平成25年版消費者白書

第2部 消費者政策の実施状況

第3章 経済社会の発展等の環境変化への対応

第1節 環境に配慮した消費行動と事業活動の推進

( 9 )食品ロス削減に向けた普及啓発

食品廃棄物のうち、食べられるのに捨てられてしまうものを「食品ロス」といいます。日本では、年間約1,700万トン170 の食品廃棄物が出されていますが、そのうち、食品ロスは約500~800万トンと試算され、我が国の米の年間収穫量約813万トン171 にほぼ匹敵します。

事業者側に対しては、これまで、農林水産省及び環境省において「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)に基づき、食品廃棄物の発生抑制や再生利用を促進してきましたが、循環型社会形成推進基本法で最優先と位置付けられる発生抑制の取組を更に推進するため、2012年4月、同法に基づいた業種・業態別の「食品廃棄物等の発生抑制の目標値」を試行的に施行しました。

これを契機として、メーカー~卸売業者~小売店によるフードチェーン全体で、食品ロスの原因となりうる返品等の商慣習を見直すため、農林水産省の支援のもと、2012年10月、食品業界に「食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム」が立ち上がり、商慣習の実態の調査・分析を行い、2013年度から納品期限の見直しに向けたパイロットプロジェクトの実施等を盛り込んだ中間取りまとめを公表しました。 事業者側において食品ロスの原因とされている商慣習が定着した背景には、消費者が店頭で商品を購入する際に一日でも賞味期限までの期間が長いものを選ぶ鮮度志向が強いためともいわれています。実際に食品を購入し、食する消費者を抜きにして、食品ロス削減は望めません。消費者が日頃の生活の中で「もったいない」を意識し、食品ロスの削減に努める事業者のことを理解し、応援するような環境づくりが必要です。そこで、農林水産省は、食品ロスの現状、削減に向けた取組の重要性及び事業者側の取組状況を消費者等に周知するために、2013年3月、ワーキングチームと連携してシンポジウムを開催しました。

一方、日本における食品ロスの約半分は一般家庭からのものです。家庭での一人当たりの食品ロス量を試算すると、約15キログラムに及びます。

家庭における食品ロスは、①食べられる部分まで過剰に除去して捨ててしまう(例:大根の皮の厚剝き)、②消費期限・賞味期限切れなどにより、食事として使用・提供せずにそのまま捨ててしまう、③食事として使用・提供したが、食べ残して捨ててしまうことが主な原因です。

消費者が食品ロスの現状を理解し、次に食品ロス削減のために何ができるかを考え、そして実際の行動につなげるような働きかけを行うこととし、2012年7月に関係府省庁(内閣府、農林水産省、環境省、消費者庁。2013年2月より文部科学省が参画)による連絡会議を設け、食品ロス削減に係る各府省庁の取組について情報共有や意見交換等を行っています。

また、消費者庁では、食品ロス削減に向けた情報発信をホームページにて行っているほか、消費者を対象として、食品ロスの現状や、食品ロス削減のために取り組んでいただきたい例(①賞味期限の正しい理解、②必要に応じた買い物、③食べ残しを出さないような献立や調理の工夫)を紹介した資料を作成し、地方公共団体等のイベント等での活用を通じて消費者に食品ロスの削減に取り組んでもらえるよう広く呼びかけています。


170)

2010年度推計。

171)

2011年度水稲の主食向け。

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