平成25年版消費者白書

コラム11

消費生活センターの業務及び取組事例

私たちが消費者事故やトラブルに巻き込まれた時に相談することのできる地方公共団体の消費生活相談窓口は、「消費生活センター」として消費者安全法に位置付けられています。消費者安全法では、この「消費生活センター」を、都道府県は必ず設置すること、市町村は設置に努めることとされており、その基準としては、①1週間に4日以上相談窓口を開所していること、②消費生活相談について専門的な知識及び経験を有する者を配置していること、③電子情報処理組織その他の設備(PIO-NETを念頭)を備えていること、とされています。また、消費者安全法上の「消費生活センター」の基準は満たさないものの、相談窓口を設置している市町村もあります。

消費生活センターでは、主に次の業務を行っています。

〔消費生活相談〕

衣・食・住など消費生活全般に関する商品・サービスへの苦情や相談について、問題解決のお手伝いをしています。専門の相談員が公正な立場で苦情や相談について、問題解決に向けての情報の提供や助言を行い、自主交渉では解決が困難な場合などには、消費生活センターが業者とのあっせんを行います。

〔情報提供・啓発活動〕

消費者被害の未然防止のため、あるいは、暮らしに役立つための情報を、各種パンフレットや資料等を通じて提供しています。また、多くの消費生活センターは専用のホームページを持っています。このほか、暮らしの中で知っておきたい苦情相談の事例や身の回りの事柄などをテーマとした講座の開催などの啓発活動も行っています。

〔その他〕

日常使っている生活用品や食品の品質・性能について、商品テストを行う消費生活センターも一部にあります。

また、こうした地方公共団体の消費生活センターの取組には、以下のようなものがあります。

1.〈 福島県伊達市の事例〉消費生活センターにおける災害総合相談への対応

伊達市では、消費生活相談員を2名体制に増強し、2011年4月1日から消費生活センターを開所することとしていましたが、開所直前に東日本大震災が発生し、延期との意見もあるなか、県や関係者の熱意によって当初の予定どおり開所しました。

相談窓口には、災害相談の窓口を併設して、住民の震災被害に関する相談や、市外から避難してきた住民からの相談、さらには、原子力発電所事故に起因する放射能汚染の問題、消費者の食の安全の問題に関する相談などに対応することとし、一体的な相談体制を整えることとなりました。また、専門家派遣事業を活用し、弁護士、司法書士、建築士といった専門家を相談窓口に配置して相談対応を行ったり、放射性物質の拡散により、食の安全に関する消費者の不安が広がったため、放射性物質検査機器の配備を行い、住民が持ち込んだ自家消費作物などの食品の検査に対応できる体制の整備を行いました。

総合的な窓口としたため、震災特有の消費生活相談を始め食の安全や生活再建に関する相談にも対応でき、相談者も庁内の各窓口を回るようなことがないワンストップで相談対応できる体制となりました。また、一時的な相談対応後に求められる各課所管のより具体的な相談についても、担当者が窓口に出向くことにより、庁内関係者が一体的に対応することが可能となりました。

食の安全に関しては、放射性物質検査機器により、生産サイドの検査対象外である自家消費作物などについて検査を実施するとともに、広報誌等で食の安全に関する情報提供を行うことによって、消費者が抱える食の安全に対する不安の払拭につながっています。

2.〈熊本県人吉市の事例〉「何でも相談できる窓口」の実現に向けた取組

人吉市は人口3万5400人と小規模の地方公共団体ですが、消費生活センターは、担当職員3人、相談員4人の体制(2012年7月現在)で「何でも相談できる窓口」を目指し、相談内容を共有しながら問題解決に努めています。消費生活センター設立は、多重債務に悩む職員のある出来事により、市民の中にも問題を抱えている者がたくさんいるのではないかと考え、相談に応じられる窓口を充実させることを市長が決断したことをきっかけとして、2009年度に設置され現在に至っています。

市では、職員全員に対する多重債務問題の研修を始めとして職員の意識改革を実施し、納税課、福祉課との連携により多重債務問題や、消費者被害の掘り起しにも積極的に取組んでいます。

また、住民がどこに住んでいても相談できるよう、球磨地域管内の周辺9市町村からの相談についても、各地方公共団体との間で、特に協定は結んでいないものの人吉市で受けています。そして、2010年3月に人吉球磨地域1市9市町村の地方公共団体、社会福祉協議会担当者で構成する「人吉・球磨生活支援ネットワーク」を設立したほか、2010年度から、多重債務問題を中心とした「心配ごと無料法律相談会」を、弁護士会、県司法書士会の協力を得ながら、人吉球磨地域各市町村で月1回巡回にて開催しています。

このように、全庁的な取組、また周辺地方公共団体との連携を活用し、住民の様々な相談に対応する窓口として住民サービスを行っています。

なお、消費者庁では、全国どこからでも身近な消費生活相談窓口につながる共通の電話番号である「消費者ホットライン」(0570-064-370)の事業を2010年1月から実施しています。お住まいの地域の消費生活相談窓口がご不明な場合は、「消費者ホットライン」をご利用ください。

消費者ホットライン
0570-064-370
(ゼロ・ゴー・ナナ・ゼロ まもろうよ みんなを)

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