記者会見要旨
(平成26年3月25日(火)17:40~18:00 於)消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

畑村委員長
本日の委員会では、機械式立体駐車場の事故について、担当の専門委員から調査報告書素案の検討状況について説明を受けました。また、国土交通省の事務方から、機械式立体駐車場の安全対策検討委員会の議論の模様等について説明をいただきました。さらに本日なされた議論も踏まえ、引き続き報告書素案の作成を進めていくことになりました。
  このほか本日の会議では、申出に関わる事案について事務局から情報収集の結果が報告され、その内容を検討した結果、2件については調査を行わないことになりました。残りの案件については、引き続き事務局で情報収集を行うことになります。
  調査等の状況については、松岡委員長代理に説明していただきます。よろしくお願いいたします。
松岡委員長代理
続いて、今月中旬に開催しました工学等事故調査部会の議論について御報告いたします。
  部会では自ら調査を実施しているエレベーター、幼稚園プール及び機械式立体駐車場の3件の事故について審議を行いました。
  エレベーター事故については、自ら調査の4つのポイントであるエレベーター本体に関する問題、保守管理に関する問題、情報共有と管理体制等に関する問題及び事故発生時の重篤化防止に関する問題について、担当の専門委員から今後の調査項目等の説明を受けました。
  部会では、エレベーターの保守点検の内容や制動装置の設計等に関する意見が出され、委員の意見を踏まえ、引き続き担当専門委員を中心に調査を進めていくことになりました。
  次に、幼稚園プール事故については事務局からこれまでの調査を踏まえた報告書の素案について説明、報告がありました。
  部会では事故が発生した複合的な要因の分析や幼児の溺死のメカニズムの検証、取りまとめの方向性や報告書への記載ぶりも含めて幅広い意見が出されました。委員の意見を踏まえて、今後、調査結果を取りまとめていくことになりました。
  最後に、機械式立体駐車場事故については、担当専門委員及び事務局からこれまでの調査経過について報告がありました。部会では取りまとめの方向性や報告書への記載ぶりも含めて幅広い意見が出されました。委員の御意見を踏まえて引き続き調査を進めるとともに、調査結果を取りまとめていくこととなりました。
  以上でございます。

2.質疑応答

共同通信の橋本です。
  先月も機械式立体駐車場の事故は本委員会でも議論があったと思うのですけれども、今日も議論すると、次に評価書のまとまりが一番近いのは機械式立体駐車場の事故と考えていいのでしょうか。
畑村委員長
そう簡単にまとまるなんてところに行きそうもない感じがします。というのはいろんなことがわかってくるとというか、どのくらいの数の機械が今、使われているかというのは知っていたけれども、だんだんと調べていくとどういう設計思想でそういうものがつくられてきたか、そして、それが現在どんなふうに使われているか。そうすると、それを使うほうの人はどこまでどんな理解をしてそれを扱っていくのかというのもちゃんと考えないと、つくるほうの人から見て、つくるときに考えたとおりを使っているわけでもないぞと、そういうふうに使っているわけでもない。そして、それがだんだんと変わっていくし、規則とか法的なものとかがどこまでカバーしているかというと、カバーしていないようなところでたくさんのいろんなものがつくられていて、使われているだとか、そういうことがわかってくると、一体どの範囲をどんなふうに取り扱っていったらいいかというのも、これから考えていかないといけないねという、そんな議論をしています。
  だから前回もやって、今回もやって、だから進んでいるのといったら、それは確かに進んでいるのです。だけれども、いろんなことがわかってくるというか、これも考えないといけない、あれも調べなければいけない、そういう状況だと考えたらいいと思います。
  それでももっとずっと大事なこともあるのではないか。この10年かで10人ぐらい亡くなっているのかな。今日の議論の中でそのぐらいの数だったと思う。数が正確でないといけないのだけれども、今そういう一覧表とか見ながら議論をやったのですが、それだけの方が亡くなっているし、今、みんなで機械式立体駐車場というものの理解の仕方と、どこにどんな危なさがあるかとか、そういうものを共有するところまで進んでいかないと、こういう事故はまだこれからも起こり続けて、それで非常に悔しい思いをするというか、残念な思いをすることになるのではないかということを思っています。
  そういうもので見ると、どうあるべきかとか、例えば法律的にどういうふうに扱うかという、そういうことも必要になるけれども、みんながこれをどう理解して、どう扱っていけばいいのかという根本的なところを随分考えなければいけないと思っています。
  多くの人は何かセンサーをつけて何かやれば、機械は安全になるのではないかと割にいろんなものを安易に考えている部分というものがたくさんあるように思うけれども、実際に機械式立体駐車場が使われている状況というので見たら、例えば人がいないことを確かめましょうというふうに言われたって、確かめられるような構造になっているかとか、具体的に本当に使う状況というものを考えていると、もっとずっといろんなことを考えなければいけないのではないかというようなことが議論の中でわかってきています。ですから進んでいるのは確かです。だけれども、一番早く到達するのではないかとはなりそうもないぐらい大変だという感じがします。でも、結論が出ないでもこれだけのことは危ないぞとか、みんなでこれだけのことを共有して、とにかく事故が起こらないようにしようというのはまた考えなければいけないと思っています。
  そういう意味では、何らかの提言をするというようなことが必要になるととても強く思っています。だから結果が出るより前に提言のほうが先に出てくるとか、そういうようなことを考えなければいけないのではないか。とにかく手をこまねいていてはいけないというふうに、とても今日の議論では感じました。
松岡委員長代理
私どもは部会で議論をして検討した結果ですけれども、私の感覚としまして機械式立体駐車場というのは工場にあるような装置なのです。それを素人の訓練を受けていない私たちは使っているという実態がある。これは非常に危ない状態だと認識したのですが、それを一般のユーザーは全然感じていなくて、使ってしまっている。
  あと、実際の使用状況と実態とがもともと設計思想がそういうような装置ですので、まず1つは車を入れるときは運転手1人のみというのが原則になっているわけです。ところが、実態としてはそれはなかなか難しい。いろいろな事情がありますので、お子さんを一緒に連れて乗るしかないということがある。それをどういうふうに解決して、安全を高めるかということが非常に難しいだろう。
  それから、装置であるので取扱者という専門の係官を置きなさいという設計仕様になっているというものでもってつくられているのですが、実際はなかなか専任の人を置いておくわけにもいかないような状況がかなりあるということで、それもどう解決していくかということで、その辺は議論をして有効な安全対策、しかも実効性のある、突然規則に反しているとか、設計思想に反しているから満たされない限りは使ってはいけませんよということは実態的には全く無理なお話なので、それをどう解決するかということを早急に検討していく。
畑村委員長
今のに補足するとこうなのです。機械式の立体駐車場を設計するときに、ああいう構造体の中に人が入るというのは危ないと設計する人は考えているのです。だからその限りではそのとおりなのです。そうすると、車をとめるところで構造体の中にまで運転して最後は入ってしまうのです。そこでおりて歩いて出てくるわけです。
  その動作をやるときに同乗者、例えば子供とか、もっと違う人でもいいのだけれども、ちゃんと普通でいろいろなことがわかる人が、それを外でおろせというのはちゃんとおりてくるわけだけれども、例えば子供を連れて運転している人が駐車しようとするときに、その機械式立体駐車場の中に入る前に子供をおろしてくださいという設計思想になっているのです。そうすると、そのおろした子供がどこへ行ってしまうかというのも母親は心配したとすれば、外におろしなさいという前提が崩れてしまって、おろせないまま車に乗せて機械式立体駐車場の構造物の中に入ってしまうのです。そして、それから自分がおりるときにまず子供をおろして、それから、自分がおりるという動作をやることになる。さもなければ自分がおりてから子供を抱きかかえておろすという動作になる。どちらにしても前提としてやっている、運転手が1人だけになっているというのが崩れてしまっているのです。そうすると、そこでいろんな事故が起こるわけです。
  例えば親は子供を外に置いたときに、子供が歩きだして道に出てしまって交通事故に遭うのではないかと考えて、だから車に乗せたまま機械式立体駐車場に入らなければいけないと考える。でも、それは設計しているときに人が入らないことになっているところに入ってきてしまっているのだから、それは設計ではフォローしません。そうすると今度、その機械から外に出ていくときに2人出ていくことになるわけだけれども、ちゃんと2人出たことの確認がちゃんとできますかというような問題があって、仮に子供がその中に残ってしまっているとしたらどうなのかというと、その駐車場に例えば柵があるか、ふたがあるか、戸があるか何かすると、おりてきてしまったということが仮に起こったとしても、それは設計上は何もおかしなことではないのに、実態としては起こってしまう。
  そうすると今の機械式立体駐車場というのは、みんなが使っているマンションで圧倒的にたくさんそれが使われているわけで、そうすると今、前提が崩れたような実際の使われ方をしている。そこで事故が起こっているとすれば、これから先、一体どうすればいいのか。それをここの消費者庁なり何なりが本当に提言するなりして、みんなに今の危なさとかそういうものが、もともと根本的にそういう危なさがあるのだというのをみんなに共有できるようにするのには、一体どうすればいいかというところまで考えなければいけないという議論をやっています。これで大分正確に言えたと思います。
松岡委員長代理
ありがとうございます。
朝日の岩波です。
  エスカレーター事故の進捗状況について教えてください。
松岡委員長代理
エスカレーターにつきましては、簡単に言いましたけれども、実際のエスカレーターの材質、手持ちのベルトの摩擦とか、シミュレーションです。人間がどういう行動をしたときに、どういう動きがあるかというシミュレーションの検討ということで、その辺の検討を今やっております。ですから、そういう技術的な裏づけを出して、それをもとに実際にどんなことが起こり得たのか、あるいは起こってしまったのかということをまとめていきたい。それを防ぐ対策としてはどうしたらいいかということ。そういう2段階を考えています。
エスカレーターは去年6月に評価書が出ていて、今年6月になれば最終結論なり中期計画ということになると思いますけれども、それがどちらになりそうで、今はどの段階まで議論が煮詰まっているのか。そのことについて教えてください。
事務局
率直に言えば、どちらの方向かというのはわからないというところです。それが率直なところだと思います。しっかりしたものができる。そこまで議論をしていただいて出すということになると思います。形式で申し上げれば、先ほどおっしゃられたように仮に6月までに出ない場合には経過報告という形にするということになりますし、その前に出れば報告書という形になるというところです。
畑村委員長
また少し補足すると、例えばシミュレーションでやっていますという中身はどのものですかといったら、誰がどんなふうに動いたとすると、こういうことが起こっただろうと、力学的にこういうことがあり得ただろうというものを立体的に物の動きをシミュレーションでやってみるというようなことをやるとか、もっと大変でやるのは例えばベルトと衣服との摩擦の問題だというのであれば、本当のベルトを使って、それで衣服との間の摩擦の試験をやらなければいけないというので、それでそういう装置をつくったのでしょうか。
松岡委員長代理
何か便利なものがあるのだそうで、それを使って。
畑村委員長
それを転用して、それで本当にちゃんとベルトの一部分を切り取ったようなものを持ってきて、それで本当に衣服との間の摩擦を実測するというような実験をやっている段階です。だからそういうものであるから、簡単にすぐに結果が出てきますねと言えますかというと、そんな簡単に言えません。でも、ちゃんと進めていますということは言えます。
お伺いしたのは、先月も同じような質問をさせていただいたときに、そのシミュレーションをやっています。そういう視点でやっていて、報告書についてはかなりまとまってきているというお話だったのが、今月の審議の内容にエスカレーターが入っていなかったので、その経緯が気になってお伺いした次第なのですけれども、それは特段、何かが遅れているとかではなくて、先月言われたようなことを続けてやっていて、順調にそれはめどが立つ方向で今も進んでいるという理解でいいのでしょうか。
松岡委員長代理
そのとおりです。部会の報告書がまとまる段階で次の部会でもって整理するということで、途中だったのでまだ審議に乗っていなかったということです。
読売新聞の崎田ですけれども、立体駐車場の件で先生たちがお話になった中で構造上の問題だとか、かなり危険なものだというお話があったと思うのですが、お話を聞いているともう少し調査されそうだということですけれども、実際に10人亡くなったりとかしていて、調査の過程の中で注意喚起できるものはどんどんしていくということを考えたりすることはあるのでしょうか。
畑村委員長
まさにそのとおりを考えているのです。だから結論が出て、これこれ調べてこういう結果が出ましたというより前に、やはり注意喚起を提言するという、途中でも、そういうことをやらなければいけないのではないかということを考えて、そういうことをやろうとしています。人が死んでしまうのだから、だからそれを防ぐことをとにかくやろうというふうに考えています。
それは近々出るということですか。
畑村委員長
近々出したいと思っています。
わかりました。

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