平成25年版消費者白書

第2部 消費者政策の実施状況

第1章 消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援

第2節 消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の確保

1 .消費者取引の適正化を図るための施策

( 3 )消費者契約の不当勧誘・不当条項規制の在り方の検討

民法は、私人間の対等な当事者関係を前提として、取引に関するルールを定めていますが、そもそも消費者と事業者の間には情報量や交渉力に格差があることから、その格差を前提とした上で消費者の利益擁護を図るためのルールを定めた消費者契約法が、2001年4月に施行されました。

消費者契約法は、あらゆる取引分野の消費者契約(消費者と事業者の間で締結される契約(労働契約を除く))に幅広く適用され、不当な勧誘行為があればその契約を取り消すことができるとともに、不当な契約条項については無効と定めています。

不当な勧誘行為には、消費者を誤認させるものと消費者を困惑させるものがあります。具体的には、消費者を誤認させるものとして、重要な項目について事実と違うことを言ったり116)(不実告知)、将来の変動が不確実なことを断定的に言ったり117)(断定的判断の提供)、利益になることだけ言って不利益になることを故意に言わない118)(不利益事実の不告知)ことが挙げられます。

また、消費者を困惑させるものとしては、帰って欲しいと言ったのに帰らない(不退去)とか、帰りたいと言ったのに帰してくれない(監禁)といったことが挙げられます。

さらに、無効となる不当な契約条項としては、事業者の損害賠償の責任を免除する条項や、消費者が支払うべき違約金等の額を過大に設定する条項、消費者の利益を一方的に害する条項が挙げられます。

消費者庁では、消費者契約に関する裁判例等の収集・分析や、関係省庁における消費者契約法や民法(債権関係)についての検討の場への参加・協力等を通じ、消費者契約の不当勧誘・不当条項規制の在り方についての検討を行っています。

このほか、消費者団体訴訟制度に関しては、2013年2月に特定商取引に関する法律の一部を改正する法律が施行されたことにより、差止請求の対象となる不当行為に係る類型として、訪問購入が追加されました。

また、2013年4月に国会に提出した食品表示法案において、著しく事実に相違する食品表示が差止請求の対象とされています(消費者団体訴訟制度関係については、第2部第2章第2節(1)・(2)を参照)。


116)

例えば、中古車を販売する際に事故車であることを隠して「事故歴なし」と言うなど。

117)

例えば、市場で変動するにもかかわらず「将来値上がり確実」などと言うなど。

118)

例えば、宅地を販売する際に、半年後に隣にマンションが建つことで日当たりが悪くなることを知っていて「日当たり良好」などと勧誘するなど。

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