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記者会見要旨
(平成28年10月3日(月)16:10~16:28 於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

宇賀委員長

第3期の消費者安全調査委員会の委員長を務めることになりました、東京大学の宇賀克也と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、平成24年に消費者庁に設けられました、事故調査機関の在り方に関する検討会で座長を務めさせていただきました。
この検討会には、日航ジャンボ機の墜落事故でお子様を亡くされた御遺族の方、シンドラー社製のエレベーターの事故でお子様を亡くされた御遺族の方が委員として加わっておられました。また、毎回、パロマの湯沸器の事故でお子様を亡くされた御遺族の方が熱心に傍聴されておりました。
このような御遺族の方々の願い、つまり、二度とこのような犠牲者を出してほしくない。二度とこのような事故を起こしてほしくない。そのために、しっかりとした事故の原因が究明できる機関をつくってほしい。そういう熱い期待をひしひしと感じながら、議論の取りまとめを行ったことを今でも鮮明に覚えております。
この検討会には、そのような御遺族の方、消費者団体の方、マスコミの方、弁護士の方、さらに工学、医学、心理学、法学といったさまざまな分野の研究者の方が集まって、非常に熱心に議論を交わされて、この機関を設置する報告書が取りまとめられました。
その後、消費者安全法が改正されまして、畑村前委員長の下で2期4年間にわたりまして、9つの事案におきまして、再発防止策が提言されまして、それに基づいて関係行政機関に対する提言が行われました。
このことに私は大変敬意を抱いており、今後、畑村前委員長の下で積み重ねられてきました実績を踏まえて、今後2年間、微力でございますけれども、しっかりとこの委員会の重責を果たしていきたいと思っております。
本日の会議の内容について、御説明いたします。
本日は、第3期の初回ということで、松本副大臣、務台政務官が御出席になられまして、御挨拶をいただきました。その後、消費者安全調査委員会令に基づきまして、私より持丸委員を委員長代理として指名し、御了解をいただきました。
本日は、私のほかにも新しい委員の方にお入りいただいての初めての会合となりましたので、委員の方々に、これまでの御経験、本委員会での御抱負などをお一人ずつ述べていただきました。
前委員会の引継ぎ事項として、部会の設置について審議いたしました。これまでの工学等事故調査部会、食品・化学・医学等事故調査部会に替わりまして、製品等事故調査部会、サービス等事故調査部会を設置すること、それに伴う委員会規程を改正することを決めました。ただし、この部会につきましては、柔軟に運用していくということも申し合わせされました。
その後、事務局から、これまでの審議の状況や審議案件の候補等について説明を受けまして、今後の新規事案の選定に向けた議論を行いました。
私からは、以上です。

2.質疑応答

時事通信の小﨑と申します。
新しく委員長になられたということで、これまでの検討会にも座長として関わられていたということで、これまでの委員会をどのようにご覧になっていたかというところと、どのように評価されたのかというところと、改めて抱負について、一言いただければと思います。
宇賀委員長

この委員会は、事故を多角的な視点から調査して原因を究明して、それに基づいた再発防止策、意見を出しており、被害者の立場に立って、また、消費者の視点に立って事故調査をなされてきたと感じております。
他方、一つ一つの案件を非常に丁寧に審議してきたということで、時間がかかり過ぎているとか、それに伴って取り扱う案件が少ないという御指摘がされていることも承知しております。
まずは、何に時間がかかっているのか、かかり過ぎているのかを分析して、対応を検討してまいりたいと存じます。
私は、行政法を専門としておりますので、それぞれの事案において、どの行政機関にどういった意見を出すことが再発防止策の実効性を高めるのかといった点も重視して、報告書の取りまとめを行っていきたいと考えております。

共同通信の平田といいます。よろしくお願いします。
時間がかかり過ぎている。何に時間がかかっているか分析するということなのですけれども、これはいつごろまでにやられるのですか。
宇賀委員長

現時点で、特に期限を定めているわけではありません。

特にないのですか。
宇賀委員長

いつまでにやるかという期限ですか。

組ませた上でやらないと、調査案件とともに同時並行でそれも議論して原因を洗い出していくと。
宇賀委員長

そうです。

読売新聞の岩崎と申します。
新しい委員長にお尋ねしたいのですが、重ねてになってしまいますけれども、特にこういう分野の調査をしたいとか、今、興味とか関心がおありになる分野や切り口などが、現時点でおありでしたら、教えていただけますでしょうか。
宇賀委員長

基本的にどういった案件を取り扱うかにつきましては、委員会で皆様の御意見を踏まえて、委員会として決定をしていくということになります。
一般論として申し上げれば、ここで事故原因を分析して、その報告書を出すことによって大きなメリットが得られる案件は何なのか。どうしても委員会のマンパワーは限られていますから、全ての案件を調べるというわけにはいきません。したがって、案件を選ぶときには、社会的なインパクトが大きい、事故原因を分析し、報告書を出すことによって、同種の事故の防止に大きく寄与する、そういったものを選び出していくことになると思います。

部会の件ですが、製品とサービスに分けたということで、なかなか線引きも難しいということだと思うのですが、これによってもう少しスピードアップができると考えているのか、何を考えてこのようにしているのかを少し御説明いただけないでしょうか。
持丸委員長代理

私から答えていいですか。
これは前から部会がありまして、大きく2つ理由があるのですけれども、スピードアップが一つの大きな目的です。前の2つの部会、私がよくここで部会の報告をしておりますときに、主に工学等部会の報告で、食品・化学・医学等部会の報告が少なかったということは、事案が少し偏っていた。
別にそれがいいとか悪いとかいうことではなくて、ただ、リソースという意味では、部会の先生方にうまく事案を配分することができなかった。何が最初に、工学的な製品なのか、食品や化学や医学のものなのかとか頭で分けてしまっていたので、若干仕方のないところがあったのですが、製品とサービスは御指摘のとおり、真ん中に若干ファジーな部分がございます。
先ほど委員長からもありましたように、今回、こういう話が議論にあった背景には、私の理解では、製品を変えて根元から変えると、一気に安全が行くものと、例えばプールの事故とかエレベーターとか、メンテナンスみたいなものが最後に入って、製品を変えるだけではなくてメンテのところを徹底していかないとなかなか行かないものでは、やはりアクションが随分変わってくる側面があって、何となくそのあたりでうまく事案を分けたい。
一方で、逆を返すと、うまく分かれないところを逆手にとってというわけではないのですけれども、どちらかの部会にあまり案件が偏ることなく、2つの部会をうまく使って迅速に回していけるというところも若干の狙いとしてある。
そのような意図で、今日もその辺の議論を具体的にしたという感じでございます。

宇賀委員長にお伺いしたいのですが、宇賀委員長は1年近くにわたって検討会の座長を務められ、答申をまとめられて、今回、4年間こういうものができたのですけれども、そのときに座長を務められていた、思い描いていたものと、今のものとはかなり近いか。どういう印象を持っておられるか教えてください。
宇賀委員長

報告書にも書いてありますとおり、被害者の視点に立った調査をしていくこと、被害者の思いを十分に反映した形で調査をしていくということは、当時の検討会でも随分議論されたことです。
外からこの過去2期4年間の調査を見ておりまして、そういった当時の思いは生かされていると感じております。
もちろん、先ほど申しましたように、非常に期待が大きい中で、もっと早く報告書をまとめられないのかとか、あるいはもっと多くの案件を取り扱えないのかという御期待があることは十分に承知しております。
なかなかその点は一朝一夕に解決できる問題ではないと思いますけれども、委員の皆様のいろいろな御意見を伺いながら、どうやって改善できるかについては、真剣に検討してまいりたいと考えております。

共同通信の平田です。
2期目のときか何かに、年に30件の選定が目標とかいう発言があったような気がしたのですけれども、その前は年100件で、とてもではないけれどもということで年30件になって、今は特にそういうものはないということも聞いているのですが、そこまでいかないけれども先ほどあったなるべく多くの案件をというところの思いを委員長から改めて伺えればと。
宇賀委員長

今日の会議で、年に何件を目標にしましょうといったことは、特に議題になっておりませんし、議論はしておりません。
ただ、なるべくスピードアップしたいという思いはございます。もちろん拙速であってはいけませんし、丁寧な調査をするのがこの委員会の重要な使命でございますけれども、他方で、もう少しスピードアップできる点があるのではないかといった御意見は今日の委員会でも出ました。
幸い第3期の委員会は、これまで1期、2期を務められた方も入っておられますので、そういった過去の経験も踏まえて、改善できるところはできる限り改善していきたいと考えております。

多くの案件をというところは、申出案件の処理だけではなくて、積極的に事故調として、取りにいくというのはおかしいのですけれども、見ていって選んでいこうという3期目の在り方なのですか。待つばかりではないということ。
事務局

私から補足いたしますと、御存知かと思いますが、第2期の選定案件も、ほとんど申出の案件よりも一般的に調査委員会でいろいろな情報を集めて、その中で調査委員会として対応をとるべき案件を選定してきた経緯もございます。
今後、どういう案件をやるかにつきまして、もちろん委員の先生方の委員会での御議論ではありますけれども、調査の申出があった案件、その申出が多い案件、それにとらわれず、調査委員会の判断で取り上げていくべき案件、そのような案件に応じて選定していただけるものかと思っております。

事故調査委員会の委員長に、文系の行政の専門の先生が就くということに、今まで畑村先生が自ら調査をしてきたということで、何を意図しているのだろうかというところがあるので、少し教えていただきたいということがあって、先ほど行政機関にどのような意見を出せば有効かということに力を入れたいということだったのですが、今までの事故調査の結果が、果たして制度改正とか法改正とか、そこにきちんとつなげるような意見を出せたかというと、皆さんやはりいつもこういうことしか言えないのかとか、危険を共有しようとか、啓発とか、こういうところに気を付けようとか、そういうものが多かったと私は受け止めています。
その辺について、何か御意見をいただけると助かります。
宇賀委員長

私は専門が行政法でございますので、報告書がまとまって事故原因が究明されて、再発防止策を関係行政機関の長に提言していくときに、どういう機関にどのような形で持っていくことが一番効果が上がるのかという点、今、おっしゃられたようなフォローアップを個人的には重視していきたいと思っております。事故原因を究明し、公表した後、それがどういう形で改善に結び付いているかというフォローアップは非常に重要だと思います。
関係行政機関の対応の仕方としては、いろいろな場合があり得ると思っています。例えば法律改正が必要な場合もあれば、あるいは政省令の改正で対応する場合もあるでしょうし、ガイドラインとか指針等の改正とか、見直しとか、そういったことで対応できる場合もあると思いますけれども、本当に効果的な形で、私たちがまとめる報告書が生かされているのかというところのフォローアップは非常に重要だと思っていますので、そこはしっかりとやっていきたいと考えています。