平成25年版消費者白書

コラム4

消費生活センターの取組事例(高齢者)

全国の地方公共団体では消費生活センター等を中心にして、消費者被害の救済や被害の未然防止を図るためにさまざまな取組を実施しています。その中で、高齢者の消費者トラブルに対して実施している取組について紹介します。

1 .〈 広島県世羅町の事例〉高齢者・子ども見守りネットワークの構築~地域見守り活動~

高齢化率が35%を超える世羅町は、隣家まで遠距離になる地域も多数見受けられ、近年認知症の高齢者も増加の一途をたどっています。また、全国的にも子どもが被害者となる事件が多発していることから、誰もが安心して暮らせる体制づくりが課題となっていました。

そのような状況の中、民生委員児童委員協議会より、見守り支援体制を強化し、孤独死防止に向けた取組を推進するため、町内の販売事業者を中心に地域での見守り体制を強化したいとの要望が、町に出されました。この要望を受け、町では関係機関との連携会議を2 回開催し、2011年10月、町内郵便局(11郵便局、5 集配センター)・新聞販売所( 5 か所)・尾道市農業協同組合と「世羅町における地域見守り活動に関する協定書」を締結しました。

見守り活動では、事業者等は、日常の業務の範囲内において住民に関して何らかの異変を察知した場合に、世羅町民生委員児童委員協議会や世羅町に連絡・通報し、また、連絡・通報を受けた民生委員と町は、関係機関(警察や消防等)へ連絡・連携し、必要な支援を行うこととしています。

事業者等が日常業務範囲内で見守り活動を行うことにより、早い段階で異変に気付き、救済につなぐことができました。また、金融窓口がある農協や郵便局からの希望で、オレオレ詐欺等の被害防止も見守り活動に含めたところ、実際に被害を未然に防ぐことができたケースもあります。

なお、夜間の通報については、町が対応しており、民生委員の負担軽減につながっています。

2 .〈 福岡県福岡市の事例〉高齢者を対象とした地域包括支援センターへの出張相談事業

福岡市では、地域包括支援センター(市内39か所)を経由した相談が増加してきたため、消費生活センター等への来所が困難な高齢者を対象に、電話だけでは解決が難しい事案への対応のため、地域包括支援センターへの出張相談事業を2011年度の試行を経て、実施しています。

この事業は、地域包括支援センターから高齢者の契約トラブル等に関する相談があった際、それが電話による相談では解決が難しい事案である場合には、相談員が地域包括支援センターへ出張し、地域包括支援センター職員の立会いのもと高齢者から相談を伺うものです。

この事業の成果として、地域包括支援センター職員がそばにいるため高齢者の方は安心して話ができたこと、出張の際に相談員が、当該相談者の隠れた被害を発見できたこと、地域包括支援センター職員は被害について良く把握した上で後のケアにも携わるため、その職員が参加することで事案の早期解決につながったこと等があります。さらに、地域包括支援センター職員の消費者被害に対する理解・関心が深まることで、他の高齢者の被害の拡大防止・未然防止にも役立つ事業となっています。

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