記者会見要旨
(平成25年9月20日(金)16:10~17:00 於)消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

畑村委員長
本日の会議の概要をお話しします。
  消費者安全調査委員会は、昨年10月に発足し、間もなく2年目に入ることになりますが、引き続き、丁寧かつ幅広い視点から事故を捉え、真に消費者の安全確保に資する調査を行っていきたいと思っています。
  本日の委員会は、昨年11月に選定して以来、みずから調査を実施している2つの事案について、調査結果の概要や今後の調査の観点について事務局から報告を受け、本日なされた議論も踏まえ、引き続き調査を進めていくことになりました。
  申し出にかかわる事案については、事務局から情報収集の結果が報告され、その内容を検討した結果、当件については調査を行わないことになりました。残りの案件については、引き続き事務局で情報収集を行うことになります。
  調査の状況については、工学等事故調査部会の部会長である松岡委員長代理に説明していただきます。
  それでは、お願いいたします。
松岡委員長代理
続いて、8月、9月に開催した工学等事故調査部会の議論について報告いたします。
  ガス湯沸かし器の一酸化炭素中毒事故については、評価の状況などに関して、さまざまな角度から意見が出されました。また、評価の内容についても、事故発生の原因として、湯沸かし器本体の問題、保守管理、事故を踏まえて経済産業省がとった対策などについて、幅広く委員から意見をいただきました。これらの意見を踏まえて、引き続き作業を進めていくこととなりました。
  エレベーター事故については、調査委員会において8月に評価書を公表し、みずから調査を行うことを決定しています。部会では、担当専門委員出席のもとで、評価書においてお示しした①エレベーターの本体の問題、②保守管理、③情報共有と管理体制、④事故発生時の重篤化防止の4つの視点についての調査計画を審議し、現在、担当専門委員を中心に調査を進めているところです。
  立体駐車場事故については、みずから調査を実施することとしておりますが、担当専門委員出席のもとで調査計画を審議しました。立体駐車装置の設計や人と機械をいかに隔離するかなどの視点から議論がなされ、現在、担当専門委員を中心に調査を進めているところです。
  その他の2案件については、部会においてそれぞれ担当の専門委員から、これまでの調査経過を御報告いただき、委員から多くの意見をいただきました。この2案件についても、引き続き調査を続けることとしています。
  以上でございます。

2.質疑応答

毎日新聞の大迫です。
  委員長に2点お伺いしたいです。
  まず1つが、この1年を振り返ってみられて、何が課題と思われたかということ。
  もう一点が、この中間報告を出された2件について、国交省さんのほうが消費者視点から見て不十分と言うけれども、消費者視点というのは何か。どういう基準で不十分と言っているのかわからないという声が繰り返し聞かれます。これについては、消費者視点というのは何なのか、どうお答えになりますでしょうか。
  この2点をお願いします。
畑村委員長
1個目のほうをもう一回言ってください。
この1年を振り返ってみられて。
畑村委員長
感想ですか。
課題です。何が課題と思われたか。
畑村委員長
何が課題。感想だとあるのだけれども。
感想でも結構です。
畑村委員長
感想でもいいですか。
実際にやってみると、引き受けたときに思っていたより、はるかに大変だなというのが、一番正直な感想です。
  それから、課題に答えてくれと言われても定まらないので、感想で申しわけないけれども、とにかくはるかに大変だった。それから、今でも大変だという感じが非常に強いです。
  それは、何がそういうふうに思わせるかというと、始めたときに大体こういう方向から見ればいいのではないかと思っているのでは、まだ不十分なのではないかと。一つずつの事柄が、取り上げたもの、それを議論したり、中でもいろいろな検討をしたりすると、一つずつ新しい視点にきちんと気がついて、その方向から見なければいけないというのに、一つずつ気づかされるのです。それが非常に重い感じがするというか、重いのです。
  だから、すごく大変だなという感じで、今、ますます大変な方向に進んでいるという感じがします。
  2個目のほうは、割に答えやすい感じがします。国交省がやったものについて、何が不足だとか、何が不十分だとかいうような話に私たちの評価がいっているかのように国交省の人が仮に受け取るとすると、それ自身が私たちから見ると、固定したある方向から見てやるやり方に固定化して見ていると、実際に消費者が求めている物事の見方とずれていっているというか、もうちょっと違うところまで幅広くきちんと見ないといけないよと。だから、国交省のやっているものが、国交省として調査をするということについて、私たちの評価の仕方では、それが不十分だということは言っていないつもりです。
  だから、どの視点からそれを見るのかという視点を決めて、それで見ているのだったら、それはそれなりにちゃんとやっていると私たちは思っているのです。ところが、消費者から見たその事故、その事故をどういう方向から見るのか。それから、それに付随する事柄も全部ひっくるめて、それから何を学ぶのかという視点から見るときには、国交省なり何なりが取り扱ったようなやり方だけで見ているのでは、国交省のも足りないと言っているのではないですよ。それで済んでしまっているようなやり方では、消費者側から見たときには、きちんとそれから引き出すものを十分に引き出していないし、考え尽くしていないのだと見えるということを言っているのです。
  特に、例えばエレベーター事故のようなもののときに、重篤化の防止というようなことがすごく大事だぞというのを私たちのところは言っているけれども、重篤化の防止ということが一つの事故について見たら、とても大事なことなのは、誰でもそうだと思うと思うのです。だけれども、それがエレベーター単体なり、エレベーターの一つの管理なり、基準なりをつくるところがやっていることが不十分なのかという、それとは視点が違うと思うのです。
  ですから、事故から何を学んで、よく再発防止に資するという言葉だけで言われるけれども、再発防止に資するということだけで狭くとってしまっているのではいけないだろうと思うのです。もっとその全体をいろいろな機械なり、システムなりを使うので見たら、そういう事故でそれが重篤なものにならないようなところまでいろいろなことで考えていかないといけないと気がついたよということを言っていて、それを言うのは多分、消費者安全調査委員会の報告が初めてそういう視点を取り入れることになるのではないかと思って見ています。
幅広い視点というところの幅の広さというのが、一体何をもってその幅を提示してきているのだというのが、結局もっと入るわけですね。
畑村委員長
そのうちするようになりますよ。
納得できなければ、幾ら指摘したって、例えば法改正とか、省令改正とかに持って行くことができないわけですけれども。
畑村委員長
省令改正とか法令改正をすることが、本当に重篤化を防ぐことになるのですかというもう一つの問題があると思うのですよ。だから、みんなで法律がどう、システムがどう、決まりがどうということをずっと言っていることが、こういう事故が重篤なものにならないようにするのに、本当にそれで十分なのですかという設問をしているつもりなのです。
  だから、幅広くというのは、幅広いと思って見るのだったら、幅広く見ればいいし、それでもいい。でも、もしかすると、幅が広いとかというよりも、もっと違う次元のものまでここに取り込んで、全体としても残念なことがいろいろ起こることを少しでも減らしていこうとか、それが重篤にならないようにしようという見方をしています。
  ですから、今、あなたがお聞きになろうとしていることと少しずれているかもしれないけれども、本当に大事なのは、今、私が言ったようなことではないかと思っています。
わかりました。
日経新聞の小川と申します。
  数の話で恐縮なのですけれども、来年度の予算の概算要求で30件という目標で今年要求されていると御説明がありました。この30件という目標について、委員長は現時点でどのように受けとめられているのか教えていただけますか。
畑村委員長
30件という数字自身を聞いたのは、今が初めてです。今年6件しかできていないのに、30件なんてそんなすごいことを言うのかと言ったら、私は知りません。
  きっと30件というのは、誰かがどこかで何か出てくるものが30件と言っているのか、そういう数字なのだろうと思いますが、30件はやりますよと宣言するなんて、そんな元気はないです。だって、6件やるだけで本当に大変なんだもの。とても30件なんてできるわけがないです。
  だから、誰かがそういう数字で言っているのかもしれないけれども、30件という数字がどこかで出ていたって構わないのですが、30件は調査するのだろうとか、何かやるのだろうと、今やっているような濃い密度というか、仕事のやり方でやれる数字と思って30件を受け取られると、それはちょっと無理だろうと思います。
  先生、どうですか。
事務局
30件につきましては、予算を考える際の想定として書いていますけれども、これ自体は目標とかそういった趣旨でつくっているというわけではございませんので、当然、実際やっていく中で1件1件、私も事務局でやっていて感じていますが、委員長もおっしゃられましたが、丁寧かつ幅広い視点でやっていくということも重要でございます。もちろん予算上の積算というのはございますけれども、それが目標であるとか、そういったことよりも、もっと意味のあることを出していく。そちらも重要なのではないかということでございます。
委員長にお伺いしたいのですけれども、これまでやっているような濃い密度で調査を続けられていくということを考えると、大体年間どのぐらいが。
畑村委員長
そんなのはわからない。
  例えば5件の次にあとの1件というのは、誰かが言ってきたらか始めたというので始まったのでなしに1件を始めているわけです。でも、その前に最後にもう一件やろうというのを全然気がつかないで無視していたのが突然出てきたのかとか、そんなことではないのです。いろいろなものを見ている中で、誰かが申し出をしてきたのではないけれども、今、これをこちら側から見ていて取り上げるのだったら、やはり取り上げないと、社会全体の中では防ぐことのできるような事故をきちんと考えたり、見たり、調べたりしないために、必要な事故なんていうのはないのだけれども、だけど、そちらに注意を払わないでいたから事故になってしまった。これは非常に残念だなと思うようなものがあったら、自分たちでどこかそういうところに気がついて、ちゃんと注意をそこに集中して、ちゃんと始めようとやって始めたものです。
  だから、そんなふうに考えて、とにかくいろいろなものを見たり、考えたりしている中で、どれだけやりたいのですかと言われても、わからないです。
  もう一つ、これはぜひ皆さんに協力していただかないといけないことだろうと思うのですが、まだ立ち上がって1年です。だけれども、世の中にある、今、言っているようないろいろな種類の事故で、ある方向から見て、みんなで考えを共有したり、気がつかなかったことだけれども、これをこういう方向から見たら、やはりそれは防げるのではないかというものを見つけることができたら、すごく大事でいいことだと思うのです。
  だから、それをやるのには、まだ1年しかたっていないけれども、少なくとも大体物の見方ができたり、こんな方向でいいのではないかとなるのには、少なくともあと2年ぐらいかかるのではないかと、自分の感じで見ると、そんな感じがします。
  多分、一つずつが新しいのだろうと思います。今やっているものを見ていても、求められている視点というのが全部違うのです。だから、そういうふうに思っていると、まだ幾つ出てくるのか、私はよくわからない。
  松岡先生、どうですか。
松岡委員長代理
私の感想で申し上げますと、現在やっておりますのは特定の事故を取り上げて、分析して、解析をしているのですが、その過程で、そこに横たわっている普遍的な問題とか、根本的な問題がどんどん出てきているのです。それを今、我々はまじめに取り上げて、考えてやっております。
  ですから、何件やったとか、そういう問題ではない。非常に普遍的な再発防止とか、類似の事故を防ぐための活動をかなり深くやってきております。ですから、非常に軽いものを取り上げて、この原因を解明しましたという、30件とか100件やりましたということを本当に国民の皆さんが望んでいるかというと、そうではないのではないかと思います。非常に難しいものから我々はチャレンジしてやってきているということを理解していただきたいと思っております。
朝日新聞の小泉と申します。
  先ほどから、想像以上に忙しかったというお話しがありますけれども、具体的にどういうふうに忙しいのかというところで、もし何か例で言えたら教えていただきたいです。
  もう一点、30件は目標ではないということですが、そうなったときに、来年も今年と大体同じぐらいの件数なのではないか想定をされるということなのでしょうか。
事務局
いずれにしても、あらかじめ何件と決めるというのではなくて、いかに効果的に消費者安全の確保ということに結びつけていくかというのをまず第一に考えていくということだと思います。それは実際に、どういう事故がこれから起きるかもわかりませんので、あらかじめ何件とかいう話よりは、出していく中できちんと消費者安全につなげていくということをまず考えていくのかと思っております。
畑村委員長
最初の質問で言われた、どういうふうに忙しいのかという答えは、まず、月に1回例会になってやっている委員会があるわけです。だけれども、それよりもっと前に、今こういう申し出があるよとか、こんなふうになっているのは、きちんとメールで伝わってくることもあるし、そうでないときもあるし、少なくとも1週間前には、今、大体こんなことが問題なのだけれども、こういう取り扱いをしようかどうかというのは、私のところに事務局が来てくれて、それで検討をするのです。ここの視点が要るだろうとか、あれが要るだろうという打ち合わせをやります。
  それもあるけれども、やはり一番大変なのは、議事録の確認ですね。すごく膨大な量が来ます。大体何ページぐらい来るだろう。1回来るのに30ページ、40ページ分ぐらいかな。それを丁寧に読んで、間違いがないようにしなければいけないと思うから、それを読むのです。ですから、1回会議があると、その後そうなりますね。
  だから、これは表から見たら、どのぐらい時間を使っていますかというので、それは見える格好だけれども、今度はもっと違うので見ていると、同じテレビや新聞を読むのでも、今、自分があてにされている役割から見たときに、この事故をどんなふうに見ているのかというのは、一つずつ起こることをみんな見ているのですよ。だから、随分大変な役を引き受けてしまったなと自分では思うけれども、でも、そういう見方をしています。
  ですから、どのぐらいどう忙しいのですかというのを言われても、数字とかで言えるようなものではない。頭の中の何分の一ぐらいをそれが占めていますかという質問だったら、全部ということはない。半分ということもない。それほどではないけれども、でも、相当なところをこれが占めていて、だから、全体として自分が関心を持ったり、自分で考えたりするものを相当なところ。頭の中のどのぐらいの割合かというのはうまく数字で言えないけれども、相当なところをこれが占めているという感じです。
松岡委員長代理
部会のほうから補足させていただきますと、部会が月に1回から2回のペースでやられておりまして、その準備のために、その間に部会の主たるメンバーが打ち合わせをしております。なおかつ、部会に出てきます報告書の案ですね。これはかなり技術的な案がありますから、大部のものを我々が全部チェックして部会に臨まなくてはいけないということで、かなり大変な作業がずっと続いてきております。
  このような状況でございます。
読売新聞、崎田です。
  一つ、会合の最初の報告書はいつごろになる予定でしょうか。希望でもいいので、教えてください。
畑村委員長
私はよくわからない。
事務局
そちらにつきましては、まずは本当に丁寧に幅広い視点から御議論をいただくということが前提ということだと思います。その上で、できるだけ早く出せるようにということで進めていくということになろうかと思います。
あともう一つ、今後のスケジュールなのですけれども、最初に選定された5件のうちの3件は、1年以内に調査結果が出ない場合は、中間報告を公表しなければいけないということですが、現時点では2つ非公表のものがありますが、どのようにやるつもりなのか。11月の頭がリミットだと思いますが、どのようにお考えですか。
畑村委員長
どうやるつもりだって、まさにそれをやっているのですよ。だから、すごく大変。
では、予定どおりやられるとおつもりですか。
畑村委員長
だから、予定どおり中間報告はちゃんと出ていきます。
もう少し何か。
畑村委員長
本当はいっぱいしゃべりたいことがあるけれども、でも、それをしゃべると、またすごいことになってしまうから。
事務局
一応、補足させていただきますと、1年以上かかると見込まれる場合には、経過報告という形で出すとなってございますので、仮に調査がその時点で終わらなければ、1年を迎える前に経過報告という形で公表するということになろうかと思います。
畑村委員長
先ほどの質問に絡むのですけれども、本当はどこかの視点で何かを決めて、その評価なり何なりをしていればいいというのだったら、それはそれでできてしまうと思うが、本当にそういうことをやっているので、この委員会が世の中から預託されている働きを本当に果たしていることになるかという、言ってみると、もっと深いところの議論までやっているのです。
  そうすると、そんな簡単に何か出るなんてものではないぞという話になるから、委員はみんなぐったりくたびれてしまって、本当にくたびれてしまって、大変なのです。でも、確かにそういう、ただいろいろな物の見方を入れればいいと言っているのではなくて、本質的に必要になる事柄を仮に見損なっていたり、この事故を取り上げたときに、そこで気がついておけば、次の類似の事故を防ぐことができたのにと後から後悔するようなことがないようにしたいという考え方で物を見ているから、議論していて大変、私はそういう感じです。
  松岡先生はどうですか。
松岡委員長代理
まさに同感です。
畑村委員長
今日なんかくたびれてしまってね。
件数の関係で補足で聞きたいのですが、確かにおっしゃるとおり、1件ごとの質というのはあると思うのですけれども、一般的な見方として、30件やりますと予算要求をして、例えば6件しかできなかったら、そんなに予算は要らないのではないかと思われるのではないかと思うのです。30件と6件だと、やはり大分件数が違うので、そうなったときに、要求の仕方自体から変えたほうがいいのではないかというお考えはないですか。
畑村委員長
私は、その30件ということを何も知らないから、答えられません。
事務局
実際にやってみて、例えば当初想定されていた100件の1件というのと、実際にやっている1件に対する重みというのは違いますので、単純に件数云々というだけで議論するというところではないのかと思ってございます。
ですから、件数を掲げて要求するというやり方自体を直すほうがいいのではないかと思うのです。今、おっしゃっていることだったら、件数を挙げて要求するのではなくて、もっと違う要求の仕方があるのではないかと思うのです。
畑村委員長
そうかもしれないね。それでちゃんと予算が取れるのだったら、そういうやり方というのもひとつの方法だと思うけれども、そういうやり方でやると、何件やるかも言わないで予算を出せなんて、そうはいかないよという人が、予算を出すほうが決めているのだったら、どれだけの数か知らないけれども、それじゃあ30と言っておこうかというので出した数字かもしれないし、私は全然それはわからない。わからないけれども、そうやって決まっていっているのなら、それごと変えなさいというのなら、変えてくれたらいいのになと思うね。だけれども、私はわからないです。先ほどの30という数字だって、今ここで初めて聞いたようなものだからね。
事務局
そこはやり方といいますか、きちんとしっかりした根拠を持って数字を出していくというのも、ひとつやらねばならないことでもございます。ただ、一方で、実際にどうなるのだということであれば、それはしっかり中身できちんと貢献していくというのが、まず最初のプライオリティーだろうというところでございます。
日本消費者新聞の丸田と申します。
  先ほどのお話しの中で、次の類似の事故を起こさないということをおっしゃいました。それで一つお聞きしたいのですが、原則非公開ということでずっとやってこられましたけれども、案件の中では2件が全く非公開になっていて、それは製品と役務ということしか公表されていないと思います。
  それで調査を開始した日から1年で完了しない場合は経緯を公表することになっていますけれども、そういうものが類似の事故として発生する可能性として指摘されていることから、原則非公開ということの中でも、公開すべきとき、あるいは既にこれは申出者のほうが公開していたりとか、報道で公開されていたりとかしております。それについて、不都合とか何かがあるかないかというのがあるのですけれども、こういう原則非公開については、何か検討で改善とか何か、そういう経緯はありましたでしょうか。今のような非公開のあり方を変えるとか。
畑村委員長
今、議論しているものは、私は変えなければいけないとは思いません。ちゃんとした議論ができるだけではなくて、実は調べることもひっくるめて、すごくそれに絡んでくるのだけれども、非公開でやっているからちゃんとしたことが出てこないのだろうというのではなくて、非公開にしているからちゃんとしたことが出せるのだという、そちらの筋書のほうが事実だろうという感じがします。
  ですから、それを変えなければいけないとか、変えたほうがいいとか、いろいろなことを知りたいというのは、そのとおりだけれども、でも、そちらに流れてしまったときに起こってしまう、いろいろなことをやらなければいけないことができなくなってしまうことがあるから、非公開でやっているのです。私はそれでやはりやり方としては適切だと思っています。
  だけれども、その次に、中間報告という1年目で出てこなければいけないというときには、一体どんなことをやっているのかというのは、あらかたそれで見えてくるようにならざるを得ないですね。公開、非公開とは別に、どういうことを今、考えたり、やったりしているかというのが出てくるようになると思います。その分はものすごく大きな進歩だろうというか、成果というかわからないけれども、やはりやってきたことが表に出てくることの大事さだと思います。
  類似の事故がないようにするという、類似というものをどう考えるかというものはとても大事なことで、今はまだそういう概念自身ができ上がっていないけれども、私の考えで見ると、シナリオというか、どんな要素とどんな要素がどんな順番で関係していったら、こういう事故が顕在化する方向に動いていっているのかというのを考えたときに、要素のつながりを仮にシナリオと言ったとすると、このシナリオはすごく普遍性を持っていて、大事なものだろうと思っています。
  そうすると、そういうシナリオが見えてくるところまで議論をするとか、調べるとか、ヒアリングをするとか、いろいろなことをやらなければいけないと思って、今、議論をしています。ですから、先ほど言っている2つは、まだ表に出てこないけれども、出てくるときは、きちんとやっていたから、ここまでのことが出てきたのだなと思えるような中身にしようと思って、すごい努力をしています。
  多分、そういうふうにすごい真面目にやらないといけないことではないかと私は思います。
  松岡先生はどうですか。
松岡委員長代理
今、御質問のあった非公開は、審議が非公開ということと、何を取り上げているかが非公開ということなのですが、審議のほうは機微にわたることは非公開でやらざるを得ないということは御理解いただけると思うのです。
  それから、取り上げている案件につきましては、基本的には私どもは公開して、注意喚起をしたいと思っています。ただし、その調査をする際において、非常にスムーズにいかない心配があるということでもって、非公開にせざるを得ない状態になっているというものが多々あると思いますので、この辺は御理解をいただきたいと思っています。
  以上でございます。
スムーズに行かないというのは、どういうことでしょうか。
松岡委員長代理
一つは、本当に理由がそれであるか、事故の原因がそれであるかどうかというのがわからないで事故に入ったために、関係者にとって協力を得にくい状態になってしまうということもあるし、また、役務のようなことでもって、その当事者の方から聞き取りをするとか何とかで、非常にスムーズに行かない心配がある。現に今、私どもで幾つかやっております中で、難しい局面になっているものも幾つかありますので、御理解いただけると思うのですが、こういう非公開でやることによって、ある程度は進んでいるということです。
もう一つ、冒頭の委員長のお話で、丁寧で幅広い視点で消費者の安全確保に資するとありましたが、丁寧ということは、この委員会自体は、被害者に寄り添って調査をすると最初にありました。今もそれはあると思うのです。
  その中で、申出者に対して丁寧な説明をして、対象外にする。要するに、申出は100件近くあると思うのですけれども、そうでない案件、要するに対象にしない、選定しない被害者の事案に対しての説明は、丁寧さといいますか、どうやって振るのかと思うのですが、今、どうされているのか。つまり、ペーパーでぽんと出されているのか、それとも説明を尽くされ、丁寧に納得されるような形でやっているのか。そこはどうなのでしょうか。
事務局
  申出につきましては、選定されないという結果になったものについてもいろいろ情報収集をその前にしてございます。
  結果につきましては、一つは紙でお返事をするということをやっています。あわせて、例えばこういうところに相談窓口がありますよと、調べていく中でいろいろ出てくることもございます。あとは、こういう理由でということもございますので、それについては電話で回答をしながら、丁寧に対応しているという状況でございます。
日本消費経済新聞の相川と申します。
  法律が施行されて1年ということですが、国会でもともとこの法律ができるときに、いろいろなところに不備があるということで、もともとお仕事を持っていらっしゃる先生たちが、専門委員の方も含め、どれだけかかわることができるのか。あと、専門委員も大臣の答弁の数から比べると、全然足りていないし、事務局のプロパー化の問題も全然まだ進んでいないように見えるし、やはり実際に1年間運用してきて、法律の中でこの辺はやはり問題があるとお感じになることはありますでしょうか。
畑村委員長
私は、法律をきっちりと読んで考えたことがないから、わかりません。答えられない。ごめんなさい。だけども、しようがない。
  法律も知らないでやっているのと言われるかもしれないけれども。
いろいろな課題があるから、私はそれは運用でクリアしていると思っていて、国土交通省も、嫌です、私がやりますと言ったらどうするのよとか、いろいろな課題があったと私は思っているのです。でも、課題がいっぱいあって。
畑村委員長
でも、本当に大事だと思う課題から、ひるんで逃げてしまったとか、そういうことは多分やっていなくて、やはり真正面からちゃんと物を見ようと思って、やれるところからちゃんとそれに、食いついていくと言うと変かもしれないけれども、ちゃんとそれを取り上げて、その方向から行こうというのはやっているつもりです。
  だけれども、事務局は例えば30人とか40人とか、それで十分なのですかといったら、こんなにいろいろなものをいろいろな人が言ってくるのだったら、何百人も要るのだろうと思います。だけれども、それが不十分だからできないのですかと言ったら、やれることをやっていますからと言うしかしようがないのではないかと私は思います。
  どうぞ。
松岡委員長代理
ただいま御指摘があったように、専門の方あるいはスタッフの充実は、私どももそれをぜひ望んでおります。それには国の予算等もありますので、ぜひ皆様方がそういう御支援のキャンペーンを張っていただければ、予算がつきやすくなるのではないかと考えています。
  それにもかかわらず、今の体制でやっていただいておりますと、専門委員の先生方は非常にいい方々が専門委員になっていただきまして、非常に重い案件を次から次へとやっているのですが、非常に熱心にやっていただいております。これで助かっております。ですから、今後も引き続きまして、こういう立派な専門委員の方々が任に当たってくださることを期待しておりますが、人数に限りがありますので、その辺のことにさらに充実できるような体制を御支援いただければと思っております。
時事通信の柴田といいます。
  今のお話に関連してなのですけれども、今の議論の質を保ったまま早く結論を得ようとした場合に、委員の方を常勤にするとか、そういった方法によって効果は得られるとお考えでしょうか。
事務局
そこにつきましては、例えば常勤でできる方というと、恐らく限りがあるのではなかろうかと思います。今、やっていらっしゃることをお辞めになって常勤でやるというところもございますので、そこは必ずしもメリットだけではなくて、そういったことも考えなくてはいけないというところだと思います。
  現状としては、専門委員の先生方も、逆にある程度の人数の方にお願いをしておりまして、そういった中で本当に事務局としては、委員の先生方には感謝してもし切れないぐらいやっていただいているところがございますが、単純に常勤だったらというところは、また難しいところもあるのが事実だと思います。
あともう一点ですけれども、先ほどの非公開の理由として、公表した場合に協力が得にくくなるという説明がありましたが、実際に公表するなら協力しないぞといったような、製造業者、役務提供者から話はあったのでしょうか。
事務局
具体的なことは申し上げられませんけれども、そこは本当に一方では、事故調査というのは、きちんと情報を集めるということが大事でございますので、そこはまずしっかり調査ができるということが、ひとつ大事な視点ということで御理解いただければと思います。
NHKの田辺です。
  畑村委員長にお伺いしたいのですが、先ほどからお話を伺っていますと、事故調として1年奮闘されてきて、件数は少ないながらも意味のあるものを出したいと意気込みを語っていらっしゃる一方で、予算を要求するときの件数については把握していらっしゃらなかったり、法律上どうなっているかということについては知らないとおっしゃっていました。そこはちょっと矛盾しているようにも聞こえるというか、意味のあるものを出したいとおっしゃりながらも、委員長として知っておくべきなのかわかりませんが、そういったことについては御存じなかったりするというのは、ちょっと意外というのか、責任感としてどうなのかなと感じる部分もあるのです。
  もう一度改めて伺いたいのですが、畑村さんは、この消費者事故調の委員長をどういう覚悟で、どういう気持ちで引き受けて、どういうことをしていきたいと思っていらっしゃるのですか。
畑村委員長
何をしたいというのは、ほんどとないです。
  だから、前からやって、ここに来たときに委員長になったから、抱負を語ってくださいと言われたけれども、抱負なんてありませんと言ったら、抱負なしに引き受けているのと言われたのだけれども、そういう意味の抱負はありません。何をしたいとかね。
  ところが、何をしたいというのはないけれども、求められたら何をしなければいけないかというのは、非常に強く考えています。今、ここで取り上げているような問題の捉え方とかそういうのは、国で始めるとか、やめようとか、やるとかいうより前に、私自身が2004年に回転ドアの事故が起こったときから、個人としてそれがどんなものかというのを明らかにして、それで同じシナリオの事故が起こらないようにするには何が必要かというのは、個人としてずっとやってきました。ですから、国でそういう事業をやるというときに、国の枠組みがどうなっているかというのは、私自身は余り関心はありません。でも、求められたら、ちゃんとそのことはやりましょうと言っているだけで、枠組みを知らないでやっているのは無責任だというのは、私はそれはおかしいと思う。枠組みを知っている、知っていないではなくて、そこの中で今、社会は何を求めていて、自分は何がやれるのかということを考えたら、それを丁寧にやるのが大事だと思っています。
  そういう意味で見ると、例えばこの1年でゆっくりだけれども、ちゃんとやってきたかというのは、何をやりたいではなくて、どういう方向から見なければいけないかとか、そういうもので見ると、例えば回転ドアの事故のときは2004年に起こって、それからやっているから、今でもう10年目ぐらいになるのですね。その間、自分ではずっとそういう活動をやってきて、そこで考えてきたこととかそういうものを、ちゃんと今の判断とか、物の見方の中に投影することができるのですよ。そういう意味では、きちんと役割を果たすことができているかと聞かれたら、多分やれていると思っていますと、そう言えるのです。
  だから、私は国の枠組みでやらなければいけないことで、どうこうと何でも国がやらなければいけない、何とかという前に、そう言われるあなたが自分でやるというのがもっと大事なのではないですかと、いつもそういうふうに思います。それはよその人にもそう思うけれども、自分にもそう思うから、だから一生懸命それをやっているのです。
  先ほどあった、例えばプロパーにするとか、委員が専任になってこういうふうにやったらと、専任になった途端にみんなが言うのは、国家公務員になりますよといった途端から、物すごく制約が多くなって、多分もう何もできないと思います。少なくとも、私はこの10年間、これに近いようなことを個人でやってきて、協力して、私に協力してくれた人は、国なんかだったら、誰もやってくれません。それはいろいろなものがくっついてくるからです。そうすると、だから国がいけないとか、やれないとか、そんなことを言っているのではなくて、国がやらなければいけないことというのは、たくさんあるのですよ。だから、国は国でちゃんとやる。だけれども、個人でやればやれることというのも、またたくさんあるのです。そうしたら、きちんとそれに気がついた個人は、きちんと自分で自覚して、その努力をやるというのが大事だろうと、とても思っています。
  それでやっていると、先ほど言った、例えば6件がどうですかと言ったら、多分それに近いぐらいの物の見方とか、レベルに持って行っているつもりです。だから、1年間でそういう活動ができて、そういう判断になったのですかといったら、そんな簡単に1年でそんなものができるわけはないと私は思っています。だから、それは長いいろいろなことをやってきて、この視点がないと、本当にそれを見たことにならないのではないかと思うような、そういう見方を入れています。それが一番端的に出てきたものの一つが、例えばエレベーターのときの重篤化の防止というような、そういう考えです。それはだから、法律の基準を決めて、運用を決めて、これをやってこうこうというふうに考えることで重篤化の防止が十分にできるのかといったら、多分私は無理だろうと思うのです。
  だとすると、みんなでつくっている物の考え方とか、感じ方とかいうところまでひっくるめて、国の規則で決めたり、法律で決めたりするのでは、必要な部分はあるのですよ。だけれども、それからもっと外れた、もっと違うところでみんなが意識して、努力しないといけないものというのがあるのではないかと思っているので、そうするとそういう概念が必要なときに、一体どんな言葉の何が一番適切だったのかというふうにやると、ああいう物の見方というのがひとつようやく入ってきたのですよ。それが本当に入ってきて、では思いついたから言ったら、ぽんとそこに入ったのかというと、そうではなくて、委員の中ですごい議論をやっているのですよ。そうすると、一番適切な表現はこれかなというのに最後落ち着いて出てきたのです。ですから、1個それが出てくるまではすごい労力というか、努力です。だから、あまり形の上で決めてどうとかというのとは違うところに大事な部分があると私は感じます。
  先生はどうですか。
松岡委員長代理
まさにそうですね。深い議論というか、委員の間で違った視点での議論がかなり深くできておりますね。いろいろな立場の方々がいらっしゃいますからね。そうすると、思いもよらないことに、これが大事だなということで、ある程度まとまりかけた報告書が根底からひっくり返るようなことも多々経験しております。
わかりました。ありがとうございます。
畑村委員長
もう一つ、聞かれていないのに余計なことを言ってしまうかもしれないけれども、本当に必要な公開というのは、本当はそこに議論の骨子が見えることなのではないかということはとても思います。だけれども、それがオープンになって何かやって、言った途端にその議論というのはどうもできなくなりそうだね。何がどうまずいのですかと、そういうことではなくて、どこまでどう考えるのかというのを本当に議論しているのです。
公開のことに関係してくるかと思うのですが、今のエレベーターの重篤化の防止という視点で、これはひとつお聞きしたいのは、委員長はエレベーターについては、審議から外れていますね。
畑村委員長
外れています。
それは、例えば記者会見とか何とかで公表されることによって我々はわかるのですけれども、例えば委員とか専門委員の方々の位置づけ、役割は非常に大きいわけで、これが厚生労働省の委員であるとかの場合は、利益相反のことの規程があったりとかしておりますが、非公開ということだけではなくて、審議会としてのシステムといいますか、委員としての運用のあり方とか、そういうものに対しては、例えば今の利益相反について何か検討とか基準があるのでしょうか。
事務局
その基準につきましては、委員会のほうで以前、決定もしてございますので、それに従って委員長もエレベーターの際には御出席されなかったということです。
専門委員の担当を選ぶとか。
松岡委員長代理
選ぶ際も、当然その基準でやってございます。

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