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記者会見要旨
(平成29年4月24日(月)15:55~16:19 於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

宇賀委員長

本日の調査委員会では、ライターを使用後、衣服の胸ポケットに入れていたところ、衣服が燃えて火傷を負い、病院で死亡したという申出を端緒として情報収集した結果を取りまとめたレポートの審議を行いました。
当該申出に係る情報収集を行ったところ、既に原因が究明されていることや、注意喚起もなされていることが分かりました。しかしながら、調査委員会では、重大な事故であること、事故が継続的に発生していること、火が消えたと思ってライターをポケット等にしまうという、誰もが行い得る使用方法によって事故が発生しているといった点を重視いたしまして、情報収集を進めました。
その結果、このような事故の再発防止のためには、事業者及び消費者が、異物がライター本体に入りにくく、着火口が塞がれているスライド式ライターが残り火対策として有効であることを知ること。また、消費者が残り火があり得ることを知り、残り火がないことを確認することが重要であるとの結論に至りましたので、このような情報収集の結果をレポートとして取りまとめ、公表するとともに、消費者庁及び経済産業省に対して情報提供することといたしました。
そのほか、本日は、体育館の床板の剝離による負傷事故事案の報告書につきまして、事務局から説明を受けまして、意見の内容を中心に、報告書の公表に向けた詰めの議論を行いました。
また、家庭用コージェネレーションシステム事案につきましては、事務局から音の測定や体感との対応関係の調査につきまして報告を受けました。
続きまして、部会の動きにつきましては、持丸委員長代理から説明していただきます。

持丸委員長代理

まず、製品等事故調査部会です。
本日の委員会の議事と同様、家庭用コージェネレーションシステムの事案並びにきょう公表します、ライターの残り火のレポートについて審議を行いました。
私が部会長を務める「サービス等事故調査部会」のほうでも、本日の議事と同様に、体育館の床板の剝離による負傷事故事案について審議をいたしました。
それぞれの部会において、本日のライターと同様の、レポートと呼んでおりますが、この短い案件を1件ずつ議論しておりまして、部会の意見がまとまり次第、委員会で審議して、手早く公表ということを考えております。
私の方からは以上です。

2.質疑応答

NHKの阿部です。お願いいたします。
今、委員長が冒頭でおっしゃった、ライターのレポートを出される理由ですけれども、同じ理由で調査の対象にしてもいいのかなと思ったのですが、調査の対象ではなくて、あくまでこういう事故情報の提供だったというのはどういう理由からなのでしょうか。
宇賀委員長

本件の事故につきましては、既にNITEによって調査・原因究明がなされておりまして、明らかになっていたことから、調査委員会として原因を究明するための調査を改めて行う余地は少ないと考え、不選定といたしました。
しかしながら、本件は事故の原因が明らかになっていたとしても、重大な事故であるために、これまでに収集した情報をまとめて、何らかの形で公表すべきとの意見があり、レポートの形でまとめて公表するに至りました。

2年ぐらい前、消費者庁からも注意喚起が出されていると思うのですけれども、それでも事故は減っていないというのは、注意喚起とか情報の提供ということでは何が足りなくて、今回はそれを踏まえてどういうあり方をしたのかというのはいかがでしょうか。
宇賀委員長

この安全調査委員会のレポートでは、これまでの事故を踏まえた留意点を取りまとめていただきましたから、消費者庁の方でも、従来の広報に加えてさらに具体的に注意喚起をしていくということを考えているところであります。

持丸委員長代理

持丸ですが、ちょっと私から個人的意見を述べさせていただきます。
レポートにしたのは、やはり原因に関してできるだけわかりやすく伝えることと、単に注意喚起というだけではなくて、正確に意見というわけではないのですが、省庁などにも明確にこういう方法で業界も考えていってほしい、ユーザーの方々にも、こういう選択肢があるので、こういうものをぜひ考えていってほしいということを明確に伝えていく。
調査対象にしなかったのは、先ほど委員長が申し上げたとおりで、調査対象になると長くなると皆さんからよく御指摘を受けておりますが、そういう意味では、もう原因も究明されているので、迅速にこの結果を出したい。そういう意図だと理解しています。

毎日新聞のジョウと申します。
関連するかもしれないのですけれども、その経産省と消費者庁に情報提供という表現なのですが、私は日が浅くて、言葉の使い方の問題かと思うのですけれども、つまり、理解としては、スライド式を利用することをこれから呼びかけていくということも含めて、経産省に促すという表現でもよろしいのでしょうか。
事務局

促すというか、情報提供したので、消費者庁と経済産業省はそれぞれ必要な対応をとっていただくことを考えております。

素人で申し訳ないですけれども、言葉の使い方としてランクというのはあるのですか。情報提供と、提言するという場合もあると思うのですけれども、それとはまた違うということでしょうか。
事務局

安全委員会としては「意見」と言うことができます。

では、これは意見ということでいいのですか。
事務局

意見ではないです。

意見ではないというのはどういう理由なのですか。
事務局

それが今申し上げた、原因究明をして、その再発防止策を意見するということはありますが、こちらは既に原因究明がなされていたので、そういう意味ではなくて、ただ、重大な事故でしたので、先ほどの委員長の発言とかぶりますけれども、そういうことです。

ただ、その表現として、事故調査委員会として、経済産業省を通じて業者側に、スライド式を広く利用することが望ましいと呼びかけるよう促すみたいな形でも、理解としてはよろしいのでしょうか
事務局

やり方としていろいろなことがあると思うので、そこまでは言っていないですね。それも一つかとは思いますが。

持丸委員長代理

レポートという形と報告書の形は我々としては違うものとして出しておりまして、早く出せるということと、原因がほぼ完全に究明できている。そのときに、立て付けとしてこの中では今「意見」というのを使っておりません。ですから、それよりはもう少し迅速かつ、若干軽微な印象はあるかもしれませんけれども、ただ関連する省庁に対して情報提供してアクションをぜひ考えてほしいということを申し上げるということであります。
もちろん、その中のあり得るアクションとして、業界に対してこういうものの有効性を広く伝達していくことはあり得るでしょう。今、ライターは並行で、チャイルドレジスタンスというものの話も進んでいたりしますので、そのあたりと連動して、何らかのアクションをとってくださることもあり得ることかもしれないです。

共同通信の平田です。
2015年に消費者庁がやった注意喚起のときは、たしか同じような集め方で事故情報が22件ぐらいだったと思うのですけれども、この6ページ目を見ると「67件あり」とあって、その他は傷病の程度が不明となっていて「(医者にかからずを含む)」とあるのですけれども、これはけがなしというものも含まれているのでしょうか。
事務局

けがなしではないですよね。ちょっと確認させてください。

けがはしているのだけれども、病院にかからなかったという意味なのですか。
事務局

けがはしているはずです。けがをしていないと事故にならないですよね。

では、67件はいずれもけがをしたと言ってしまっていいのですか。
事務局

そうです。

宇賀委員長

では、その点について念のため確認します。

事務局

けがはしていますが、確認はします。

それで、消費者庁が2015年にやった注意喚起のときは22件ぐらいだったのですけれども、それとはどこをどう精査したかというか。例えば、あのときはNITEからの情報しかしなかったけれども、今回はPIO-NETからの危害情報も含めたとか。
事務局

これは事故DBでやっているので、消費者庁の方が何でやっているかが今すぐには分からないので。

多分、安全課の当時の発表資料を見れば、同じように注意書きが書かれていると思うのです。
事務局

そこも後で調べてお答えします。

あと、これは全く別件ですけれども、体育館の床板とかは、報告書は来月とか再来月とかのイメージでよろしいのでしょうか。
持丸委員長代理

部会長から回答しますが、いつもそういう回答で恐縮ですけれども、いつとは正確には申し上げらませんが、方向性としては今、かなり最後の方の文言の調整に入ってきておりますので、さほど長いことかからず報告書が出るものと思っております。

コジェネもそろそろかと思うのですが。
持丸委員長代理

コジェネはもうちょっとかかる気がしています。

まだ素案はできていないのでしたか。素案をたたき台に議論はしていないのでしたか。
持丸委員長代理

まだそういう段階にはありません。実験データを見ているという段階ですので、もうちょっと時間がかかるような気がします。

分かりました。
日本消費経済新聞の丸田です。
確認なのですが、結論の12ページのところに出てくる1と2なのですけれども「スライド式を使用することが残り火対策として有効」ということが書いてありますが、これはNITEでの研究面のあれのときでもこの点は指摘されていたのでしょうか。それとも、今回、有効であるということについては一歩進んだのですか。
事務局

NITEはそこまでは言っていなかったと思います。

言っていないのですか。
あと、先ほどの一番最初のNHKの阿部さんの御質問でもあったのですけれども、NITEでもやって、消費者庁でもやって、何で事故が防止できないのか。消費者事故調自体のお役目は、事故の再発防止と言及面、被害者に寄り添うということもありましたけれども、これは例えば、注意喚起をしながらなのだけれども、何で事故が防止できないのかというのは、再発防止の一つの大きなテーマであって、つまり、社会的協力がなぜできていないのかということですので、今回、例えば、情報提供されるのだけれども、消費者事故調の調査選定として、例えば、社会的共有がなぜできていないのかとか、それは大きな再発防止の一つのテーマでもあり得るのです。ということは、情報提供でそれはそれとして出すけれども、事故調としてもなぜなのかという、もう少し踏み込んだことは御検討ならないでしょうか。
持丸委員長代理

よろしいですか。
委員長代理で私から少し回答しますが、これも前も同じようなことを申し上げて繰り返しになってしまうかもしれませんけれども、例えば、今回のライターであるとか、根元、つまり製品側で全部コントロールしてしまうのではなくて、製品側も考えるし、消費者側の利用、特にこれは利用場面での事故ということでもありますので、利用も一緒に考えていただくという事案については、急速に事故を減らすのが難しいと感じています。これはライター事案だけではなくて、例えば、毛染め剤の案件ですとか、そういったものにも共通するところです。
これについて、まだ我々も明確に何か分析を始めているわけではないのですが、やはり情報提供という意味で、ある種のセグメントという言い方がいいかどうかわかりませんが、リーチできていないところがあるのではないかと思っております。
皆様の報道はすごく感謝をしておりますが、昔のようにマスメディアを全ての人が必ずしも見ているというわけではなくて、メディアそれぞれの特徴があって、リーチしている消費者がいるのではないかと思っていて、そういうあたりで、我々もどういう形でリーチできていないところがあって、そこにリーチしていくにはどうしたらよいのかというのは、引き続き考えていかなくてはいけないと思っています。
これは、逆を返すと、皆さん方との勉強会なり何なり、少しそのようなものも必要になるかもしれませんけれども、消費者庁でやっていくものは、全て根元の規制や製品の改良だけで解決できるものではなくて、消費者の方々の選択意思であるとか、使用上の注意が多少なりともかかわってくるものがあります。そのような場合に事故の再発を防止するのは、やはり何らかの形で情報を的確にリーチしていくということがどうしても必要だと思っていて、問題意識はまさしく持っております。

朝日新聞の末崎と申します。
今回の残り火が発生した可能性が考えられる事例が206件、一方で、ライターの種類または事故原因がほぼ明らかになったのが37件ということで、なかなか事故の原因を究明するに当たって、今回は既に究明がなされているものということではございますけれども、このライターの種類も今回分かっているのは内訳が15件です。その206件の可能性があるという割には、ややサンプルが少ないのかなと。それでも、恐らくスライド式は少ないのでという結論は導き出せるのかもしれないですけれども、何らかの対策の有効性などを考える上で、非常に重要なデータの入力というのか聞き取りというのか、基本的なデータがやや欠けているのではないかという印象も受けるのですけれども、そのあたりを経産省さんなりに何かしら善処を求めるなど、そういったところまで踏み込まれなかった理由というのは何かあるのでしょうか。
持丸委員長代理

これも委員長代理の私から回答いたしますが、まず、御指摘の点はそのとおりです。したがって、こういう事故が起きたときに、できるだけ事故の関連情報を収集できるということが、事故の再発防止にとても重要です。
一方で、この事故の情報がどこから上がってくるかについては、たくさんのチャネルを持っています。逆を返すと、いろいろなところから上がってくるために、多分、この事故は余り経済産業省からは上がってきにくい。
つまり、皆さんが御自分で考えたときに、これは製品起因事故だからNITEに言おうと思う消費者は多分、ほとんどいなくて、消費生活センターに行ったり、何も言わないで病院にかかったりします。そのとき、病院ではけがの情報は集めますが、事故の情報は集めないです。やはりこのあたりはある程度、消費者の皆さんにも情報提供の意識、あるいは集めるところのチャネルも少し整備していかないとなかなか集まらないということで、これもある意味では事故情報の収集に関する課題だと認識しています。
全てのチャネルを一義的に直すことはできませんが、幾つかの病院では徐々にそういう情報をできるだけ集めていただくようにしているなど、消費者庁でも少し取り組みをしているところです。

(宇賀委員長退室)

共同通信の平田です。
細かい質問で恐縮なのですけれども、このメカニズムのところでわからないことがあって「ガスを噴出するノズルのところに異物が詰まって、ノズルが閉まらずガスが漏れている」とあるのですけれども、これはレバーと連動したノズルの噴出弁みたいなところが詰まるということなのですか。
事務局

それは下のところにあって、これが下がらないということです。赤い線がありますよね。赤い線で押し上げていて、ぴっとあいてガスが出るという話なのですけれども、その赤い線が下がらないということです。ここに緑の異物がありますよね。そこが引っかかって下がらないということです。

それが上がると、ノズルの弁が開く。
事務局

そうです。ここがお花みたいに。

普通にレバーがちゃんとした正しい位置に戻れば、ちゃんと正しくノズルの弁も閉まるということですか。
事務局

そうです。現物を見ていただくと多分。見えないのでしょうか。

持丸委員長代理

シャープペンで芯を押しただけの状態になったような感じです。

事務局

見ていただくと、ここがぴっとあくという。

持丸委員長代理

頑張れば、押し込み式のもので金属のカバーを外すと見えます。

これはどちらか1つが欠けていても普通に起こるし、当然、どっちもあれば起こるしみたいな感じなのですか。
持丸委員長代理

どこに異物が入っても、同時に起きなくてもどこかに異物が入れば起こり得るということです。

この着火レバーが正常な位置に戻らないことと、この弁が閉まらないことが、AとBがアンドじゃなくても、オアでも起きるということですか。
持丸委員長代理

そうです。正しく理解していただいているかと思いますが、今、そこに石みたいなものが3つ入っていますね。図3の右下に石が3つ入っていますが、これは3つともアンドではなくて、どこかに入ると黄色いものが戻らなくなるのが右下の石で、そうではなくて、赤いところが戻らなくなる。結局、黄色いところが戻らなければ赤いのも戻らないのですけれども、赤いところが戻らなければやはりだめになるので、どこに石が入っても結局、これが起きてしまうということです。

分かりました。