平成25年版消費者白書

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第4章 消費者政策の展開

第2節 消費者政策の主な進展

【悪質な事業者等による経済的な被害への対応】

第2章、第3章で見たように、虚偽的または誇大な広告・表示や強引な勧誘・契約手法などにより消費者の利益を不当に害したり、消費者の選択を誤らせるような商行為について、被害を未然に防止することや被害を回復することも消費者行政の大きな役割の一つです。こうした財産被害に対して、これまでも国の関係機関や国民生活センター、地方公共団体の消費生活センター等が連携し、特定商取引法、景品表示法その他の法的枠組みや注意喚起などによって未然防止や被害回復に努めてきましたが、こうした財産被害は法律による規制のすき間で発生・拡大することが多く、すき間を狙った悪質商法に対する法規制は後追いにならざるを得ませんでした。

このため、2012年8月の消費者安全法改正により、各府省の所管法でカバーされないいわゆる「すき間事案」に対し、内閣総理大臣が勧告・命令といった行政措置を行う仕組みが導入され(2013年4月1日施行)、既存の法規制では対応が難しい新手の悪質商法に対しても迅速に対応できるようになりました(図表4-2-2)

また、近年、貴金属の訪問買取りなど、いわゆる押し買いによる被害が高齢者を中心として増加していることを受け、2012年8月に特定商取引法が改正され、訪問購入が同法の規制対象となっています(2013年2月施行)。

このほか、被害を未然に防ぐためには、勧誘や契約の段階で事業者が消費者に対して不当な行為を行わないよう規制することも重要です。このため、消費者契約法に関しては、現行の消費者基本計画において、「消費者契約に関する情報提供、不招請勧誘の規制、適合性原則を含め、インターネット取引の普及を踏まえつつ、消費者契約の不当勧誘・不当条項規制の在り方について、民法(債権関係)改正の議論と連携して検討」することとされていることを踏まえ、消費者庁・消費者委員会において所要の検討等を行っています。

さらに、被害回復の観点からは、悪質商法では同種の被害が多数発生する傾向がありますが、個々の消費者の訴訟による被害回復は、労力や費用の問題から難しいのが現状です。そこで、相当多数の消費者に生じた財産的被害を集団的に回復するための新しい訴訟制度について検討を行い、制度創設のための法案(消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事裁判手続の特例に関する法律案(消費者裁判手続特例法案))を国会に提出したところです(図表4-2-3)。これまでは被害を回復することが難しく被害者が泣き寝入りしていたような案件であっても、この新しい訴訟制度の導入により、訴訟手続の多くの部分を特定適格消費者団体が行うことになり、被害回復が図りやすくなります。

「すき間事案」への勧告・命令のイメージ

消費者裁判手続特例法案の概要

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