平成25年版消費者白書

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第2章 特集 高齢者の消費者トラブル

第1節 高齢者を取り巻く社会経済状況

【高齢者の消費者トラブルは3つの不安がきっかけになることが多い】

高齢者は「お金」、「健康」、「孤独」の3つの大きな不安を持っていると言われており、これまで見てきたように、実際にこうした不安を抱く背景事情は多くの高齢者において共通のものと考えられます。高齢者の消費者トラブルでは、そういった不安に悪質事業者がつけ込んでくるケースが多く見られます。

例えば、老後を安心して暮らしたいと願う人たちにとって「お金」は大きな不安材料です。本節で見たように、年金が主な収入源の高齢者にとって、「必ずもうかる」といったセールストークが魅力的なものに見え、信じてしまうことは少なくありません。

また、高齢者になると身体機能の衰えも見られるようになり、こうした健康に不安を持つ心理を巧みについて、例えば、医薬品ではないのに「痛みがおさまる」、「血液がサラサラになる」、「がんが治る」などの効能・効果が実際にはないにもかかわらず、あるかのような説明をして、高齢者に健康関連の商品やサービスを購入させる手口が報告されています25)

さらに、一人暮らしだったり、家族と住んでいても外出する機会が減り、自宅で一人で過ごす時間の多い高齢者は、「話し相手が欲しい」と感じることも少なくありません。そんな心理につけ込み、高齢者の話し相手になるなどして近づき、話をするうち、「親切にしてくれていい人だから」と相手を信用させ、例えば、日常生活で通常必要とされる数量を著しく超える商品等を契約させるケースや、事業者が入れ替わり立ち替わり商品やサービスの勧誘をして、本来購入する必要のないものの契約を次々と繰り返させるケースなどが報告されています26)


次節では、深刻化している高齢者の消費者トラブルについて、最近の主な状況を概説していきます。


25)

国民生活センターホームページ「高齢者を集め『がんが治る』などと宣伝していた電位治療器の販売事業者」(2009年6月30日公表)、「高齢者の消費者被害」(2006年10月10日公表)を参照。

26)

国民生活センターホームページ「高齢者の消費者被害」(2006年10月10日公表)を参照。

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