平成25年版消費者白書

第2部 消費者政策の実施状況

第1章 消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援

第5節 消費者の被害等の救済と消費者の苦情処理・紛争解決の促進

1 . 消費者被害の救済のための制度の創設

( 1 )消費者被害の回復・救済のための制度の検討

消費者被害には、同種の被害が拡散的に多発するという特徴があります。個々の消費者が、自ら訴えて、こうした消費者被害の回復を図ることは、費用や労力を要するため困難です。

消費者庁では、こうした消費者被害の回復を図りやすくするために、新しい訴訟制度について検討を行い、2013年4月19日に「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律案」を国会に提出しました。

同法律案では、二段階型の訴訟手続を新設することとしています。

具体的には、まず、①一段階目の手続で、内閣総理大臣の認定を受けた特定適格消費者団体が原告となり、消費者契約(消費者と事業者の間で締結される契約)に関して相当多数の消費者に生じた財産的被害について、事業者がこれらの消費者に対し、共通する原因に基づき金銭を支払う義務(共通義務)を負うべきことの確認を求める訴えを提起し、②一段階目で特定適格消費者団体が勝訴した場合、個々の消費者が二段階目の手続に加入し、簡易な手続によって、それぞれの請求権の有無や金額を迅速に決定する、というものです。

また、消費者の債権の実現を保全するため、特定適格消費者団体による仮差押命令の申立ての仕組みが設けられています。

これに加え、消費者庁は2011年10月に有識者等を構成メンバーとする「消費者の財産被害に係る行政手法研究会」を発足させ、①財産に対する重大な被害の発生・拡大防止のための行政措置、②行政による経済的不利益賦課制度、③財産の隠匿・散逸防止策について検討を行ってきました。

同研究会は、2011年12月に①財産に対する重大な被害の発生・拡大防止のための行政措置について取りまとめを行いました。これを踏まえて、2012年2月14日に、多数の消費者に重大な財産被害を生じさせた事業者に対する行政措置の導入等を内容とする「消費者安全法の一部を改正する法律案」を国会に提出し、同年8月29日に成立しました。

改正消費者安全法に基づき、2013年4月1日から、多数消費者に生じた重大な財産被害に関する「すき間事案」への行政措置が導入されています。

また、②行政による経済的不利益賦課制度及び③財産の隠匿・散逸防止策については、2012年2月以降、考えられる制度・手法等について議論を行い、(2012年度中は11回開催)、2013年6月に報告書を取りまとめました。

パネルディスカッション

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