記者会見要旨
(平成26年6月20日(金)16:50~17:40 於)消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

畑村委員長
本日の委員会では、まず、幼稚園プール事故の調査結果の取りまとめを行いました。
  この報告書では、プール活動中の監視体制に空白が生じたための溺水の発見が遅れたこと、一刻を争うような緊急事態への備えが十分でなく、救命処置を十分に行うことができなかったため死亡事故につながった可能性があることを指摘するとともに、さらにその背景要因も含めて事故の原因を明らかにしました。その上で、監視と救護に関して必要な再発防止策を検討し、文部科学大臣や厚生労働大臣に対して必要な対策をとるよう意見することとしました。
  このように、意見の内容として幼稚園から小学校低学年に至るまで安全確保がなされるよう求めることにしましたが、委員長としては、これ以外の施設にあるプールや海や川での水遊び、家庭内での風呂などでも、子供は短い時間で溺れ得ることから、保護者や施設の管理者などが、どこにどのような危険が潜んでいるかを知った上でそれぞれ対策に取り組んでもらいたいと思います。
  なお、委員会では、決定の直前まで皆で議論し、再発防止策をできる限り広く世の中に伝えたいとの思いから、幼児と同じような特性を持つ小学校低学年児童のプール活動においても安全確保がなされるよう、文部科学大臣へ意見することとしました。
  最後に、本件事故の担当として調査分析に携わり、また御助言をいただいた専門委員や、熱心に審議していただいた部会の委員の皆様の努力に、委員長として感謝したいと思います。
  また、本日の委員会では、昨年6月に評価を終えて以来、自ら調査を実施しているエスカレーター事故の事案について、調査の経過報告を審議し、決定しました。
  お手元に配付した経過報告書については、後ほど事務局から簡単に説明しますが、調査委員会としては、経過報告書の内容に従って、引き続き原因の究明、再発防止策等の検討を進めてまいります。
  このほか、機械式立体駐車場の事故やエレベーターの事故について、担当の専門委員や事務局から調査報告書の検討状況について説明を受けました。それぞれ本日の議論を踏まえ、作業を進めることとなりました。
  調査等の状況については、松岡委員長代理に説明していただきます。
  それでは、お願いします。
松岡委員長代理
続いて、今月開催しました各部会での議論について報告いたします。
  工学部会では、エスカレーター、エレベーター、機械式立体駐車場及び幼稚園プールの4件の事案について審議を行いました。
  幼稚園プールの事案については、先ほど委員長からもありましたように、報告書案の取りまとめの議論を行いました。
  エスカレーター事故については、調査の経過報告を審議し、了承いたしました。
  このほか、エレベーター事故、機械式立体駐車場事故については、担当専門委員から報告があり、委員から非常に多くの意見をいただきました。両案件について、部会での意見を踏まえて引き続き作業を進めることとなりました。
  食品・化学・医学部会では、幼稚園プールの事案について、工学部会と同様に報告書案の取りまとめの議論を行いました。こちらでも非常に活発な意見がございました。
  このほか、子供による医薬品の誤飲の事案について、事務局から調査の経過の報告を受け、引き続き調査を進めることとなりました。
  以上でございます。
事務局
あと、事務局のほうから少し補足をさせていただきます。
  まず、エスカレーターの経過報告につきまして、お手元に配らせていただいているかと思います。
  こちらにつきましては、最初のページに書いてございますとおり、昨年6月21日から自ら調査をやってございまして、今回ほぼ1年が経つということで経過報告書でございます。まだ結論が出たというものではございません。
  ポイントとしましては、1枚おめくりいただきますと、2ページ目に昨年の評価書で掲げました3つのポイントを書いてございます。ハンドレールへの接触予防策、2つ目が持ち上がりの問題、3つ目が横の吹き抜け下への転落防止の問題、今、この3つに取り組んでいるというところです。
  それぞれ簡単に申し上げますと、6ページ、7ページのあたりをご覧いただきますと、大きくはシミュレーションを用いまして、それぞれ3つのポイントについて、今、検討してございます。
  7ページに書いてある絵が1つ目のポイントでございます、最初の接触予防策のところです。
  7ページの絵を簡単に御説明いたしますと、一番上の絵で人の脇のあたりに、ちょっと挟まっているような感じの誘導手すりというものが事故後に現場に設けられたものです。
  これは、本来、人を誘導するものでございますが、図4は(被災者体型)、あるいは図5ですと(成人5パーセンタイル体型)と書いてありますが、比較的小さ目の成人の男性といったぐらいの方であれば、後ろを向いて行ったときもこの誘導手すりに引っかかるような絵になってございます。
  他方で、一番下の(3歳児の体型)と書いてございますが、3歳児ぐらいの体型ですと、引っかからず、そのままハンドレールのほうに近づいていってしまうことも可能性としてございますので、ここについては、誘導手すりが一定の人の接触に効果があるのではないかと言いつつも、幼児などに対する効果について引き続き検討していきたいという中身になってございます。
  9ページをご覧いただきますと、これが2つ目のポイントである「持ち上がりの問題」と書いてございます。
  これは図7の上の文章のところに書いてございますが、こちらはまだ複雑な現象、困難な課題が多いということで、これは解決に向けて、今、取り組んでいるところですというのが2つ目のポイントです。
  3つ目のポイントである、吹き抜けの横への転落防止策の問題につきましては、11ページに図が描いてございます。
  これは、例えば図10のようなところでご覧いただきますと、人の腰のあたりの下に縦で線が引いてあるようなものがご覧いただけるかと思いますが、これが落下物の防止板という板を横から見たものでございます。
  これも事故後にこの現場についたところでございますが、これも物の落下を目的とはしてございますが、人の落下防止にも効果がある可能性があるというぐらいのところを、今、やってございます。
  ですので、3つのそれぞれのポイントについて、今、こういった分析をしておりますという経過報告になってございます。詳細は文書のほうをご覧いただければと思います。これが1点でございます。
  もう一つ補足としましては、幼稚園のプールの報告書は、今、お手元にお配りされているかと思います。一昨日、こちらを御説明させていただきました。
  今日の議論で修正になった点は、1ページの要旨というところをご覧いただければと思いますが、ストーリーは変わってございません。<原因>のところの文章が、これは構成も含めてよりわかりやすくという視点で言葉遣いを、例えば「何をきっかけに溺れたのか」とか、そのほか若干構成を(1)(2)にしたりといったつくりを変えました。
  内容については、先日の御説明と意図するところは変わりません。言葉を読みやすく整理したところです。原因については、一通り細かい字句修正も含めて若干変わっていますので、引用される際にはこちらのほうを活用いただければと思います。
  もう一点は、2ページ、3ページ目に<意見>がついてございますが、先ほど委員長からもありましたとおり、4番といたしまして、小学校低学年についても取り組むべきであるというのを加えたというところが先日の御説明との変化でございます。
  これに伴って本文のほうも、原因が書いてあるところ、意見が書いてあるところは同じように修正をしてございますので、引用の際には、今日お配りしたほうをお使いいただければと思います。ストーリーとしては変わりません。
  そのほか、もう一点、全く別ですが、本日の会議では申出について5件の調査を行わないこととなりました。残りの案件については、引き続き情報収集をしてまいります。
  補足は以上でございますので、御質問のほうに移ります。

2.質疑応答

朝日新聞の小寺と申します。
  2点、畑村さんにお伺いしたいのですけれども、今回、事故調査開始から1年7カ月ぐらいでの報告ということなのですが、この時間が長かったのではないかという意見もありますが、これについての御見解と、内容について、制度面を変えるところ、例えば法改正のようなところまで踏み込まれていないわけですけれども、その程度の意見にとどめられた理由の2点について伺いたいと思います。
畑村委員長
一度に2つ言うとわからないから、1つずつ言ってください。どれについてのどれだというのを言ってください。
済みません。いずれも神奈川のプール事故の件です。
畑村委員長
プールのほうについて、時間がかかったと。
はい。調査開始からです。
畑村委員長
ちょっと時間がかかった理由というのは、みんなが期待しているのは何が起こったのだろうかということ、要するに、起こった事実を明らかにしたいということが起こるし、何が起こったのだろうかの次に、なぜ起こったのだろうかと、2番目にそれが知りたくなって、3番目のところが、これから先、同じようなことが起こらないようにするにはどうすればいいのかという3段階だと思います。
  かかった一番の理由は、今、言っているように、3段階のことをみんなやらなければいけないのだけれども、1個目の何が起こったのかというのを特定するというか、確定するというか、これこれこういうことがこう起こったというのを言えるものなら言いたいけれども、それを調べるといっても、きちんとした記録があるとか、映像があるとか、そういうことではないから、そうすると何が起こったのかというところから事故を取り扱おうと思うと、そこが明らかにできないから、そうすると、例えばヒアリングをするとか、さもなければ、あなたはそのときにどういうつもりでいましたかとか、そういうみんなが期待するような直接に起こったことを捉えるというよりも、間接的に要因になったようなことを引き出してこないと、きちんと事故を取り上げることにならないと考えて、そういうやり方をしていくとものすごく時間がかかります。
  だから、誰かに何かを聞けば、そのとおり起こったことを話してくれるかというと、そういうふうにならないで、これこれこうで、そのときにどんなつもりでいましたかとか、そこをどんなふうに感じていましたかとヒアリングをして、だんだんと本当に必要な事柄を取り出さなければいけない。ちょっと違う表現の仕方をすると、背景要因のようなものをきちんと引き出してこなければいけないというものをやると、すごく大変というか、難しいです。それが一番大きな時間がかかった理由だと思います。
  ですから、亡くなったお子さんはもちろん何もしゃべれないのだし、その御両親がいる。それから、面倒を見ていた先生がいる。幼稚園がいる。いろいろな人の全体からヒアリングをしながら、こういうことが必要だろう、さもなければこういうことがあったのだろうというのを引き出すのに非常に時間がかかりました。
  後でプールの報告書の中身を読んでいただくと随分よくわかってくると思いますが、例えばどういうことが死亡に至る原因になったのかという原因も、何が起こったかというところではなくて、なぜそういうふうになってしまったのだろうかというものをやると、想定の問題になるのだけれども、例えば子供が溺れることを想定して、その訓練をやっていたかとか、例えば監視をするということと泳ぐことの指導をするというのを1人で全部できるのかとか、さもなければ子供が泳いでいた後をどういうふうにいろいろな始末をしていくとか、後片づけをするとか、そんなことをやらなければいけないかというものが、1人のところに全部が重なってそれが起こると何が起こってしまうのかという事柄、だから、同時に全部が重なって、1人のところに、あなたの仕事ですと言っているときに、頭の中でどんな判断が起こって、どういうふうにその注意がどこかに集中してしまうかとか、そういうことを取り上げています。
  そういうふうに見ると、例えばまじめに一生懸命ちゃんと見ていなければいけないのだ。では、見ていればいいのかという、そういう見ている中身も一体何を見ているのかという、もっと深いところに入っていかないといけない。
  これは後で見ていただくとわかるけれども、子供が溺れるという事柄を、私などは自分で見ていると、どういうときが溺れるのかを正しく知らない。そういうことをいろいろなふうに聞いたり調べていくと、溺れるというのは、外側から見ている理解と随分違うことが起こるのだというのを正しく頭で捉えていないと、溺れる現象自身を、このとき溺れていると見ることができないのだということを感じます。
  だから、そういうところまで入り込んでいくのに非常に時間と手間とがかかって、しかもそれから全体としてこういうことを考えなければいけない、こういうことをやらなければいけないというところまで、結論というか、結果というかを引き出してくるのに時間がかかりました。
  だから、普通、事故というものを見るときに、誰が悪い、何がおかしいというところで、それを言えば事故原因は究明できたのだ、それをやらなければちゃんと対策になっているのだというような、すごく表面的な理解の仕方ではこの事故は捉えることができないのだという理解を、今、しています。それでとにかく時間がかかった。
  2番目に言われた、あなたの質問は、ほかの省庁とかそういうところへの提言でしたか。
意見です。
畑村委員長
意見は、何も言っていないのではなくて、ちゃんと意見を言っているつもりです。
例えば、法改正のようなところまでは踏み込まれなかった理由というのは何ですか。
畑村委員長
では、あなたがどんな法改正をするのが必要だったかとお考えかを逆に言ってほしいのです。どんな法改正をすれば、この溺れる事故がなくなったのだろうかと。だから、大事なことは、法律を改正してとか、規則を決めてとか、そういうやり方でこの事故が防げるのですかというのを逆に私はあなたに聞きたいのです。
  記者会見で逆さまに言うのは変かもしれないけれども、私たちはそういうところをすごく一生懸命考えてやっていて、結論の後でこれを読んでもらうとわかるのだけれども、こういう事故が起こったから、子供の水遊びをやらせなければ一番事故が起こらないのだから一番簡単ではないかと、極端に言うとそういうことになる。
  そんなことをやっていいのかといったら、そんなことはないというのをはっきり書こうというので、子供が水に親しむような場を提供して、それを確実に事故がないようにすることは極めて大事なことだから、この事故が起こったからといって、考え方ややり方が萎縮して、子供を水に近づけないという判断はしないでほしい、きちんと水に親しむようなことをちゃんと事故がないようにやってほしいということを意見として言おうということになった。
  そうすると、幼稚園のところだけ見ていればいいのかというと、幼稚園のところだけ見ているのではなくて、例えば保育園とか、そういうふうに所管している省庁が違っていたとしても同じような状況が起こり得るようなところにはやはり言っておかなければいけないというので、文科省のほうだけではなくて厚生労働省のほうにもこういう考え方でやってほしいというのを意見として言っています。
  だから、大事なのは法律を作って法律に踏み込まない。だって、踏み込んだら何ができるのかと考えています。それで大分よく理解できるのではないか。必要なことというのが、そういうところではない。特に何でも、事故が起こるとすぐ法律違反をしたからと言うけれども、そういう見方でこういう事故が防げるとは私たちは思っていないからです。
  それでいいですか。
ありがとうございます。
先ほどのものに関連するのですが、やはりたった1人の先生が11人の子供を見ているという状況をこのような言い方で変えることができるのかと。
  今までプールで子供が死んでいる、その状況を変えるための事故調査であったら、やはり周知をしますということをずっと言っていても変わらないのではないか。周知すべきと言っていても、今までの安全指針にも十分な監視ができる人を配置しましょうと書かれています。それなのに、再度周知すべきということを言ったからといって本当に変わるのかと。
畑村委員長
そんなものは変わるわけはないです。
変わるために、事故調はもう少し踏み込む。
畑村委員長
どういうふうに踏み込むといいのですか。
例えば、必ず2人以上で監視に当たるようにしましょうとか、人員の配置のところまできちんと踏み込まなければ何も変わらないのではないでしょうか。
畑村委員長
そういう考えもあると思います。そうだったら、それも書けばいいし、必要かもしれない。
  だけれども、例えば10人の面倒を見るのでは目が行かないのだから、5人にするというのを規則にして何かをやるという考え方で本当に事故が防げるのか。さもなければ、では、2人で必ず見ることにしましょうと。1人は監視をして、1人は指導をして、それでいいのですかというので、本当にそのとおりにいくのか、いかないのかは私はわからないけれども、もしかすると、出てきた子供の着替えをやるのと、それをやるのをもう一人やっておかないとやはり事故が起こるというなら、3人の体制をつくらない限り子供を水の中に入れてはいけないと考えて、それを全部やらなければいけないのだというのを意見として、仮にそういうふうに考えたらそう言うのですかといったら、私は、それが本当に必要だったらそれはそれで言えばいいと思うけれども、そうでなかったら今のまま提言をして何かをやれというので十分なのか、十分でないのか。それは十分でないかもしれない。でも、少なくともそれをリマインドすることは大事だろうとなる。
救命救急のところでも、やはり事務所に運んで着がえさせて病院に連れていってみたいなことが本当にやられているとしたら非常に恐ろしいことで、そうではないためのものが本当にこれで確保できるのだろうかと。
畑村委員長
全くそのとおりの議論をいっぱい、この委員会の中ではやったのです。例えば子供が死んでしまうというのはどのくらいの時間で死んでしまうのかと考えたら、今、言った、着がえて何かをやって、さもなければお医者さんに連れていくというような手立てをやっていることでこれが救えたのか。もっと違う見方で見ると、もっと全然違うことをやっていないといけないというのは出てくるのです。出てくるから、そういう議論を中でいっぱいやっている。
事務局
誤解があるような気がしてしようがないのですけれども「7 意見」のところを読んでいただくと、40ページの(1)の①です。
  専ら監視を行う者とプール指導等を行う者を分けて配置しなさいと言っているわけですから、同じ人が両方やるのはやめてくださいと申し上げています。先ほどの御質問の趣旨が全く理解できません。
  2つ目ですが、③のところでありますけれども「また」のところです。「一刻を争う状況にも対処できるように119番通報を含め緊急事態への対応を整理し」と言っているわけですから、つまり、直ちに119番の電話をする。着がえさせたり何かをしている場合ではないということをきちんと日ごろから実践できるように訓練もしておいてくださいと申し上げているわけでして、まさにおっしゃったようなことを指摘をしています。
いえ、ここのところが周知徹底を図るべきでいいのでしょうかということを言っているのです。
事務局
だから、最初の御質問のときに周知とおっしゃいましたけれども、まさにこれは周知徹底なのです。徹底する手段というのは、もちろん各省いろいろ工夫はあると思いますが、我々として求めるのは、周知した上で徹底してくださいということです。
それともう一点、すごく理解ができなかったところが、業務の追加と書かれているのですが、片づけが業務の追加とこれでは位置づけていて、子供をプールに入れている間に、要するに、この人は後ろを向いてビート板を片づけてしまった。
  その背景要因に対してきちんと書かれていないので、非常に書きにくいのです。ここで一体何があるから、その人は背中を向いてビート板を片づけざるを得なかったのか。何が問題があると事故調は言っているのでしょうか。
畑村委員長
それもまたそちらで答えてもらうほうがいいのではないですか。
幼稚園の指導方針について、この文章の中に書かれているものでは非常に読み取りにくくて、何か推測で書くしかないようなものなのですが、そこは一体何を言おうとしているのでしょうか。
事務局
具体的にどこの箇所を言っておられるのでしょうか。
28ページです。「遊具を散乱させておくと叱られると感じた」「すごく迷ったが、やらなければいけないのかなと考えた」と、要するに何が追いつめたと事故調は考えているのですか。
  本来であれば、子供をプールに入れて水の中につけたまま、背中を向けてビート板を片づけるということは、業務とは私たちは受け取れない。
  追加されて、プールに入れている間の業務とは普通は考えられないのだけれども、それをこういうまとめ方をしていることもちょっと疑問なのですが、その後、ここで何を言おうとしているのかがすごくわかりにくい。
  だから、園はどういう指導方針だったのですか。この教諭はこういうふうな行動をとってしまったのはなぜだと思ったのでしょうか。どういうふうに捉えているのでしょうか。
事務局
指導方針のところにつきましては、この間の御説明でもお話をしたと思いますが、細かくはちょっと4章のところをご覧いただければと思います。
  どう大きく捉えているかといえば、まさに原因のところで書いてございます。②として結局、遊具の整理というものがあって、そこにいろいろなスケジュールの負担感でありますとか、指導方針に負担を感じていたといったことから、最後は先ほどおっしゃったせりふになりますけれども、片づけなければいけないと思ってしまったと。
  でも、やはり本来はそう思わずに、まず、きちんと見ることが大事だという認識を持っていなければいけない。そのことは背景要因としてと書かせていただいていますけれども、そこにも書いていますが、まず、やはり幼児の安全を最優先するという認識が背景には足らなかったのだろうといったことをしてございます。
  これは、再発防止策の中でも、個別の施策とともに認識をきちんと共有していくといったことをやっていくことも大事だと書いています。
NHKの今井と申します。
  私も、この周知徹底の実効性がどれだけこれで担保されるのかというのがちょっと不安で、周知徹底をしても、では、文科省も厚労省も、いや、毎年通知でこういうふうに出しましたということで終わってしまうのではないかと。通知の内容を多少変えて、それで出しましたで終わってしまって、いろいろな書類の山の中で幼稚園、保育園が埋もれて、やりたいのだけれども、先生の要員がなかなかいない。
  そういうことで、監視員を1人専属で置きたいのだけれども、なかなか置けないという、忙しい現場の実態の中で監視員というのをきちんと置けずに、また同じ事故が起きてしまうのではないかという不安が、やはり実際に幼稚園とか保育園の現場の忙しさを知っているとそう思ってしまって、今までの通知とは違って、そこをどうやって担保できるのかと。
  例えば、きちんと監視員を置かないところでプール遊びをしたらば認可を取り消しますとか、あるいは補助金を減らしますとか、そういうところまで役所は踏み込んできちんと実効性を確保できるのかどうか。そこがちょっと見えてこないので、本当に再発防止が図られるのかどうか、ちょっと不安に思う点があるのですが、その点はどう考えたらいいのでしょうか。
事務局
今日の委員会でもそういった議論が出まして、少しフォローアップというのもこの委員会として考えていかなければいけないというところは出ました。今回、こういう項目について意見を出して、しっかり考えてくれというのを出しました。
  この消費者安全調査委員会も、始まって以来、まず物を作っていくというところをやってきましたけれども、今後、出したものに対するフォローアップというのも考えていかなければいけないという話も出ましたので、もちろん各省庁でこれから取り組んでいただくことになりますけれども、そこは我々としてもそういったものも見ていくことが大事かなと思っています。
事務局
はっきり申し上げれば、まさに周知をされ、現場の徹底がどこまで行っているのかというのを見て、状況によっては、もう一回これを取り上げなければいけなくなることも可能性としてはあり得ると我々は思っているということです。
毎日新聞の江口です。
  全体を見た限り、いわゆるヒューマンファクターというか、同じ人が幾つも役割を持っているとか、そういうことはよくわかるのですけれども、一方でハード面での不備というか、欠陥はなかったのかというのが若干見えづらいのですが、その辺の議論はあったのでしょうか。
事務局
若干記載をしてございますが、普通のプールの構造ですとか視認性という面では、特記する何かの決定的なものになるものは見出せなかったということです。ですので、こういったヒューマンファクター、今、御指摘いただいたほうの分析を中心に書いているところです。
朝日新聞の小寺です。
  すみません。畑村さんに先ほどの質問に再質問になるのですけれども、確認しておきたい点が、先ほど、必要なのは法改正とか規則ではないとおっしゃっていましたね。
畑村委員長
法改正とか規則ではないというのではなくて、それが必要な場合もあるのです。
今回は、そうではないと。
畑村委員長
今回は、それが一番メーンになることではないと思っています。
それをおっしゃっているのは、報告書で、例えば各省庁に意見を述べるときに、それを盛り込むのは必要ないとおっしゃっているのか、それとも各省庁が主体となって法改正や規制を変える必要はないとおっしゃっているのか、どちらの意味でおっしゃっているのでしょうか。
畑村委員長
それぞれの所掌のところが考えて、それが本当に必要で、そうやらないときちんとそれが実行ができないといったら、そこが法改正を考えることが必要なのだと思います。
  ちょっとそれよりも踏み込むものになるのは、日本の行政全体が私はそうだと思うけれども、どこかで指示を出すとか何か規則を決めるとかすると、それがやりっ放しになっていて、そこで実現しようとした事柄が本当にそのとおりになっているかどうかという実態の把握というものをやるところまでが本当の行政の全部の仕事で、そこまでやって判断をしなければいけないのだと日本中の行政が考えているかというと、私はそういう意識というか、考えが随分薄いのではないかという感じを持っています。
  言いっ放し、決めっ放しになっていて、何を決めようとしたのか、何をさせようとしたのか、何が必要だと思ったのかというのを言ったら、それが実行されているのかというところ、先ほどの答えの中で徹底という言葉で言っている、どれでもいいのだけれども、どちらかというとフィードバック系だと思うけれども、本当に実態がそうなっているかということの把握をする。
  それがもしも足りないのであれば、その部分はどういうふうにすれば実態としてそういうことが起こるのかというのを、それぞれの所掌のところがきちんと考えてそれを実行するのが必要だと思うので、消費者庁がそこまで考えないのはおかしいではないかというので、もっと違う例で見たら、例えばこういう機器のこういうところがこういうふうになっていなければおかしいという細かいところまで消費者庁が仮に言ったとして、そうだったらお金がかかるからどうするのかといったら、補助金を何割こんなふうにしてこういうふうに出して、そこまでやらないとおまえは仕事をやったことにならないのだからおかしいではないかというのを報告書の中に書くのですかという問題だと思うのです。
  それは、ここがそんな細かいところまでを1つずつ言わなければいけないことだとは思わない。だけれども、法律や規則や運用を変えなければいけないことというのはいっぱいあると思う。そうしたら、やはりそれぞれのところで自分たちがそこを分担して、さもなければそれを所掌してやっていると思うそれぞれの場所が判断してやっていかないといけないと思っています。
最後に確認なのですが、ということは、報告書にそういったことを盛り込む必要はないと考えるのだけれども、各省庁において必要性は認めていらっしゃるということですね。法改正ないし規則を変えることの必要性というものを、畑村さんは否定されているわけではないということですね。
畑村委員長
否定しているわけではないけれども、やりなさいと言っているわけでもないのです。
  だけれども、彼らが判断して必要だと思ったらやりなさいというのは言うべきことだと思う。だけれども、報告書に毎回そういうことを書くかといったら、そういう必要があるとは思わない。
ありがとうございました。よくわかりました。
読売の崎田です。
  今の話と先ほどのフォローアップの話にかかわるのですけれども、多分事務的なので、小堀さんか河津さんかもしれないのですけれども、今回は提言というか、意見陳述を選んだ理由というのは何なのでしょうか。
  勧告という方法もありますね。そこではなかった理由は何ですか。
事務局
おそらく意見が弱いという発想だと思いますけれども、まず、意見そのものについては、こうやって公になりますし、法的拘束力はございませんけれども、これが弱いとは考えておりません。きちんとこうやって出されることによって、相手方にも考えなければいけないものにはなってくると思います。ですから、意見が弱いとは全く思っていなくて、直接、各省大臣に調査委員会として出すことは重要だと思っています。
  勧告といいますのは、むしろ具体的に、例えば何法の何でこういう措置をとれというのは、基本的にはそういったものが一番念頭に置かれているものでございまして、つまり、こういう具体的なことをやれというのが割と勧告の発想だと思います。今回については、むしろこちらとして意見を踏まえて、やはり各省さんでいろいろアイデアを考えてきちんと対策をやってほしいというものだと思いますので、そういう中身からしても、意見というのが妥当だと思います。
  繰り返しになりますけれども、意見が弱いということは全くなくて、そこはこうやって公表して、直接、大臣にレターを出すということで、これはそれなりの影響力なり効果があるものだと思っています。
簡単に言うと、勧告のところだと、出したものに対して報告しなければいけないというのがあるではないですか。でも、今回の意見具申、提言のところだと、言ってみると言いっ放しみたいなところがあって、そこは先ほどから出ているように、勧告はできないというのですけれども、この点は結局、勧告は内閣府にも出すのだから、内閣総理大臣には出せるわけですね。なぜ、そこは出さないか。
事務局
まず、細かい点から言うと、あの内閣総理大臣はむしろ消費者庁であって、この内閣総理大臣は内閣府の本府のこども園の担当と、まず、ちょっとそこは形式的に違うというのはございます。
  フォローアップにつきましては、もちろん勧告だとそういった規定がございますけれども、ただ、条文に書いてあるからできるというのは確かですけれども、書いていないからできないということはございませんので、そこは我々のスタンスとして、きちんとウオッチをして見ていくことはやっていきたいと思います。書いていないからできないということでは全くないと思います。
もう一点だけ。
  先ほど、最初のほうの質問で、畑村さんが幼稚園とかにヒアリングとかをしながら、非常に時間がかかったということをおっしゃっていましたけれども、これは刑事捜査、警察とか検察庁というところと一緒に同時並行にやっていたわけで、そういうところで難しさがあったのか、それとも違うのか、そこら辺の言及はございますか。
事務局
今、ヒアリングと言ったのは、幼稚園のヒアリングがという意味だけではなくて、むしろいろいろな、ドクターでありますとか、研究者の方でありますとか、そういう方々の知見をいろいろいただいてというところで、しかもドクターもお一人に聞いているわけではありません。複数の方に聞いておりますから、そういうものでしかるべき方を見つけてお話をお伺いし、報告をし、それでまた再調査、お伺いをするとか、そういうことでいろいろ時間がかかったという意味で、別に園のところだけを言っているわけではありません。
松岡委員長代理
部会での議論がいろいろ出ましたので、そこを基に補足説明をちょっとさせていただきたいと思いますが、そもそも、ここの幼稚園プールで事故が起こってしまった根本的な、どうして起こったのかということをいろいろ議論した結果、まずはここの幼稚園に安全を第一に優先するという意識が不足していたのではないかと。
  それとともに、溺れるということの危険性の認識も非常に希薄であったと。私ども部会のメンバーも改めて認識したのですが、ばたばた暴れて溺れるのが溺れるのではなくて、非常に静かに溺れてしまうことも起こり得る。そうすると、監視も非常に難しい。
  それから、ひとたび溺れたときに、気管に水が入ったときには非常に危ない状態になってしまう。そうすると、一気に救急車を呼んで助けないと致命的なことになってしまう。この辺のことがふくそうして今回の事故が起こってしまったのだろうということであります。
  ですから、安全を第一にしなかったことでもって優先するべきものが何であったかということで、監視がおろそかになったことが発生してきていることがいろいろわかったということで、根本的なことが、こういう原因だろうということが把握できた。
  今回は、この事故を取り上げた結果、そういうことがわかったということを報告することによって、世の中に溺れることが意外と危険だ。それから、すぐに処置をしないと助かるものも助からなくなってしまうということが広く行き渡ってくれれば、ここでいろいろ意見を出しております、例えばこういう対策をとりなさいということで、安全の周知徹底ということが、各幼稚園等でもって、おのずから徹底してくれるのではないかという期待を持っております。
  あと、プールだけではなくて、お風呂のようなところとか、水が張ってあるところでも非常に危険だということも改めて認識していかなければならないかなと考えております。
1点だけ確認させてください。
  この意見を出すときに、各省庁と調整をされるのでしょうか。
事務局
いろいろ議論はさせていただいています。もちろん、現状がどうなっているかとか、そういったことを踏まえてやる必要はありますので、議論はしています。ただ、別に調整とかすり合わせというものではございません。
事故調として、できようができまいが、やるべきことはきちんと言ってくれる独立した組織であることをすごく期待していたので、この意見、この言い方というのは、本当に事故を防げるとはやはり思えないです。
事務的なので、小堀さんに。
  大分前に聞きましたけれども、これまでの申出件数と、今日の5件の不選定でしたか。数字なので、ちょっと確認させてください。申出の案件で、そのうち不選定が何件か。
事務局
申出件数につきましては、5月の末までで134件の申出がございます。このうち、選定したものが5件でありまして、不選定になったものが本日の5件も含み93件でございます。残りの36件については、情報収集を行っているところです。
これはどなたかわからないですけれども、何をきっかけに溺れたのかは断定することはできなかったと。これは、2日ぐらい前のレクのときは事故の原因は特定できなかったという表現になっていますけれども、多分新しくここをわかりやすく書きかえたのだと思うのですが、ここが断定できなかった理由というのは何になるのでしょうか。
松岡委員長代理
結局、なぜ溺れたかということは証拠がないわけです。客観的な証拠がなくて、結局、映像記録もないし、溺れた瞬間を見た人もいないわけです。
  後で状況でもっていろいろ聞き取り調査をしていたので、その状況から考えて、どういうことが可能性としてあったのかを判断せざるを得ないということで、断定ができないということなのですよ。
  ただし、その後、死に至ってしまった原因としては、発見が遅れたことと救急がおくれてしまったことが原因として考えられるのではないかということでまとめております。
1つだけ。
  もしもの話で申し訳ないのですけれども、今回の報告書は検察が取りまとめた証拠と非常に似ていて、もし地検が起訴できていなかったら、こういう結果になっていたかどうかというのはございますか。
事務局
結果的に似ているという、ご覧になるとそうお感じかもしれませんが、基本的には、もちろん裁判の状況なども傍聴に行かせていただいたりして確認はしていますが、我々は独自にヒアリングを行ったりですとか、いろいろ調べた結果として出てきていますので、少なくとも私としては、今、崎田さんがおっしゃったような過程であっても同じようなものは作れたのではないかとは思っております。
ありがとうございます。

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