平成26年版消費者白書

第2部 消費者政策の実施状況

第1章 消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援

第2節 消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の確保

1 . 消費者取引の適正化を図るための施策

( 1 ) 特定商取引法等の執行等

消費者が商品を購入する際、通常は、店舗に出掛けて行って商品を見比べ、自分の必要とする品質・性能を持つかどうかや価格等を十分考慮します。一方、事業者からの電話で勧誘を受ける場合や、事業者が自宅に突然訪れて勧誘される場合もあります。このような場合、消費者にとってみれば、いわば「不意打ち」のような形となり、商品について冷静かつ十分に吟味する時間もなく、適切な判断ができないおそれがあります。

そこで、特定商取引法では、事業者と消費者との間でトラブルを生じやすい取引類型(①訪問販売、②通信販売、③電話勧誘販売に係る取引、④連鎖販売取引、⑤特定継続的役務提供に係る取引、⑥業務提供誘引販売取引、⑦訪問購入)について、購入者等(消費者)の利益を保護し、商品の流通や役務の提供を適正で円滑なものとするため、事業者が守るべきルール(行為規制)と、クーリング・オフ等の消費者を守る民事ルールを定めています。事業者に同法の規制に違反する行為が確認された場合には、業務停止命令等の行政処分が行われています。

あわせて、特定商取引法の執行を補完する取組として、通信販売については、通信販売業者に対して不適切な広告の改善を促すとともに、インターネット・サービス・プロバイダや金融庁等に対し、違法な電子メール広告等に関する情報を提供することにより、ウェブサイトの削除や口座凍結等を促しています。

特定商取引法の適用除外とされた法律の一つである電気通信事業法(昭和59年法律第86号)について、消費者委員会より「電気通信事業者の販売勧誘方法の改善に関する提言」(2012年12月)が出されたこと等を踏まえ、総務省において消費者保護ルールの見直し・充実について制度的な検討が進んでいます。また、消費者庁としても、特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律(平成20年法律第74号)の附則に基づき、特定商取引法の規定の施行の状況について、必要な検討を行っていく予定です。さらに、2014年3月6日には、国民生活センターにて電気通信事業サービスに関する消費者への注意喚起を行い、併せて電気通信事業法における電話勧誘販売、訪問販売について、特定商取引法と同レベルの消費者保護規定(契約時の書面交付義務、クーリング・オフ規定等)を導入すること等について総務省への提言を行いました。

このほか、消費者庁では、預託法及びその関連法令について、制度面、運用面の問題点を整理し、政省令等で速やかに対応可能なものについて検討を行いました。その結果を踏まえ、預託法施行令(昭和61年政令第340号)(2013年7月公布、9月施行)及び施行規則(昭和61年通商産業省令第75号)(2013年6月公布、7月施行)を改正しました。

( 2 ) 消費者契約の不当勧誘・不当条項規制の在り方の検討

民法は、私人間の対等な当事者関係を前提として、取引に関するルールを定めていますが、そもそも消費者と事業者の間には情報量や交渉力に格差があることから、その格差を前提とした上で消費者の利益の擁護を図るためのルールを定めた消費者契約法が、2001年4月に施行されました。

消費者契約法は、あらゆる取引分野の消費者契約(消費者と事業者の間で締結される契約(労働契約を除く。))に幅広く適用され、不当な勧誘行為があればその契約を取り消すことができるとともに、不当な契約条項については無効と定めています。

不当な勧誘行為には、消費者を誤認させるものと消費者を困惑させるものがあります。具体的には、消費者を誤認させるものとして、重要な項目について事実と違うことを言ったり26)(不実告知)、将来の変動が不確実なことを断定的に言ったり27)(断定的判断の提供)、利益になることだけ言って不利益になることを故意に言わない28)(不利益事実の不告知)ことが挙げられます。

また、消費者を困惑させるものとしては、帰ってほしいと言ったのに帰らない(不退去)、帰りたいと言ったのに帰してくれない(監禁)といったことが挙げられます。

さらに、無効となる不当な契約条項としては、事業者の損害賠償の責任を免除する条項や、消費者が支払うべき違約金等の額を過大に設定する条項、消費者の利益を一方的に害する条項が挙げられます。

消費者庁では、消費者契約に関する裁判例等の収集・分析や関係府省庁における消費者契約法や民法(債権関係)についての検討の場への参加・協力等を通じ、消費者契約の不当勧誘・不当条項規制の在り方についての検討を行ってきているところです。さらに、2014年3月からは、「消費者契約法の運用状況に関する検討会」を開催し、消費者契約法施行後の社会の変化(情報化、高齢化、国際化等)への対応、民法(債権関係)改正への対応及び消費者団体訴訟制度における差止請求の対象を検討するため、消費者契約法の運用状況を踏まえた立法事実の把握や論点の整理等を行っています。

このほか、消費者団体訴訟制度に関しては、2013年2月に特定商取引に関する法律の一部を改正する法律が施行されたことにより、差止請求の対象となる不当行為に係る類型として、訪問購入が追加されました。

また、2013年6月に成立・公布された食品表示法において、著しく事実に相違する食品表示が差止請求の対象とされています(消費者団体訴訟制度関係については、施策番号127番及び128番参照)。

( 3 ) 消費者の財産被害に係る隙間事案への対応

消費者安全法に消費者の財産被害に係る隙間事案への行政措置が導入(2013年4月1日施行)され、同法の厳正な執行に努めた結果、2013年度は7件の注意喚起及び2件の勧告を行いました。

( 4 ) 詐欺的商法等による消費者被害の取締り強化

ア. 生活経済事犯への取締り強化

利殖勧誘事犯及び特定商取引等事犯は、被害者に占める高齢者の割合が依然として高く、悪質業者が高齢者を狙っている状況がうかがわれます。警察では、これら国民の生活を脅かす悪質な生活経済事犯に重点を置いた取締りを推進しています。

生活経済事犯を行う者は、被害金の振込先として銀行口座を悪用するほか、被害者等を信用させるためにバーチャルオフィス・商業登記を悪用するなどの事例が認められます。さらに、法により契約締結時に義務付けられている本人確認を履行せずにサービスを提供する悪質な事業者等が存在する状況が認められます。

このような現状を踏まえ、被害回復を目的とした犯罪収益の保全のほか、被害拡大防止等に向け、口座凍結のための迅速かつ積極的な金融機関への情報提供、金融機関に対する凍結口座名義法人情報の提供、事業者に対する解約要請、悪質な事業者の検挙、犯行助長サービスの悪用実態の継続的な把握・分析等の犯行助長サービス対策を推進しています。

なお、生活経済事犯に利用された疑いがある口座として2013年中に警察が金融機関に情報提供し、凍結を求めた件数は、3万4,790件でした。

このほか、警察庁では、教養資料を発出するなどして、都道府県警察に対して取締要領等について指導するとともに、都道府県警察の捜査幹部や捜査員を招集した全国規模の研修を2回開催するなどして、捜査力向上を図っています。

イ. 融資保証金詐欺等への取締り強化

融資保証金詐欺や架空請求詐欺等について、都道府県警察では、現に犯行を繰り返す犯行グループに重点を指向し、部門横断的な集中取締体制の構築等により、検挙の徹底を図っています。また、警察庁では、集約した情報を都道府県警察に還元し、都道府県警察による戦略的な取締活動を推進するとともに、都道府県警察間の合同・共同捜査を積極的に推進しています。

2013年中に警察が検挙した融資保証金詐欺は、270件(検挙人員20人)、架空請求詐欺は、354件(検挙人員156人)でした。

架空・他人名義の携帯電話や預貯金口座等が、融資保証金詐欺や架空請求詐欺等に利用されていることから、警察では、これらの犯行ツールの流通を遮断し、犯行グループの手に渡らないようにするため、預貯金口座を売買するなどの、犯罪を助長する犯罪についても取締りに当たっています。また、犯行に利用された携帯電話の携帯電話事業者に対する契約者確認の求め、金融機関に対する振込先指定口座の凍結依頼等による犯行ツールの無力化を実施しています。

2013年中に警察が検挙した融資保証金詐欺や架空請求詐欺等を助長する犯罪は、金融機関から通帳・キャッシュカードをだまし取る詐欺及びだまし取られた通帳等であることを知りながら譲り受ける盗品譲受け等は2,031件(検挙人員1,115人)、正当な理由なく有償で通帳等を譲り渡すなどした犯罪収益移転防止法(平成19年法律第22号)違反は1,729件(検挙人員1,200人)、携帯電話販売店から携帯電話端末をだまし取る詐欺は432件(検挙人員275人)、自己が契約者となっていない携帯電話端末を他人に譲り渡すなどした携帯電話不正利用防止法(平成17年法律第31号)違反は85件(検挙人員57人)でした。

ウ. 詐欺的商法による新たな消費者被害への対応

未公開株や社債の勧誘等、新たな手口による詐欺的商法に関する勧誘を巡るトラブルが増加したことから、2010年1月に、消費者庁、警察庁、金融庁等の関係省庁からなる「新たな手口による詐欺的商法に関する対策チーム」を設置し、被害の発生・拡大防止に向けた対策を検討しました。そして、「情報集約から取締までを一貫的かつ迅速に行う体制の構築」、「注意喚起、普及啓発の強化」、「被害の抑止・回復の迅速化に向けた制度の運用・整備のあり方の検討」を盛り込んだ対応策を取りまとめ、関係省庁が連携し、以下のとおり取り組んでいます。

①情報集約・共有

2011年6月に、警察庁、金融庁、消費者庁等の関係府省庁からなる消費生活侵害事犯対策ワーキングチームにおいて、「消費生活侵害事犯の被害が疑われる相談情報の警察への提供について」を申し合わせ、関係府省庁等、地方公共団体、警察間で互いに関係情報を共有するなど連携を深めています。

警察庁では、金融庁や消費者庁等の行政機関から利殖勧誘事犯被害が疑われる相談情報の提供を受け、当該情報を関係都道府県警察に提供し、犯罪利用口座凍結及び被疑者検挙に活用しています。

金融庁、証券取引等監視委員会では、同庁、同委員会、国民生活センター及び日本証券業協会コールセンターに寄せられた無登録業者等の情報を収集・分析し、無登録業者の調査等に活用しています。

②業者への対応

消費者庁では、既存の法令で対応困難な財産被害事案について、事業者に対する措置等を設けることにより、被害の発生・拡大を防止することを目的として消費者安全法を改正し29)、同法第40条第4項の規定に基づき、消費者に対して不当な勧誘行為等を行った事業者に対して当該行為の取りやめ等を内容とする勧告を2件実施しました(2013年度)。

警察では、詐欺的商法による新たな消費者被害の事案に対する取締りを重点的に行い、未公開株取引や社債取引等をめぐる事件で被疑者を検挙しています。

また、この種の事犯等を行う者は、被害金の受渡しに銀行口座や私設私書箱を利用するほか、被害者等を信用させるためにバーチャルオフィス・商業登記を利用するなどの状況が認められることから、利用されたサービスの実態把握、口座凍結のための迅速かつ積極的な金融機関への情報提供、金融機関に対する凍結口座名義法人情報の提供、宅配便事業者に対する被害金送付先リストの提供及び公表、事業者に対する解約要請等を推進しています。

さらに、この種の事案等に利用される携帯電話や預貯金口座の不正な流通を防止するため取締りを推進し、口座詐欺・盗品等譲受け、携帯電話端末詐欺、犯罪収益移転防止法違反及び携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律違反を検挙しています。

また、金融庁では、無登録で金融商品取引業を行っていた者152者、虚偽告知や顧客資産の流用等の法令違反等が認められた適格機関投資家等特例業務届出者29者及び無届けで有価証券の募集を行っていた者1者に対して、警告書を発出しました。あわせて、金融庁と証券取引等監視委員会は、これらの業者等について、社名等を公表しました(2013年度)。

このほか、証券取引等監視委員会では、無登録業者及び悪質なファンド業者(適格機関投資家等特例業務届出者)による金融商品取引法違反行為に係る裁判所への禁止命令等の申立て(2件)を実施しました(2013年度)。

③注意喚起・普及啓発

消費者庁、警察庁及び金融庁では内閣府と連携して、政府広報による注意喚起や地方公共団体・関係機関等の協力を得た普及啓発活動を展開しています。2013年度には、金融庁では内閣府と連携して「公的機関の職員を装った投資勧誘等に関する注意喚起」と題した政府広報(ラジオ番組等)を通じて、様々な手口による詐欺的商法への注意を呼び掛けました。

また、近年、高齢者を狙った消費者トラブルが増加していることを受け、消費者庁、警察庁及び金融庁は内閣府と連携して、2012年度に引き続き、2013年9月から政府広報(テレビCM、新聞広告、インターネット、ポスター「おしだそう!高齢者詐欺!」等)を通じて被害の未然防止に向けた啓発と相談窓口の周知に取り組みました。

政府広報による活動のほか、既存の法令で対応困難な財産被害事案について、事業者に対する措置等を設けることにより、被害の発生・拡大を防止することを目的として消費者安全法が改正され、消費者庁は同法に基づき、未公開株等の取引を利用した事案について注意喚起(いずれも事業者名公表)を5件実施しました。

また、高齢消費者を悪質な電話勧誘から守るため、岩手県、千葉県及び大分県の市町村(5地域)で、①高齢者522世帯に定期的に電話を架けて問合せや注意喚起を行うことを内容とする電話による見守りを行うとともに、①その内238世帯で通話を録音するなどして被害の抑止を図るモデル事業を実施しました。

このほか、地方公共団体等が主体的に行う施策の成果も含め、合計20事例を分析・検証して、全国で同様の取組の改善・高度化を促すため、地方公共団体向けの手引を作成しました。

金融庁では、投資詐欺を始めとする振り込め詐欺等の被害を水際で防止する観点から、2013年10月、詐欺的投資勧誘の主な事例等を記載したリーフレット「これは投資詐欺の可能性!」を作成し、金融機関に対し、同リーフレットの活用や、店頭での預貯金の引出しや振込手続等の際に、職員から高齢者等への声掛けを積極的に行うことなどを要請しました。

また、金融商品以外の様々な投資商品についてトラブルが発生していることを踏まえ、2013年8月、同庁ウェブサイトにおいて、カンボジアの「マンションの所有権」や「農地の権利」、「エネルギー資源」などへの投資について注意喚起を行いました。

④制度の運用・整備の在り方の検討

金融商品取引法(昭和23年法律第25号)上の無登録業者が非上場の株券等の売付け等を行った場合には、その売買契約を原則として無効とするルールの創設、無登録業者による広告・勧誘行為の禁止、無登録業者に対する罰則の引上げ等を盛り込んだ改正金融商品取引法が施行されています(罰則引上げは2011年6月、その他の項目は同年11月)。

また、適格機関投資家等特例業務30)の要件を充足しないファンドを運営するような悪質な業者自体を排除すべく、届出記載事項の追加等の法令改正による規制強化を行い、併せて「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」の一部改正により、届出受理時のチェック項目の追加等の監督上の着眼点を整備し、2012年4月から施行されました。

問題となったファンド業者(第二種金融商品取引業者及び適格機関投資家等特例業務届出者)の事案も踏まえ、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号)の改正を行い、ファンド業者が契約の締結等に当たって虚偽告知を行った場合を、犯則調査の対象に追加しました(2014年1月24日公布、同月27日施行)。また、クラウドファンディングの制度整備に際して、投資者保護のためのルールを盛り込んだ金融商品取引法等改正法案を国会に提出し、2014年5月23日に成立ました。

このほか、既存の法令で対応困難な財産被害事案について、事業者に対する措置等を設けることにより、被害の発生・拡大を防止することを目的とする消費者安全法の一部を改正する法律(平成24年法律第77号)が2012年8月に成立し、2013年4月1日から施行されました。

消費者庁では、改正消費者安全法に基づき、地方公共団体が消費者安全法の運用に参加する働きかけとして、消費者の財産被害に係る事態が発生した場合に地方公共団体の長等が行うこととすることができる事務について地方公共団体に同意を求め、地方公共団体の長が行うこととする事務の範囲等を定める告示の改正31)を行いました。これにより、消費者の財産被害に係る事態が発生した場合に改正消費者安全法に基づく立入調査等の事務を行うことについて同意した地方公共団体は延べ1都2府29県11政令市となっています。

エ. CO 排出権取引への投資に係る諸問題への対応

CO2 排出権取引に関する相談の多くは、CFD32)(差金決済)取引の複雑な仕組みやリスクを十分に理解できないまま、必ずもうかる、元本を保証する、環境問題に貢献できるなどといった勧誘により契約してしまい、多額の損失を被ったというものです。

2011年1月頃から相談が寄せられ始め、現在は月に数十件の相談を受けるまでに急増しています。この状況を受け、国民生活センターは、同年9月に相談事例を踏まえた手口公表を行いました。政府広報では、2012年10月に引き続き、2013年9月に高齢者のトラブルを未然に防止するための広報を実施し、消費生活に潜む危険の手口の一つとして紹介しています。

また、CFD取引に係るサービスの提供等、CO 排出権の取引の形態によっては、特定商取引法の規制対象となる場合があり、消費者庁では2012年6月に同法違反で取引業者を行政処分するなど、適切な法執行を行っています。

さらに、消費者庁、金融庁、経済産業省、環境省の4省庁では、CO 排出権に関係する制度や消費者からの相談の実態、類似の取引に対する規制の状況等について情報・意見を交換する場を設けて、この問題に対して連携して取り組んでいます。

2013年3月には、警察庁を含む5省庁でリーフレットを作成し、被害の多い高齢者を中心とした一般消費者に向けた意識啓発を行いました。

しかし、全国の消費生活センター等に寄せられる相談件数は、2010年度には57件であったものが、2011年度には652件、2012年度には809件と急増し、2013年度には709件と前年度よりやや減少したものの、依然として多数に上っています。このことから、引き続き、様々な方法で消費者に意識啓発を継続するとともに、CO 排出権取引に関係する制度や消費者被害の実態等を踏まえ、効果的な対策を検討しています。

( 5 )金融分野の取引の適正化

ア. クレジット取引等への対応

①改正割賦販売法の適切な運用

クレジット業者等信用購入あっせん業者の過剰な信用供与による多重債務者発生を未然に防止する観点から、2008年に割賦販売法(昭和36年法律第159号)を改正し、クレジットカード発行に係る審査等に際して、申込者が支払可能であると見込まれる金額について算定し、それに応じて信用供与することとする規制を導入しました。

割賦販売法の規制を事業者が遵守しているかなどを立入検査により確認するため、経済産業省は2013年度に「信用購入あっせん業者等に対する立入検査に係る基本方針(2013年6月28日)」を策定しており、当該基本方針において、上記規制を遵守するための体制整備について重点的に検証することを明記しています。

②加盟店情報交換制度の強化

クレジット取引における悪質な加盟店による消費者被害を防止するため、割賦販売法に基づく認定割賦販売協会が実施する加盟店情報交換制度において、消費者からの申出に基づく登録制度を新設し、消費者保護の更なる向上を図りました。

③携帯電話機の分割払いトラブルのモニタリング

スマートフォン等の高額な携帯電話機の分割払いによるトラブルが多く見られるようになったことに伴い、2012年度は政府広報による注意喚起を実施したところであり、2013年度もトラブル件数の増減やその内容について、継続的なモニタリングを実施しています。

イ. 多重債務問題解決のための取組

消費者金融市場が拡大する中で、返済能力を超えるような過剰な貸付けが行われるようになりました。その結果、返済のために別の業者から更に借り入れて借金が増え続けたり、借金苦を理由とした自殺者が出たりするなど社会問題としての多重債務問題が深刻化しました。

これを背景とし、「貸し手」に対する所要の規制強化を図るため、いわゆる「総量規制」と「上限金利引下げ」をポイントとする改正貸金業法が2006年12月に成立し、2010年6月18日に完全施行されました。同改正法の成立を機に、「借り手」に対する総合的な対策を講じるため、政府は、関係大臣からなる「多重債務者対策本部」を設置しました。同本部の下で、2007年に「多重債務問題改善プログラム」33)を取りまとめ、関係府省が一体となって、多重債務者向け相談体制の整備・強化を始めとする関連施策に取り組んでいます。

多重債務者からの相談については、各地方公共団体の多重債務相談窓口、消費生活センターや各地方財務局、関係団体等が受け付けています。

消費者庁では、「地方消費者行政活性化基金」を通じ、弁護士や金融機関等の専門家を講師とした多重債務問題研修の実施等、地方公共団体等が行う多重債務者対策の取組を支援しています。また、国民生活センターでは、消費生活相談員等を対象とした多重債務関連講座を開講し、その能力向上を図っています。さらに、金融庁及び消費者庁は、相談員向けの「多重債務者相談の手引き」を作成の上、全国の地方公共団体等に配布するとともに、相談員等を対象とする研修を実施しています。

なお、ヤミ金34)の取締りの強化については、ヤミ金融事犯利用口座凍結のための金融機関への情報提供、ヤミ金業者に対する電話警告、携帯電話不正利用防止法に基づく契約者確認の求め等やインターネット上の無登録貸金業広告の削除要請を行っています。このほか、2012年度から2013年度にかけて、ヤミ金業者が質屋営業を装い、担保価値の無い物品を質入れさせた上で、実質的に年金等を担保にして金銭の貸付けを行い、高額な金利等の支払を求める事案(いわゆる「偽装質屋」)に関する相談が寄せられたことを受け、消費者庁及び国民生活センターでは消費者に向けて偽装質屋を利用しないよう注意喚起を行いました(2013年6月3日)。

【上記取組の実績】

  • 地方公共団体等の多重債務相談窓口の設置状況:財務局、都道府県では全て設置済み、市区町村では1,711市区町村(全体の約98%)で設置済み。
  • 2013年中におけるヤミ金融事犯の検挙事件数及び検挙人員:341事件、523人(前年比+16事件、+53人)
  • 2013年中のヤミ金融事犯利用口座凍結のための金融機関への情報提供件数:30,954件(前年比+7,168件、+30.1%)
  • 2013年中の携帯音声通信事業者への契約者確認の求めを行う旨の報告を受けた件数:6,414件(出資法又は貸金業法に基づくもので、警察庁が都道府県警察(生活安全部門)から報告を受けた件数)
  • 2013年中のインターネット上のヤミ金融事犯広告の削除要請件数:1,657件(前年比+1,238件)

ウ. 商品先物取引法の適正な執行

経済産業省と農林水産省では、2013年度も引き続き、商品先物取引法(昭和25年法律第239号)35)に基づく立入検査及び監督を実施したほか、犯罪収益移転防止法に基づく立入検査及び監督を実施しました。その結果、商品先物取引に関する苦情や相談の件数は減少傾向にあります。

【商品先物取引に関する苦情受付件数】

     2009年度 191件
     2010年度 133件
     2011年度  73件
     2012年度  78件
     2013年度  73件
     (※)経済産業省・農林水産省の合算

また、商品先物取引に関する委託者等の実態調査を行い、国内商品先物取引(通常取引、損失限定取引)、外国商品先物取引及び店頭商品デリバティブ取引に関する実態を把握したところであり、当該調査の結果は、引き続き商品先物取引に関する制度立案や運用のための基礎資料として活用しています。

エ. 金融商品取引法の厳正な運用

① AIJ事案を踏まえた資産運用規制の見直し

AIJ事案を踏まえ、厚生年金基金が特定投資家(いわゆる「プロ」)になるための要件の限定や不正行為に対する牽制の強化等の資産運用規制の見直しを盛り込んだ「金融商品取引法等の一部を改正する法律」(2013年6月19日公布)の整備を行いました。また、同法の施行に伴い、関係政令・内閣府令の整備を行いました(政令(20日後施行部分):2013年7月3日公布・同年7月9日施行、政令(1年以内施行部分):2014年1月24日公布、2014年4月1日施行、府令(1年以内施行部分):2014年2月14日公布・同年4月1日施行)。

②行政処分の実施状況について

2013年度、投資者保護等の観点から重大な問題が認められた金融商品取引業者等17者に対し、行政処分を行い、公表しました。

そのうち、第二種金融商品取引業者(以下「二種業者」という。)に対しては6者に行政処分(登録取消等)を行いました。

③二種業者に対する規制の見直し

2013年4月に行政処分を行った二種業者(MRI INTERNATIONAL, INC.)の事案も踏まえ、行政対応の充実等に資するため、以下の対応を行いました。

  • 政令の改正を行い、契約の締結等に当たって虚偽告知を行った場合を犯則調査の対象に追加(2014年1月24日公布、同年1月27日施行)。
  • 内閣府令の改正を行い、契約締結前交付書面の記載事項の充実及び当局に提出される事業報告書の改善(2014年2月14日公布、同年4月1日施行)。
  • 第186回国会に以下の規制を盛り込んだ金融商品取引法の改正案を提出し、2014年5月23日に成立。
    • i) 二種業者が、ファンドに出資された 金銭が目的外に流用されていることを知りながら、その募集の取扱いを行うこと等の禁止。
    • ii) 二種業者について、国内拠点の設置等を義務付け など。
  • 二種業者に対する検査・監督を強化するため、2014年度機構定員の増員を要求し、監督部門、検査部門それぞれにおいて、所要の増員措置。

④ 証券会社等における高齢顧客に対する適切な勧誘・販売態勢の確保について

2013年10月、日本証券業協会において、高齢顧客に対する金融商品の適切な勧誘・販売態勢を確保するために自主規制規則を改正しました。これを受け、2013年12月16日に金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針の改正を行い、監督上の留意事項を示しました。

オ. 消費者信用分野における諸問題への対応

改正貸金業法の施行状況については、同法の完全施行(2010年6月)に際し、金融庁、消費者庁及び法務省において、施行後の状況をフォローするため、関係者ヒアリング等を実施した結果、特定の制度の見直しが必要となるような実態は把握されないとの結論を得ました。

また、近年では、貸金業者から5件以上の無担保無保証借入れの残高がある人数が大きく減少していること(2007年3月:171万人→2014年3月:17万人36)や、多重債務を理由とする自殺者数も減少していること(2007年:1,973人(全自殺者数3万3,093人)→2013年:688人(全自殺者数2万7,283人)37)、金融庁・財務局等・日本貸金業協会における貸金に関する1日当たりの相談・苦情件数が減少してきていること(2010年6月:304件→2014年2月199件)等を踏まえれば、改正貸金業法が多重債務者対策の上で相応の効果があったものと見られます。

そのほか、クレジット取引における悪質な加盟店による消費者被害を防止するため、割賦販売法に基づく認定割賦販売協会が実施する加盟店情報交換制度において、消費者からの申出に基づく登録制度を新設し、消費者保護の更なる向上を図りました。(第2部第1章第2節(5)ア「クレジット取引等への対応」を参照)

カ. 金融機関における犯罪の未然防止、拡大防止、被害回復

預金口座を利用した悪質な事例が大きな社会問題となっていることを踏まえ、金融庁では、預金口座の不正利用に関する情報について、情報入手先から同意を得ている場合には、明らかに信ぴょう性を欠くと認められる場合を除き、当該口座が開設されている金融機関及び警察当局への情報提供を速やかに実施することとしており、その情報提供件数等については、四半期ごとにウェブサイトにおいて公表しています(2013年度においては、2013年4月、7月、10月、2014年1月に公表)。

振り込め詐欺等の被害者に対する返金率の向上については、「振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム」の最終取りまとめ(「預保納付金の具体的使途について」)において、引き続き、振り込め詐欺救済法に定める返金制度の周知徹底を図ることとされました。2012年に引き続き、返金率の向上に向けた取組の一環として、①2013年8月から2014年3月31日までの間、返金制度に係るインターネット広告を掲載し、広く一般国民に向けて周知、②2013年11月、視覚障害者向け音声広報CDによる政府広報を実施しました。また、2013年5月、公的機関を装い、振り込め詐欺救済法に基づく被害回復制度をうたった不当な勧誘を行う者の存在が確認されたことから、金融庁及び預金保険機構のウェブサイト上において、不当な勧誘に関する注意喚起を実施しました。

なお、返金率は、2012年度が78.4%、2013年度が78.3%となっており、法施行当初(2008年度:55.8 %、2009年度:43.4%)と比較すると、被害者救済はより一層進んでいるものと考えられます。

振り込め詐欺救済法に基づく預保納付金を用いた犯罪被害者等支援事業(犯罪被害者等の子供に対する奨学金貸与事業、犯罪被害者等支援団体に対する団体助成事業)は、公益財団法人日本財団を当該事業の担い手として決定し、2012年12月18日より開始されました。

2013年8月から2014年3月31日までの間、犯罪被害者等支援事業に係るインターネット広告を掲載し、広く一般国民に向けた周知を実施しました。

2012年10月、金融機関から「スキミング38)等により不正に入手したカード情報から偽造キャッシュカードを作製し、他人の預貯金を引き出す手口の犯罪が増加している」との情報が警察に寄せられました。それらの被害の多くで特定の企業が発行する磁気ストライプカードが悪用されていることが判明し、また、それらのカードは誰もが自由に、かつ、大量に入手できる方法で配布されていたため、警察では、同企業を始めとした関係団体に対して配布方法の見直し等を要請しました。

また、被害状況から暗証番号設定式の貴重品ボックスを設置するゴルフ場等でのスキミングがうかがえたことから、同年12月、関係団体に対して、ゴルフ場における不審者に対する声掛け、受付時の利用客に対する貴重品ボックス利用時の注意喚起(キャッシュカードの暗証番号とは違う番号の設定)等の防犯対策の強化を要請しました。

さらに、銀行ATMのカード挿入口に取り付けられたスキマーや防犯カメラを偽装した暗証番号盗撮用の小型カメラによってカード利用に関する情報を不正に入手する事案が発生したことから、金融機関に対して、ATMコーナーにおける警戒の強化、利用者に対する注意喚起の徹底、ICキャッシュカードの更なる普及促進等について要請しました。

金融庁では、同庁ウェブサイトにて、キャッシュカード利用者に対する注意喚起を継続的に実施しているほか、2013年5月、8月、11月、2014年2月には偽造キャッシュカード等による被害発生状況及び金融機関による補償状況について公表しました。

それとともに、2013年7月、2012年度の偽造キャッシュカード問題等に対する対応状況について、アンケート調査を実施し、取りまとめの上、公表しました。当該調査によると、ICキャッシュカードを導入した金融機関の割合が増加するなど、金融機関による情報セキュリティ向上への取組が着実に実施されています。

加えて、2013事務年度の監督方針に、偽造キャッシュカード等への対応など、金融機能の不正利用の防止を重点事項として明記し、検証しました。

振り込め詐欺を始めとする特殊詐欺の被害者の多くは高齢者であり、また、被害金の多くはATMや金融機関の窓口を利用して出金又は送金されているのが実態です。これらを踏まえ、警察では、被害を未然に防止するため、金融機関に対し、窓口職員等による高齢者を中心とした顧客に対する声掛けの徹底を要請しています。同時に、「金融機関職員による声掛けは、警察の要請に基づき実施している」旨を記載した説明文書や声掛け用のチェックリストの金融機関への提供、金融機関と連携した声掛け訓練等を行っており、その結果、声掛けによる特殊詐欺被害の阻止率は年々上昇しています。

さらに、特殊詐欺による被害額を最小限に抑えるため、2011年3月、警察庁から全国銀行協会に、2013年1月には全国信用金庫協会に対し、それぞれの協会加盟金融機関における1日当たりATM利用限度額の初期設定を引き下げるよう要請し、これまでに多くの金融機関でATMの利用限度額が引き下げられています。

このほか、金融庁では、2013事務年度の監督方針に、振り込め詐欺等への対応など、金融機能の不正利用の防止を重点事項として明記し、金融機関における不正利用口座の利用停止等の対応状況を検証しました。また、2014年2月、警察庁や全国銀行協会と連携し、振り込め詐欺等の未然防止を図るリーフレット「『家族の絆』で振り込め詐欺を予防!」を作成し、金融庁ウェブサイトに掲載することにより、振り込め詐欺等が身近な危険であることを家族間で共有・注意喚起を行うよう振り込め詐欺等の未然防止のための協力依頼を行いました。加えて、上記活動の一環として、関係団体に対して、会員企業等の職員への周知を依頼しました。

( 6 )住宅分野の取引の適正化

ア. 賃貸住宅の賃借人の居住の安定

昨今、賃貸住宅への入居に当たり、従来の連帯保証人に代わるものとして、家賃債務保証業者による機関保証の役割・必要性が増しています。そのため、国土交通省では、家賃債務保証をめぐる消費者相談等の状況を踏まえ、家賃債務保証会社を利用する賃借人及び賃貸人の基本的属性、家賃債務保証会社の利用状況、家賃債務保証業に関する消費者相談内容等について、賃借人、賃貸人それぞれに対して、アンケート等による調査を行うなど、家賃債務保証の実態を把握し、家賃債務保証業者の適正な運営の確保や賃借人の居住の安定を図るための必要な諸施策の検討を行っています。

また、民間賃貸住宅をめぐるトラブルの未然防止のため、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」及び「賃貸住宅標準契約書」の取りまとめを行い、ウェブサイトに掲載等するとともに、賃貸住宅の入退去に係る留意点をインターネットテレビにより注意喚起を行っています。

イ. 既存住宅流通やリフォーム工事に係る悪質事案の被害防止

国土交通省では、既存住宅流通やリフォーム工事に係る悪質事案の被害防止の観点から、以下のような取組を行っています。

「住まいるダイヤル」(公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター)において、リフォーム工事の内容や価格、事業者に確認すべき点等に関する相談を含めた住宅に関する電話相談業務、リフォーム工事の見積書についての相談を行う「リフォーム無料見積チェックサービス」を実施しています。また、各地の弁護士会における「専門家相談制度」等の取組を進めています。さらに、住まいるダイヤルのウェブサイトにおいて、住まいるダイヤルや専門家相談制度で受け付けた住宅に関する悪質事案を含む代表的な相談内容と相談結果を公表しました。

他方、消費者が安心してリフォームができるよう施工中の検査と欠陥への保証がセットになったリフォーム瑕疵かし保険や、大規模修繕工事瑕疵保険、消費者が安心して中古住宅の取得ができるよう検査と欠陥への保証がセットになった既存住宅売買瑕疵保険等において、引き続き、これらの保険を利用する事業者に住宅瑕疵担保責任保険法人への登録を求める制度を実施し、各保険法人はウェブサイトで各登録事業者を公開しています。

なお、登録事業者は一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会のウェブサイトでも公開され、消費者は事業者選びの参考とすることができます。

また、リフォーム支援制度を紹介したガイドブックや住まいるダイヤルが作成する各種パンフレット等で、住まいるダイヤルや、リフォーム瑕疵保険の有用性等について消費者に周知しました。

さらに、中央建設業審議会39)が作成・勧告している戸建て住宅等の比較的規模の小さな民間工事を想定した標準的な約款(民間建設工事標準請負契約約款(乙))について、利用促進のため周知に努めています。また、見積書の交付を促進し、リフォーム工事等において見積書が手元にないことによる契約後のトラブルを防止するため、建設業者が注文者から求められた場合の見積書の「提示義務」を「交付義務」とすること等を内容とする「建設業法等の一部を改正する法律案」を2014年3月に国会に提出し、同年5月29日に成立しました。

このほか、国土交通省では、事業計画の認可等を通じて住宅瑕疵担保責任保険法人が行う完成保証の適正な運用について必要な助言を行いました。

( 7 ) 有料老人ホーム等に係る契約等の適正化

入居一時金の償却についての透明性を高める観点から、厚生労働省では、事業者団体や消費者関係団体、地方公共団体、国土交通省と連携して、有料老人ホーム等の高齢者向け住まいへの入居を考えている消費者向けに「-高齢者向け住まいを選ぶ前に-消費者向けガイドブック」を作成し(2012年度)、入居者が支払う金額や契約が終了した場合に返還される金額について、消費者向けに分かりやすい説明を行うことを念頭に、モデルケースを設定し、グラフや表を用いて説明を行っています。

また、消費者向けの説明資料としての活用を促進するため、地方公共団体や事業者への送付やウェブサイトでの公開を行うなど、周知に努めています。

なお、2013年度の老人保健健康増進等事業において2012年度の法改正以降における入居一時金についての実態調査を行い、実態の把握に努めています。

( 8 ) 警備業法の運用の適正化

警備業は、施設警備、雑踏警備、交通誘導警備、現金輸送警備、ボディーガード等の種々の形態を有しており、ホームセキュリティ等の需要も拡大するなど、国民生活に幅広くサービスを提供しています。また、空港や原子力発電所のようなテロの標的とされやすい施設での警備も担っています。こうした警備業が果たす役割を踏まえ、警察では、警備業法(昭和47年法律第117号)に基づき、警備業者に対する指導監督を行い、警備業務の実施の適正と警備業の健全な育成を図っています。

警備業に対する社会的な需要が拡大する中で、警備業務の内容や契約の対価、解除等の条件に関する説明がなかったなど、契約時における警備業者の説明が不十分であることに起因する苦情が数多く発生したため、2004年の警備業法の改正で書面の交付に関する規定(第19条)が新設されました。これにより、警備業者は依頼者に対し、契約の成立前に書面を交付して重要事項を説明しなければならず、また、後日の紛争を防ぐため、契約締結後に契約内容を記載した書面を交付しなければならないこととされ、警備業務の依頼者の保護が図られました。

各都道府県警察は、警備業法第19条の規定に基づく契約内容の書面交付が確実に実施され、警備業務の依頼者の保護が図られるよう、各種講習会や定期立入検査など、様々な機会を捉えて警備業者に対する指導を行い、さらには、違反業者に対して行政処分を実施するなど、警備業者に対する指導監督を継続的に実施しています。

( 9 ) 探偵業法の運用の適正化

探偵業は、個人情報に密接に関わる業務でありながら、何らの法的規制もなされず、調査の対象者の秘密を利用した恐喝事件、違法な手段による調査、料金トラブル等の問題が指摘されていました。

このような状況に鑑み、2006年6月、第164回国会において、探偵業の業務の運営の適正を図り、もって個人の権利利益の保護に資することを目的とし、探偵業を営もうとする者の都道府県公安委員会への届出制、探偵業者の遵守事項、探偵業者に対する監督等について定めることを内容する探偵業の業務の適正化に関する法律(平成18年法律第60号)(以下「探偵業法」という。)が制定され、2007年6月に施行されました。

これにより、探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、依頼者に対し、重要事項について書面を交付して説明しなければならず、また、依頼者と探偵業務を行う契約を締結したときは、遅滞なく、重要事項について契約の内容を明らかにする書面を依頼者に交付しなければならないこととされ、探偵業務の依頼者の保護が図られました。

各都道府県警察は、探偵業法第8条の規定に基づく契約内容の書面交付が確実に実施され、探偵業務の依頼者の保護が図られるよう、各種講習会や立入検査など、様々な機会を捉えて探偵業者に対する指導を行い、さらには、違反業者に対して行政処分を実施するなど、探偵業者に対する指導監督を継続的に実施しています。


26)

例えば、中古車を販売する際に事故車であることを隠して「事故歴なし」と言うなど。

27)

例えば、市場で変動するにもかかわらず「将来値上がり確実」と言うなど。

28)

例えば、宅地を販売する際に、半年後に隣にマンションが建つことで日当たりが悪くなることを知っていて「日当たり良好」と勧誘するなど。

29)

消費者安全法の一部を改正する法律(平成24年法律第77号)により、消費者安全調査委員会の設置と重大な財産被害に対する措置等の規定が加わり、前者は2012年10月に施行、後者は2013年4月に施行された。

30)

通常、ファンド業務(ファンドの運用や販売勧誘)を行う場合には、金融商品取引法の厳格な登録が必要だが、一定の要件を満たすことにより、簡易な届出のみで、ファンド業務を行うことができる。

31)

2013年4月1日官報公示、同日施行及び2014年2月17日官報公示、2014年4月1日施行

32)

Contract For Difference の略。差金決済取引とは、現物の受け渡しをせず、売買の利益や損失のみを決済する取引。市場価格を指標に、証券会社など取扱業者と顧客が相対取引を行い、買った時の価格より高く売れば差金をもらい、低く売れば差金を支払う。

33)

同プログラムでは、「相談窓口の整備・強化」、「セーフティネット貸付の提供」、「金融経済教育の強化」、「ヤミ金の取締り強化」の4つの柱に沿って、取り組むべき施策等がまとめられている。

34)

出資法違反(高金利等)、貸金業法違反及び貸金業に関連した詐欺、恐喝、暴行等に係る事犯。

35)

「使いやすい」「透明な」「トラブルのない」商品先物市場を実現するため、商品取引所法が改正され、名称も商品先物取引法に変更された(2009年7月10日公布、2011年1月1日完全施行)。消費者の保護を図るため、取引所取引に加え取引所外取引や海外商品先物取引について参入規制(許可制)を導入した。また、勧誘を要請しない一般顧客への訪問・電話による勧誘(不招請勧誘)の原則禁止等についての規定を導入し、行為規制を強化した。

36)

出典:株式会社日本信用情報機構

37)

出典:警察庁統計

38)

真正なカードのデータを、スキマー(磁気情報読取装置)を用いて読み取る行為。

39)

建設業法、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年法律第127号)等に基づき、経営事項審査の項目と基準(建設業法第27条の23)や、建設工事の標準請負契約約款(建設業法第34条)等の事項について審議を行っている。

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