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岡村消費者庁長官記者会見要旨
(平成29年6月21日(水)14:00~14:18 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室)

1.発言要旨

皆様、こんにちは。
本日は、私から2点ご報告がございます。
まず、特定適格消費者団体の認定についてでございます。
本日、消費者裁判手続特例法の規定に基づき、特定非営利活動法人消費者支援機構関西が、第二号の特定適格消費者団体として認定されました。
これにより、消費者裁判手続特例法に基づく被害回復制度の担い手が、新たに西日本にも誕生したこととなります。今後、特定適格消費者団体の適切な活動により、消費者被害の救済が図られることが期待されます。
消費者庁としても、特定適格消費者団体と連携を取りながら、消費者裁判手続特例法の円滑な運用を図り、消費者の利益の擁護に向けて力を尽くしてまいりたいと考えております。
次に「消費者基本計画工程表」の改定についてご報告いたします。
本日、昨年7月に改定されました「消費者基本計画工程表」の改定を消費者政策会議において決定いたしました。
改定工程表では、全体的に平成28年度の実績を追記するとともに、施策の進捗状況等を踏まえ、

 
  • (1)食品表示の充実による多様な選択機会の確保、
  • (2)成年年齢の引下げに対する対応、
  • (3)美容医療に関する消費者問題への対応、
  • (4)電力・ガスの小売全面自由化への対応

などについて、新たに盛り込まれております。
今後とも、関係省庁と連携し、本工程表に基づく施策の着実な推進に取り組んでまいります。
報告事項は以上でございます。

 

2.質疑応答

日本消費者新聞の丸田です。
先ほど、特定適格消費者団体の認定が2団体目ということですけれども、消費者支援機構関西さんの記者会見で、課題として、認定申請できる環境整備といいますか、特に第一段階の訴訟における対象消費者への周知・公知であるとか、裁判の費用であるとか、調査活動の費用であるとか、そういうことに対する財政支援ということを課題として挙げられていて、今、2団体ですけれども、もっともっと全国にできる可能性というのを期待されているわけですけれども、そういう課題があるということについて、改めて消費者庁長官の方から何かお考えがあれば、お願いしたいと思います。

消費者庁は、これまで、適格消費者団体及び特定適格消費者団体を育成したいという観点から、団体の会員や寄附の増加につながるように制度や団体の積極的な周知・広報、さらに、情報面の支援として、事業者に関する消費生活情報(PIO-NET情報)や急増指標の提供、さらには、財政面の支援として、「地方消費者行政推進交付金」の先駆的プログラムの活用を促進することなどの様々な取組を行ってまいりました。
これからは、これまでも続けてまいりました、以上に申し上げたことに加えまして、最近設立された民間基金の後押しのための周知、クラウド・ファンディングを活用して活動資金を集めることが容易になるよう、寄附に関する規定の見直しの検討などに取り組んでまいりたいと考えております。
そして、これらの施策の成果を見守りつつ、「経済財政運営と改革の基本方針2017」、いわゆる政府の骨太方針でございますが、その骨太方針中に「悪質事案においても確実に被害の回復を図る取組」が盛り込まれたことも踏まえて、今後、さらなる支援の必要性について消費者庁ができることを検討してまいります。

もう1点ですが、先週、国民生活センターが、海外マルチ事業者関連の若者被害が増えているという発表をされました。勧誘者は日本人だけれども事業者が海外にあるという構図の中で、勧誘者は日本の法律には当たらない、触れないと、法律は関係ないということを主張されているようで、それに対して、特商法の連鎖販売に該当するのであれば、当然同法で規制されるはずだけれども、それを勧誘者は否定しているという事例があって、国民生活センターは、一般消費者に対しては、クーリングオフであるとか、解決方法の啓発を消費者庁に求めると同時に、勧誘者に対しては、特商法の周知をするようにということを要望しました。それで、勧誘者に対する周知というのが少し引っ掛かってはいるのですけれども、消費者庁としてはどういう対応をとられるのか、お聞きしたく思います。

ご指摘の国民生活センターによる発表については、正にそこで取り上げられております被害については、大変心を痛めているところでございます。そういった事案が見られるということは、大変重く受け止めております。そして、もちろん通常の消費者への呼び掛けと同様に、こういったマルチ事業者との取引をしないよう呼びかけていくことは当然ですが、今回、勧誘者に対する呼び掛けという部分が、丸田記者ご指摘の新しいことだと思います。
勧誘者は日本にいる若い人という事案に基づいて、こういった国民生活センターからの呼び掛けになっているのですが、現在のところ、そういった勧誘者を使って収益を得ている人たち、すなわち利得の帰属主体が日本にいるのか、外国にいるのかも分からない状況でございますので、全容解明が非常に難しいという事案でございます。ですから、勧誘者にも自分の行動が被害を生んでしまう可能性があるという呼び掛けはいたしたいと思いますが、なかなか海外事業者に対してのストレートな働きかけが難しい状況にあります。
しかしながら、難しい状況だからといって、何もしないわけにはいきませんので、できることは考えていきたい。その中で、まずは日本に実際にいる勧誘者に対する呼び掛けも、できることをできるところからやっていきたいと考えております。
すみませんが、具体的な内容については、今の段階では差し控えさせてください。

読売新聞の柏原です。今月3日施行の改正消費者契約法の関係で1点お伺いしたかったのですが、もともと消費者契約法である不当な勧誘による契約だったら取り消せるとか、そういったことが多分、意識調査で5割ぐらいしか皆さん知らないとか、消費者の利益を害する不当条項は無効になるというのは2割ぐらいしか知らないとか。そもそもこの消費者契約法という周知がなかなか進んでいないのかなという課題点があるのかなと感じたのですが、その辺りに対するご見解と、あと改正も含めた周知に関して、今後どういった取組になるかという辺りお聞かせください。

そのとおりで、消費者には確かに制度自体の理解がなかなか進まないと受け止めております。だからこそ消費者庁は、あらゆる機会に発信しております。今回も昨年の法律改正時点だけでなく、施行の機会を捉え、改めて周知啓発に力を入れたいと、皆様方にもお願いした次第です。
まずは、消費生活相談員や各市町村・都道府県の消費生活センターの職員が、完全に理解していることが前提ですので、消費者の相談に回答できる体制を整えております。そして、若いうちから知ってもらうために消費者教育の教材を準備しています。徳島では、高校1年生全員に使ってもらって検証をするということも考えております。
一般の方々への周知は、多角的な工夫をしなければならないと思っております。被害が出てからでは非常に難しいということをきちんと伝え、早めに相談、1人で抱え込まないようにと呼びかけております。被害に遭って苦労するよりは、少しでも日頃からアンテナを張っている消費者を1人でも増やしたい。そして、幅広い年代に伝えたいと思って、周知していきます。ただ、「消費者契約法」と言っただけでは、自分には縁がないと思う人も多いので、伝え方については工夫が必要だと考えております。
消費者庁では「子どもの安全」は、アブナイカモのテーマソングを作って、子どもにも親にも祖父母にもといった働きかけをしておりますが、契約については、特に若い方の被害が顕著であり、経験値が少ないところにつけ込んだ悪質業者に対する法執行の強化も消費者保護のためのツールですから、引き続き取締りにも力を入れてまいります。制度の周知、悪質業者に対する処分、そして民間の訴訟、適格消費者団体による差止め、さらには特定適格消費者団体による被害回復の2段階訴訟、こういった関係者の努力により、個別案件についても被害回復が図られることが知られていけば、一般の方の理解も深まると思っております。
繰り返しますと、一般的な周知には皆様方のご協力が不可欠であります。さらに、国・地方自治体による行政処分。そして一番有効ではないかと期待していますが、民間の適格消費者団体による裁判の活動。こういった民事の訴訟の裁判経過が報道され、また一つ一つ実績を積むことによって、予測可能性が高まり、相談にも早目早目に対応できることになります。
消費者行政については、いろいろなところに働きかけつつ、ご協力をいただいて、さらに次の段階を目指す、すなわち1人でも被害を受ける人を少なくするという方向に進みたいと思っています。

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