記者会見要旨
(平成25年 1月 18日(金)16:50~17:20 於)消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

畑村委員長
本日の委員会では、まず、事故情報分析タスクフォースの活動について、向殿座長に説明をしていただきました。そして貴重な話をしていただき、調査委員会において参考にさせていただきたいと思っております。
 また、本日は、申出にかかわる事案のうち、前回から繰り越した8件と新規の14 件の計22 件について検討を行いました。これまで、第2回、第3回の委員会において、申出事案を選定するか否かを審議してきた中で、選定するか否かを判断するためには、調査の可能性や、どのような観点から調査を行うかということを含めて、各事案に関する科学的、専門的な知見を得て、より深く検討する必要があるのではないかという議論になりました。
このため、これからは申出があった全事案について、選定するかどうかの判断の前に、より丁寧な情報収集を行っていきたいと考えています。
 この情報収集に当たっては、臨時委員や専門委員の知見も活用することが必要と考えています。情報収集の結果を活用して、選定しないこととなった事案についても、その理由を丁寧に回答していきたいと考えています。本日も検討した結果、2件について調査等を行わないものとし、残りの20 件については、ただいま申し上げたとおりの方針に従って、専門委員の知見を得ながら情報収集を行っていくこととしました。
 また、申出事案以外に、消費者庁に集約された事故情報及び注目している事案について、消費者庁から報告がありました。次回の調査委員会では、このような事案についても本格的に検討したいと考えています。
 このほか、現在選定している5件の事故の調査状況について、事務局から報告がありました。その上で、調査等を担当する専門委員を指名いたしました。これまでにエレベーターの事故等については担当の専門委員を指名していましたが、残りの3件の事故についても専門委員の指名を行いました。調査等の状況については、事故調査部会の部会長でもある松岡委員長代理に説明していただきます。お願いします。
松岡委員長代理
事故調査部会では、昨年12 月に第1回部会を開催し、調査委員会で選定した5つの事故のうち、エレベーターの事故を含む2つの事故の調査等の方向性について審議いたしました。エレベーターの事故については、例えば、直接的な事故原因だけではなく、背景要因についての調査の必要性や、既存のエレベーターには戸開走行防止装置が義務化されていないことなどについて御意見が出され、これらの御意見を踏まえて引き続き検討していくことになりました。
 もう一件の事故についても、調査計画などに関して、技術的な観点を中心にさまざまな御意見が出され、これらの御意見を踏まえて引き続き検討していくことになりました。検討と言っておりますが、実際に調査に入っております。
 それから、次回の事故調査部会は1月中に開催し、残りの3件の事故についても審議を開始する予定です。

2.質疑応答

共同通信の林といいます。
 丁寧に選定しようという姿勢はわかったのですけれども、逆に余りにも遅くなるのではないかという心配があるのですが、丁寧にきちんと科学的、専門的知見からというお話ですが、とはいえ、いつごろまでに、どれぐらいのところまで深めたら、調査するか、しないか決断するのか、そこら辺の見通しをお願いします。
畑村委員長
事柄ごとにみんな違うから、例えば、3カ月たったら大体が出るように思っていて結構ですと言えるのだったら、とても幸せだと思うけれども、そんなことは多分、言えないと思うのですよ。期待するのは、なるべく早くと思う。でも、これを検討するほうは、どのくらいかかるかというのは、結局、やってみないとわからないから、努力はしますかと言ったら、努力はするけれども、どのぐらいでできるかというのは全然答えられないですね。これはごめんなさい、しようがないのでね。事の性質がそういうことだろうと思います。
読売新聞の崎田ですが、きょうの申出事項以外に、事務局で注目のある案件みたいな報告があったと。次回に本格的に話し合うという話がありましたけれども、例えば、可能な範囲で構いませんけれども、どういうものが事故調事務局から出されたのですか。
事故調査室長
どういったものかというのは、今の段階、この場では、個別については申し上げることはできません。
畑村委員長
そういうのも議論したのはたしかなのです。でも、何をどう言ったというのまではっきり言うような段階ではないです。
日本消費経済新聞の相川と申します。
 2件を調査しないことを決めたと。調査しないことについて、丁寧に説明していくことにしたということなのですが、それは今、説明していただけるのでしょうか。2件については調査しないことを決められた。なぜ調査しないことになったかも丁寧に説明していかれるようにおっしゃいましたね。
畑村委員長
そうですよ。
それは、ここで説明していただけるということでしょうか。
事故調査室長
ごめんなさい、その2件は、これから情報収集をやるというものではなくて、きょう、選定しないというにしたのです。
しないことに決めたのですね。
事故調査室長
明らかに消費者事故ではないというようなものです。
それから、向殿先生のお話を聞いている中ですごく心配になったのですが、横にずっと見て調査をしていく。事故調ができてから、個別案件が、ちゃんと力を入れてやっていくのだろうと思うのですけれども、事故を横に眺めながら、その危険性を指摘していくところは、消費者庁がやるのでしょうか。それとも、こちらの調査会でやっていけるのでしょうか。国民生活センターと安全課と事故調査室で連携してということになっているのですが、畑村先生はずっと昔から目利きを育てろというようなことを言っている。
畑村委員長
それしかないと思うのですよ。
消費者庁の中に技官はいますか。私はほとんどいないのではないかと思っていて、この辺はどのように考えていて、御心配があるから、わざわざここで提言されたのだと思うのです。
畑村委員長
向殿先生、きっと心配で心配でと思うから書いたのだと思うので、きょうの話を聞いてられて、そうだったと思うのです。でも、私自身は、心配のとおりで、非常に大事な部分だと思います。個別の1個ずつを丁寧にやるということもあるけれども、今度は幾つものものを横串に刺して、それで見るときっちりとして見えてくるものを、どうやって抽出するのですか、誰がやるのですか、どうやるのですかと、すごく気になるし、それをやるのでないと、ちゃんとした、次に生かす知識をつくるというのはできないと思います。だけれども、それを消費者安全調査委員会のここがやるのですかと言われても、さあ、それはどうなのだろうと、私にはわからない。
草桶審議官
消費者安全調査委員会の目的は再発防止でありますから、同義的に横展開があるわけですね。ある1件を選ぶときに、その1件のことだけを考えているのではなくて、当然、横展開を考えてやっていく。公共性もその選定基準になっていますけれども、その趣旨とするところは、なるべく応用可能性があるものを探していく。これまでとの違いというのは、安全課でありますとか、国センのときと違うのは、深くそれを見ていく。長い間御相談されてきたけれども、本当にそうなのかとか、これでいいのかとか、深く見ていって、横展開を考えていくということだろうと思います。
 それから、もちろん体制の強化は引き続き重要であります。一般に思われているほど技術系職員が少ないわけではなくて、いることはいるのですけれども、もちろん、まだ十分ではありませんので、ふやしていく努力をしますし、それから、専門委員もどんどんふやしていくというふうにしておりまして、事務局の体制、専門委員の体制、両方、申出だとか、事故の起きるのを横目で見ながら、追いかけっこをしながら増やしていくということだと思います。
事務局の体制、21 人は埋まったのでしょうか。
事故調査室長
まだ埋まっていません。
13 人のままですか。
事故調査室長
14 人になっています。
事故調に訴えられたものから横に見るのではなくて、今まで集まっているもの、例えば、医療機関ネットワークとか、消費者庁に全て集まっているものを横に見るのが、専門家がかかわれなくなったのではないかというふうにも見えるのですが、それはどうですか。
事故調査室長
もちろん、そういった案件も取り扱っていきます。
事故調のほうでそれもやってくださるということですか。
事故調査室長
事故調のほうにも、そういった事故の情報は来て、それを事故調のほうで取り上げるということもあり得ると思います。
畑村委員長
全体として、きちんと見ている人がいないのではないかと、そういう質問でしょう。
はい。
畑村委員長
それをこれからつくらなければいけないのだろうと思います。できているのですかと言うと、動き始めたばかりのところで、きっちりとそんなのができているわけがないと私は思うのですよ。だけれども、そういうことを目指さないのかといったら、それを目指さないのだったら何をつくったんだよというふうになると思います。
 それで、先ほど言われた質問ですごく大事なことは、個々、別々のことについては丁寧にきっちりと調べて、それはそれとしてわかるかもしれないけれども、個別の1個ずつの事例をやっているだけでは本当に学んだことにならないし、次に生かせないのではないかという、そういう質問だと思うのですね。私はそのとおりだと思うのです。
 そこで大事になるのは、先ほど横串を刺すという言い方をしましたけれども、もっと大事なのは、1つの事柄の中にあるシナリオを見るのだというふうに私には見えるのです。こういうシナリオでこういうことが起こって、それがこういう事故の形になって出てきたのだなというふうに理解したら、同じシナリオで、別の場所の別の時期にどんな形のことが出てくるかというふうに考えることができると思うのです。ですから、1つのものからシナリオを抽出するというのが極めて大事で、そのシナリオの抽出が出たときに、別の場所の別の時期のところでそれが出てくるとしたらどうなるかというのを考えたときから、実は別の形であらわれてくる事故をあらかじめきちんと感じ取ったり、見つけたりすることができるようになるだろうと思うのです。
 そういうふうに考えるには、まず1個ずつを丁寧に調べることが要るけれども、調べっ放しで、はい、わかった、おしまいというのではだめで、それの中に共通している事柄は何か、どうなのか、そしてシナリオを見つけるという意思できちんとそういうものを見るというのをやり続けないといけないのではないかと思います。だから、これは1個ずつを正しく、きっちりやりましょうということだけ言っていたらだめで、きちんとしたシナリオでものを見る。それから、シナリオが出てきたら、別の場所で、どんな格好になり得るかと考える。
 そして、もう一つ大事なのは継続だと思うのです。一遍に1個だけやっておしまい、何個かやって、はい、わかった、おしまいではなくて、ずっとやり続けているうちに、そういうものがだんだんとでき上がっていって、そして、そのことを理解するといろいろなものがわかるようになるだけではなくて、その周辺の人も、ほかの人も、みんなでその考えを共有できるようになるだろうと思うのです。その共有ができるようになったときに初めて、事故から学んだことが次の段階で生かされることになると思っています。
 だけれども、ちゃんとそれを意識して、そのとおりでもう動き出したのかというと、そんなに簡単に動けるとは思っていないけれども、そういう方向をきちんと考えてやっていくのが大事だと思っています。
日本消費者新聞の成田と申しますが、新規14 件というのはいつから。
事故調査室長
11 月17 日以降、12 月いっぱいまでです。
今回、22 件を検討したということですけれども、12 月の回答のときは、25 件検討して、繰り越しは確かに8件ありますけれども、知見の蓄積を待つもの13 件とか、いろいろ件数が出ましたけれども、そういうものはまだ検討されている、要するに今回の検討対象に入っていないということなのでしょうか。
事故調査室長
前にこれから蓄積して注視していくとしたものですね。それについても、今後、情報収集は行っていくというふうにしております。
こちらの委員会の情報公開の規程の中には、申出の案件について、製品とか役務等の分野名を公表するとなっております。だから、22 件開始をされましたけれども、製品、役務はどういう感じになるのでしょうか。それとも、等と書いてあるので、ほかの分野名というのはあるのでしょうか。
事故調査室長
では、そこは後で。
それと、前に、医療事故については、今後、どのように取り扱うか、申出者に対してどうアドバイスするかを検討していくということをおっしゃっていました。恐らく医療事故の申出があるのだと思うのですけれども、これは検討されたのでしょうか。
事故調査室長
医療事故全般をどう扱うかと、そういう検討はきょうは行われていません。個々の医療事故については見て、情報収集はしていくということだけです。
ということは、申出者に対してどういう対応をされたかはわからないのですけれども、サジェスションとか、どうアドバイスするかということでしたけれども、そういうものはやっていらっしゃる。
事故調査室長
そうですね。今の段階ではできてはおりませんけれども、今後、情報収集をしていきながらということになろうかと思います。
畑村委員長
前回だか、前々回だかに、先ほど言っているように、分野別をやりましょうというのも言ったし、それから、医療のようなもののときに、全体としてどう考えるかというのも、これから先は考えたいというのも言ったのですね。そのとおりやりましたかという質問だと思うのですが、きょう、2時間半か、2時間40 分かやった中では、医療のそこを全体としてどう考えるかという議論をやるところまでいきませんでした。そういう見方を全然しないでいいのですかと言ったら、やる必要はあると思っていますが、とてもそこまではいけませんでした。
もしかしたら、申出者が、医療サービス等について被害を受けたと思った方がいらっしゃるから、そういう方に対して、どういう対応をされていくのか。申出者ですので、急いでいるのではないかと思ったもので。
畑村委員長
それは、先ほど言っているように、検討の結果がどうなるかを早く知りたいというのはみんなそうだと思うのですね。それはどういうものか、つかむことはしているけれども、全体としてどう取り扱うかと先ほど質問された、そこまではきょうはいけていませんという、そういう状態です。
今の関連で、そうすると、例えば、医療事故のものについて質問しましたけれども、月1回の会合では足りないのではないかという気がするのですけれども、実際4回やられてみて、どういうふうに考えたのでしょうか。
畑村委員長
時間が足らないか、回数が足らないかといったら、立ち上げのところでは本当に足りないなという感じがします。だから、やらなければいけないことがいっぱいあって、しようがないから、これはここでやめようかというふうになってしまう、それは起こっています。では、それでいいのかというと、悪いと言っても、これ以上できないから仕方がないと、そういうふうに思います。
 それから、医療事故というくくりでやると、どういうもの、何ですかというと、また答えられるだの、答えられないだの、そんな話になってしまうけれども、本当に医療事故なのかというふうに、私などは自分で見ると思うのもあるし、中身はちゃんと見ているのですよ。言ってきた中身はちゃんと見ています。だけれども、それをこれからどういうふうに取り扱っていくのかとか、全体としてどう考えなければいけないかというのをちゃんと議論するというところまではいけていません。そうしか言いようがない。何も見ていないかといったら、そんなことはなくて、ちゃんと見ています。
すみません、もう一つ。前回の、これまでに非公表だった2件について、公表するかどうかをきょう話し合うのではないかと、長官会見か何かで言っていたのですけれども、実際、その辺の話は出ているのですか。
畑村委員長
こういうのを聞かれたら、こういうふうに答えるのだと、私の頭の中にある分で言うと、1個ずつの案件について、どういう扱いをしたかというのを答えることはやりません。だから、それしかしようがないね。でも、それで本当にいいのかといったら、そうではない。一般論で言うと、選定したという、そういう事実を公表するかどうか。本当はやらなければいけない。すごい議論をずっと、きょうもやりました。調査委員会の最大の使命である原因究明のための事故調査に支障が生じないか、生じるか。仮にこれを公表したらば、事故調査ができなくなるとか、障害が起こるとかいうのであったらば、そちらを優先すべきだというふうに考えて、そういう議論をやりましたが、議論はいっぱい出てきて、本当にこれでいいのかというのは、私自身でもわからない部分がある。どういうことが障害になって、どういうことを本当に公表していいのか、いけないのか、よくわからない部分があります。だから、先ほど言っている個別のことについて答えができませんというのは、そういう意味です。逆のことを言うと、事故調査に支障がないと判断できれば、すぐにでも公表しようという議論はそのとおりにありました。これをこういうふうにやったら、ああなるのではないか、こうなるのではないかというので、すごい議論をやっていました。本当は何もしていないのではなくて、すごい議論をやっている。だけれども、個別の1個ずつについて、それをどういう議論をしたのですかといったら、それは今、答えたら、めちゃくちゃになってしまうから答えるのは嫌と言って、そういうことです。
まとめると、今、非公表になっている2件は、支障があるかもしれないし、ないかもしれないし、わからないということ。ただ言えないということは言えるということですね。
畑村委員長
それでいいですよ。
NHK の三瓶ですが、関連しますけれども、これからじっくり下調べをやった上で調 査するかどうか選定していくとすると、一体いつ、その報告が出てくるのか。最初の話にも近いですけれども。
畑村委員長
最初の話と同じ質問だね。
わからなくて、その間の中間報告を、あまり長引きそうだったらやるという話になっていましたが、その中間報告をいつぐらいで判断して、どんなふうに出したらいいのだろうと思われますか。ただの事故ではなくて、やはり事故調が取り上げて調べているという時点で、それは情報として世の中に発信すべきだと思っていて、そのあたり、どうですか。
畑村委員長
うんと長くなるのだったら、そういうのは必要だと私は思う。一般論ですね。だけれども、個別の1個ずつについて、これはここまで進んでいるからとか、これは半年たったのだから何か言わなければだめだと、そう言われても言えないなという、そういうふうにしか答えられない。1個ずつの事案でみんな違うからだという気がするのです。ほかに答えようがない。でも、知りたいし、中間のところで言ってくれよというのはあると思うな。
 全然違う話で、福島原発の政府事故調をやっているときも全く同じ議論になって、中間報告と最終報告で、中間報告のところまででもやらなければいけないからと、中間報告をやるところまで懸命にやったのですよ。そうしたら、それは確かなことでそうなのですかというと、今度、後半のほうで調べていくと、懸命にやったけれども、そのときに発表して、そういうふうにやったというのは、やはりまだあれでは不十分だったとか、そんなのが出てくる。そうすると、仕方がないから、最終報告では、ごめんなさい、ああ書いたけれども、こういうふうに違いましたなどというふうになっていきました。そういうのも真面目にちゃんと書こうというので書いたのだけれども、中間報告は欲しいけれども、本当にちゃんとやるのだったら、中間報告なしで、最終報告のような、すぱっとやるほうが本当は欲しい。でも、それにはものすごい時間と労力がかかって、なかなかできない。みんな待っているから、中間報告というのも要るなという感じがする。今、そのくらいしか答えられないね。
 それから、もう一つ大事なのは、こうやればいいとか、こうやろうとかいうのをきちんと経験的に決まってきたとか、こうやればみんなが納得するとかいうものができ上がって、それに大体準拠してやっていけば、みんながほぼ納得するだろうというものがまだできていないから、ほとんど全部これは試行錯誤だという感じがします。だから、試行錯誤だと思って見ていてほしいという気がするのです。委員会でも、もう4回もやったのに、大したことをやっていないではないかと言いたくなるかもしれない。そうかもしれないけれども、随分懸命にやっているのだね。だから、そのくらいしかできないよという、そんな感じがします。答えに半分なって、半分なっていないけれども、実情はそうです。
ありがとうございます。

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