平成26年版消費者白書

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第2章 【特集2】情報通信の発達と消費者問題 ~ネット社会に消費者はどう向き合うか~

第3節 安全で快適なネット社会の構築に向けた取組

( 2 )情報通信分野における消費者教育

情報通信分野での消費者トラブルに対処するためには、消費者それぞれが知識や技術を身に付け、トラブルを未然に防ぐことが肝要であり、そのためには消費者教育の充実を図る必要があります。消費者教育推進法に基づき2013年6月に策定された「消費者教育の推進に関する基本的な方針」では、「特に、若年層には、急速に普及した携帯電話、スマートフォン等の情報通信機器等や、インターネットの利用による契約トラブルも増加している。また、成年年齢の引下げに向けた検討が進められている。このような消費者被害等の状況や、成年年齢の引下げに向けた環境整備の観点等から、高等学校段階までに、契約に関する基本的な考え方や契約に伴う責任、消費者市民社会の形成に参画することの重要性などについて理解させ、社会において消費者として主体的に判断し責任を持って行動できるような能力を育む。」とされており、若年層におけるICT利用に伴う契約等に関する教育の重要性が指摘されています。

また、文部科学省の調査によると、いじめの態様のうち「パソコンや携帯電話等でひぼう中傷や嫌なことをされる」ものは、国公私立小・中・高・特別支援学校において2012年度に7,855件(2011年度より4,863件増加)発生しており69)、いわゆるネットいじめが近年問題視されています。また、ブログやSNS等への書き込みに対する炎上、SNS上のなりすましやアカウントの乗っ取り等、成人に見られたトラブルがインターネット利用の低年齢化に伴い子ども・青少年にも見られるようになり、未成熟である子ども・青少年がこうしたトラブルに巻き込まれることによる影響の大きさが懸念されています。そのため、サービス提供事業者や行政による対応の必要性に加え、家庭・学校におけるリテラシー教育の必要性を感じる意識も強くなっています。これに関し、消費者庁が行った意識調査によれば、子ども・青少年のインターネット利用に関して、「保護者と子ども・青少年の間で何らかの利用ルールを定めるべきである」、「事業者が商品・サービスの利用に何らかの制限を設ける必要がある」と考える方が多く、回答者の年齢が高いほどその傾向が強くなっています(図表2-3-1)

青少年のICTリテラシー向上の観点からは、関係府省庁では、2014年の春に、多くの青少年が初めてスマートフォン等を手にする、卒業・進学・新入学の時期に特に重点を置き、関係事業者等と協力して「春のあんしんネット・新学期一斉行動」として集中的に普及啓発の取組を実施しました。

また、総務省では、インターネット通販等の注意点等、消費者トラブルへの対処を含む子どもによるICTメディアの健全な利用を促進するため、2010年度までに開発したICTメディアリテラシー教育のための指導マニュアルや教材からなる「ICTメディアリテラシー育成プログラム」を公開しています。また、保護者や教員からのアンケート、ヒアリングを通じて得たトラブル事例をまとめた「インターネットトラブル事例集」を2009年度から毎年作成しています。加えて、青少年のインターネットリテラシーを可視化するための指標策定やソーシャルメディアガイドラインの普及促進に取り組んでおり、また、地方の各総合通信局が地域の核としてコーディネーター役等を務め、関係者を巻き込んだリテラシー向上の枠組み整備とそれを活用した周知啓発活動を推進しています。

さらに、消費者庁では、「消費者教育ポータルサイト」中で「情報の収集・処理・発信能力」「情報社会のルールや情報モラルの理解」「消費生活情報に対する批判的思考力」の分野ごとに、幼児期から成年期までのライフステージ別に消費者教育に役立つ教材を紹介しています。

図表2-3-1 子ども・青少年のネット利用に関して、保護者との間にルールが必要との意識が高い


69)

文部科学省「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(2012年度)。

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