文字サイズ
標準
メニュー

記者会見要旨
(平成28年4月15日(金)17:25~18:03 於)消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

畑村委員長

本日の調査委員会では、5件の事案について議論しました。意見のフォローアップ、エレベーター、ハンドル形電動車椅子、軽井沢のスキーバス、体育館の床から剝離した床板による負傷の5つです。
第1に、意見のフォローアップを公開で実施しました。調査委員会が平成26年12月にリスク低減策を取りまとめ、関係省庁に意見した家庭用ヒートポンプ給湯機の事案について、その後の取り組み状況を関係省庁からヒアリングしました。
第2に、エレベーターの事案について議論しました。この審議に私は参画しないことにしていますので、後ほど持丸委員長代理に説明していただきます。
第3に、ハンドル形電動車椅子の事案については、報告書の素案について事務局から説明を受け、議論をしました。
第4に、軽井沢スキーバスの事故については、国土交通省の検討会の中間整理等に示された対策について、事務局から説明がありました。
論点を4つの問題、1つ、人材確保、2つ、運賃やコスト、3つ、監査、4つ目、運輸安全マネジメントに絞り、消費者の視点から見て、現在、検討されている対策は十分と考えられるか、再発防止に必要な物の見方は十分かについて議論をしました。
第5に、体育館の床から剝離した床板による負傷事案については、アンケート調査の内容について事務局から説明がありました。
以上です。

持丸委員長代理

委員長代理の持丸です。
 かわりまして、エレベーター事案について説明を申し上げます。
 エレベーターの事案は、報告書素案の骨子が大体固まってまいりまして、事務局から今回説明を受けて、主に再発防止策と意見という、いよいよ根幹の部分について、今日、具体的な審議をいたしました。その前に工学部会でも同じものについて審議をして、その議論を踏まえて行ったということです。
 続きまして、今月の工学部会の議論についても説明を申し上げます。
 工学部会では、今、申し上げましたエレベーター、家庭用コージェネレーションシステム、ハンドル形電動車椅子、体育館の床から剝離した床板の負傷の4件の事案について議論を行いました。
 エレベーターの事案は、今、申し上げたとおりでございます。
 家庭用コージェネレーションシステムについては、運転音の現地測定の結果の報告と、まだ関連する申出事案で追加測定ができそうだということもありましたので、これについて議論し、最終的に追加測定を実施することにいたしました。
 ハンドル形電動車椅子の事案については、先ほどお話しした本日の委員会と同様に、報告書の素案について事務局から説明を受け、こちらも再発防止策と意見について議論をいたしました。
 私からは、以上です。

2.質疑応答

朝日新聞の重政です。
今日のフォローアップに関するヒアリングの件ですけれども、率直に、各省庁から出た案というのは、先生方はどのようにお感じになりましたか。特に委員長はどのようにお感じになりましたか。
畑村委員長

どれもみんな聞いているともっともだなと。言われっ放しで、何か提案されたらちゃんとそういうものというのは、形の上ではそいつを受け取ったけれども、それほどはちゃんとしていないのか、それ用にはちゃんと余り動いていないのかと私は思っていたら、そうでなく、随分ちゃんと真面目に取り上げて、趣旨に合った判断と行動をしているのだなと感じました。
どれのどれについてどう思ったかというのは、順番に言ってくれないと、何を言っていたか、今日は議題が多くていっぱいやったから余りよく覚えていないけれども、全体の印象はそうでした。自分が期待しているよりも、みんなが真面目にちゃんと受け取って対応しているのだなと感じました。

具体的には、持丸さん以外のほかの先生も言っていましたけれども、所有者の同意がないと調査や対応が難しいと言われている点については、どのようにするかというのは全く回答がなかったと。
畑村委員長

それはヒートポンプ。

そうです。これはヒートポンプのフォローアップのヒアリングの件なので。
畑村委員長

それについてだね。

はい。
畑村委員長

それで、質問は。

各省庁のほうからは、それについてどのような対策なりができるかということについては、何も回答がなかったように思ったのですが。
畑村委員長

そうかもしれないな。私も余りちゃんとした印象を持っていないから、ごめんなさい。ちゃんとした答えができない。

持丸委員長代理

ちょっと私のほうからコメントを申し上げますと、おっしゃるとおり、私も3点ございまして、1つはフォローアップそのものは非常にやって意義があったと。つまり、我々の委員会も、出してそれっきりではなくて、我々が提示したことが各省庁でどのようにその後に出ているのかというのを再確認するということで意味があったと思います。
2つ目は、委員長が申し上げているように、なるほど具体的に進んでいるなということと、こんなことを申し上げてはあれなのですが、やはりここのところはうまくいかないのかというところが正直ございました。
それは、今、御指摘のあったように、特にこのヒートポンプの案件で言えば、実際に被害を受けている所有者ではない方と被害を受けた所有者の方で、所有者の方は事業者とか販売者につながっているわけですが、所有者でない方というのはそこにつながっていなくて、例えば、これを経済産業省みたいな事業者側のチャネルから押さえようとすると、もともと難しいわけです。
だから、消費者庁が出てきて、我々も委員会をやったわけですが、相変わらず省庁の谷間に落ちそうなところをうまく我々もフォローできていないというのはあります。そこのところが確かにうまくいっていないような部分はあって、いずれにしても、とにかくうまくいっているところといっていないところが分かったというのが2つ目です。
3つ目というのは、我々も反省をしていかなくてはならないところがあるわけです。
意見書を最終的に省庁ごとに出すわけですけれども、結局そこのすき間があって、なかなかそこがうまくいかないところもやはりあるわけで、そういうところに対していかにうまく具体的なことがこちらから言えるか。あるいは、もう少し踏み込んで向こうの活動を引き出すようなことができるか。連携を引き出すようなことができるか。ある意味では、フォローアップというのは、皆さんに、どうやって社会に落ちたかということと、我々が出した意見とかアクションが十分であったかとか、そういうことも含めてPDCAが回っていく大事なことだなと、反省も込めて、そのように感じました。

共同通信の平田です。
このフォローアップは、調査を終えたほかの案件とかでもやっていくのでしょうか。例えば、今後もこれを常態化するというか、この後、報告書が出たものも一定期間を置いてからフォローアップするとか。
畑村委員長

今日、やってみた印象で見ると、フォローアップはすごく大事だなと思いました。提案とか、提言とか、そういうものは言いっ放しになってしまうし、行政官庁が何かをやると、指示を出しっ放しで、それから後はみんなやったことになっているけれども、本当にやって、それがどうだったかというフィードバックをきちんとやれていないから、だから、やったことになって、やっていないという実態が残されてしまうのではないかという気がするのが、今日、やってみたら、自分たちが言ったものを自分たちでヒアリングするというのをやるわけだから、どこまで提言なりなんなりがちゃんとしていたかどうか、相手がちゃんとそのとおりに動くか動かないか、私はそのとおりには動かないのではないかと思っていたら、そうではなくて、本当に真に受けて、全部をやっていたとは言わないけれども、やっている部分は随分あるので、ああいう提言は大事なのだなと思いました。
それで見ると、これで提言した後1年とか、それでまず、フィードバックとして、それがどんな具合だったかをヒアリングするというのが大事だし、そこでまた何かやりとりしたら、本当は次の年もまたやってみるとか、何年かしてやってみるとかというので、後々までずっと言いっ放しでないというサイクルを動かすのはとても大事だなと思いました。
委員長がこれから先もやりますと約束しましたという記事を書かないでください。ちゃんとやれるかどうか知らないのだもの。
だけれども、本当に大事だなというのはとても思いました。自分たちで言ったり、提言したりしたことをちゃんと自分たちで検証するという物の見方と、そのためのアクションをすることをちゃんと考えるというのはとても大事だなと思います。

記事では、今後もほかの案件とかでこういった直接的なフォローアップというのは。
畑村委員長

やりますとは言えないけれども。

やりたいとおっしゃっているとは。
畑村委員長

やるのがいいととても思います。

事務局

補足します。
今日、委員長がこの案件ですかと言われたのですけれども、実はもう一個、ガス湯沸器のフォローアップもしておりまして、こちらにつきましては、経済産業省のほうから文書で回答をいただいたのです。
これを御審議いただきまして、ヒアリングの必要があるか否かにつきましても御審議いただいて、今回の件につきましては、ヒアリングの必要がないということでいたしませんでしたが、経産省からいただいた文書につきましては、調査委員会のホームページに載せますし、今後、委員長は約束はされませんでしたが、フォローアップは事務局としてはしていくつもりでおります。

今回の結果は、また何らかの形で報告書というか、文書にまとめて、またホームページにアップしたりとかはされますか。
畑村委員長

それはどうなのだろうね。

事務局

ちょっとそこまで考えていませんでしたが、今回は公開でしたし、ちょっと考えて、各省から出てきたもの、いただいた文書につきましては載せることになっておりますし、中身については、今、ちょっと考えさせていただきたいと思います。

すみません。細かいのですけれども、持丸先生の発言の趣旨をお尋ねしたくて、周波数の帯域をどかっとホームページに載せて、型番を外から分かるように見せてというくだりのところで、こういう属性の型が、周りは余りやかましく言っていないようだからというやつを買おうという動きが出てくる可能性もあるというくだりのところなのですけれども、これはその周波数の帯域とか型番というのは、メーカー側とかがホームページに載せる。
その一方で、要するに、口コミみたいな評判というものを、それぞれの人たちがネット上とかで載っけて、その口コミによる評判みたいなものが広がって、それがまた消費者の選択の幅を広げていくという趣旨で。
持丸委員長代理

はい。そうとっていただいていいと思います。
ちょっと誤解を招くかもしれないので、重ねて申しますと、科学的に全部を解明したほうがいいというのは、私も科学者ですから、それは全くそのとおりです。ただ、社会の変化が速いときに、科学の解明に10年かかりますよと言っていると、間に合わないケースもあるわけです。
そのときには、とにかく、今、科学的に解明できる情報と、それがどの機械から出ているのかというのが分かるようにすると、言い方は悪いですが、例えはよくないですけれども「食べログ」みたいなものですね。レストランのおいしさの味というのは、科学的に必ずしも全部解明できていないですが、消費者の方は何か分かる。それには確かに多少いろいろなぶれがあるので、全てが正しいとは言えないのですけれども、そういうものができると、情報を出すほうもできるだけよい評判が得られるように技術開発が進むでしょうし、実はいろいろな周波数で大して差がないのかもしれないし、もしかしたら、場によって差があるのかもしれない。
そういう情報をたくさん得ると、ちょっと研究の話で申しわけないのですが、最近は、研究は社会的になっていて、本当にいろいろな条件を実験室でやることはなかなか難しいのです。同じ型番で同じ周波数なのに、なぜここのものは消費者の評判が悪くて、なぜここのものは消費者の評判がいいのだろうというところから、実は研究者は新しい仮説を立てるのです。隣に林があると結構大丈夫なのかと、研究室では全く考えつかなかったようなことがそういうところから出てくることもあるので、そういう意味では、何が何でも実験室の中で全てを解明するというのではなくて、非常にたくさんの条件が関わるときは、言っては何ですが、社会にも協力をしていただいて、一緒に問題を解明していこうという部分で、今、分かっている部分は開示してしまうというのも一つの考え方だという言い方です。
だから、必ずしも正しいと申し上げているわけではないですが、今はそういう考え方もあるということです。

分かりました。
毎日新聞の鳴海です。よろしくお願いします。
私からは2つ、まず、バスのほうです。
先ほどの説明の中で、中間報告みたいなもので4項目、人材確保、コストとか、いろいろとありましたけれども、これに対する今日の審議の中での評価というか、実際にどういうものだったのか、大まかなところを伺いたいのと、それを受けて、結局、これは委員会のほうで正式に調査対象というか、そこまで持っていくことまで考えているのかどうかも含めて伺えれば。
畑村委員長

先ほど言った4つの項目というか、方向からあれを見ないといけないのだねというのがあって、大きく言うと、バス事業のところの参入というのも、自由にやれるようにして、届出制でやるようになって、市場全体はある一定の量なのに、参入してくる人の数が物すごく突如多くなって、どんどん人が入れるようになったと。そのために起こってきた事柄というのをどういう視点から見たらいいかというのが、先ほど言った4つの項目で見たらいいだろうというので見て、そうすると、何が起こっているのかというと、いろいろなことが見えてくるわけね。
例えば、運転手について、その運転手の技量の問題とかというのもあるけれども、年齢とか、体力とか、運転することに求められる本当に対応力がちゃんとある人が選べて、それでできているのかとか、時間がどうなっているのかという、そんな問題もあるし、逆に、ちゃんとそれがある求められたことを守っているのならいいというか、守れるけれども、守っていないときに、どのようにその守っていないことに対する制裁というか、そんなことがあるのかという視点もないといけないのではないかとか、それはやったことになっているのにやっていないでいると、全部抜けていって、実態としては変なものが放置されてしまって事故になってしまうという見方も要るよねと。だから、そういう見方が本当にちゃんと実行されていたのかどうか。
例えば、この間の軽井沢が起こる前、4年前には関越で起こっていた。それよりもっとまた何年か前には、関西のほうでそういう問題が起こっていた。そうすると、そういう事柄が、結果として自由に参入ができるようになるというときに、今、言っているような視点で物を見て、そこが原因になって事故が起こるようなことがないような対策を打つことができたのか、できなかったのか、検討したのかどうかとか、そういうことをきちんと捉えないと、また再発するのではないかという視点で物を見なければいけないという議論をやりましたと。
では、それで何か調べてどうするのですかというのは、まだ何かをきっちりと決めたわけではないけれども、今、言っているような視点で物を見なければいけないなという議論はやりました。多分すごく大事なことだと思うのね。
何でも規制緩和で自由に何かをやればいいという、そっちから言うと、規制緩和をどんどんやればいいと言うけれども、それをやっているうちに、今のような事故になるのだとすると、多分、規制緩和をしてどんどん自由に参入できるようにすることと同時に、社会全体としては、安全を担保するためには何と何と何だけはやらなければいけなかったのかというのを学び取って、学び取るだけではなくて、実行しなければいけないのではないかと考えている。だけれども、まだそこまで議論が進んでいるわけではないから、ちゃんと調査しますとか、調査の対象にしますというところまで決めたわけではないです。

もう一点、すみません。
全然今日の議論には上がっていないかもしれないのですが、東京メトロで起こったベビーカーの事故の関係で、大まかな確認なのですけれども、運輸安全委員会が現地に、事故直後のあたりで調査官等を派遣していないような形跡があるので、正式に調査しているか、調査対象として本気で取り組むかを、これは怪しいと思って見ているのですが、ちょっと正式には聞いていないのであれですけれども、これは事故調としてはどういうスタンスでいるのか、何となく勘どころをいただければと思うのですが。
畑村委員長

それについて調べたり何かしなければいけないかもしれないというのは議論をしたけれども、どっちにどう動くということは結論を出してやっているものではないです。今日、そこまでは行かなかった。
ちょっと違うことを私は言いたいのだけれども、今のようなああいう事故というのは起こり得るし、どんな状態で何になるのかというのは、私は自分では気がついていたから、今から10年ちょっと前に、JRに話を持ちかけて自分で再現実験をやりました。再現実験をやって、そのときの結論とか、そういうものは本にも書くし、NHKの番組でも全部放映したし、10年か12年ぐらい前に、あのとおりのことが起こるぞというのを気がついて、みんなに伝える努力を自分なりには私はやっていました。
やっていたときの名前は「ドアプロジェクト」という名前でやっていました。それが本になって全部出ていて、今でも読めるのです。動画でそいつを見るのもできるようになっていて、NHK出版から出ている「だから失敗は起こる」という本を出して見てもらえば、それだけで何が対策でどう見るかというのは全部出ている。
だけれども、私から見ると、それから1年か何かして韓国で全く同じ事故が起こって、今度は子供が乗っているものが引きずられて、お母さんが子供を助けたから死なないで済んだというのがあって、それはみんなが対策を打ったつもりでやっていても、どこかに抜けがあったりなどすると、きっと起こるぞというので、全部オープンになっているから、ほとんど全部そのまま先に再現実験が済んでしまっていると思って見てくれればいいと思います。
残念だというよりも、私のほうから見ると、再現実験もやって、データもあるし、映像もあるし、文章もあるし、何でもあるのだけれども、誰も見てくれないという状況は何なのだろうと。だから、そういうことが起こり得るというのがあったら、それを社会全体で共有するのにどうすればいいか。共有しなければあれが起こってしまうぞと。
でも、今回は、人が死んでいないから、すごくよかったわけね。だけれども、ある種、神様が執行猶予をやってくれているだけで、今、学ぶべきものを学んで、きちんと共有をすることをやらないと、今度はいずれ誰かが死ぬよ。そういうすごく怖いことだという感じがする。だから、訓練をちゃんとして、何をやりますという形であれを捉えるような、画一的な一方向から見るような見方に凝り固まっていると、多分そうでない形で事故が起こると思うのだね。だから、あの事故が教えて、私たちに要求していることというのは、普通に考えることとはもうちょっと違う視点からちゃんと見ないといけないと思います。
それは何でそんなことが言えるかというと、10年前に気がついて、実験をやろうというのですごく大がかりに実験をやったので、山手線の実車を使ってやったから、そういうのを協力しましょうと言って、ちゃんとやってくれたJRはすごいね。先生、使わせてやるから、実車を使ってやっていいぞというので、大井の車両センターで実験をやったのね。
だから、そのようにみんながものすごくちゃんと努力して、ちゃんとやって、それで得られた成果をみんなが見られるようにしていても、きっと誰も見ていなかったのだね。だから、そんなのが起こってしまう。
だから、情報の社会での共有というのをどうやればいいのかというのは、私には分からないなという、そんな感じを持っています。

畑村先生に、土台と言うのも失礼ですけれども、そういう経験があるのであれば、なおのことリーダーシップをとって調査委員会でやるという選択肢もあると思うのですが。
畑村委員長

選択肢はあるね。でも、やると言って、みんなが言うかどうか分からないね。
例えば、実験でこうだああだと、どこのドアのあれがどんなセンサーになっていて、どういう対策をしてそいつをやればいいのかというのも全部分かっているわけね。実験が済んで、読めば分かるようになっている。そうだとすると、次にやるのは調査ではない。何なのかといったら、こういう危険を具現化するというか、そういうことが起こらないように、発現しないようにするためには何が必要かといったら、起こっている情報でもないね。情報を伝えれば伝わるかといったら、多分伝わらないのだよ。
だから、みんな、乗るお母さんやお父さんがこんなことがあり得るぞと思って電車に乗るような、そういうみんなでの頭の中の共有を図るのにどうしたらいいかというレベルにまでやらないとだめだろうと。そうすると、消費者庁が今やることにしていることと合うのか合わないのか分からないね。分かっているならやれよと言うかもしれないけれども、そんなことは全部済んじゃっているので、多分、共有するのにどうするかという、もう一段先のことをやらなければいけなくなるのではないかという気がします。

消費者庁の位置づけというと、各省庁の橋渡し役というか、そういう側面もあるわけですけれども、そういう意味では、今回、ベビーカーがこれだけ輸入メーカーも多くなってきた中で、実際はちょっと判然としないのですけれども、今までのJRとか、鉄道会社がとってきたような対策と違う規格の車軸の太さとかを含めて、そういうところで、違う規格の物がふえているとしたら、これはこれで、例えば、経産省とかが音頭を取って、何かしら規制をしなければならない面もあるかもしれないですし、片や、消費者目線で言うと、折りたたまなくても電車に乗れるようになったわけですよ。一昔前までは。
畑村委員長

たたまなければいけなかったのだよね。

そうすると、それに対しての警鐘も必要。それがまた先祖返りして、やはりたたむほうがいいのかという議論もあるだろうし、いろいろな省庁にまたがってのそういうことがあると思うのですよ。そうであれば、なおのことやはり事故調の出番かなと。また話が戻ってしまうのですけれども。
畑村委員長

でも、今、みんなで考えている事故の原因調査とか何かをやるというのとは随分違うよ。実際に10年前にやるときは、ちょっとここでしゃべるのがいいのかどうか分からない。自分が子供を持っているから、どこのお店に買いに行って、どれを買おうかというので、典型的なものはみんな買ってしまえというのでみんな買ってきて、そいつを調べて、それで一番これでやっておけばいいだろうと思ってやったのだけれども、どうも最後はフェンスにぶつかって壊れてしまったというものの写真を見ると、私たちがやった実験に使ったものとまるっきり同じみたいだから、多分10年たっても寸法が変わらないような、そういう製品が今でも便利だから輸入されていて、そこの部分については、日本の普通のああいうベビーカーをつくるメーカーに頼んで、そこの車軸の部分の軸受のところの太さを太くしてくれというのを頼んだのだよ。
そうすると、大事なことだから協力しましょうと、多くのメーカーは協力してくれて、そこは太くなっているのだよ。大体そいつの限度が15ミリだったのだけれども、25ミリぐらいにしてくれたの。それなら挟まったって、発車禁止のマーク、ランプは消えないから、それだと起こらないのだよ。挟むという現象が起こっていても、電車が走らないのだから、誰も気がつかないで、よかったというので済んでいて、それにちょうどひっかからないような、もっと細いものがそのまま乗っていると、今のようなことが起こるのかもしれない。
そうすると、先ほど持丸さんが言ったように、違う方法で、軸受のところが細いものは危ないのだというのを、何かのときに挟まったら電車は走ってしまうんだよというのを社会全部で口コミで共有するほうが有効なのかもしれないね。日本で起こった事故を世界中に発信するというのが実態としてできないのであれば、日本の中では、みんなであれをやると何かのときには危ないのだぞというのを口コミで共有しているのが一番いいのかもしれない。
そうすると、口コミの勧めというのを消費者庁がやらなければいけなくなってしまって、そんなことをやるかといったら、そんなことは分からない。

ありがとうございました。
畑村委員長

でも、今、言っているのは、随分本質的な話だね。そんなところです。

日本消費者新聞の丸田ですけれども、今の関連なのですが、委員長がたしか「ドアプロジェクト」でJRのあれを使ってやったというのは、前に六本木ヒルズの回転ドアのほうもずっとやられていたと。
畑村委員長

そうです。

たしかそのときにエスカレーターもいろいろと実験されていて、そのときに、一番思ったのは、今回、事故調のほうでも去年出された染毛剤の報告書の中で、要するに、事故情報の社会的共有をどうするかという、そこのところのテーマといいますか、そこが今のベビーカーについてもそうだと思いますし、つまり、技術的な何かの変化があったのか、なかったのか。同時に、東京都でもベビーカーについては、昔、乗せやすいようにとか、乗客も温かい目で見るとか、そういう運動をやられたりとか、事故防止に向けて、何らかの形でやってきた。
だけれども、今回はたまたま重大事故ということではなかったですけれども、ヒヤリハット以上のものであって、起こり得る可能性がまだある。
そういうときに、一番多分事故調としては、その社会的共有という、要するに、リスクの旗を幾つか見つけて、それを全部で共有するというあり方、社会的なあり方というものを、本来は一番提案できるところではないかなと感じました。
畑村委員長

私もそう思いますよ。本当に。
多分、提案できるし、説得力はあるよね。だって、実験まで私が勝手に済ませてしまった。だけれども、それは消費者庁としてちゃんとできるよねというのと私が個人でやるというのとの差が出てきて、どうするのかなと思う。
でも、本当に必要だといったら、みんなが協力してくれてできてしまったのだよね。だから、どうするのかが分からない。
ここの消費者庁もどうするのだろう。余りちゃんと真面目な記者会見にならないで、何か変な話になってしまうけれども、本当はここでみんなが必要なことと言うのは、頭の中で本当はここでは共有ができているのだよね。だから、こういう状態をつくって進めていかないといけないのではないかという感じがします。

先ほどの今日のフォローアップもとても重要で、質問も出ましたけれども、それは何かの形で発表する。今日の成果あるいは課題を。そういうものが多分必要なのではないかと思います。
畑村委員長

多分本当にそのとおりで、そこで得られた知見だね。情報と言ってもいいかもしれないけれども、知識でもいいし、何でもいいのだけれども、それをみんなで共有するのにどうするか。どうするのかの議論をやった後には、実行しなければだめなのだよね。
それをよその省庁に言うのもいいし、よその会社に言うのもいいし、おい、やってくれよでいろいろなことを言って、気がついたのだからやってくれよと言って、それでしばらくしたらフォローアップをやればいいのだね。本当に言ったとおりに動いているか、おまえ、頼んだのに動いているかと言って聞くとか、自分で天に唾するみたいなもので、自分たちもこうやるべきだと言っているのに、消費者庁がそんなことを言ったまま、おまえ、本当に動いたのかと自分で自分に言ったら、余り動いていないなどということになったとすると、本当にみっともないことになってしまうね。
1人で好きなことをしゃべっていてごめんなさい。だけれども、本当にそう思う。

1点、質問させてください。
今、2.5センチのベビーカーは、JISか何かの規格になっているのですか。
畑村委員長

知らない。

事務局

お答えします。
SG基準というものがあります。製品安全協会という財団法人がやっているところで、任意の基準で、それを通るためには、電車のドアに挟まったときに検知することという条件がありまして、その挟むときの実験をするドアの仕様として、35ミリ以上の物が検知できることとなっていますので、SG基準を通ったベビーカーはSGマークというシールを張るのですけれども、そのシールを取るためには35ミリ以上でないといけない。一番厳しい条件でドアに挟んだときに感知するようになるということですので、今回のタイヤと本体をつないでいる部分だけが挟まったときでも感知するようにということで、そこが35ミリ以上となっているので、そういう基準があります。
件数は、この間、ちょっと自分でホームページで計算してみましたけれども、ベビーカーは年間70万、80万台販売されていると言われているのですけれども、メーカーからシールの申請のあった枚数で手計算すると、大体40、50万ぐらいですかね。どこかの報道でも7割と出ていましたが、そうなっています。
輸入品でも申請はしているところがあるみたいで、中国のどこどこの会社から申請が来ていますとかというのも製品安全協会のホームページに載っています。あくまでそのシールも基準も任意で、何か国が定めているとかということはないです。制定当初は通産省がやっていたのですけれども、今は財団法人がやっていることになっています。

そこに消費者庁はもう一歩、踏み込めないのでしょうかね。
畑村委員長

どこに踏み込むのですか。SGマークのところに消費者庁が出ていくの。

皆さん、やはり1センチぐらいだとドアに挟まるというのは、ずっとドアプロジェクトとかをやっている人たちは知っていて、また起こったねとみんな思っている。
畑村委員長

みんなそう言っている。

そして、テレビで、こういうものを売っているから、こういうものを使ってくださいとどこのニュースでもやっていて、また状況は同じなのだなと。
畑村委員長

残念だけれども、あとはどうするのかと。共有するのにどうするかで、やれることはやっているつもりなのに、ちゃんとならないのだよね。