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記者会見要旨
(平成28年12月22日(木)16:26~16:37 於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

宇賀委員長

本日、まず、幼稚園で発生いたしましたプール事故に係る事故等の原因調査のフォローアップについて御説明いたします。
本日は、平成26年6月に行いました意見具申に対する内閣府、文部科学省、厚生労働省の取組状況を把握するためにヒアリングを実施いたしました。
今回のヒアリングは、本委員会が今年の5月にプール事故のフォローアップとして行いました実態調査の結果につきまして、関係府省がどのように捉えているのか、また来年以降のプールシーズンに向けてどのような取組を行うのかにつきまして、関係府省の考えを聞いた上で委員との意見交換を行いました。
関係府省におきまして、ガイドラインが策定されるなど、様々な手法で事故防止や事故発生時の対策の周知がなされていることは確認できました。しかし、調査委員会といたしましては、幼稚園等の現場において対策が浸透していなければならないと考えております。これは非常に難しい問題ですが、周知にとどまらず引き続き関係府省において、事故防止のための具体的な対策が現場に浸透するような取組を行っていただきたいと考えております。
なお、ヒアリングの後に個別事案の審議を行いまして、体育館の床から剝離した床板による負傷事故の事案に関しまして、報告書の骨子について議論をいたしました。
続きまして、部会の動きについて、持丸委員長代理から説明していただきます。

持丸委員長代理

持丸です。今月開催した部会の議論を紹介いたします。
まず、製品等事故調査部会は、玩具による子供の気道閉塞事故、俗に言う誤嚥の調査に関して、アンケート調査設計についての議論を行いました。
サービス等事故調査部会では、今日議論いたしました体育館の床から剝離した床板の負傷事故について、本日の審議の元になった報告書の骨子案というものについて議論を行いました。
私のほうからは以上です。

2.質疑応答

ニッポン消費者新聞の丸田です。
今の体育館の床板剝離のことなのですけれども、骨子案の骨子とはどのようなものでしょうか。
持丸委員長代理

いつもそうなのですけれども、基本的にはまず章立てがあって、それぞれの内容についてこのような形で書いていく。その中で今回も必要な情報と安全に関するメッセージがちゃんと伝わって、最終的には、その後に再発防止策と意見につながるわけですけれども、まだそのあたりのディテールが整理できておりませんが、そういうような部分の論理構成とデータのところを確認したということです。

いつ頃になるかということは、どうでしょうか。
持丸委員長代理

もちろん明確にお答えできませんけれども、今、この段階で大きな再調査の話が出ておりませんので、これから先まとめていくことを考えますと、1年以内には必ず出せるのではないかと思っています。

部会の報告の中で、安全調査設計とおっしゃったのですか。
持丸委員長代理

アンケートの設計です。

アンケートをどういう内容にするかとか、そういうことを決める。
持丸委員長代理

そういうことです。もちろんアンケート内容の設計があるわけですが、どういう経路で誰に聞いていくか、どのようなことをアンケートで聞くかということについて先生方からも意見を聞いて、適切なアンケート設計について助言をいただいたということです。

共同通信の平田です。
プール事故のほうは、今後またさらにフォローアップを何箇月後にやっていくとかはあるのですか。
宇賀委員長

今後、また各府省の取組をフォローするとともに、幼稚園の現場における対策の浸透の度合いについてもフォローしていきたいと考えておりますので、少し先ですけれども、時期につきましては現時点ではおおむね1年後と考えております。

全く別件で恐縮なのですけれども、事故情報の分析に人工知能を活用していこうという検討が消費者委員会のほうで始まったのですけれども、いつか消費者庁とか国を念頭に提言してくると思うのです。一応、消費者庁内に置かれている消費者安全調査委員会としても、人工知能についてどう捉えていくかというお考えを委員長と委員長代理からそれぞれいただければ。
宇賀委員長

消費者委員会のほうでそのようなことも検討されているということですので、消費者庁としても、ビッグデータを消費者事故の分析について活用していくことは、今後、検討課題になるかと思います。

持丸委員長代理

私は、やや専門ですので、少し突っ込んでお答えをします。
人工知能技術を活用することは非常によいことです。理由は、やはり事故データの分析に関するアナリストが、こう言っては何ですが、たくさんそろっているわけではなくて、事故データはどんどん増えてまいりますので、それに関して効果的に知識を抽出するという意味で技術を活用することは、ぜひやるべきだと思っています。
特に、こんなことを聞かれているわけではないのかもしれませんけれども、比較的、解決すべき問題として向いている側面を持っています。実は、例えがよくないのですけれども、Amazonで本を買ったときに「ハリー・ポッター」がいっぱい売れるというところは分析が簡単なのです。事故はそうではなくて、非常にまれに起きる、そしていろいろな対応があるものの関係性を見つけなくてはいけないというところなので、こういうある事象がたくさん起きているのではなくて、まれに起きている事象の中に、ある何らかの関係性を見つけていくことは人工知能技術の研究課題としても意味があるものです。この大きな計算機でいろいろな可能性を総当たり的と言っては悪いですが、探る人工知能技術が有効だと思っています。ですから、やっていったらいいと思います。
一方で、データがきれいにそろっていないと、上手く行かないというのが人工知能の世界です。人工知能は技術の問題でもありますが、同時にデータの問題でもあります。これに関しては、例えばデータのタグ情報が十分でなければ、つまりどのような状況でどのように事故が起きたのか、というところが十分でなければ関係性が見出せませんので、ある意味では人工知能を適用するということは、逆を返すとどういうデータをもっときちんと蓄積したら、よりよく今の人工知能技術を使ってもっと明快に答えが出せるかということを探る旅でもあるのだと思うのです。
人工知能技術というブラックボックスに、データを食べさせれば何でも答えが出てくると、残念ながらそうでもなくて、やはりデータをいかにきちんと集めていくかを同時並行で考えていくきっかけでもあると思っています。そういうところで出てきた事故と状況の関係性を我々のほうに提供いただければ、この事案も背景にはそういう原因や関係性があるのかもしれないということで、知識化が進んでいくのではないかと思っています。
長くなりまして、すみません。

多分ですけれども、小児科学会とかでやっているチャイルド・デス・レビューの取組を、死亡事故だけではなくて重大事故だとか軽傷事故だとか製品破損だとか、さらに子供だけではなくて一般成人だったりとかというところで、我々が自治体とか警察に取材するかのように、職員とか相談員が詳しく聞き取ってデータ化していくところが、同時並行として求められるかと思う。
持丸委員長代理

そうですね。私個人の意見ですけれども、ヒヤリハットの前に、まず、今、起きている事案について、やはり関連状況も含めたデータをできるだけしっかり集めていく。それを人工知能で分析しながら知識化をしていくことがとにかく最初のチャレンジで、データの何を集めるとか、どういう知識ができるのかということも双方向でやりとりしながら進める。
長期的には、半分エンジニアの夢なのですけれども、よく事故が起きるとすぐハインリッヒの法則とか言われて、ほら下にいっぱいあるのだよと。あれは逆向きを言った人がほとんどいなくて、ヒヤリハットがあるからこれが起きるのだということをなかなか予測できていないのです。あれはみんな結果論でして、事故が起きると下にあるものを見つけてくるだけなのですけれども、人工知能でヒヤリハットの情報からある程度の蓋然性で大きな危険が予測できるようになってくると、そこは非常に有益かと思います。
手間のかかる話ですので、まずはきちんとしたデータを入れればよい結果が得られるのだということを社会の中に示していって、その中で様々なコストをかけてでもデータを集めることがよいのだという、皆さんの大きな理解を得ていくステップが有効なのかと思っています。