平成26年版消費者白書

コラム14

ベトナムにおける「消費者保護行政強化プロジェクト」への協力

ベトナムでは、近年の急速な経済発展に伴い、偽装表示や悪質商法による被害が顕在化してきたことから、諸外国からの協力を得つつ、消費者保護法制が整備されてきました。しかしながら、消費者行政部門における人員不足や法執行についての経験不足により、消費者行政が十分機能していないため、ベトナム政府から日本政府に対し、消費者保護のための執行力強化への協力が要請されました。

この要請に応え、消費者庁は、国民生活センターと協力し、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する2010年6月から2012年5月までの2年間の「消費者保護行政能力強化プロジェクト」に、ベトナムからの研修生の受入れや、ベトナムにおける研修への講師派遣という形で協力を行いました。2012年度までに、延べ40名の研修生を受け入れるとともに、現地で約230名の政府職員等に研修を行いました。

このプロジェクトの成果として、ベトナムでは、2011年7月から、訪問販売や通信販売、特定継続的役務取引に関する規制のほか、リコール制度や個人情報保護等を含む消費者権利保護法が施行され、消費生活相談窓口が開設されました。しかし、執行能力は依然として不十分であり、消費生活相談を集約して消費者行政に反映させる仕組みも確立されていないこと等から、同プロジェクト終了後もベトナム政府から引き続き消費者保護行政強化への協力が求められ、消費者庁及び国民生活センターは同プロジェクトのフォローアップに協力していました。

2013年12月、懸案となっていた日本からの長期専門家派遣の見通しが立ったことを契機に、更なる執行力強化の支援のための「消費者保護行政強化プロジェクト」が新たに立ち上がりました。

2014年2月、消費者庁、国民生活センター及びJICAの担当者がベトナムに赴き、プロジェクトの具体的な支援内容をベトナム政府と協議しました。ベトナムの消費者行政を所管するベトナム競争庁との協議では、日本の消費生活センター等で相談員が使用する消費生活相談カードや、消費者庁の執行担当者が法執行の参考にする逐条解説といった執行のためのツール作りを消費者庁及び国民生活センターの協力の下で行っていくこと、また、ベトナム競争庁とベトナムの中核的な消費者団体であるVINASTAS(Vietnam Standard and Consumers Association)の連携の下、消費者行政の一環としての商品テストの導入を目指すことが合意されました。現地で意見交換を行った日系企業も、担当官によって運用が異なるベトナム行政に対して予見可能性を確保するための解釈の統一を求めており、また、VINASTASとの意見交換でも、相談カードのフォーマットを全国で統一することや、商品テストの実施に関するベトナム競争庁との連携について前向きな意見を聴くことができました。

3月には再度担当者間で、2月の協議を踏まえて、プロジェクト全体のスケジュールなど支援の基本的な枠組みについての協議がベトナムで行われ、これまでの協議について、協議議事録が作成され、JICAとベトナム競争庁との間で署名されました。今後、両者間での正式な合意文書の締結を経て、このプロジェクトは2014年夏頃から、3年間に渡って実施される予定です。

日本企業も多く進出しているベトナムは、今後は消費市場としても期待されており、消費者保護行政の強化への支援を通じて、ベトナム消費市場の健全な発展を促すことは、ベトナムの消費者の利益のためのみならず、進出している日本企業の活動にも資するものと考えられます。

また、アジアの他国でも経済の急速な発展に伴い、消費者被害が増えることが予想されることから、相互依存関係が深まるアジア地域における消費者政策の実効性を挙げていくために、他国の消費者政策の実効性確保に向けて日本が協力を強化することが求められています。

日本政府は世界の開発途上国に対して幅広い国際協力を行っているところであり、消費者庁としても、引き続き、各国の消費市場の健全な発展のための可能な限りの国際協力を行ってまいります。


   ベトナム競争庁との協議の模様 協議議事録への署名の模様
  
  

ベトナム競争庁との協議の模様

協議議事録への署名の模様

  

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