平成25年版消費者白書

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第2章 特集 高齢者の消費者トラブル

第2節 高齢者の消費者トラブルの実態

( 1 )生命・身体に関する高齢者の消費者事故


【高齢者の家庭内事故は重症化傾向】

消費者庁と国民生活センターが共同事業として行っている「医療機関ネットワーク事業28)」に参画する13医療機関で、消費生活上において生命又は身体に被害が生じる事故に遭い、医療機関を利用した患者から収集した事故情報は、必ずしも消費者事故等とは限らないものの、事故等の概要や発生時状況などの詳細情報が得られます。そこで、ここでは医療機関ネットワーク事業での収集データで高齢者の事故を見ていきます。事業開始の2010 年12 月から2012 年12 月末までの約2年間で、高齢者の事故情報は669件でした。

20歳以上の事故を事故発生場所別に見ると「住宅」での事故は1,203件で、全体の7割を超えており、家庭内事故は大きなウエイトを占めています。このうち、年代別での割合は65歳未満が71.4%、65歳以上は77.1%と、事故発生場所の傾向にあまり差は見られませんが、これらの家庭内事故を危害の程度で見てみると、65歳未満と比べて65 歳以上の高齢者の事故は重症化している傾向が見られます(図表2-2-6)

さらに、高齢者のうち75歳未満、75歳以上に分けて危害の程度を見ると、75歳未満では、「重症」、「重篤」、「死亡」を合わせた「重症」以上は4.6%ですが、75 歳以上では8.5%であり、75歳以上の方がより重症化する割合が大きくなっています。

高齢者の家庭内事故のきっかけで多いものは「転落」30.4%、「転倒」22.1%の順で、その中でも、「階段」によるけがが最も多くなっています(図表2-2-7)。具体的には階段などの段差でつまずく、足がもつれて家具にぶつかる、ベッドから降りるとき、靴下が引っかかる、バスマットやじゅうたん、毛布などに足をとられる、風呂場の段差で滑るなどしたことが、転落・転倒の原因になっています。その他、庭の木の剪定作業や、屋根の雪下ろし等の作業を自分で行い、脚立やはしご等の高所から転落するケースも見られます。

さらに、75歳未満、75歳以上に分けて見ると、「転倒」は75歳未満では8.5%ですが、75歳以上になると29.1%を占めています。高齢になるほど何かの動作中に別のことに注意を向けることが難しい場合に転びやすくなり、居室等であってもちょっとしたことがきっかけで転倒することが多くなっています。

「誤飲・誤嚥」は全体で9.3%であり、おむすびや食パンの食料品を喉につまらせた死亡事故も起きています。

その他、「熱傷」も目立っており、そのうち「着衣着火」は15.9%で、死亡事故も起きています。仏壇のローソクの火や、ガスコンロの火から衣類に着火するケースもあります。

家庭内事故の危害の程度は高齢になるほど重症化する傾向

家庭内事故のきっかけで多いのは「転落」、「転倒」

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