記者会見要旨
(平成26年4月18日(金)16:40~17:10 於)消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

畑村委員長
今日は、19回目の「消費者安全調査委員会」を開きました。本日の委員会では、機械式立体駐車場の事故について、担当の専門委員から調査報告書の検討状況について説明を受けました。
  国土交通省が先月の28日に策定した「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」の内容も確認しながら議論を行っていますが、報告書の取りまとめに向けて実際に消費者が利用する際の環境といったことも意識しながら、詰めの議論をしっかりと行っていきたいと思っています。
  また、幼稚園のプールでの事故については、これまでの調査結果を踏まえた報告書の検討状況について、事務局から概括的な説明を受けました。
  こちらについても、本日なされた議論を踏まえ、引き続き作業を進めていくことになりました。
  このほか、本日の会議では、申し出に係る事案について、事務局から情報収集の結果が報告され、その内容を検討した結果、2件については調査を行わないことになりました。残りの案件については、引き続き事務局で情報収集を行うことになります。
  調査等の状況については、松岡委員長代理に説明していただきます。
松岡委員長代理
続いて、今月開催しました部会での議論について御報告いたします。
  「工学等事故調査部会」では、自ら調査を実施している家庭用ヒートポンプ給湯機、機械式立体駐車場、及び幼稚園プールの3件の事案について審議を行いました。
  家庭用ヒートポンプ給湯機の事案については、低周波音等の現地測定について担当の専門委員から報告を受け、それをもとにして議論が交わされました。
  機械式立体駐車場の事故については、事務局からこれまでの調査経過について報告があり、既存の立体駐車場への対応を含めた、取りまとめの方向性や報告書への記載ぶりも含めて幅広い意見が出ました。
  幼稚園プール事故については、事務局からこれまでの調査経過と報告書の検討状況について報告、説明があり、取りまとめの方向性や報告書への記載ぶりも含めて幅広い意見が出されました。
  いずれの案件についても、部会での意見を踏まえて、引き続き作業を進めることになりました。
  また「食品・化学・医学等事故調査部会」では、自ら調査を実施している子供による医薬品の誤飲、幼稚園プールの2件の事案について審議を行いました。
  子供による医薬品の誤飲については、事故情報の分析結果や諸外国の取り組み、子供に安全で高齢者が使いやすい容器の試験方法について、担当の専門委員から報告、提案を受け、再発防止策、試験の対象や方法について意見が出されました。
  幼稚園プール事故は工学部会と共同でやっておりますが、それについては事務局から報告、説明があり、救護方法等、医学的な視点を中心に意見が出されました。
  いずれの案件も、部会での意見を踏まえて、引き続き調査を進めていくこととなりました。
  以上でございます。

2.質疑応答

朝日新聞の小寺と申します。
  先月の国交省のガイドラインが調査の結果の時期や内容に与える影響について、教えてください。
畑村委員長
向こうのほうが出て、こちらのほうにどんなふうに影響するか。基本的に大きな影響をすると私自身は思っていません。
  それは今まで何回もずっと説明してきているのですが、どういう視点でそれを見るかというものの視点がすごく違っていて、例えば、国交省でやるのは、こういう製品をつくって、世の中でこういうものが使われているとしたら、どんな基準でつくっていなければいけないかという基準をつくって彼らが考えたり、例えば使う人がこういう使い方をするのだろうとか、つくる人がこういうつくり方をやっていればいいという基準を決めて、世の中に製品を出して、それが安全であることを確保するにはどうするかというのは、そういう視点で国交省は基準をつくったりそれを実施したりする立場だと思うのです。
  消費者庁のほうの私たちのほうは、別にそれとぶつかることを考えているわけでも、批判することを考えているのでもないのです。
  そうではなくて、使うほうの側から見たときに、それがどんなふうに見えて、それを実際に使うと何が起こるか。それから、基準を決めてこうやってこういうふうにやればいいという、その考え方でやっていることだけで本当に事故が起こらないようにできるのかという、消費者のほう、使うほうの視点から見て、そういうものがいいかどうかという判断をしようとしています。
  だから、おのずから視点が違うから、影響を受けるか受けないかと言われても、受ける気がしないという答えになります。
朝日新聞の小泉です。
  関連なのですが、国交省のガイドラインについては評価の対象にはならないのですか。そこも評価の対象に含める可能性については、どうでしょうか。
事務局
今、委員長がおっしゃられたのは、まさに委員会の議論の視点ということに関していうと、まさに影響は受けることはあまり感じられないと思いますけれども、事務的な作業をイメージすると、多分、今みたいに国交省の報告書と何が違うのだとか何とか、いろいろ御質問があるだろうなということを考えると、事務方の作業としては、では、我々の委員会の言いたいことを向こうの言ったことと照らして、どこが一緒だとか違うかとかということの整理はちゃんとしなければいけないので、そういう意味では、委員会での議論には影響を与えないかもしれませんけれども、事務方の作業には影響を与えるのですというのが、まず、1つ目です。
  ですから、そういう意味でいうと、対象に入る、入らないというのは、あまり制度的なことを厳密に言ってみてもあまりしようがないと思うのですけれども、ああいうものが出ている以上、あれに照らしてという、報告書の中身というのか、それとも説明するときの整理の問題なのか、まだそこまで詰めていませんけれども、当然視野に入れて整理をしていかなければいけないという意味においては、その点では間違いないと思っています。
  ただ、それをどう言葉で表現するかというのは、いろいろな表現の仕方があると思うのですけれども、あまりそこは本質的ではないという気がします。
畑村委員長
せっかくだから、今の質問に私がもっと足すね。
  例えば機械式駐車場のようなものをつくったらば、必要な安全装置をつけなさいと基準を決めるというのは、多分それは国交省はそういうことを一生懸命考えて、必要な安全装置はつけようと、それで、それがつかないものが世の中に出てくるなどということがないようにしようと考えるのです。
  でも、そこから先の必要な安全装置というものの中味はどんなふうに考えるのですかといったときに、例えば、人がそこに近づいたら機械が全部とまってしまうようなものとか、非常停止のボタンがついているとか、そういうもので明らかにみんながきちんとその基準を守っていなければいけないという当たり前のことがあるといったら、それは多分国交省は一生懸命考えて基準をつくって、それを実行できるようにするというのが彼らの仕事だと思っているし、私たちもそれはそうだなと思う。
  ところが、私たちのほうの見方から見ると、今度は違う見方をそこに取り込もうとする。それは、本当に使うほうの人から見て、そういう基準だけで十分なのか、もっと本質的に違うものがないと、究極的に欲しい、機械が安全に使われていて事故が起こらないようにするというのが、できないのかもしれないと考える。
  そういうものは何だろうかと言ったらば、本当に普通にみんなが機械式駐車場というものを使うときに、どんな状況に置かれているかとか、何を考えているかとか、何とかのボタンは何とかやってこう押しなさいと言っているけれども、本当にそういうことができるのだろうかとか、そういうものをきちんと調べなければいけないときもあるし、調べないでももっと違うことからわかることもあるしという、そんな考え方をします。
  そうすると、今、何十万台というものすごい数の機械式駐車場、特にこれは世界的に見ると日本独特の機械だと思うのですが、よその国のことが参考になるなどということはほとんどなくて、自分たちの中でこういうものをつくって使ってきた過去の経験とか、そういうことをずっと捉えながら、自分たちでいろいろなものの基準をつくったり、考え方をつくったりしなければいけないということが起こっています。
  そういうものを少しずつ、でも、本質的に大事だと思うものに気がついたら、やはりそのことをきちんと言葉にしたり、何にするのかわからないけれども、みんながわかるような形に持っていくというのをやろうとしています。
  だから、影響を受けるか受けないかというのとも違うけれども、やらなければいけないことをやっていますかといったら、やらなければいけないということを懸命にやっていますというのは言えます。
  多分、見方が違うというところが一番のもとなのではないかと思います。
朝日新聞なのですけれども、事務局に聞いたほうがいいかもしれないのですが、食品・化学・医学等部会のほうが今やっているのは、医薬品事故のテーマ調査と幼稚園プールの事故の2件ということで、幼稚園プールについては工学等と両方で、これは何となくわかるような気もするのですけれども、今までは多分工学等ですね、幼稚園のプールの事故を食品・化学・医学等部会のほうで調査することになった理由というのは、わかりやすく言えばどのようになりますでしょうか。
事務局
事故はいろいろございますけれども、やはりプールで起こった事故というのは、例えば、どういうふうに監視をしていくべきかとか、あるいは最後に本当に事故が起きてしまったときにどういうふうに助けるか、そういったことも考えながらやっていかなくてはいけないので、割と工学的な機械的な話だけではなくて、やはり医学的な専門知識といったものも議論しているうちに取り入れて考えていったほうがいいなと、幅広く見ていった方がいいなということで、途中からは食品・化学・医学のほうでも御議論いただくようにいたしました。
では、救命の部分ということですか。
事務局
そうですね。その辺が中心になります。
松岡委員長代理
あとどういうメカニズムで窒息してしまうか、溺れてしまうか。それが結構難しいので、工学部会ではちょっと手に負えないので、お医者さん等の専門家がいらっしゃいますので、そちらにお願いしているということです。
  今後、お子さんのプールでの水遊び等をどういうふうに注意したらいいかということの一般喚起も行っていきたいと考えております。
畑村委員長
もうちょっとそれを深く考えると、溺れるとは何なのだろうかというのを工学的見方で正確に捉えているのですかと言われたときに、工学のほうで捉えるような捉え方では不十分で、とっさにやらないと助からないというのをきちんと説明するというのは、結局、溺れるとはどんなことか。
  肺の中に水が入って、肺が肺としての機能を果たさなくなる。そうすると何が起こるのですかというと、脳が働かなくなって、普通だったら、溺れるとかだったら、例えば、暴れるとか、体をばたばたさせるとかいって、助けを求めるか助かろうとするだろうと私たちは勝手に思ってしまうけれども、実はそういうこともできないで、言ってみれば静かに動けない状態で死んでいってしまうということまで考えないといけないということを教わると、いや、工学だけでこういうものを見ているなんて、そんなことでは全然不十分だなと感じるようになります。
  ですから、物の見方がすごく自分などは一面的になっているなというのを、2つの部会からの話を聞いて感じることはすごく多いです。
  そして、それは私たちの中でそうやって感じて考えているというだけでとまってはいけないのだと思うのです。やはり溺れるとはどうか。溺れる事故を防ぐというので、そこだけでそういう言葉で言っていると、溺れないようにしましょうとか、気をつけましょうとかそうなるけれども、そうではなくて、本当に水を飲んでしまうというのが起こってしまったときの子供を死なないようにするにはどうするかといったら、多分とっさに対応をしないといけないのです。そいつも数分のうちにしなければ半分ぐらいは死んでしまうとか、そういうことが決まっている中でどうやるかといったら、例えばマニュアルを決めて連絡を何とかしましょう、そんなことを言っているのとは違うのです。
  多分とっさに周囲がやらないといけないことというのを、みんなで共有している状態をつくらないとだめなのだとなるのです。
  今日は何だかわからないけれども、そこのプールのことを見ていて、自分自身の知っていることという、そんなぬるいことをやっているのだったら子供は死んでしまうぞというのが、すごく強烈に思いました。だから、やらなければいけないことというのはすごくあるのだなと。だから、2つの方向でやっていったから、そこまで気がついたなという気がしています。
日本消費者の丸田です。
  今のことについてなのですが、2つの面ということなのですけれども、このプールの事故自体は初めての役務、サービスの分野での事故だということで提案されていて、つまり、遊泳中の監視のあり方とか、あるいは設備の管理の仕方とか、つまり、そういうものも実は含まれていて、どうなっているのかという、全く溺れるという状況に対しての分析ということとか、工学的分析、医学的分析プラスサービス提供に対しては検討されていらっしゃるということだと思うのですが、どうなのでしょうか。
事務局
役務という視点で言えば、今は専ら工学部会でそちらを取り込んでやっていますので、要は工学部会も本当に純粋な機械のメカだけをやっているわけではありませんので、今おっしゃったような視点は、むしろ工学部会で今やっております。
部会というのは、この2つだけですね。
事務局
2つです。
読売の崎田ですけれども、今の話だともうすぐプールの時期なのですけれども、それまでに間に合いそうなのかというのを気になったので、まず、先に質問させてください。
畑村委員長
多分マニュアルを決めてそれを守りましょうなどとぬるいことを言っていると死んじゃうとすごく言いたい。だから、これからプールの時間になるといったら、どんなに浅い水でも溺れるときは溺れるぞと、まず、基本形はそれではないかと思います。
  だから、背が立つのにとか何とか言うけれども、手で突っ張って自分の頭を上げることが子供ができない状況があり得る。だから、本当に子供がやっているところをやはり見ていてやるしか、しようがないのではないか。
  必ず立てるだろうとか、手がつけるだろうとか、暴れて何かするだろうとか思っているけれども、それもできずになってしまうというシチュエーションがあり得るというのを、やはり子供がプールに入るとか、もっと違うところで水遊びをするのでも、そのことを周囲の親か何かわからないけれども、見る人たちは共有していないといけないのではないかということです。
松岡委員長代理
食品部会の議論を聞いていましたら、結構少量の水でも肺の中に入ったら、肺胞に行ってしまうと、酸素が供給できないから、酸素を供給するためには血液を何でもいいから循環させるのです。心臓を強制的に押して循環させる。救急隊を呼んできて何とかする。
  肺に入った水というのは、吸収されてなくなるしかだめらしいですね。
  一気に水が入ったときには、本当に素人が素人考えでもって助けようとしてもだめなので、救急隊を呼んで何とか処置しなくては駄目だと。
畑村委員長
数分で半分の蘇生率になってしまうとか、そういう事実があるとすると、とっさにそのときに正しい行動を周囲がする以外ないですね。
松岡委員長代理
何かの拍子でもって肺の中に一気に入ってしまうと、本当に暴れもしないでばたっという状態が起こる。
もう一つ、がらっと変わるのですけれども、先週、立体駐車場のほうで報告書とかの前に、もしできれば注意喚起したいみたいなことを言っていたのですけれども、その考えはどうなったのかなというのが1つ。
畑村委員長
では、それはそっちで答えてください。
事務局
先月、そういうお話がありまして、ひとまずは消費者庁の安全課と国交省の共同で注意喚起を出していただきました。
  調査委員会としては、報告書自体が注意を促すようなものにもなると思いますので、今のところは、まず、それをできるだけ早く出そうということでやっています。
それでは、消費者庁が一緒にやったものに入っているということなのですね。
畑村委員長
あれは共同で出しているのではないのですか。
事務局
そうです。
事務局
報告書の文書は国交省から出していますけれども、その後に注意喚起を出しているのは消費者庁安全課の本課からなので。
事故調クレジットで何か出るのかなと思ったのですけれども。
事務局
そういう話も一瞬考えたのですけれども、委員会はやはり調査なので、クレジットで出すとすれば、消費者庁安全課だなと結果的になっていったということです。
事務局
調査で得た知恵というと偉そうですけれども、そういったことはお伝えしながらつくっていこうかなと思っております。
わかりました。
事務局
先ほどのプール事故のところは、まさに今、御質問があったり御説明したように、医学的な見地も入れて表現していかないといけないなということで、先ほどの御質問なのですけれども、医学部会のほうでも議論をしているということであります。
  かつ、これは結構言葉遣いが難しいところがありまして、例えば、溺れといったときに、水を飲むとよく言いますけれども、水を飲んで胃に入ったものを溺れと言うのか、言わないのかとか、そういう意味では言葉遣いを結構厳密に使っていかなければいけないので、そういうことも含めて、今、整理を進めているところであります。
  なので、そこら辺の厳密なところは報告書ではちゃんとわかるようにしたいと思っています。今はまだ議論のプロセスで、割とわかりやすい言葉で議論をしているのですけれども、報告書は厳密な言葉遣いをしていかなければいけないと思っております。
それから1つ確認で、先ほどの委員長のお話で、国交省との立体駐車場の件についてなのですが、ガイドラインとの視点のことでおっしゃいましたが、3月28日に消費者庁と国交省と工業会とのあれで注意喚起が出て、そのときに絵も出てやったのですけれども、そのひとまずの注意喚起と考えて、そこには事故調の意向も入っているということなのでしょうか。
畑村委員長
議論の結果が入っていると思えばいいと思います。
事務局
あとはさらに引き続きやっていますので、それを含めて最後に委員会としては報告書として出していこうと思います。途中段階のいろいろ得たものは本課とかにも伝えながらつくっていただいています。
畑村委員長
もっと簡単で、これだけは確かなのだから今早くみんなに伝えないと意味なく同じような事故が続いてしまうぞと思っていて、だから、今、出そうという感じです。
前回の会見のときも、今日にも明日にも起きる可能性もあるということを言っておられますね。
畑村委員長
そうなのです。だから、そう思ってやっているのです。だから、逆にあれで消費者庁が言うことは全部おしまいですかというのは、そんなことはない。まだこれからいっぱい出てくるはずです。
今日話題にならなかったので、エスカレーターとエレベーターで、もし進捗状況でお話しできる部分があったら教えてください。
畑村委員長
では、それはそちらに聞きたいと思います。
事務局
エスカレーター、エレベーターにつきましては、今回は審議いたしておりませんが、引き続き調査なりまとめなりをやっているところですので、これもできるだけ早くとしか、今のところは言いようがないのですけれども、しっかり調査しながらやっていきたいと思います。

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