平成26年版消費者白書

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第1章 【特集1】食をめぐる消費者問題 ~食への信頼の回復と安心の確保に向けて~

はじめに

我々が人間として生きていくのに、「食」は欠かすことができないものです。

近年、生活水準の向上により、我々は質、量共に豊かな食生活を送ることができるようになりました。

また、社会環境や家族構成、ライフスタイル等の変化に伴い、消費者の「食」に対する関心は多様化していますし、安全・安心な「食」を求める消費者の意識も高まっています。

食品関連産業も消費者の要望に応えるべく、様々な商品の供給を行っています。今や小売店の店頭には毎月のように新商品が並び、消費者は、「簡単・便利」、「安全」、「健康」等様々な観点から開発された食品を利用しています。

消費者の「食」への関心の高さは、消費生活相談件数にも現れています。

全国の消費生活センターや消費生活相談窓口(以下「消費生活センター等」という。)では、消費者からの消費生活に関する相談を受け付けており、寄せられた苦情に関する消費生活相談情報はPIO-NETに登録されます。

全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活相談件数は2004年度から減少傾向にありましたが、このうち「食料品」に関する消費生活相談件数は増加傾向にあり、2013年度は2010年度の約2倍となっています(図表1-1-1)

これまでも食に関する消費者問題はたびたび発生してきましたが(図表1-1-2)、2013年度においても、食の安全・安心を脅かすような事案が続けて発生しています。

2013年度には、大手ホテルチェーンやレストラン、百貨店等において、メニュー表示と異なる食材が使われていた事例が次々と明らかになりました。また、工場従業員により冷凍食品へ意図的に農薬が混入される事案も発生し、大規模な製品回収が実施されました。これらの事案により、消費者の「食」に対する信頼は大きく揺らぐこととなりました。

また、2011年3月の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故は、放射性物質による食品の汚染を引き起こし、消費者に食品と放射性物質に関する不安をもたらしました。最近では、生産者等の懸命の取組により、食品中の放射性物質は大きく低減してきており、放射性物質の検査を経て安全を確認した食品が流通する仕組みも整えられています。

こうした取組により、被災地産の食品に対する風評は減少傾向にあるものの、現在も残っていると考えられます。

このほか、豊かな食生活の裏側で、家庭から多くの食品廃棄物が発生しています。この中には、まだ食べられるのに捨てられる食品、いわゆる「食品ロス」が含まれており、日本で1年間に発生する食品ロスの量は、米の国内生産量に匹敵すると試算されています。

上記のような背景の下、今回の消費者白書では、特集1として「食をめぐる消費者問題」を取り上げ、食品をめぐる最近の話題を中心に紹介しています。

図表1-1-1 「食料品」に関する消費生活相談件数は増加傾向

図表1-1-2 2000年以降の食品をめぐる主な消費者問題

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