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記者会見要旨
(平成28年9月23日(金)17:18~17:45 於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

畑村委員長

今日の会議の概要からお話をします。
本日の調査委員会では、体育館の床から剝離した床板による負傷、それから新規案件の候補について議論をしました。
体育館の床から剝離した床板による負傷の事実について、調査の経過報告を審議し、決定しました。
本事案は、年齢を問わず多くの消費者が利用する公共性の高い体育館という施設において、被害の程度が重大な事故が発生していながら、そのことがあまり知られていないこと、対策が十分に行われず、全国で類似の事故が発生している可能性を重視し、昨年9月に選定したものです。
本日公表いたします経過報告においても、事故の発生を知っていただくという観点から、事故の発生した体育館において見られた不具合の例を示しました。
委員会としては、今後、引き続き原因の究明、再発防止策の検討を進め、報告書を公表いたしますが、体育館の関係者がこのような事故の発生を知って、類似の危険箇所を放置せず、必要な補修を行うことや、危険箇所を見つけたら管理者に報告することを利用者に周知するなどの対策を行っていただきたいと思います。
そのほか、本日、配付資料がいくつかございます。
1つ目は、一酸化炭素中毒に関するワンポイントアドバイスです。
ワンポイントアドバイスは、消費者安全調査委員会から消費者への情報提供の1つのツールとして作成し、調査委員会のホームページで公表してきたもので、これまでに37件作成、公表をしてきました。
本日公表いたします一酸化炭素中毒に関するワンポイントアドバイスは、これまでにもいくつかの研究や注意喚起がなされているものであり、調査委員会として新たに事故調査をしたものではありませんが、住宅火災で亡くなる方の4割が一酸化炭素中毒であることを踏まえ、再発防止策として消費者がこのことを知っておくことが必要との観点から資料を作成したものです。
このワンポイントアドバイスについては、今後の消費者の実際の行動の変化が重要であり、それを捉える必要があるとの意見が出されましたので、引き続きフォローしてまいります。
2つ目は、消費者安全調査委員会のこれまでの活動についてです。
本委員会は、平成24年10月の委員会発足後、この9月末で丸4年になります。そこで、これまで公表した報告書の概要をまとめるとともに、現在の委員の事故調査への思いをコラムとして公表しており、それを1つにまとめました。
私からは以上です。
続いて、持丸委員長代理から説明していただきます。

持丸委員長代理

かわりまして持丸です。
今月の部会での議論を紹介いたします。
工学部会では、今、話がありました体育館の床から剝離した床板による負傷、もう一件、家庭用コージェネレーションシステムの2件の事案について事務局から説明を受け、審議をいたしました。
床板による負傷の事案については、今、委員長から話がありましたように、本日の委員会に向けた経過報告の案を審議いたしました。もう一件の家庭用コージェネレーションシステムについては、事務局から調査、データも含めて進捗状況の報告を受けて、今後の進め方について審議を行った段階でございます。
私からは以上です。

2.質疑応答

日本消費者新聞の丸田です。
床板の剝離の件ですが、まず、遅れていると思っているのですけれども、遅れている理由は何かありますでしょうか。もう一つ、今日も調査の新候補を話されたということで、バスツアーの事故についてはどうなったのでしょうか。この2点をお聞きしたいと思います。
持丸委員長代理

先に工学部会を担当しております持丸のほうから、時間がかかっていることについて説明を申し上げます。
一言で申し上げますと、現場がなくなっているというのが一番の要因であります。以前もお知らせしましたか、実は、床板の剝離に関する事故事案は、こちらで独自に調査して、数件上がっているのですが、どこも改修が終わっていたりして、実際の事故に遭った床板そのものが残っているわけではございません。しかも、残念なことに、多くの場合、そのときの証拠写真も残っていないという実態があります。その上で、どういう状況になると床板が剝離しやすくなるのかとか、剝離しているときに人側がどういう動きをするとそれが入るのか。そこに衣服がどう関係しているかなど全てが実験で再現できるわけではないので、どんな方法論でそれを探索していくかも含めて少し議論をしているところがありまして、もちろんあちこち調査も行っていただいているのですが、そのあたりが一番時間のかかっている要因です。
今後も時間がかかるとはなかなか申し上げにくいのですが、今、この作戦でやりましょうというのが全て決まっているわけでもなく、予備的な実験をしたり、もしかしたらシミュレーションもやるかなとか、いろいろなことを考えながら、今、やり方を考えている段階でございます。少しそういう事情があって手間がかかっていると御理解いただければと思います。

畑村委員長

軽井沢のスキーバスの事故については、いろいろなことを考えなければいけない部分がたくさん関連しているというか、たまっているように思っています。ですから、どういう方向からどう取り上げて、どう見ていかなければいけないかというのはそう簡単にはいかないなという感じがします。
特に、いろいろな規制をして、それが守られていなくてああいう事故になったという側面と、もうちょっと違うのは、世の中ではとにかく安いものを求める人たちがものすごくたくさんいて、そこに需要があって、それをどう取り込んで全体として運用するというか、動かしていけばいいのかという問題。そういうものがたくさんあるように思います。何かの機械をつくって、その機械の設計がおかしかったからとか、つくり方がおかしかったというのと随分性格が違う、そういう事故だと思っています。
そうすると、それをどう調べるのか。どう取り扱うのか。私から見ると、再現実験のようなものというのはものすごく大事だと思うけれども、そんなことまでやるのかとか、そういうことまで本当は考えなければいけないと自分では考えます。考えるけれども、それが本当にそのとおりできるのかできないのか。やるのかやらないのか。その辺はよく分からない。分からないのに答えているのは変ではないかと言われるかもしれないけれども、今、そう考えていかないといけないのではないかと思っています。

考えは分かりますが、お聞きしたかったのは、新規調査案件として、1月に事故が起きて、その後の記者会見でそれを事故調査の対象に入れるかどうかということの前段として事務局に対して情報収集とかということですね。あれから8カ月もたっているので、新規案件に入れるかどうか。そこのところが。
畑村委員長

今日もその議論を随分やったのですよ。やったのだけれども、出ていない。

共同通信の平田です。
体育館の床のほうなのですけれども、11ページの今後の調査のところで、全国の体育館を対象にアンケート調査を行うと書いてあるのですが、これは、4ページ目に書いてある総数48,902箇所を対象にということでいいのでしょうか。
事務局

数は今、把握していないので、数は後でお答えしますが、数が必要であれば。

全国と。
事務局

全国の小中高と公共スポーツ施設には依頼しています。

小中高と大学。
事務局

小中高と公共スポーツ施設です。教育委員会を通じてです。

職場スポーツ施設とか民間スポーツ施設はやらないのですか。
事務局

そこはそもそも対象外とたしか下のほうに書いてあったと思うのです。何を調査するかというところです。

3ページ目に書いてある学校体育・スポーツ施設、大学・高専体育施設、公共スポーツ施設。
事務局

その中の一部になりますが、数が必要であれば。

全数調査ではなくて、あくまでサンプリング調査ということですか。
事務局

そうですね。できるところということです。

あと、去年の調査を始めますというときの会見では、たしか事故が8件だったと思うのですけれども、その後増えた2件はこの番号で言うとどれなのですか。
事務局

8と2です。

11ページの「これまでの調査と今後の調査について」の(1)の③に木製床に水分が持ち込まれ、ひいては割れなどの原因となっている可能性があると考えられると書いてあるのですけれども、7ページ目の注釈の6に書いてあるみたいに、基本的に体育館というのは前提としては水を使ってはいけないというのがあって「水や洗剤を使う場合も固く絞った雑巾で拭き」と書いてあるのですが、体育館はどれも基本的には水で拭くことを想定していないのですか。
事務局

本来してはいけないということです。

仮に水を使っても、固く絞って、なるべく水分が吸収されないようにという。
事務局

そうですね。木と水分の関係があるということです。

(1)の④の「適切に維持管理されずに放置された床の不具合がきっかけとなって」とあるのですけれども、この不具合というのは、ここに書いてある目隙、段差、割れ、剝離のことを指しているのですか。
事務局

はい。

現地調査をした体育館は「いくつかを調査したところ」と書いてあるのですけれども、先ほどのもう現場がなくなっているところも含めて、調査できたところは1から10のうちどれなのですか。
事務局

後で答えていいですか。ちょっと調べます。

毎日新聞の西田です。
先ほどのアンケート調査なのですけれども、これはもう実施しているのですか。どういう段階ですか。今、投げて、返ってくるのを待っている段階ですか。
事務局

しておりまして、返ってきておりますが、まだ分析はされていないということです。

いつ締め切りでアンケートされたのですか。
事務局

8月末。

分かりました。ありがとうございます。
NHKの阿部です。お願いします。
事故の件数なのですけれども、今、把握しているものが10件ということだと思うのですが、これはなかなか難しいと思うのですが、もっとあるのかなという気がするのですが、皆さんとしては、把握できていないけれどももっとあると思われているのか、そんなには頻度としては多くないと思われているのか。
持丸委員長代理

これはデータがないので、私個人の感想ですけれども、すごく重篤なものはそんなに多くは潜んでいないだろうと思っていますが、ちょっと足に刺さってしまったとか、つまり、報告するほどではなかったものが必ずピラミッド状に間にありますので、そういう意味では、それなりに事案はあるのではないかと思っています。
先ほどの質問にもありまして、重ねて答えますが、一つは、広く言うとメンテナンスなのです。ところが、メンテナンスを専門業者がやっているケースもあれば、使用者がやっているケースもあったりして、そこまでメンテナンスの方法が徹底できているのかどうかも我々としては一つ注視しているところであります。
もう一つは、発見と言ったらいいのでしょうか。つまり、この状況はちょっとまずいのではないかというのがどれだけ現場で見えるかどうか。このあたりはほとんどガイドがない状況で、何が危ないのかが今、見えない状態ですから、そのあたりは最終的に一つの目安を出せるといいかなと。できるだけ起こさないようにすることと、万が一そうなってしまったときにそれが見つけられて、それに対してその場所の使い方を考えるとか、そういうことです。体育館は体育をするためだけに使われないというのが実情で、そういう意味でも、いろいろなことが長期的には起きているのかと思っております。

今の御発言の確認なのですけれども、前回これが対象に入ったときもそうだったのですが、この10件というのは事故情報データバンクに寄せられた事例と報道の事例ということをおっしゃってはいたのですが、消費者安全法に基づいた事故情報の収集の通知。例えば文科省からの学校関係の体育館とかというものについては、その後調査はされていないのでしょうか。
持丸委員長代理

事務局に答えてもらいますが、それも調査して、今、この情報だと私は理解しているのですが。

消費者安全法に基づいた文科省からの通知、重大事故ということについて、その後通知されているかどうかといった調査はされているのでしょうか。
事務局

通知はされている。

重大事故だったら来るということになっているということだと思うのですけれども。
事務局

こちらで重大事故として把握は、今、下に書いてあるとおり、1と10だけです。

1と10だけということですか。
事務局

データバンクに寄せられたものが1と10です。文科省経由はないです。

文科省経由がないというのは、例えば幼児の施設で厚生労働省が報告しなかったものが、できなかったものが後で消費者委員会の調査で、そうではない、もっともっとあるのに報告できなかった、しなかったと。つまり、消費者安全法を周知していなかった現場の職員の方々とか、問題になりましたけれども、これはそうではなくて、ちゃんと文科省の中で、あるいは消費者安全法が周知されていて、監督されている体育館については重大事故はなかったと。通知は2件だけですけれども、そういうことを消費者庁としては判断されているということですか。
事務局

そこは文科省がどうするかということですね。文科省がちゃんと下まで周知して、それを上げろと言っているかということですね。そこは把握していないです。当然上がってくるものと思ってこちらはいるので、そういうルールにはなっているので。

事故調のほうでは何か。
事務局

事故調からはしていないですけれども、文科省はかつて選定されたときに通知を出しています。それはホームページに載っています。

共同通信の平田です。
11ページ目の先ほどの過度な吸湿とか原因に言及されているところについてなのですけれども、これは比較的、築年数が浅いものも含めて、築年数を問わずということなのかどうか。
持丸委員長代理

私のほうからお答えしますが、基本的に、専門委員の方に伺っていることによりますと、やはり築年数が長くて、その間にメンテナンスあるいはもろもろの形で水分がかかるほうがはるかに起きる確率は上がる。しかし、1年や2年で起きないかと言われると、そうとも言い切れないという若干曖昧な状況ですけれども、短かったら全然起きないというわけではない。これも専門委員の先生のお言葉ですが、それは、木材そのものというよりは、設置環境、例えばそこがそもそも湿度が高いとか、床下の状況であるとか、それからメンテナンスなどに起因するのではないか。体育館そのものについては御存じないのですが、木材一般についてはそう言えるというお話でした。

例えば事故事例の10件の中にある1番目の築年数2年のものだとか、当然こういったところも、設置環境とかによれば。
持丸委員長代理

起こり得るということですね。したがって、今、ここで申し上げることではないかもしれませんけれども、築年数が長いから危なくて、短いから大丈夫だということではなくて、よろず気をつけていただかなくてはいけないということになろうかと思います。

加えて、あくまで木製だから吸湿具合にはそれなりに限界があって、あくまで吸湿具合を超えるぐらいの水の量でモップがけを繰り返したりしたときがこういった事故になる可能性があるということですか。
持丸委員長代理

これも専門委員の先生の話なのですが、明確に関係性は、少なくとも今はよく分からなくて、例えばもちろん吸湿量というものもあるのですけれども、そのサイクルであるとか、それと乾燥の間の関係とか、そういうものも影響してくるだろうと。何しろ相手は木材で、もちろんある程度の処理はされていますが、生ものですから、こうなれば必ずこうなるという形でもないのですけれども、リスク的にはもちろん湿度や吸湿が一番大きいですが、一定のサイクルの関係もあるだろう、気温とかの変動もあるだろうというお話でした。

フジテレビの細田です。
体育館の木目は一定の方向に流れていると思うのですけれども、そもそもささくれができる方向が大体決まっていると思うのですが、体育館の試合をするコートの使い方自体を見直したほうがいいのではないかという考えは議論に出ているのでしょうか。
持丸委員長代理

2つお答えをいたします。
1つは、確かに剝がれやすい方向があるのではないかという議論は出ています。ちょっと専門的になるのですが、写真があったかどうか分かりませんが、木口といって板の端のところから剥がれる。それから、途中のところから剥がれるケースがあります。木口のところから剥がれるケースは確かに板の方向に動いたときにぱっといきやすいのですが、途中のところからぺらっといってしまったものは割といろいろな方向でひっかかってしまいそうだと。特に衣服がある場合、衣服の繊維とひっかかるのでという話がありました。
そういう意味で、今度は使い方のほうなのですけれども、我々としては、方向をどうのこうのというのは、やはりまだリスクがあるので、先ほど言った、まだ分からないですよ。一つの可能性として、メンテをしっかりしていただくのですが、やはり見つかってしまったというときは、例えばその場ではスライディング何とかとか、そういうものを少し控えていただくとか、そういう作戦もあり得るのかなという議論は中でもしております。

これは今の進み具合から見て、例えばもう1年ぐらいかかりそうなのか、それとも半年ぐらいでいけそうなのかとか、最終報告までの見通しはありますか。
持丸委員長代理

1年はかかるのではないかと思っています。まだ手元に明確なデータ、例えば今、申し上げたことも、話を聞いていただければ分かるように、大体、木材から言うとこうですとか、現地ではこうでしたということで、原因として何があって、それに対してどういう対応をとればよいのかということがある程度まとまって、その上で、前回のエレベーターではないですが、ある程度報告書をまとめるという作業まで考えますと、半年はちょっと難しいかなと思っています。