記者会見要旨
(平成26年9月26日(金)16:46~17:06 於)消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

畑村委員長
本日の委員会では、子供による医薬品の誤飲事故について、事務局から調査の状況についての説明を受けました。
  また、家庭用ヒートポンプ給湯機の事案について、担当の専門委員と事務局から報告書の素案について、説明を受けました。
  このほか、先月もお話ししましたが、機械式立体駐車場の事案については、報告書で取り上げた事案の分析過程を解説する解説編を作りたいと思っています。本日は、事務局からその作成状況について説明を受けました。
  いずれの案件も、本日の議案を踏まえ、引き続き作業を進めていくことになりました。このほか、本日の会議では申出に関わる事案について、事務局から情報収集の結果が報告され、その内容を検討した結果、5件については調査を行わないことになりました。残りの案件については、引き続き事務局で情報収集を行うことになります。
  調査等の状況については、松岡委員長代理に説明していただきます。
松岡委員長代理
続いて、今月開催しました各部会での議論について御報告いたします。
  工学部会では、家庭用ヒートポンプ給湯機及びエレベーターの2件の事案について審議を行いました。
  家庭用ヒートポンプ給湯機の事案については、担当の専門委員から、これまで行ってきた調査の結果を踏まえ、報告書の取りまとめの方向性について説明がありました。本件については、部会で出された意見を踏まえて、引き続き、報告書の取りまとめ作業を進めることになりました。
  エレベーターの事案については、担当の専門委員から調査の経過について報告がありました。本事案については、引き続き、作業を進めることとなりました。
  食品・化学・医学部会では、子供による医薬品誤飲の事案について、事務局から調査結果の概要について報告がありました。
  部会では、調査から得られた保護者の意識や対応状況、子供の医薬品誤飲事故に共通する事項など、調査結果を踏まえた再発防止策の取りまとめの方向性を議論しました。部会での議論を踏まえて、本事案についても、引き続き、調査の取りまとめに向けて作業を進めております。
  以上でございます。

2.質疑応答

NHKの藤谷です。
  委員長にお伺いしたいのですけれども、来月1日で事故調が発足から2年を迎えますが、これまでの2年間を振り返られて、委員長としての成果と感じられるところと課題に感じられるところを、それぞれお教えいただけますか。
畑村委員長
これを引き受けて2年たったと言われて、2年たったのかというのが、一番素直な感じです。
  というのは、何をやらなければいけないか、何が期待されるか、それをどう持っていけばいいのかというのは、私は実際には何もわからないし、自分なりにやり方をきっちり決めてこれを実現しようと思うような方針というか、方向というか、そういうものは自分にはなかったです。
  でも、実際にこれが発足してやってみたら、今、本当に素直な気持ちで見ると、随分ちゃんとしたことが「できた」というよりは、「できてしまったな」という感じがしています。世の中で起こっているいろいろな事故とか、そういうものをどう扱うのか、どういう物の見方が、今までなかったけれども、これから先、そういうことを見ていかなければいけないのかというものについて、今までになかった新しい1つの方向が出かかっているのではないかと思うようになりました。
  それはどういうことかというと、実際に世の中で提供されているサービスであったり、提供されている物であったり、提供されているシステムであったりというときに、そういうものも実際にそれを使ったり、そういうものに取り囲まれて生活をしている人の側から見たときに、一体どんなことが必要なのか、どんなことが欲しいのか。それから、十分満たされているものもあれば、満たされていないものもあって、そういうところで事故が起こっているのだと、多分、それまでになかった新しい視点を入れて物を見ていくということをやってみたということなのではないかと思っています。
  1年目の委員会では、エスカレーターの事故とエレベーターの事故について、評価書を出しました。そして、2年目の委員会では、機械式立体駐車場の事故、幼稚園のプールの事故についての報告書を出しました。こういうものが出ているのですが、先ほど言ったように、まだ今いろいろなものに取り組んでいるところです。
  従来の考え方とか物の見方というのは、例えば作る側、さもなければ、それを提供して社会の中で使われる状態を具体化する方向、要するに、言ってみれば、与える側から主に考えられていたような気がするのですが、先ほども少し言いましたが、実際にそういうものを使う側からどうそれが見えてくるか、何をやるべきかということを考えることができるようになった気がします。
  これは、これから先まだいろいろ考えて発展させていかなければいけないことではないかと思っていることで、この消費者安全調査委員会で今までやられたことが全部できているかと言われると、そうでもないという気がするのですが、とても大事なことは、安全が欲しいからといって、安全、安全とお経を上げていると安全が実現できるのかという、すごく挑戦的な言い方をしますが、そういう物の見方が必要だと思っています。
  それは、安全を実現したいからと思って安全を求めるのではなくて、こういうものについてどのような危険があるのか、その危険はどのような特性を持っていて、どうすればそれが発現する、あらわれないで済むのかという、もう1段、結果としての安全は欲しいのだけれども、安全、安全と言い続けることではなくて、危険を正視して真っすぐ真正面から見て、そういう取り組みが必要なのではないかと思うようになっています。だから、これは随分と物の考え方が進んできているのではないかという気はします。
  いろいろなものを調べているのもあるし、自ら調査でやるのもあるし、そうではない普通の調査をやるというのもあるし、いろいろなものがあります。そうすると、それまで世の中ではこういう見方が当たり前だと言われていた見方とは、随分と違う見方が出てきたように思います。
  例えば、私はまだ報告書の中にはきっちりとそういう書き方ができていませんが「シナリオ」という考えがとても大事ではないかと思っています。
  まだ、今まで出た報告書とか評価書にきっちりそのとおり書けているわけではありません。どんどんと進んでいっていると思うのですが、そのシナリオと言っているのは、どのような要素がどう関係していて、物事がどのような順番でどう起こっていくのか。順番に時間をずっと動かしていったときに、どういう順番でどういうことが起こっていくのかというのを、本当に起こっている具体的な例の中から引き出して、これを引き出すのは、私は抽象化だと思っているのです。
  そうやってできていたこういう要素があって、それがこう進展して、次にこういう事柄になって出てきて、最後にこういう事故になって出てくるのだというのを、ここでは今シナリオと呼ぶようにすると、きっちりとシナリオが書けて、それをみんなで共有ができるようにすると、こういうことをやっているとこういうことに最後はなるぞというのを起こる前に言うことができるようになると考えています。
  そうしたときに初めて、従来型でやっていたら事故になってしまうようなものを起こる前にそのことをきちんと考えて知覚することができるし、そのことを自分たちで自覚することもできるから、そうすると、結果として事故を起こさないできちんと対応ができるとなるのではないかと思うようになっています。
  今、言っている事柄は、普通に安全を実現したいと思って追いかけている、みんなで真面目に考えてもなかなか実現ができないことの1つの答えなのではないかと思っています。そう考えると、今やっているこの消費者安全調査委員会の考え方の一番の基本が少しずつ見えてきたという感じがしています。
  もう一つ、ぜひ、私はここで2年間を振り返るときに言いたいのは、事務局を担当してやってくれた人、最初は17人か20人かでやって、今は30人くらいはいる気がする。
事務局
調査をやっているのは最初が12、13人から始めて、今では23人です。
畑村委員長
私から見ると、その人たちが本当に献身的にやってくれたと思っています。
  もう一つ言いたいのは、この専門委員のほか、委員をやってくれた人はもう本当に献身的にやってくれている。普通に何かを頼むとお金を払って、おい、これはこうだからお前やってくれという頼み方をしたら、とてもあのようなことをやれるとは思わないような中身に1個ずつがなっています。
  それは本当に大変で、もうこれでいいだろうと思って、例えば報告書の案を作って持ってきてくれる。そうすると、この最後にやっている委員会に来ると、全然わからないとか、それでは全然みんなに伝わらないとか、そういってひっくり返って、ゼロからとは言わないけれども、全くそれで考えていたものを作り直しというのが、実はどの報告書もどの評価書も、みんなそうなったように思います。
  よくそういうものに耐えて、最後にこういうものを完成させて、皆さんにちゃんとお見せできるような格好にまで持っていってくれたと思って、非常に感謝しています。
  これは多分、みんなが努力して何かやったからうまくいってしまったということではなくて、世の中がこういう動きを求めていて、それをきちんとみんなが自覚してやったからこういうところまで来られたのではないかと私は思っています。だから、すごく感謝しています。
  今日などもそうなのだけれども、もうこれでいいだろうと出てきたら、もう全然だめというのではないですが、何だかわからないからこういう考え方でもっと違うように考えないと伝わらないぞという議論をどんどんやります。
  もう一つ言いたいのは、私は全然関与していないから知らないけれども、消費者安全調査委員会ができたら1年に100個やりますと前の人が言ったのだと聞いていて、あんたは100個やらないのはおかしいと最初のうちはよく言われたから、何を言っているのだ、そんなことは一度も言ったことはないぞというので、私はよく記録を調べてからものを聞いてくれと言ったのですが、100個などできるわけがない。一生懸命やって2個か3個、それも必死になってやっている。個数はもっと多いか。2年で7個くらいにはなっているかな。
事務局
7件です。
畑村委員長
7件やっているのです。だから、これ以上はとてもできないというぐらい一生懸命やった結果だと思っています。でも、今はとてもありがたいことだと思っています。
  この申し出をした人もいるし、そうでない人もいるし、その人たちにきちんと報告ができているものもあるし、できないものもこれからもあると思うし、いろいろなぐあいだと思います。
  でも、こうやって取り上げて一生懸命やった中身は、随分と世の中にもきちんとしたフィードバックというか、お返しができているし、報告ができているし、関連した遺族の方や関係した人などという方々にも、十分満足してもらえるかどうかは、それはわからない。でも、自分たちなりにはやれるだけのことをやった結果ですというのは、きちんと言えると思っています。
  聞かれたことの大体の答えはそれでいいですか。大体はそのようなことを今、思っています。
共同通信の橋本です。
  現在、調査中の進行中のものは4件でしたか。
事務局
エレベーターの事故、エスカレーターの事故、ヒートポンプ給湯機と子供の医薬品誤飲事故、その4つが今の検討事項です。
来年度の予算が今度の概算要求で出たのですけれども、それもたしか人員要求が変わっていなかったように記憶しているのですが、基本的には今は4件の調査が並行して続いている状況だと思うのですが、大体4件前後をやりながら、逐次1件出て、また1件新しいのを始めてという感じで今後も続いていくことになるのでしょうか。
事務局
率直に言うと、何件ありきで考えているわけではありません。もちろん限度はありますので、今のこういうペースが標準にはなると思います。
  もちろんクオリティーをきちんと守っていく一方で、できるだけ早くというものがあると思います。できるだけ早くできれば、件数も自然とふえていくのかという感じはいたします。
  ただ、それは拙速ではなくて、きちんとしたクオリティーのものを出していく、それをまず基本としながらできるだけスピードも上げて、それに伴った件数ができれば非常にいいと思っています。
  そこはやはり、事務局としてもまだまだ力をつけていって、きちんとサポートしていけるようにしていかなければいけないと思っています。
これは、だからそれを調査するという話ではないということで前にお話を伺ったので了解しているのですけれども、今、委員長が消費者安全調査委員会で今後調査するのにふさわしい案件だと、昨今起きた事例を見てお感じになったような事例はございましたでしょうか。
畑村委員長
そんなものはいっぱいある。では、どれとどれをやるのですかと聞きたいだろうし、こちらだって答えたいけれども、言ったら、ほら言ったのにちゃんとやらないと言われるから言わない。こうしかしようがない。
  だけれども、本当は私から見ると気になってしようがないことというのは、いっぱいあるのです。それで、こういうことを取り上げたほうがいいよとか、これを調べておかないと後にひどいことになるぞとか、そういうことをしょっちゅう事務局に言って議論をしてということをちゃんとやっています。具体的に言えといってもだめです。
委員の方の任期なのですけれども、基本、最初は2年ということでスタートされたかと思うのですが、次の1年というか、今後の人事の動きがあるでしょうか。
畑村委員長
どうぞ。
事務局
法律上で任期は2年となってございますので、9月末で一旦満了するということでございます。10月からの話については、準備を進めているところです。しかるべき時期にまたお知らせできると思います。

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