止請求が認められています60)

また、2013年6月、食品表示法が成立(2013年6月28日公布)し、著しく事実に相違する食品表示が差止請求の対象とされ、公布から2年を超えない範囲内に施行されます(未施行)。

なお、適格消費者団体としては、2013年度末時点で、11団体を認定しており、制度施行以来差止請求訴訟は33件(うち2013年度は5件)提起されています。

消費者庁では、適格消費者団体の活動が適切に行われるよう監督するとともに、適格消費者団体が行う差止訴訟の判決内容等の情報を同庁ウェブサイトで公表しています。

適格消費者団体の名称 地域 地域認定日
特定非営利活動法人
 消費者機構日本
東京都 2007年8月23日
特定非営利活動法人
 消費者支援機構関西
大阪府 2007年8月23日
公益社団法人
 全国消費生活相談員協会
東京都 2007年11月9日
特定非営利活動法人
 京都消費者契約ネットワーク
京都府 2007年12月25日
特定非営利活動法人
 消費者ネット広島
広島県 2008年1月29日
特定非営利活動法人
 ひょうご消費者ネット
兵庫県 2008年5月28日
特定非営利活動法人
 埼玉消費者被害をなくす会
埼玉県 2009年3月5日
特定非営利活動法人
 消費者支援ネット北海道
北海道 2010年2月25日
特定非営利活動法人
 あいち消費者被害防止ネットワーク
愛知県 2010年4月14日
特定非営利活動法人
 大分県消費者問題ネットワーク
大分県 2012年2月28日
特定非営利活動法人
 消費者支援機構福岡
福岡県 2012年11月13日
(備考)
1 .消費者庁資料
2 .2014年3月31日時点で認定されている団体

( 2 ) 適格消費者団体に対する支援

消費者庁では、適格消費者団体に対する支援の一環として、認定NPO法人制度について周知を行ったほか、消費者団体訴訟制度や適格消費者団体の活動についての周知を行ってきています。

また、2013年度予算においては、適格消費者団体による差止請求の成果をまとめた「差止請求事例集」を作成し、同事例集を用いて北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、愛媛県及び福岡県にて差止請求事例集解説セミナーを開催しました。さらに、宮城県、神奈川県、石川県、兵庫県、愛媛県及び大分県にて消費者団体訴訟制度シンポジウムを開催するとともに、消費者団体訴訟制度等に関する問合せ窓口の設置を行いました。

このほか、適格消費者団体へのPIO-NET端末の設置に向けた検討を行っています。

( 3 ) 消費者団体等との連携

消費者行政の推進に当たっては、幅広い関係者に消費者庁の「サポーター」や「提案者」になってもらうことが重要です。特に、消費者団体は、消費生活の実態に即し、消費者の埋もれがちな声を集約し、具体的な意見にまとめて表明する団体であり、その継続的・持続的な活動は消費者行政の推進に当たり極めて重要です。

このため、消費者庁では、全国の消費者団体等と定期的に意見交換の場を設けており、2013年度は、仙台や札幌等での開催を含む7回の意見交換会を開催しました。あわせて、電子メールを用いた消費者団体等との意見交換システムを運用し61)、全国の消費者団体等との情報・意見交換を行っているほか、消費者団体等が開催するシンポジウム等に消費者庁幹部等を派遣し講演等を行うなど、消費者団体等の活動を支援しています。

また、地域における消費者問題解決力の向上を図る上で、行政と消費者団体を含む地域の多様な主体との連携が不可欠です。このため、地域の消費者団体等が交流する場として、全国8ブロックごとに「地方消費者グループ・フォーラム」を開催し、地域における消費者団体等の連携強化と活動の活性化を支援しています。

消費者庁が主催する2013年度消費者月間シンポジウム(2013年5月)では、地域の消費者団体の取組を全国的に共有し、地域の消費者問題解決力の一層の向上を図ることを目的に、各ブロックのグループ・フォーラム参加団体等から、活動報告がなされました。

さらに、地方消費者行政活性化基金を通じて、地域の多様な主体と連携した取組を支援するため、2013年度補正予算(一般会計)において15億円を措置するとともに、2014年度当初予算(一般会計)において30億円を措置しました。


58)

要件としては、例えば、①不特定多数の消費者の利益を守るための活動を主な目的としていること、②相当期間、継続的な活動実績があること、③特定非営利活動法人又は一般社団法人若しくは一般財団法人であること等がある。

59)

差止請求ができるのは、あくまで消費者契約法等に違反する行為(不当な勧誘、契約条項の使用)であり、事業者の業務自体の停止を求めることができるわけではない。

60)

景品表示法については2009年4月から、特定商取引法については2009年12月から消費者団体訴訟制度の対象となっている。さらに、2013年2月に特定商取引に関する法律の一部を改正する法律が施行されたことにより、差止請求の対象となる不当行為に係る類型として、訪問購入が追加された。

61)

「だんたい通信」の名称でVol.33まで配信済み。同通信では配信登録団体からの意見を随時受け付けている。

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