平成26年版消費者白書

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第3章 消費者を取り巻く社会経済情勢と消費者行動・意識

第1節 消費者を取り巻く社会経済情勢組

●社会経済活動の中で大きなウエイトを占める消費活動

社会経済活動の中で、消費活動は非常に大きなウエイトを占めています。消費者が支出する消費額の総額は、2013年現在約286兆円で、経済全体(国内総生産(GDP)=約478兆円)の約6割を占めています(図表3-1-1)

これを諸外国と比較すると、先進国では概して消費者が支出する消費額の総額が経済全体の5割を超えており、我が国においても約6割となっています(図表3-1-2)。消費者の消費活動は、我が国の社会経済全体に大きな影響を及ぼすことになります。したがって、経済の持続的な発展のためには、消費者が安心して消費活動を営める市場を構築することが重要です。

●家計の消費支出構造の変化:モノからサービスへ

総務省「家計調査」により、1世帯当たりの消費支出構造の長期的な変化を見ると、1970年に3割弱だったサービスへの支出は、2013年には4割を超えるなど、モノへの支出からサービスへの支出へシフトしています。

具体的な支出の内訳について、1970年と2013年を比較すると、サービスへの支出では、通信サービス、教養娯楽サービス、自動車関係サービスの割合が大きく増加しており、商品への支出では、自動車関係の割合が増加しています。一方、食料、被服及び履物の割合は大きく減少しています78)(図表3-1-3)

家計の支出構造の変化は、高齢化の進展、インターネット・携帯電話の普及を始めとする高度情報化の進展、国際化の進展等、経済社会の様々な変化によるライフスタイルの多様化を反映したものと考えられます。

●世帯構造の変化:単身世帯が増加傾向

家族類型別に世帯数の割合の推移を見ると、単独世帯の割合が1980年の19.8%から2010年には32.4%に増加しており、さらに、2035年には37.2%まで増加することが見込まれています(図表3-1-4)。高齢者や若者など、一人暮らしの世帯が増えることで、周囲の目から隔離されて、消費者トラブルに巻き込まれやすくなる、また、トラブルに巻き込まれた際に誰にも相談できずに一人で抱え込むといった問題が大きくなっているものと考えられます。

●高齢化の進展:高齢化率は上昇傾向

日本の年齢別の人口構成の長期的な推移を見ると、1960年には5.7%だった高齢化率79)は2013年には25.1%となっており、2060年には39.9%まで上昇すると見込まれるなど、高齢化が着実に進展しています(図表3-1-5)。消費生活を送る上で、商品・サービスに起因する事故や悪質事業者による不当な契約など、様々な消費者トラブルが発生していますが、特に高齢者の場合は、様々な身体能力の低下や判断力の衰えにより、消費者トラブルに巻き込まれるリスクが高まると考えられます。

●国際化の進展:輸入品や海外直接購入の増加

国際化の進展に伴い、食料品、衣料品、電気製品等の様々な商品が我が国に輸入されて流通することで、私たちは日常生活においても数多くの外国産の商品に囲まれて生活しています。我が国の消費財の輸入額推移を見ると、1980年には約5兆円でしたが、2012年には約15兆円まで増加しています80)(図表3-1-6)。また、近年では、先述した情報化の進展とも相まって、インターネット等を通じて消費者が自ら海外から直接購入することが容易になっており、消費者の行動は今や国内にとどまらず、消費生活においても国際化が進展していると言えます。

図表3-1-1 GDPの約6 割を占める家計消費

図表3-1-2 先進国では消費支出は経済全体の5 割超

図表3-1-3 家計の消費支出はモノからサービスへシフト

図表3-1-4 単独世帯の割合が年々増加している

図表3-1-5 着実に進展する人口の高齢化

図表3-1-6 消費生活の国際化が進んでいる


78)

長期時系列データが取れる二人以上の世帯(農林漁家世帯を除く。)の場合。

79)

全人口に占める65歳以上人口の割合。

80)

この間、我が国の名目GDPは約2倍に増加している。

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