平成26年版消費者白書

コラム1

メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について

2013年秋以降、ホテルや百貨店、レストラン等が提供するメニュー・料理等の食品表示について、実際に使われていた食材と異なる表示が行われていた事例が相次ぎ、消費者の安全・安心が揺るがされました。

消費者庁としては、この事態を深刻に受け止め、消費者の不安をできる限り速やかに払拭することにより、自主的かつ合理的に商品・役務を選択できるという消費者の利益を確保する必要があると考え、メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方を整理し、事業者の予見可能性を高めること等を目的としまして、2013年12月19日に原案をパブリックコメントの手続に付した上(意見提出の締切日は2014年1月27日)、2014年3月28日に、「メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について」(以下「本考え方」という。)を策定し公表しました。

http://www.caa.go.jp/representation/pdf/140328premiums_5.pdf[PDF:375 KB]

1  本考え方の概要

景品表示法は、一定の事項の表示を義務付ける法律ではなく、表示から受ける一般消費者の印象・認識を基準として、一般消費者の自主的・合理的な選択を阻害するおそれのある表示を不当な表示として禁止している法律です。

また、景品表示法に違反するかどうかは、メニュー等における料理名だけでなく、そのほかの文言、写真等表示媒体としてのメニュー等全体から一般消費者が受ける印象・認識を基準に判断します。この場合、その料理等が提供される飲食店等の種類や料理等の価格の高低等の事情も考慮して、一般消費者がどのような印象・認識を抱く かを個別事案ごとに判断することとなります。

したがって、事前に、どのような表示をすべきか、又はどのような表示をしてはいけないかを具体的・網羅的に明らかとすることはできませんが、本考え方のQ&Aでは、今般のメニュー・料理等の食品表示の件で問題となった事例を中心に取り上げ、ある特定の表示ごとに、分かりやすさの観点から景品表示法上問題となり得るかを端 的に回答しています。

2  Q&Aの代表例

Q-2

飲食店において、牛の成形肉(※)を焼いた料理のことを「ビーフステーキ」、「ステーキ」と表示してもよいでしょうか。
※…牛の生肉、脂身、内臓等に酵素添加物や植物たん白等を加えるなどして人工的に結着し、形状を整えたもの。結着肉、圧着肉ともいわれる。

A 問題となります。

〈説明〉

料理名として「ビーフステーキ」、「ステーキ」と表示した場合、この表示に接した一般消費者は、牛の生肉の切り身を焼いた料理と認識すると考えられます。

このため、牛の成形肉を焼いた料理について、「ビーフステーキ」、「ステーキ」と表示することは、一般消費者を誤認させるおそれがあるものといえます。

したがって、実際には、牛の成形肉を使用しているにもかかわらず、あたかも、牛の生肉の切り身を焼いた料理であるかのように示す表示は、景品表示法上問題となります。

なお、この場合には、あわせて、例えば、「成形肉使用」、「圧着肉を使用したものです。」等と料理名の近傍又は同一視野内に明瞭に記載するなど、この料理の食材が成形肉ではない牛の生肉の切り身であると一般消費者に誤認されないような表示にする必要があります。

Q-8

飲食店で提供する料理の材料としてブラックタイガーを使用していますが、クルマエビを使用している旨をメニュー等に表示しても景品表示法上問題ありませんか。

A 問題となります。

〈説明〉

ブラックタイガーとクルマエビとは異なる魚介類であり、ブラックタイガーとクルマエビが同じものであるとは一般消費者に認識されていないと考えられますので、クルマエビではないブラックタイガーを料理の材料として使用しているにもかかわらず、クルマエビを使用している旨をメニュー等に表示することは、実際のものと異なるものを表示していることになります。したがって、このような表示は、景品表示法上問題となります。

Q-15

飲食店で提供する料理の材料としてサーモントラウトを使用していますが、キングサーモンを使用している旨をメニュー等に表示しても景品表示法上問題ありませんか。

A 問題となります。

〈説明〉

キングサーモンとサーモントラウトとは異なる魚介類であり、キングサーモンとサーモントラウトが同じものであるとは一般消費者に認識されていないと考えられますので、キングサーモンではないサーモントラウトを料理の材料として使用しているにもかかわらず、キングサーモンを使用している旨をメニュー等に表示することは、実際のものと異なるものを表示していることになります。したがって、このような表示は、景品表示法上問題となります。

一方、一般的な料理の名称として確立しているものであって、かつ、その食材がその料理に現に広く使われていることが社会的に定着している場合など、一般消費者が、その料理等の選択において、それらの食材の違いに通常影響されないと認められる場合には、その料理等の名称を単に表示するだけで直ちに景品表示法上問題となるものではありません。

したがって、一般的な料理の名称として確立している「サケ弁当」、「サケおにぎり」、「サケ茶漬け」の材料として、一般に「さけ」、「サーモン」として販売されているものを使用している場合には、単に「サケ弁当」、「サケおにぎり」、「サケ茶漬け」と表示することで、直ちに景品表示法上問題となるものではありません。

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