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記者会見要旨
(平成27年12月18日(金)15:50~16:13 於)消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

畑村委員長

本日の会議の概要をお話しします。
本日の調査委員会では、子供による医薬品の誤飲について調査結果を取りまとめました。子供が医薬品を誤飲する事故は毎年多く発生し、増加傾向にあります。子供が手に取らないよう適切に薬を管理することは重要ですが、注意だけでは誤飲を防ぐことができない場合があります。そのため、包装容器による対策を行い、子供が薬を手にしても子供には開けにくいものに改良することが必要です。
調査により、子供には開けにくいが、高齢者など薬を飲むべき方には開けにくくないチャイルドレジスタンスの包装容器が実現する可能性があると考えられること、チャイルドレジスタンスの判定を、機械による簡単な測定で行うことができる可能性があることが分かりました。この2つのことが分かったわけです。
今回の結果を踏まえて、事故が減るよう、厚生労働省など関係者にはチャイルドレジスタンス包装容器の標準化を始めとする方策を検討し、導入を進めていただきたいと思います。
最後に、調査に携わった専門委員や熱心に審議していただいた部会の委員の皆様の努力に、委員長として感謝したいと思います。
調査結果の状況については、持丸委員長代理に説明していただきます。

持丸委員長代理

委員長代理の持丸です。
今月の部会の議論の御報告を申し上げます。
工学部会では、家庭用コージェネレーションシステムと、ハンドル形電動車椅子2件の事案について審議をいたしました。
先月から調査を始めた家庭用コージェネレーションシステムの事案については、事務局と専門委員会から調査の計画について説明がございました。その中で、実は類似した案件、もう既に報告が出ておりますけれども、家庭用ヒートポンプ給湯機について調べておりましたことに対して、今回の事案が技術的にどこが違ってどういう特徴が違うのかというあたりから、もう一度どのような対策が考え得るかというレベルまで含めて調査計画の審議をいたしました。
もう一件、ハンドル形電動車椅子の事案については、専門委員から報告書の取りまとめの方向性というものの説明を受けました。これは、非常に移動に関する大きな事案でもあって、ハンドル形電動車椅子単体ではなかなか済まない部分もあるのですが、その分をどうやって進めていくかということについて審議をいたしました。
私からは以上です。

2.質疑応答

NHKの阿部といいます。お願いいたします。
子供の薬を誤飲する事故についてのリスクの大きさをどのように感じておられるのかということと、包装を強化することで高齢者などが薬を飲みにくくなるという一方の面もあるかと思うのですけれども、そのあたりのバランスというものをどのように考えていらっしゃるのかというのを改めてお聞かせいただけますか。
畑村委員長

1個目の質問ですが。

1つ目は子供が薬を誤飲することのリスクは、どのくらい危ないものというか、危険性があるものと考えていますか。
畑村委員長

実際に薬の種類によって、例えば子供が親や自分のおじいさんやおばあさんの薬を飲んでいるのを見て、その人用にできている薬と自分がやるものと全然区別ができないで間違って飲んでしまったとすると、とんでもない薬を飲んでしまうことがあり得るし、起こっているのだと思います。ですから、件数が物すごくたくさんになるもののうちの相当の量が、子供にとっては危ないとか飲むとひどいことになるようなものでも、別の人は普通に飲んでいる薬、そのようなものは随分あると思うのです。そうだとすると、子供に開けにくいということをやることによって、そういう事故を基本的には防げるのではないかとまず考えます。
だけれども、その次に大事なことは、子供には開けにくいけれども、年寄りなり何なりには開けられなければ、とても不便なものになってしまうわけです。完璧なものを求めようとはしないけれども、子供には開けにくくて、年寄りには開けられるという領域が、この世の中に本当にあるのだろうかというところから丁寧に調べていっています。
そうすると、そういう場所があることが分かってきたわけです。それなら具体的にどのようなやり方でどうやったらいいだろうかというのを提案して、そういう方向に容器をきちんと開発するなり使うなりする方向に持っていってくださいと提案しようと思ってやったものです。

厚労省には、どういった形で要望していくことになるのですか。
事務局

厚生労働省に対しましては、お配りした概要版でいいますと、19ページで「意見」という中に「厚生労働大臣への意見」と書いてございます。今回、容器に関してつけ加えたのがその中の(1)になりますので、①といたしまして、チャイルドレジスタンス包装容器の標準化を始めとする導入策を検討すること、②は、関係者も含めて十分に議論すること、この2点を厚生労働省に対して意見をするということです。

共同通信の平田です。
この厚生労働大臣への意見のところで(1)の①の包装容器の標準化というところなのですけれども、この標準化の意味するところはどこまで含めているのかをお尋ねしたくて、設計基準だけではなくて、米国と英国のような法規制、チャイルドレジスタンス機能がないと販売を禁止しますと、どこまで具体的に求めているのかお尋ねしたいです。
持丸委員長代理

標準化というのは、一般的に法規制は含みません。標準はあくまでも標準です。標準化の中で、多分私たちが期待をしているというのは、先ほどの質問にもありましたけれども、後で触っていただければと思いますが、お子さんに開けにくくてお年寄りには開けることができるという答えがどうもありそうだということになったので、コストとか一体どれぐらいの薬がそれに相当するのかとかそういうことをきちんと議論した上で、では、例えばこれぐらいの力で抑えるものにしたらどうかという一つの標準を作っていただけたらと思っています。
標準というのは、例えば日本ですと一つの工業規格みたいなものは任意規格ですから、それそのもので守らなければいけないということでは必ずしもないのですが、一方で、それを守らなくて誤飲事故が発生した場合、一般的には民事ではまず間違いなく負けるでしょう。ですから、それぐらいの拘束力は標準にはございます。
それをさらに推し進めていくには、その標準の上に前のライターのチャイルドレジスタンスのように、何らかの法規制みたいなものがあるのかもしれません。そこはこれからの議論ということになろうかと思っています。

では、あくまでここでいう標準化というのは、例えば何ニュートン以上でつくるようになどといった設計上の基準ということですか。
持丸委員長代理

そうですね。言うまでもなく、法規制をするに当たってもまず標準がないと話ができませんので、そういう意味では社会の中で現実的なコストと使い勝手の中で回るような安全な標準というものがまず最初はなされるべきだと、我々としては、これをきちんと議論してくださいとお願いをしているわけです。

この提言を受けて、厚労省にどのような姿勢で臨んでほしいとお考えでしょうか。
持丸委員長代理

私から答えていいですか。私は個人的にこういうことに長く関わっているので、私個人の意見になるかもしれませんが、ぜひテーブルについていただきたいというのが、私どもの一つのお願いです。
言葉が分かりにくいのですが、2つのことを私は申し上げたいと思っていることがありまして、チャイルドレジスタンスというのは子供が全く開けられなくなるものではありません。そのようなきれいな答えは残念ながらありません。お子さんの大多数が開けられない、開けにくくなる類いのものです。何だ、完璧ではないのならやる意味がないではないか、そのようなことはありません。全部が啓蒙活動だけでやるということではなくて、ライターのときも同じですが、80%以上の子供が開けられなくなるだけでも劇的に効果があるものです。まず、このことは理解いただきたい。
次は、ではそれで肝心のお薬を飲まなければならない高齢者が開けることができて、子供にそれなりの比率が開けにくくなる答えがあるのか。答えがきっとないから席に着かないというのが、別に厚労省だけではなくて、私が思っていた今までの日本の状況だったのではないかと思います。
今回、消費者庁の中でいろいろ試験をしたというのは、後で触っていただければいいと思いますが、答えがありそうですと、これは技術の進歩もありまして、だとしたら、ぜひ関係者の皆さんで席に着いて、もっとより安全な社会を作るための包装容器はどうしたらできるかということを議論していただければ、私はテーブルに着けば何かの答えは見つかり得るのではないかと思っています。まさしくその第一歩を踏んでいただきたく、言ってはなんですが、証拠もそろえて提案を申し上げている。そのようなことになります。

読売新聞の岩崎と申します。
今、証拠をそろえて提示したということを御説明いただいたのですけれども、今回実験についてプッシュ型のみしか行っていなくて、これが一番普及しているということではあるのですが、ボトル型とかチューブ型のものについても実験をして、ある程度の証拠を積み上げていくこともできたのではないかと思うのですけれども、その点について、厚労省に席に着かせるためには、今回の実験内容がこれで十分だとお思いになっているのかどうかというところが1点です。
それと、ちょっと視点が変わるのですけれども、選定してから2年間という時間がかかっております。前々から事故調の処理件数についてはいろいろなことが言われておりますけれども、この2年間というかかった時間、スピード感についてはどのようにお考えになっているのかというところをお聞かせいただけますでしょうか。
持丸委員長代理

技術的な内容ですので、1点目は私からお答えしますが、まず、答えはイエスです。これで先ほど私が期待していることに対して効果があるだろうと思っています。
理由を端的に述べます。まず、御質問の中にもありましたように、日本の国内はこのPTP包装と呼ばれるこの手の錠剤が圧倒的に多いということです。したがって、主流になっているところがやられているということです。一方で、チューブ式であるとかボトル式のものは、実は既に欧米でこういうものについてのチャイルドレジスタンスができることが分かっておりますし、実は御存じのとおり、一部の日本の売薬では既にこういうものが導入されています。
それが既にできることが分かっていて導入も一部売薬でできているのに、処方薬で進まない最大の理由は、そのようなものが処方の主流ではないということです。ですから、日本でこれをやっていく私が今まで感じていた最大の障壁は、海外で余り主流ではないこの手のタイプのものに対して技術的にできるのかどうか。実は、ボトルのほうがはるかにテクニカルには簡単です。これは、多くの医療従事者も果たしてそのようなコントロールできるのかというところをすごく疑問に思っておられたところで、今回はパッケージ事業者の方にも御協力をいただいて、それがテクニカルにできるようになったということですから、そこは十分にインパクトがあるだろうと思っています。これが1点目です。
2点目の時間がかかったことは、もちろん消費者庁はこの案件だけではないのですけれども、この案件について申し上げますと、実はもともとこれはもう一つの食品・化学・医学部会のほうで検討されておりまして、その中で、もちろんこれから啓蒙をどんどんしていかなくてはいけない。その中で、我々工学部会から若干手を挙げるのは遅かったのですが、それはそれで大事なのだけれども、事故にはスリーステップのメソッドというものがありまして、一番最初に根本的な危険源を取り除く。次に、リスクを低減する。3番目に残留リスクをアナウンスして気をつけてもらう。つまり、啓蒙というのは3番目の話なのです。根本的な危険源を取り除くというのは、子供が飲めないサイズにするとか、あるいはそもそも子供の危ない成分を取り除いてしまうとか、ただ、それは薬の場合かなり難しいです。
そうすると、リスクを低減するというところの手段が、子供に開けにくくする。この部分に関して工学的にトライできるのではないかという話が出てきましたので、そこからこの調査が始まって、恐らく前回の中間報告を見ていただくと前半の部分はさほど変わっていないとお感じになると思います。そういう意味では、今回長くなったのは後半部分、これだけのボリュームの実験調査をして、こういってはなんですが、脇が甘いとほら見ろやっぱりできないではないかなどと言われるので、割と我々のほうでもしっかり調査をして、答えはありますというところをお出しするのに時間を要した。この件に関してはそうなっております。

追加でもう一つだけお聞かせください。
厚労省次第という部分もあると思うのですけれども、皆さんの頭の中には、大体何年後くらいに実現したらいいなみたいなお考えというのはおありになるのでしょうか。
持丸委員長代理

期待値としては、それはもう1年ぐらいでできたらいいなと思っています。ただ、一般論からいうと、もし本当に標準を作ることになりますと、標準というのは、作るプロトコルの中にパブリックコメントを何箇月もらうかとか、これに輸出入があるかどうかよく分からないのですが、WTOの案件にかけるとか、ある一定の期間を必要としますので、標準を作るとなったときに、1年でできるかどうかというのは非常に難しいです。
したがって、最初に議論をして、標準ができるまでに1年半以上は物理的にかかってしまうだろうと思いますが、ぜひ早目に何かこういう議論が起きて、リスクはずっと今も存在しているわけですから、そういうことが早く動けるといいなと思っています。

ありがとうございます。
コストの面はどのようにお考えになっていて、まず、どういう分野から進めてほしいとお考えになっているのか教えてください。
持丸委員長代理

コストの件は、厳密には、我々はチェックしきれておりません。これは製造メーカーさんとどのくらいの数が出るのかということも含めて、そこをまさしく我々は今度、この後例えば厚労省さんなりの中でぜひ検討いただきたいと思っていますが、ただ、そうはいっても、これがめちゃくちゃなコストになるのだったら、多分私どもも今日ここで発表していなくて、我々の予想としては全く1円も上がらないとは申し上げないのですけれども、まあまあリーズナブルなコストの中で収められそうな気がしています。
そのときに一体どれぐらいの数が出るのか、どのあたりから導入するのかということになってきますが、一般論からいうと、では、例えばビタミン剤も危ないのかというと、それはそのようなことはございません。向精神薬であるとか降圧剤、血圧を下げる薬であるとか、このようなものは体重が小さいお子さんが飲むと非常に重篤な問題になる。先ほどの標準の中で申したかどうか分かりませんが、どのような力のものにするかと同時に、どのような類いのものから導入するかというのも非常に重要なポイントになってきて、ここはぜひ専門家の先生方と一緒にリスクをどれくらいいけるのかということを含めて検討いただければいいかと思っております。

日本消費者新聞の丸田です。
既にもう御回答されているかもしれませんが、先ほどパッケージ業者にも御協力願ったということがありました。これは標準化をする場合は、厚生労働大臣への御意見なのですけれども、経済産業省、要するに、JISとかISOなどというものは、中身の問題だからということで余り関係ないのでしょうか。
持丸委員長代理

専門的にお答えしますが、JISは実は経済産業省だけのものではなくて、厚生労働省のJISもありますし、文部科学省のJISもある。主務大臣が定めることになっておりますので、恐らく私は専門的なことで分かりませんが、この案件になったときには厚生労働省の主管で、もし標準を定めるとしたら、JISを定めることはあり得ることだと思っています。