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生鮮食品品質表示基準改正(畜産物の原産地表示)に関するQ&A

平成21年8月一部改正

1 全般

2 基本的な考え方と表示方法

3 銘柄畜産物等の産地名表示

1 全般

問1-1 畜産物の原産地表示について、現在の考え方とそれに至る改正の経緯を教えてください。
  1. 生鮮食品の原産地表示については、生産実態の違いを考慮して、農産物、畜産物及び水産物に分けてその表示方法が定められています。生鮮食品の原産地は、原則として農畜水産物が生産(採取及び採補を含む。)された場所となっていますが、畜水産物については、と畜等を経て製品となる前に、生きたまま産地を移動し複数の産地で飼養(又は育成)された場合、最も飼養(又は育成)期間の長い場所(以下「主たる飼養地」という。)を原産地として表示することがJAS法における原産地表示の基本的考え方です。
  2. しかしながら、畜産物については、平成16年9月14日に施行された生鮮食品品質表示基準の改正(平成17年10月1日以前は経過措置期間)の前は、外国から生きたまま輸入した場合に、輸入をした日から牛は3ヶ月、豚は2ヶ月、牛又は豚以外の家畜は1ヶ月を超える期間飼養した後に、と畜して生産したものは国産品として扱うこと(いわゆる「3ヶ月ルール」)が例外的に定められていました。この点については、上記の基本的考え方と不整合である、牛について「3ヶ月」とする合理的根拠が乏しいなどの指摘がなされていたところです。
  3. また、地名を含む銘柄を冠した畜産物については、銘柄名に国内の地名を含んでいることをもって原産地表示を省略できることとしていましたが、「主たる飼養地が属する都道府県」と「銘柄の地名が属する都道府県」とが異なる場合においても原産地表示を省略できることとなっており、その場合、銘柄の地名を原産地であると誤認するおそれがあるとの指摘を受けていました。
  4. このため、平成16年9月、
    1. 「3ヶ月ルール」の規定を削除し、JAS法における原産地表示の基本的考え方に合わせる。
    2. 銘柄に記載された地名が属する都道府県と主たる飼養地が属する都道府県とが異なる場合にあっては、産地銘柄名のほか、主たる飼養地が属する都道府県名(市町村名その他一般に知られた地名でも可)を表示する。
    の2点について改正を行いました。
問1-2 国産畜産物の原産地の具体的な表示方法を教えて下さい。
  1. 国産品にあっては、「国産」である旨を表示することとなります。また、主たる飼養地が属する都道府県名、市町村名その他一般に知られている地名を原産地として表示することができます。この場合、「国産」である旨の表示を省略することができます。
    都道府県等の国産より狭い範囲の地名を表示する場合は、別途「国産」という表示がされているかどうかに関わらず、都道府県等の地名により原産地表示を行ったこととなりますので、表示した地名ごとの製品管理に十分留意して表示する必要があります。
  2. なお、地名を冠した銘柄名の表示については、「3 銘柄畜産物等の産地名表示」として考え方がまとめてありますので、これに従い適正に表示して下さい。

2 基本的な考え方と表示方法

問2-1 畜産物の「国産品」、「輸入品」とはどのようなものを指すのですか。
  1. 畜産物の「国産品」とは、国内における飼養期間が外国における飼養期間(2以上の外国において飼養された場合には、それぞれの国における飼養期間)よりも長い家畜を国内でと畜して生産されたものを指します。
    • 問2-1 国産品の例
    一方、「輸入品」とは、「国産品」以外のものであり、具体的にはある外国における飼養期間が日本を含めた他国におけるそれぞれの飼養期間よりも長い家畜から生産されたものを指します。
    • 問2-1 輸入品(X国産)の例
  2. したがって、国内で3ヶ月以上飼養した場合においても、日本での飼養期間が他の国と比べて最長でない場合は「輸入品」となり、飼養期間が最長である国名を原産国名として表示する必要があります。
問2-2 畜産物の原産地についてどのように表示すればいいのですか。
  1. 「国産品」にあっては国産である旨を、「輸入品」にあっては原産国名をそれぞれ表示することとなります。ただし、国産品にあっては主たる飼養地が属する都道府県名、市町村名その他一般に知られている地名を表示することができます。
  2. この場合、国産である旨の記載を省略することができますが、例えば「国産○○県」、「国産○○県△△市」のように併記することもできます。この場合は、最も狭い範囲の地名が原産地となります。
    なお、原産地として市町村名を表示する場合、その市町村名が一般に理解されると考えられる地域であれば、都道府県名の省略が可能です。
  3. また、例えばプライスラベルには「国産」と記載し、さらに国産との記載とは別の箇所に都道府県名、市町村名等を記載する、シールを用意して貼り付ける、ポップ表示を行うなどした場合もこれら都道府県名等の記載が原産地の表示となりますので、主たる飼養地を誤認させないように、また、消費者にわかりやすい場所に貼り付けるなど留意して下さい。
問2-3 X国で12ヶ月飼養した牛を生体輸入し、A県で8ヶ月、B県で10ヶ月それぞれ飼養した後と畜して生産した牛肉について、
① 「国産」と表示することはできますか。
② 県名まで表示する場合、「B県産」と表示できますか。
  1. 生体で輸入される畜産物についての原産地表示に当たっては、まず、国レベルで飼養期間を比較し、国産品であるか、輸入品であるかを確認します。問の場合、下記の図のとおり国内>X国であるため「国産品」となり、「国産」表示が可能です。
    • 問2-3(step 1)国レベルで飼養期間を比較
  2. また、「国産品」については、最も長く飼養した県名、市町村名その他一般に知られている地名を表示することが可能です。問の場合、B県での飼養期間が国内で最長となるため、「国産」表示に代えて「B県産」と表示することが可能です。
    • 問2-3(step 2)都道府県レベルで飼養期間を比較
  3. したがって、この問の場合は、
    1. 国内(8ヶ月+10ヶ月)>X国(12ヶ月)・・・「国産」表示
    2. 国内で飼養期間が最長の県=B県・・・「B県産」表示
    のいずれかが可能となります。
問2-4 「一般に知られている地名」として「九州産」、「四国産」等と表示することはできますか。
  1. 「一般に知られている地名」とは、生鮮食品品質表示基準Q&A内に記述のあるとおりです。つまり、都道府県を越える地域名は「九州産」、「四国産」等、地域名の範囲が明確である場合に「国産」表示に代えて表示することが可能です。
  2. 畜産物に「一般に知られている地名」を原産地として表示する際には、表示する地域での飼養期間が国内の他の地域での飼養期間よりも長いことが必要です。なお、飼養期間の比較は、一般的に同レベルと思われる地域同士(九州と四国、信州とA県等)で行って下さい。
問2-5 X国で12ヶ月、A県で6ヶ月飼養した家畜を国内でと畜して生産した畜産物に、「○○(X国産)」表示に加えて、「A県で飼養した旨」を表示することは可能ですか。

原産地が「X国産」である旨明確に認識され、全体として消費者に誤認を与えないような表示を行っていれば、国内の飼養地を任意で表示することは差し支えありません。以下の表示例を参考にして下さい。
【表示例】
X国で12ヶ月、A県で6ヶ月飼養した食用の馬を国内でと畜して生産した馬刺

  • 問2-5 馬刺の表示例
  • なお、上記のような表示を行うに当たっては、
    1. JAS法上の原産地(この場合はX国)が明確に表示されるとともに、
    2. 全体として消費者に誤認を与えないような表示になっていること
    が必要です。
問2-6 生体輸入した家畜から生産した畜産物に原産地表示をする際に、国内と外国の飼養期間の比較はどのような方法で行うことが望ましいのですか。
  1. 生体輸入した家畜から生産した畜産物の原産地表示に際しては、国内と外国の飼養期間を比較することが不可欠です。これらの原産地表示の根拠となる情報については、電話等による聞き取り情報のみではなく、何らかの根拠書類を表示義務者が所持していることが必要です。
  2. 根拠書類としては、例えば、家畜伝染病予防法に基づき動物検疫所が発行する輸入検疫証明書の写しなどが考えられます。当該証明書は輸入業者に交付されることとなっていることから、生体輸入した家畜を購入する肥育農家等は輸入業者から証明書の写しを入手するなど、適切な表示のための情報収集に努めて下さい。
  3. これ以外の方法により飼養期間の比較を行った場合においても、第三者が原産地を確認できるように、表示義務者においては、何らかの根拠書類を所持しておくことが必要です。

3 銘柄畜産物等の産地名表示

問3-1 国産の食肉の原産地表示について、例えば、松阪牛、神戸牛等地名を冠した銘柄名(ブランド名)が表示してある場合には、原産地名の記載を省略することはできますか。
  1. 地名を含む銘柄等は、銘柄等に含まれる地名に代表される地域銘柄等を管理する組織が形成され、規約等の消費者に示すことができる取り決めがあること、一定の地域で生産され一定の品質を表すものとして担保されていること等一般に認知されて成立しているものと考えられます。
  2. 一方、地名を冠した銘柄等を記載した畜産物について、単に銘柄名のみの表示では、JAS法上の原産地である「主たる飼養地」を表しているとは限らないことから、「銘柄等に含まれる地名」と「主たる飼養地」の関係を以下のとおり整理します。
  3. 「主たる飼養地が属する都道府県」と「銘柄等に含まれる地名が属する都道府県」とが異なっている場合については、その畜産物の原産地が「銘柄等に含まれる地名」であるとの誤認を消費者に与えるおそれがあることから、主たる飼養地が属する都道府県名、市町村名その他一般に知られている地名を原産地として表示することが必要です。
  4. また、原産地名の記載を省略することが可能であるのは、「主たる飼養地」と「銘柄等に含まれる地名」が同一である場合に限られます。
    したがって、この問の場合についても、
    • 「主たる飼養地」(JAS法上の原産地)=「銘柄等に含まれる地名」の場合
      → 原産地名の省略が可能
    • 「主たる飼養地」(JAS法上の原産地)≠「銘柄等に含まれる地名」の場合
      → 原産地名の表示が必要(○○牛(△△県産)等と表示しなければならない)
    となります。
  5. なお、都道府県内に所在する市町村名、その他一般に知られている地名を冠した銘柄については、当該地名を代表させて銘柄名としている場合など、当該地名の地理上の範囲より広い範囲で生産されているケースがあります(例えば、○○県の××(××は市町村名)の周辺市町村も含めて(又は○○県一円で)「××牛」のブランドが成立している場合など)が、このような場合には、特に、銘柄の規約等により生産される範囲をきちんと定めておく必要があります。
問3-2 A県a市で8ヶ月、A県b市で10ヶ月間肥育した後、B県c市で12ヶ月飼養した牛から製造される牛肉を「☆☆牛」(☆☆=B県に属する地名)として出荷する場合、原産地についてどのように表示すればいいのですか。
問3-2
  1. 地名を冠した銘柄畜産物の原産地表示については、「主たる飼養地が属する都道府県」と「銘柄の地名が属する都道府県」が異なる場合には、「主たる飼養地が属する都道府県名、市町村名その他一般に知られている地名」の表示が必要となります。また、「銘柄の地名」と「主たる飼養地」とが異なる場合には、原産地名の記載を省略することはできません。
  2. この問の場合、市町村レベルで見ると、「B県c市>A県b市>A県a市」となり、B県c市が主たる飼養地となります。したがって、「c市の属する県=銘柄名☆☆の属する県」となるので、「銘柄の地名」が市町村レベルの場合には、主たる「飼養地が属する都道府県名、市町村名その他一般に知られている地名」を原産地として表示する必要はありません。また、「銘柄の地名」の区域内に「主たる飼養地」がある場合には、原産地名を省略し「☆☆牛」とのみ表示することが可能です。
    (もちろん、主たる飼養地であるB県c市を明示し、「☆☆牛(B県c市産)」と表示することも可能です。)
  3. なお、都道府県レベルで見ると「A県(a市+b市)>B県」となり、「A県≠銘柄名☆☆の属する都道府県」となるため、「銘柄の地名」が都道府県レベルの場合には、「☆☆牛(A県産)」と表示する必要があります。
  4. 上記のとおり、「銘柄の地名」が都道府県レベルの場合と市町村レベルの場合で主たる飼養地の表示方法が異なる場合があります。
  5. 以下に参考として、銘柄畜産物の表示の実例を示します。
    • 問3-2 「☆☆(A県に属する地名)牛」における表示の実例
問3-3 銘柄鶏は多くの場合、食鳥処理場が隣県又は数県にまたがる範囲の生産農場と統一した飼育条件で契約して生産していますが、このような場合にも銘柄名の属する都道府県と生産農場の属する県名が異なっていれば、生産農場の属する都道府県名を表示しなくてはならないのですか。
  1. このような場合においても、銘柄名の属する都道府県と生産農場の属する県名が異なっていれば、生産農場の属する都道府県名等を原産地として表示することが必要です。また、銘柄名に含まれる地名と主たる飼養地とが異なる場合には、原産地名の記載を省略することはできません。
  2. したがって、食鳥処理場においては食鳥及び食肉を生産農場ごとに管理し、適切に原産地表示ができるようにして下さい。
  3. なお、地名を含む品種名を冠した銘柄鶏について、当該地名が原産地を表すと一般に考えられていない場合については、国産品であれば国産である旨、輸入品であれば原産国名を原産地として表示する必要があります。さらに、このような場合であって、銘柄名の属する都道府県と主たる飼養地の属する都道府県が同じである場合には、主たる飼養地が属する都道府県名を表示する必要はありません。

担当:食品表示企画課