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記者会見要旨
(平成29年3月14日(火)15:55~16:20 於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

宇賀委員長

消費者安全調査委員会では、手動車いすのフットサポートに接触し、皮膚損傷が生じたとの申出につきまして、当該申出を端緒として、情報収集いたしました結果を取りまとめましたレポートについて、審議いたしました。本レポートは、関係行政機関を通じて、事業者や消費者へ幅広く周知することを目的としたものでございます。
調査委員会では、手動車いすへの移乗介助時に、非介助者の足が車いすのフットサポートの裏側に接触する事象が1カ月間で24件発生し、うち2件では、皮膚損傷となったという病院関係者からの申出をきっかけに、関係する情報を収集いたしました。  
皮膚損傷は、手動車いすのフットプレートの裏面と車いすに乗る人の足が接触して、発生いたします。こうした皮膚損傷は、フットプレートにカバーをつけることで防止でき、既に申出者もそのような対応をされており、市販品も販売されているとのことでございます。  
このように、原因や再発防止策は、ほぼ分かっておりますものの、手動車いすのフットプレートで、皮膚損傷が発生し得ることや、再発防止策が十分に知られていないこと、また、収集の過程で見えてきました、ヒヤリハット情報や製品改良の情報が製造業者、病院関係者や介護者等の利用者の間で共有されていないことといった課題がありますことから、本件に関連して、収集した情報を周知する必要があるのではないかと考えまして、レポートとして取りまとめて、公表するに至りました。  
調査委員会では、このように申出が寄せられました事案につきまして、情報収集を行い、選定趣旨に照らして検討した結果、事案そのものは、選定して調査するという結論には至らないものの、収集した情報が消費者安全確保の見地から、広く周知することが有益であると考えられるものにつきましては、今後も、こうした情報提供という形で、公表したいと考えております。  
そのほか、本日は、選定事案である体育館の床から剝離した床板による負傷事故事案の報告書素案につきまして、再発防止策や意見に関する議論を中心に審議を行いました。  
続きまして、部会の動きについて、持丸委員長代理から説明していただきます。

持丸委員長代理

持丸です。  
今月開催した部会の議論を紹介いたします。  
製品等事故調査部会では、玩具による子供の気道閉塞事故事案について、アンケートの収集状況などについて、事務局から報告を受けて、審議をいたしました。  
サービス等事故調査委員会では、本日の委員会でも審議をいたしました、体育館の床板の剝離による負傷事故というものについて、主に前回の委員会の議論を踏まえて、修正が加わっておりましたので、その素案に基づいて、再発防止策、意見の書きぶりといったあたりの審議を行いました。  
私からは以上です。

2.質疑応答

共同通信の平田です。  
この手動車いすのフットプレートの件で、レポートとしてまとめる場合とワンポイントアドバイスの場合の分け方は、どのように今後、分けていかれますか。どちらも同じ調査対象には、選定しないという事案、申出があったけれども、調査対象には選定しないというところは、一致していると思うのです。
事務局

ワンポイントアドバイスなのですけれども、今までやっておりましたが、今後、あまりそういうことはしないと思っておりますのは、ワンポイントアドバイスというのは、消費者への啓発だったのです。それも申出のきっかけではあったのです。  
今回のレポートというのは、事業者、消費者も含めて、それを所管する省庁に対して、情報提供するということで、大分幅が広がっているということです。デマケみたいな話になりますけれども、消費者だけの周知であれば、安全課もよくやっておりますし、今後、そういうことは、こちらではやらないと考えております。

仮に不選定とする場合でも、国とか、事業者まで、消費者だけではなくて、消費者にとどまるものは、ワンポイントアドバイスで、国、事業者にしっかり情報提供したほうがいいというときは、今回のようなレポートという形でいいのですか。
事務局

そうですね。ですから、そういう意味で、ワンポイントアドバイスのようなものになるものであれば、しないほうが大きいと思いますけれども、広く周知する場合は、こちらでやっていこうと思っています。

日本消費経済新聞の丸田です。  
今回のような情報提供ということは、今後ということも、先ほどおっしゃっていらっしゃいましたが、今のところ、何かありますか。
事務局

いくつか考えております。

今まで出てきたものの中で。
事務局

今まで出てきたものは、報告書にしています。  
今までにあった申出という観点では、今までというものもありますし、これからというものもありますが、今、考えているのは、今、あった申出です。

いくつかあるということですか。
事務局

いくつか考えています。

先ほど部会の検討状況をお聞きしましたが、例えば製品等事故調査部会とか、今回のサービスもなのですが、月1回でやっているのですか。委員会の本会も1回なのですか。それは、もう少し期間を短くするということはできないのですか。
事務局

御指摘は受け止めますけれども、お忙しい委員の方々に何回も集まってもらうというのは、かなり日程調整が難しいという面もありまして、その面で、今、おっしゃったように、製品等事故調査部会は月1回、サービス等部会も月1回、本委員会というのでしょうか、その委員会も月1回というペースで、ずっとやってきているところであります。

今日の意見、情報提供は、中身自体は、要するに製品の改良であるとか、メーカーに対しても、ある種の提言を言うような中身を含まれているのですけれども、今日、これをもって発表ということで、それ以外の何かアクションというのはないのですか。つまり消費者庁を通して、何かをするということです。
事務局

そのために、委員会のたてつけとしては、委員会から関係行政機関にしか、意見は言えませんので、今、消費者庁と製品分野で経産省、消費者への周知啓発は、消費者庁からやっていただこうと思っていて、それぞれの対応については、この情報をもって、それぞれ対応を考えてくださいということで、出しておりますので、それぞれの省庁で考えていかれるものと考えております。

厚労省にもですか。
事務局

ごめんなさい。厚労省もです。介護保険のところです。

分かりました。  
それと、もう一つは、床なのですけれども、今、どうなっているのか、もう一度お願いします。
持丸委員長代理

うなっているというのは、そこで、先ほど申しましたように、大体調査は一通り済んで、今、最終的に全体の素案の取りまとめで、特に結論とか、再発防止策とか、こちらは報告書ですから、意見というものが出てまいりまして、どうすることが正しくこれを変えていくところの議論をします。  
ちょっとだけ追加で申しますと、難しいのです。建築物ですから、根元を変えれば一気に変わるという類いのものではないのです。新たに建てるものばかりではないです。既に建っているものがあります。メンテナンスの仕方とか、そういうところも含めて、何を誰にどう周知していったら、正しくリスクが減らせるかというところを、最後に議論して、整理している段階だと理解ください。


(宇賀委員長退室)


共同通信の平田です。  
このレポートの場合は、あくまで意見ではないわけで、フォローアップの対象にはならないのですか。
事務局

何らかの形で、出した以上、対応は任せていますけれども、何かしていただくことも想定して出しているので、何らかの形でフォローアップはしたいと考えております。

ワンポイントアドバイスは、フォローアップしているのですか。
事務局

ワンポイントアドバイスは、そこはやっていないです。

あくまで国向けに、こういった情報提供を当然意見の場合はそうですけれども、情報提供の場合も、フォローアップの対象になるのですか。
事務局

そうですね。もうちょっと簡便的になるかもしれませんけれども、やっていきたいと思っています。

基本的なことで恐縮なのですけれども、通常の調査報告書の意見の場合のフォローアップは、法律に基づくものなのですか。
事務局

あれは、一般的に協力を依頼できるところで、消費者安全法第35条にあるのですけれども、それでやっていただけるということで、フォローアップするとか、そういうものが法律にあるわけではないです。協力ベースです。

それは、このレポートも一緒ですか。
事務局

同じです。

法的拘束力はないのですね。
事務局

全部そうです。意見も法的拘束力はないです。

キーツアーバス事故、あれは情報収集していると思うのですけれども、このレポートの対象などには、十分なり得るのですか。
事務局

あれは申出ではないです。間違えてしまいました。

申出ではないのですね。
事務局

情報提供は、申出ベースなのです。

このレポートもですか。
事務局

そうです。情報提供です。一般的に情報収集はしているということです。

自ら調査ではなくて、自ら情報収集の場合は、レポートの対象外ですか。
事務局

それは、何で情報収集をしているかというと、選定事業の情報収集をしています。何かがあって、情報収集していたら、いつか選定されるかもしれないし、そうではないかもしれないということです。

選定するかどうかの情報収集は、車いすもそうですけれども、今回のこれもですか。
事務局

やっていません。

申出ベースだとレポートになるのですか。
事務局

全てがなるわけではないです。有益だと考えた場合ですから、やるに当たって、根拠となるのは、申出だということぐらいなのです。逆と言えば、逆です。

スキーバス事故のものは、自ら情報収集で、申出ベースではないから、今、考えているレポートには乗ってこないのですか。
事務局

乗ってこないです。

分かりました。
NHKの阿部です。  
今回のこういう試みは、非常にいいと思っているのですけれども、一方で、調査の本筋の案件を増やしていくというのは、1つの大きなことだと思うのですが、1つのレポートを作るのは、それなりに大変だと思うのですが、その辺の兼ね合いは、どういうふうに考えますか。これによって、調査の案件の本筋のものを増やして、しっかり出していくというものが下がってしまう懸念があるのですが、そのあたりはどうですか。
事務局

調査は調査でやっていて、今もお話があったように、今までの申出は、ずっとこういう事前調査はしていたのです。ですから、デュアルモードで動いていたと言えば、動いていて、それをレポートに作るというところは、委員会に諮るために、こういう形ではないですけれども、ある一定のフォーマットなり、形にはしていたので、ちょっと毛が生えたぐらいと考えていただいたほうがいいです。  
むしろそれを世間に出すというところは、大きいと思います。実務上は、皆さんがどう思っているのか分からないけれども、私的にはちょっと増えただけだと思います。

持丸委員長代理

私からコメントすると、私どもは、同じように委員会の立場としても、そんなに審議内容がすごく増えたということではありません。しっかりした調査の報告書が本筋ではあるのですけれども、前々から出ていた2つの問題がありまして、1つは、非常にボリュームが大きい反面、ものすごく時間がかかっていて、このスピードアップをもちろん頑張っていますが、難しいところがあります。  
それに対して、これは、もっと早い段階で答えが出せるようなものが案件としてあるのであれば、従来、調査して、そこで終わっていたものも、有益な情報であれば、さっさとまとめて出しましょうというたてつけです。ですから、ある意味では、調査をするすごく重いものか、ゼロか1というものの中に、短くて早く情報が提供できるものができたという位置づけで、理解いただいたほうがよくて、それ自身で本調査の案件が減ったりとか、遅れたりするぐらいの労働の負担は、少なくとも委員会にはないと思っています。事務局は、少し大変かもしれません。

共同通信の平田です。  
このレポートは、例えば申出があってから、これはいける、情報提供をやっていこうと判断したときに、大体何カ月くらいのスパンで考えていますか。
事務局

たまたまこの間もお話があったのですが、これは早いですけれども、ものによります。いろいろ情報収集もいっぱいあります。それぞれどこまでとか、大体分かっているみたいなものもあるので、何とも言えないと思うのです。それぞれに違ってしまうと思います。1年かかるかは分からないのです。これは早かったと思います。

申出があったのは、去年8月なのですか。
事務局

これは8月なのです。

持丸委員長代理

これが早かったというのは、このレポートの形式を議論している間もあったので、1個目ですから、そういう意味でも早かったと思います。

今回、8カ月なので、もうちょっとですか。
持丸委員長代理

短くなる案件もあるかもしれません。1例目が出たので、こういう枠組みで出せることは分かったから、その議論は、次からはやらなくなります。

少なくとも1年は絶対にかからないようにやっていこうということですか。
事務局

そこはあまり約束できません。いろいろあるので、例えば前におっしゃっていたように、過去にさかのぼって、前の案件をやる可能性もあるわけです。そういうこともありますので、そういう意味では、随分前のものということになってしまうと思います。

この前にホームページを見たら、申出案件で残っているものは30件ぐらいですか。
事務局

40件ぐらいあります。

でも、過去のものにさかのぼれるのですね。
事務局

そうですね。過去にさかのぼる可能性もあります。

丸田です。  
ずっと御担当大臣などにも、いろいろ記者会見で質問したことがあって、安全調査委員会の原則公開、例外非公開ということを考えないかということで、全部歴代大臣は、検討するというお考えでした。  
例えば今回の件についても、できるだけ早めに、要するに事故調が何を注目しているのか、どんな事故に注目しているのかは、とても大事なことで、突然ぽんと出るのではなくて、むしろ本来は、検討している中の公開性があって、その中で、どういう点がリスクが高いとかということを、我々も報道できればということで思っていたりとか、一般にもそう思うのです。  
ずっと原則非公開できていらっしゃるわけで、委員長もお帰りになって、ちょっと分からないのですけれども、要するに何らかの形で、今回の件についても、例えば素早く一般に知られるような、こういうことをやっていますとか、こういう検討をしていますなど、これは先ほどの話で、ワンポイントにしても、検討するわけですから、こういうことを何か知らせられるということをお考えにならないのでしょうか。私は、本来、公開は必要だと思っています。
事務局

私から。本来、公開にするべきであろうという一般理念としては、そういうことなのだろうと思いますけれども、この案件は、事故の案件を調査するという観点なので、なかなか難しい側面があるということは、ぜひ御理解いただきたいと思います。  
事故を調査するときに、我々は、そもそもなぜこの事故が起こったのかという原因を調査するわけなのですけれども、まず最初によく分からない状況で、いろんな可能性を調べていくわけです。そのいろんな可能性の中には、当初、想定したものとは、全く違っていて、それは関係なかったということも多々ありますので、そういった意味で、いろんな可能性を調べるというプロセスの中で、それを公開するということにすれば、間違った印象を与えてしまって、事業者の方々に御迷惑をかけるということも考えられますので、公開については、慎重になっているところであります。  
できる限り、早く情報を欲しいということについては、趣旨はよく分かりますので、今回のレポートの話にしても、できるだけ早急に出すという工夫はしていきたいと考えております。

たびたびすみません。今の関連で、例えば議論の中身は公開できないところもあると思うのですけれども、申出の案件がシャンパンの栓について申出があって、議論したとか、議論の中身は非公開ですが、そういうことで、テーマを出すことぐらいは、全く支障がないのではないかという気は。例えばそういった申出があったということで、シャンパンの栓についての調査の申出があった、手動車いすについての調査の申出があった、それについて、選定するべきかどうか議論したぐらいだったら、いいのではないかという気はします。関係者にもそんなに、申出があったことは事実だから、それについて、議論したということも事実で、議論の中身は、もしかしたら関係者に迷惑をかけることはあるかもしれないですけれども、そういったテーマだけでも、これについて議論したのだということが早い段階で分かると、事故調が何をやっているのか分かるということになると思います。
事務局

申出は、いろんなものがあるとしか言えないのです。

議論したということも言わなくていいと思います。こういう申出があったということです。
事務局

こういう申出があったということですか。

この前、ホームページを見ていても、うろ覚えですけれども、申出が製品なのか、サービスなのかしか分からないのです。
事務局

これ以上言うと、個別に突き当たるという感じもしなくもなくて、今、その状態なのです。どこまで出せるかというところまで検討できるかというところです。

出せないものもあると思います。
事務局

それはそれで、また問題です。これ出して、あれ出さないというわけにもいかないと思うのです。

そこは、今も全部出さないというのは、事故調の判断ですか。
事務局

そうなのです。どちらかではないかと思うのです。一律、製品までとか、分野までにするか、出すのだったら、これは出すけれども、あれは出さないというわけにはいかないと思います。そういうことで、個別性が高いので、今、出せる限界が分野という感じです。もうちょっとというのは、理解はいたしますが、だから、ちょっと早目にレクはしたのです。言い訳にはならないかもしれません。

1年前に、前委員長自身が記者会見でツアーバスのことをおっしゃって、我々も選定するのではないかということで、前委員長御自身が選定かどうかという前段の情報収集で、すごく事故調がどういう点を注目して、今後のリスクをどう減らそうかという項目自体が分かったものだから、我々とか、一般もツアーバスについての注意とか、そういうことが喚起になったのではないかと思いますし、そういう意味で、結論が出なくても、どんなことを検討したかとか、そういう今の平田さんの意見のような形で、何らかの形で提案して、公開していくことは、必要ではないかと思っています。
すごくよく考えれば、いい方向で考えた場合に、このスキーツアーバスについて、例えば事故調が情報収集を始めたみたいな記事が出たとして、そのときに、バス業界の中で、運転手さんがその記事に触れたときに、事故調もやるみたいだから、しっかりやらなければみたいな意識が芽生える可能性は、なくはないと思います。
事務局

ありがとうございます。

そういったことを打ち出すことで、悪い方向に傾くことを抑止する効果というのは、なくはないです。ゼロではないです。