記者会見要旨
(平成25年8月9日(金)16:40~17:20 於)消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

畑村委員長
 
  本日の委員会では、エレベーター事故の評価結果の取りまとめを審議しました。私は、この事故を選定した昨年11月の調査委員会の際にもお話しましたが、本件に関して、かつて複数の関係者に対してアドバイスを行ったことがあるため、調査の公正性や中立性に関する社会の信頼性確保のために、自分が関与すべきでないと考え、審議の冒頭から退席しました。詳しくは後ほど、松岡委員長代理からお話いただきたいと思います。  
  また、申し出にかかわる事案については、事務局から情報収集の結果が報告され、その結果を検討した結果、1件については調査を行わないことになりました。残りの案件については、引き続き事務局で情報収集を行うことになります。  
  最後に、新規案件の候補について議論をいたしました。今後、関係する専門委員等からアドバイスをいただきながら、事務局でさらに情報収集を行うことになりました。  
  それでは、松岡委員長代理から、エレベーター事故の評価結果の取りまとめについて説明をお願いいたします。
松岡委員長代理
 
  それでは、委員長からお話がありましたように、本日の委員会では、エレベーター事故の評価結果の取りまとめを審議しました。  
  国土交通省の昇降機等事故対策委員会が調査を行っておりますので、本調査委員会としては、その調査結果を評価してきました。その結果を本日、取りまとめいたしました。  
  評価といいますと、国土交通省の調査が適切であったかどうかを検討したかのように思われるかもしれませんが、調査のよしあしを判断するものではありません。国土交通省は、その役割から見て、エレベーター本体の調査が中心になっていると思います。本調査委員会は、消費者安全の視点から幅広く、即ちこの事故と共通点はあるが、細部まで全く同一とはいえない同種類似の事故の再発防止も念頭に、事故の原因が究明されているかを調査する機関です。  
  このため、本調査委員会では、エレベーターが幅広い年齢層の利用者にさまざまな方法で利用されていることを踏まえ、万が一事故が起きてしまった場合の被害の重篤化を防ぐといった視点も含め、幅広い問題意識を持って検討してきました。  
  その結果、評価のまとめに記載しているエレベーター本体の問題、エレベーターの保守管理に関する問題、情報共有と管理体制に関する問題、事故発生時の重篤化防止に関する問題の4つの問題について、みずから調査を行うこととしました。今後、消費者安全という視点から、エレベーターの事故についてのさらなる検証を進めたいと思っております。また、本調査委員会では、本件に限らず、製造者が設計時に想定していなかったことについても十分に検討する視点が大切であると常々議論しており、こうした視点も踏まえて検討してまいりたいと思います。  
  また、事故を起こさないようにしようという考え方が大事なのは言うまでもありませんが、それに加えて、それでも事故は起こり得るものであり、事故が起こった場合には、いかに被害の重篤化を防ぐかという視点を社会全体で共有することが安全な社会を実現するためには必要だと考えております。このことを調査委員会のメッセージとして発信したことには大きな意味があると考えております。  
  最後に、この評価書の作成に当たり、主たる担当者として本件事故の分析、国土交通省の調査結果の検証、評価書案の作成をしていただいた掛川専門委員、仲野専門委員、余村専門委員、そして、5回にわたり、かつ毎回予定時間を延長して熱心に審議していただいた工学等事故調査部会の委員の皆様の努力に委員長代理として敬意を表したいと思っております。  
  さらに、本件を担当していただいたそれぞれの専門委員からもコメントを預かっておりますので、事務局から紹介いたします。
事務局
 
  各専門委員の先生からお預かりいたしましたコメントを代読させていただきます。  
  まず、グローバル環境エネルギー研究所代表である掛川昌俊専門委員のコメントを御紹介いたします。  
  今回の評価に当たっては、現状の建築基準法や事前の知識等にとらわれずに、エレベーターの利用者である消費者の視点を意識して、まず、事故全体の構造を明らかにすることとしました。事故の構造全体を見通した上で原因究明、再発防止及び重篤化防止の観点から、その効果と現実的な対処、可能性の両方を考慮して、重要と思われる分析項目を選定しました。  
  今後のみずから調査においては、選定した項目をもとに再発防止だけではなく、未然防止の観点も踏まえて、エレベーターの安全に対する設計仕様及び保守管理の内容、方法が事故の発生にどのように影響しているのかについても分析してみたいと思っています。  
  多くの要因が絡み合っている事故原因の完全なる究明は困難であるかもしれませんが、これまで種々の事故で行ってきた事故の再現実験や事故分析手法に基づいてできるだけの努力をし、少なくとも再発防止及び重篤化防止につながる調査をしていきたいと考えています。  
  続いて、国民生活センター商品テスト部テスト第2課長である仲野禎孝専門委員のコメントを御紹介いたします。  
  今回の評価に当たっては、申出者の思いを起点として、消費者の目線で見えてくる新たな疑問点にできる限り焦点を当てるように心がけました。その結果、エレベーター本体の問題のほかに保守管理、情報共有と管理体制などといった重要な観点が浮かび上がりました。今後のみずから調査の実施において、事故からの時間経過により、物証や関係者の記憶の劣化、消失が障害となることが懸念されます。しかし、現在可能な限りの調査を行い、その全てを勘案して、同種事故の再発防止のために真に必要なことが取り残されていないのかを検証していきたいと考えています。  
  最後に、労働科学研究所主任研究員である余村朋樹専門委員のコメントを御紹介いたします。  
  事故の原因究明、再発防止のために機械的な観点に加えて、ヒューマンファクターの観点から、なるべく網羅的に考えました。しかし、実際に調査をする際は、ここに挙げた項目にとらわれ過ぎないようにすることも必要だと思っております。また、当然のことではありますが、誰が悪かったのかではなく、どのようにすればより安全が確保できるのかという姿勢で調査に臨む所存です。  
  以上、3名の方のコメントを紹介させていただきました。

2.質疑応答

NHKの田辺と申します。
  畑村委員長にお伺いしたいのですが、今回のエレベーター事故については、調査には携わっていらっしゃらなかったということですが、委員長というお立場で、このエレベーター事故の評価がこのタイミングで出たことについてどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。
畑村委員長
消費者安全調査委員会ができて約1年、実際の活動が始まったときからだとまだ1年たっていないのですね。ここまでようやく来たなという感じです。それがとても大きく感じます。
  もう一つとても感じているのは、きょう、エレベーターの結果が出たわけですが、エレベーターに限らず、しかも、工業製品としてできているものだけに限るのではなくて、我々人間が使っている全部の、生きて、生活していること全体の中にある危険に、どれにもみんな一般的に当てはまる事柄はたくさんこの中に入っています。そして、それがこのエレベーターの事故という形であらわれているし、今回、評価をすることで出てきていることはすごく一般性があるのと、こういう事故についての本質的な事柄がほぼみんな入っているのではないかと考えています。
  評価というところで、誰が悪い、何がおかしいということをやるのではなくて、本当にこれから疑問に思ってなかなか納得ができなかったこととか、次にこれで得られた経験、知見を生かすとすると、生かしたことによってこの事故が無駄なものでなかったという感想か印象かわかりませんけれども、そういうところまで持っていけないと、物すごく申しわけないというか、もったいないということを思っていました。
  先ほど4つの項目が挙がっているうちの、例えば重篤化の防止という観点が大事とか、製品を企画したり設計したりするときにどこまで考えなければいけないか。さもなければ、後から見れば考えるべきだったと思うかというところまで入っていくのは、普通にみんなが言うような原因究明とか、そういっているものと随分違っているというか、進んでいるという感じがいたします。そういうところまでいけたことで、この事故から学ぶことというのが、全部学べたわけではないのです。でも、従来やっていたものよりは大分進めることができたのではないかなと思っています。エレベーターのことにだけ当てはめて考えるのではなくて、こういう機械を使う、システムを使う、製品を使うときに、つくる人も使う人も管理する人もみんながここで出てきた評価の中身を共有するところまでいかないともったいないのではないかと感じています。
あわせて被害者の市川さんは、なかなか結果が出ないことに関して大臣に対して要望書もお出しになっていましたが、今回、評価書が出たことで、さらに、みずから調査ということで、最終的な結果が出るまでにはまだ時間がかかることになりますけれども、少し時間かかってしまうことに対しては、委員長はどのように捉えていらっしゃって、今後どのように進めていかれる見通しでしょうか。
畑村委員長
私は、進め方にかかわらないと初めから言っているから、どう進めていって、どうなるのかは、私自身は、これについてだけはかかわらないようにしているから、それは言うことができないけれども、一般的な話で言えば、先ほど言ったようなことを考えています。
  こういう形で進んでからは、鋭意やって、これ以上早くやろうといっても、もう無理ではないかと思います。でも、事故が起こってから今までの、ここに来るまでの全体を見ていたら、遺族の方とか関係している人から見たら物すごく長く時間がかかったなという印象をお持ちだろうと思います。だから、きっと事故が起こった直後から本当はこういう動きがあれば、もっとずっと早くここのところにも来られたのかもしれない。でも、かもしれないなのです。仮定の話で言っても仕方がない部分があって、世の中のいろいろな事故とかそういうものを考えたり、学んだりしているところで、もしかするとようやくここまで来たということなのかもしれないという両方を思います。
ありがとうございました。
読売の崎田です。
  きのうちょっとやりとりがありまして、評価のまとめのところで4つ観点があると思うのですけれども、本体の部分は、それ以外の3点を重点的に見ているというところがあったのですが、きょうの正式なものを見るとそこのところが抜けているので、4つの観点を全て並行で調査していくということですか。
松岡委員長代理
技術的な点につきましては、私からお答えします。
  基本的なスタンスとしましては、全部対等に考えて、みずから調査に当たっていきたいということでございます。
そうすると、1点目の本体の技術的な部分ですけれども、国交省に再度調査をし直してくださいということも言えると思うのですが、そうせずに、あえて消費者事故調で調べると判断した理由をもう少し教えてください。
松岡委員長代理
国交省のほうでは、その時点でかなりの部分の調査しておりまして、ほぼブレーキのところの不具合でもってああいうことが起こったのではないかということですが、それに加えまして、今回、石川での事故の結果でもって、環境条件とか、温度上昇とか、そういうファクターも出てきていたので、その点につきましても、あわせてみずから調査でもって検討するということで方針を立てました。そこが入っているということで、そこでもある程度重要なポイントがあるのではないかということで、あえて1~4までの項目を同等に置いてみずから調査に当たることにしました。
NHKの藤谷です。
  今後のスケジュールについてお伺いしたいのですけれども、これからみずから調査になると思うのですが、これからどれぐらいのスパンで調査をなさる御予定でしょうか。
松岡委員長代理
現時点で正確なスケジュールを申し上げることは非常に難しいとしか言いようがないのですが、みずから調査の内容次第でもありまして、どれだけ丁寧な調査をやるかということにも依存しています。できるだけ十分な議論を行うことを前提に進めて、できるだけ早くやりたいということは念頭に置いています。今までの評価でも、技術的にかなり詳しいところまで評価していまして、しかも、専門委員の方々、部会での議論も非常に詰めてやってこの結果ですので、御推察いただきたいのですが、難しいところが出てこなければ、今までのペースと同じぐあいでもって、詰めて出ますので、具体的な日数はちょっとお許しいただきたいのですが、御推察いただきたいと思います。
時事通信の川村と申します。
  概要の「おわりに」のところで、既存不適格建築物等への法の不遡及の原則によって、既存のエレベーターには当該装置の設置は義務づけられていないということですけれども、その辺について、既存のエレベーターにも設置を義務づけるであるとか、そういう点については今後はどうするのでしょうか。
松岡委員長代理
戸開走行保護装置については、確かにないと非常に危険な部分があるのではないかという指摘で、国交省もそれを義務づけしたのですが、それをさかのぼってやるかどうかという問題は非常に難しい問題で、みずから調査を実施しまして、どのぐらいの要因があるかがはっきりした段階で、本調査委員会としてはある程度結論が出せるのではないかと考えています。ですから、現時点では、即どうこうしろということはなかなか難しい、それだけの判断材料を持っていないとしか言いようがないということです。
これから調査をしていくということですか。わかりました。
毎日新聞の大迫です。
  今の質問ですけれども、もし危険だということがはっきりした場合、どうされるのでしょうか。
松岡委員長代理
事故防止の手だてをとるしかないということです。
それは具体的にどういうことですか。
松岡委員長代理
みずから調査の結果、どういう対策があるかをある程度考えて打ち出したいと思っております。極端な場合には、全てに戸開走行防止装置をつけるべしという結論も出るかもしれません。
そのほかについても、例えば保守管理に関する問題のところで、制度や規定が整備されていても、実態が乖離していなかったか調べるとありますが、規定や制度があったけれども、実態が乖離していましたねとわかったらどうされるのでしょうか。
松岡委員長代理
それはもちろん保守管理をしっかりやってくださいと。規定に沿ってできない保守管理はあってはなりませんということを強く要望する。
それは国交省に要望し、さっきの遡及させる点についても国交省に要望していくということですか。
松岡委員長代理
そうですね。
それはどうやって実現するのですか。要望して、建築基準法で決まっているから遡及できませんと返ってくることが予想されますけれども、それはどうやって突破していくのでしょうか。
松岡委員長代理
国交省なり、関係業界等に提言なり何なりでもって出して、その対策をとってくれるようにということを申し上げることを制度上、この調査委員会の使命としてありますので、それを出すということです。
日本消費経済新聞の相川です。
  2つ質問があります。
  1つは、本体についてですが、もともとの原因とされている、コイルのところが短絡したということが最初の原因、そこから入っているのですが、そこのところがはっきりしない。何を再確認するために温度とか使い方をもう一回検証するのですか。それが1点。
  重篤化を防止するための措置というのは、例えば窒息する時間を、早く救助するためのものなのか、もう少しここをわかりやすく御説明いただけないでしょうか。
松岡委員長代理
まず、最初のブレーキの件ですが、コイルの問題につきましては、聞くところによりますと、コイル自体が証拠品として押収されてしまっていて、なおかつ現状が分解されている状態で、試験ができない状態になっているらしいのです。ただ、どういうコイル状態になっているかは調べられるということで、果たして漏電なり、短絡があったかどうかはある程度確認できるだろう。短絡の場所がわかれば、再現実験等でどれだけの磁力が出るかも検証できるのではないかということは考えています。
  使用条件での温度上昇とか環境条件は、国交省さんは、港区のエレベーターについては余り詰めてやっていなかったので、その辺を再度確認して、どれだけの影響があるかを調べたい。港区の事故でもってそれが本当に影響したかどうかは、その時点である程度わかると思うのですが、一般論としてもその辺のことが十分通用するか、必要があるかどうかの知見が得られるのではないかと考えています。それでみずから調査をやります。
  重篤化のほうですが、実は、万が一のときのエレベーター事故、戸開走行が起こるとか、挟まれるとかということは従来余り考えていなかったと思われるのです。そういう事故が起こったときに、それをいかにして救出するかという方策が、マニュアル化がまずされていない。手順書がない。救出するための道具とか装置がしっかり整備されていない。駆けつけた人もどうやったらいいかということも余り知らなかったということで、これが即救出されていれば、かなりの確率で助かる、死亡に至らなくても済むという事例がありますし、今回の場合もかなり助かったのではないかということで、今後、その辺の観点から設計の段階からある程度考えて、救出のための方策をよくするとか、連絡をしやすくする、あるいは駆けつけた保守管理の方たちが救出の手だてを頭に叩き込んでおくことができる対策が必要になる。あるいは消防隊が来たときに、エレベーターの救出の知見を持っていて、素早く救出できるようにするという対策をとればいい、そういう問題点を詰めて検討していこうと考えています。
産経新聞の西尾です。お疲れさまです。
  評価書を見させていただいて、率直に、先ほどお話もあったのですけれども、皆さんが言っておられる原因究明の方法とかとは違って、進んでいるというお話だったのですが、基本的に、保守点検のことに関して、やはり独自調査のポイントを絞ってきたというのがすごく意味があるのかなと思うのですけれども、その辺は本体の問題よりも重きを置いているという考え方でよろしいのでしょうか。
松岡委員長代理
基本的には、国交省が本体のところを主体としてやった。それに対して検討した結果、1~4まで出しました保守点検、情報共有、重篤化という範囲まで広げてやらないと再発防止とか、消費者の安全から見て対策がとれないのではないかということでもって、その4点をやるということで、1を省いて2、3、4をやるという問題ではないということです。先ほど申し上げましたように、全く同等に調査をやっていきたい。
もう1点だけ。
  金沢の事故も参考にして今回検討したということですけれども、どのように参考にして検討されたのか教えてください。
松岡委員長代理
金沢の事故につきましては、国交省で中間報告が出ておりまして、その結果、温度依存性によって性能が変化したのではないか。その結果、ああいう事故になったのではないかという情報が来ておりますので、その辺を参考にして、先ほど申しましたように、温度依存性が今回の港区の場合においても起こったのかどうかを検討したいということです。
保守点検に関してはどのように。
松岡委員長代理
保守点検は非常に重要な問題だと我々も捉えていまして、保守のための情報あるいは保守をする会社が製造会社とは違ったところがやっているということで、保守会社に対してどれだけの情報が来ていたか。それがまず第1点です。今後は情報が来ないことがあってはならないという観点があります。もう一つ、保守点検で項目がずらりと挙がっていますが、それをちゃんとやっていたかどうか。保守点検ができる構造、やりやすい構造になっていたかどうかという問題があります。
  評価書にちらっと書いてあるのですが、港区のシンドラー社の場合に、保守でもって調整をやる場合に、非常に微妙なバランスでもって調整をしなくてはいけない状況であったのではないかという知見もある程度得られています。そこに問題があるのではないかということで、その点も含めてみずから調査ではっきりさせていきたいと考えております。
金沢の事故が起きてしまったということで、結局、国交省の最終報告書は十分ではなかったという見識に立っているということでよろしいですか。
松岡委員長代理
あの時点での国交省の報告書としてはかなりの部分、本体については情報をつかんでいますし、分析もしていると捉えています。
朝日新聞の兼田と申します。
  前回、刑事裁判も同時並行で進む中で、こちらの調査も走っていく形になると思うのですが、例えばシンドラーとかSBCとか、そういったところの関係者にヒアリングなども場合によってはあろうかと思うのですが、基本的に、最初は任意で協力を求めていくというイメージでよろしいのですか。
事務局
もし協力をお願いする場合には、まずは任意でやっていくということだと思います。もちろん法的な調査権も委員会にはございますけれども、まずは、趣旨をきちんと説明してやっていくというところから入るのではないかと思います。
あと、2点あるのですけれども、遺族の方々の要望として、警察が押収した現物を調査してほしいという思いがおありのようですけれども、これは実施される、現物を調査される御予定でしょうか。
松岡委員長代理
できるだけしたいと思っております。
これを見ていると、調査した後の対策の実行性に個人的には疑問があるのですが、利用者からしたら、結局、どれが保護装置のついていない、しかも、シンドラー製の危ないエレベーターなのかを教えてほしいわけですけれども、危ないエレベーターがあって、しかも、それをどう気をつけたらいいのかを教えてほしいのですが、その点についての調査はされる御予定なのでしょうか。
事務局
どの点が危ないというのは、使う方が見てということですか。
そうです。二重ブレーキのついていないものが危ないのであれば、ついていないものはどれなのか教えてほしいところですけれども、その観点が全く入っていないように見えるので、ちょっと質問しました。
事務局
あらかじめそこまでどうかということはございますけれども、もちろんメーカーがあり、管理者があり、保守業者があり、利用者がありということで、その中で大きな視点としては、お互いに情報が行き来する、不具合があればメーカーのほうに返っていくとか、メーカーの側が今度は情報を提供していくとか、そういったところを大きな観点には入れてございますので、具体的にそこまでいくかは今後の調査次第ではありますけれども、大きな視点として、情報共有といいますか、意識の共有というのは入れております。
日本消費者新聞の丸田と申します。
  先ほどの質問に関連して、室長のコメントについての確認ですが、今、刑事裁判が、裁判とみずから調査は関係ないことですけれども、ただし、刑事裁判が先行的に進んでいる。今回、PL法に基づいた民事裁判も本格化されていくと。そういう中で、つくる人、使う人、保守点検する人、管理する人の当然ながら協力が必要であって、みずから調査自体もヒアリングが必要となってくる。懸念するのは、要するにヒアリングがうまくいくのか、いかないのか。調査に対して阻害要件となってくるのではないかとか、そういうのがあるのですけれども、最初は任意で調査をお願いすると、協力をお願いするということでした。法的な権限もあるわけですが、任意でいくと。だけれども、阻害要因としてそれがある場合、どういうことをされるのかを明確にお願いしたいのですが。
事務局
個別具体的にどうやるのかは、あらかじめ決めつけるわけでもございませんし、現時点でどうやるのかを個別に申し上げるのは控えさせていただきたいと思います。いずれにしても、少しでもいろいろな情報を得られるようにあらゆる努力をしていくということだと思います。
調査会自体が事故の原因究明と再発防止があって、しかも、犯人探しではなくて、誰が悪いとかではない、そういう意味では、初めてのケースといいますか、そういうものだと思うのですが、そういう意味では、裁判との関係はないということはわかるのですけれども、実態としてそういうものがある場合、そこのところは、そういう意味では、真価が問われるようなみずから調査だと思います。ですので、もうちょっと具体的なことをお聞きしたいと思ったのです。
松岡委員長代理
補足の回答ですが、ヒアリングの際、当事者にいろいろ質問をして、証言を得るわけです。その結果、調査報告書では、どなたがどういう証言をしたかはっきりわからない形で、事実としてまとめていく所存であります。ですから、調査報告書をもとに裁判でそれがどう使われるか、証言がどう使われてしまうかは極力避ける形にしております。我々事故調査委員会のスタンスとしましては、証言を裁判で使っては困るという立場になっております。
覚書の中では、捜査特権が求められた場合は、保持するということではなくて。
事務局
支障のない範囲内で協力するという形になっています。
そういう意味でも、初のケースといいますか、そういう条件がどこにあるのか。ヒアリングを要求するときに、その証言自体も、そういったことを求められたときに、完全に放棄するということではないように読めるので、ヒアリング対象者にそのことを話すとしたら、つまり、提出する可能性もあるとか。
松岡委員長代理
ヒアリングの内容については提出する可能性はないと考えてよろしいかと思います。
日経新聞の小川と申します。
  基本的なことで申しわけないのですけれども、これからのみずから調査はどんなことを具体的に想定されているのか。例えば再現実験を予定されているのかとか、関係者への聞き取りはどういう範囲で想定されているのかを現時点でわかる範囲で教えてください。
松岡委員長代理
申しわけございません。みずから調査につきましては、きょう入った時点でありますので、どういうスケジュールで、どういう項目をどうするかは、また工学等事故調査部会の中でもって決定して、それに沿って実行していきます。ですから、現時点では、具体的にどうこうということは言えない状態であります。
冒頭でも同じ質問が出たのですけれども、(1)のエレベーター本体に関する問題は、かなり機器本体について調べるので専門性が高い調査となると思うのですが、これについて国交省に再調査を求めるのではなく、消費者安全調査委員会でみずからされると判断された理由を改めて教えていただけますか。
事務局
消費者安全調査委員会で行うというところは、本体だけではなくて、保守管理あるいは情報共有も含めて、少し本体と保守管理みたいなところも関連性がございますので、そういう意味で、今回は本体から始まって、最後の重篤化防止に至るところまで一貫して消費者安全調査委員会で調査をしていこうと。一個一個ぶつ切りでというだけの議論ではないと思いますので、そういった視点も含めて消費者安全調査委員会でやっていくということでお決めいただいたと理解しております。
入手できる証拠に制約があるかもしれないという状況の中で、制約があるということは、今後の調査にどの程度影響すると考えていらっしゃいますか。
松岡委員長代理
制約がある場合には、かなり難しいことになる場合もありますが、一応、本調査委員会にある程度の強制力がありますので、できるだけ証拠は集めたいと考えております。どうしてもわからないとき、あるいは物理的にとか、物がなくなってしまってわからないといったときには、断定した結論は出ませんが、我々は再発防止を視点に置いておりますので、こういう可能性があったのではないかということでもって、そのためにはこういう対策が必要ですという結論は出ますので、十分意味のある調査はできると考えております。

ページ上部へ