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岡村消費者庁長官記者会見要旨
(平成29年5月24日(水)14:00~14:23 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室)

1.発言要旨

皆様こんにちは。本日は、政府全体で取り組んでおります「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題」につきまして、消費者庁が講じております対策・取組の報告をさせていただきます。
アダルトビデオへの出演の強要は、女性の尊厳を踏みにじるものであり、断じて許してはならない問題であると考えております。
全国の消費生活センターなどには、モデル事務所の面接に行ったところ、アダルトDVDへの出演を勧められたといった相談が寄せられることもあります。このため、消費者庁は国民生活センターと協力し、注意喚起のチラシを作成いたしました。皆様のお手元にも配付しております、このチラシを全国約220の大学生協に対して、大学の施設内での掲示をお願いしているところでございます。
さらに、先月でございますが、消費者庁及び国民生活センターから都道府県などの消費者行政担当者に対しまして、管内の市区町村の消費生活センターなどに対して、アダルトビデオ出演強要問題に関する相談が寄せられた場合には、警察、女性センター、法テラスなどの専門機関の紹介を行うことを周知するよう要請文を発出し、改めてこの問題への取組を強化しております。
先週19日に、関係省庁の連絡会議にて政府全体の対策を改めて確認し合ったところでございますが、そこで消費者庁としては、

  • アダルトビデオ出演契約が消費者契約に該当する場合は、消費者契約法に基づき、密室での長時間の勧誘で締結した契約は取消しが可能であることなどを業界関係者に周知すること
  • 適格消費者団体が、このような不当な勧誘などに対して実効的な差止請求ができるよう環境整備を図ること

さらには、国民生活センターが実施する消費生活相談員向けの研修において、

  • タレント・モデルスカウトに関する消費生活上のトラブルの事例を取り上げるとともに、相談が寄せられた場合の対応について、講義を行うこと

などを盛り込んだところでございます。
このような取組を通じて、一人でも多くの女性が被害に遭わないよう、消費者庁としてもできる限り力を尽くしてまいります。

 

2.質疑応答

今日配付いただいたこのチラシですけれども、これは大学にそれぞれ何枚ずつ配られたのかと、大学以外でも配付されたところはあるのでしょうか。
消費者政策課

すみませんが、現在、手元にデータがございませんので、後でお伝えします。

公表自体は消費者庁のホームページにもございますので、4月27日からこのチラシを公にいたしております。

日経新聞の船津です。
AV出演の問題ですけれども、実際に全国のセンターに相談が寄せられたというようなお話をされていたので、これまでのところ把握している範囲で結構なので、何件ほど相談があったのか、教えていただけないでしょうか。

実は、アダルトビデオへの出演強要に特化した形での数字を把握することが非常に難しいという現実がございます。
そこで、私どもは幾つかの例を全国から集めましたところ、平成28年度だけで幾つか具体的な事例がありますので、少なくともそのような類型に分けられる相談が少なからずの数、あったということはご報告できるかと思います。
まず、例えば、モデルのスカウトと言って契約をさせられて、強引にアダルトビデオに出演させられたと。ここまではっきり相談者が言ってくれている例がございます。
さらに、面接に行ったところ、いわゆる通常の企業であるとは思えないような会社であった、そこでアダルトビデオ出演を勧められたという例。
さらには、友人がアダルトDVDに出演したものの、その販売停止を希望しているので、どうしたら良いかといった相談があります。友人がという形で相談している人たちもいますし、本人が相談している例もある。また、匿名の情報提供があったりしておりますので、私どもとしても事態は全国に生起しているという認識はありますが、これまでのところ個人の情報に深入りし過ぎることもできず、こういった事例紹介という形で消費者庁からはご報告している次第です。

一応、消費生活センターに相談はあったけれども、それに関してどのように対応されたというところまでは把握はされていませんか。例えば、警察だとか、他の民間のそういう専門、AVの関係の取組をしている団体につなげるとか、何かそういった形で何か出口を示されたかを教えてください。

おっしゃるとおりで、そういった警察への相談が可能であること、法テラスへの相談が可能であること、また女性に対する暴力について専門的に対応している団体があることなども、電話相談ですから、可能な限りの情報は提供しております。が、なかなか警察には一人では言いづらいという人もいると聞いておりまして、そういった場合は消費生活についての相談という形で受けますが、消費者契約法がストレートに適用されない事例もかなり多いと認識しております。
また、私どもとしては、こういった一人一人の女性からの声を、適格消費者団体のような消費者の権利の擁護のために活動している団体に認識していただきたいと思っておりますので、NGOとの連携、NPOとの連携も進めていきたいと考えております。

具体的にお話ししていただいたのですけれども、これはもしかしたら累計として難しいのかもしれないのですが、AV出演に関連する相談件数ということで、何か出すことは難しいのでしょうか。
消費者政策課

国民生活センターの件数をいろいろ聞かれることがあって、いわゆるキーワード設定をしたりして拾うのですが、AVについてはそういうキーワード設定をしておりませんので、今正確な数字を開くことはできないということです。
今後、やることを考えておりますが、今のところ、例えば今年の4月段階で何件あったかというのは、正確な数字は把握できておりませんが、先ほど長官から申し上げましたとおり、そういう内容の相談があったということは、目で探して把握しているということで、今、ご紹介したところでございます。

国民生活センターが受け付けております全国の相談ですが、毎年90万件以上ございます。その中からこういったものを拾い集めて対応を図っているところでございます。

データ・マックスの木村です。
昨日、規制改革推進会議の答申が出て、その中で、機能性表示食品制度の改善が幾つかの項目で盛り込まれましたけれども、まだ閣議決定前ではありますが、まず答申の内容を受けて、どのような印象をお持ちになったのかというところからお願いします。

ご指摘のとおり、昨日、規制改革推進会議において、機能性表示食品制度について、届出手続の迅速化、効率化を実現するために運用を改善して、「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」の見直しや、新たにQ&Aを策定すべきなどとする機能性表示食品制度の改善に関する答申が取りまとめられたとの報告を受けております。
具体的な答申の事項についても何項目か報告を受けております。その内容ですが、届出書類についての答申も頂きましたし、運用改善についての目標設定、目標実現のための工程表についてといった答申も出されたと理解しております。
これからですが、今後、閣議決定されると了解しております「規制改革実施計画」を踏まえて、消費者庁としての必要な取組についてしっかりと検討してまいります。

各論的なことをお聞きしますけれども、この中で、業界団体との連携を通じた届出手続の運用改善という項目があって、業界団体などが事前相談をして、その上で届出を消費者庁に行うというような仕組みを構築するとあるのですが、ここで、まだ閣議決定前ではありますが、ここで書かれていることというのは、消費者庁と事前チェックする団体などとの関係というのは、何かお墨付きを与えるようなことではないという理解でいるのですが、その点、どうでしょうか。

規制改革推進会議の答申の、消費者庁に関することについては、今日こういった形でご報告できますが、業界団体の方々と個別のお話をしているわけではなく、答申に書かれているということでございますので、現段階では行政庁としてのコメントは差し控えさせていただきます。

日本消費者新聞の丸田です。
先ほどのタレント・モデル契約のトラブルの件ですけれども、とてもひどくて深刻な消費者被害であって、女性被害だと思うのですが、先ほど、都道府県にお願いして、市町村の消費者センターへの対応強化を図るということですよね。
それともう一つが、関係府省庁の連絡会議というのがあって、そこでは適格消費者団体の差止請求の環境整備ということも、先ほどおっしゃった気がしたのですが。

はい、適格消費者団体に機能していただけると、個別被害の救済に一歩近づけるかと。

どういうことを適格消費者団体に対して。

具体的には、まずは適格消費者団体がこういった情報に接したときに、本人が直接声を上げられなくても、不当な勧誘をしている事業者に迅速に差止請求をできるように、適格消費者団体と被害者支援団体との間の円滑な情報交換、連携を促進いたしたいと考えております。
そして、適格消費者団体がこういった社会問題に対しても安定的に活動できるよう、適格消費者団体の活動に対する支援についても、消費者庁として力を入れてまいりたいと思います。

差止めの対象ですけれども、これは何になるのでしょうか。

不当な勧誘。

勧誘行為とか、チラシがあったらチラシの差止めであるとか。

そうですね、個別に。

個別にですよね。適格消費者団体が。

断りにくいところで説得するというような手法をとっているスカウトもあるかもしれませんので。

例えばアダルトビデオであれば、それの販売差止めというところまでは適格消費者団体ではいかないものでしょうか。

今のところ、消費者契約について焦点を当てていますので。ただ、もちろんそこは大事な論点と思っておりますので検討してまいります。
まずは対外的にも公表している限りにおきましては、アダルトビデオの出演契約も消費者契約に該当する場合があり得ること、このことにすら気付いていない被害者も多いと思いますので、消費者契約法が適用される場合があると。その場合、不当な勧誘などに対して適格消費者団体が活動することにより、被害の未然防止、さらには拡大防止が可能となりますので、こういった被害に関しての適格消費者団体の活動を応援するよう、力を入れていきたいということでございます。
現在のところ、こういった出演強要問題に関する被害情報を、女性支援のための団体はかなり蓄積しているのですが、なかなか通常の活動の範囲としては今まではこういった問題を扱ったことがないという適格消費者団体がほとんどだと思いますので、この問題について、問題意識を共有していただきたいと思います。
ただ、もちろん適格消費者団体も差止請求について言えば、それ自体が収益を生むことはありませんし、報酬を得たり、費用を回収できるという仕組みにはなっていませんから、現在のところ、適格消費者団体の関係者のボランティアに依存して行っていただいている活動の一部かと思います。ですから、適格消費者団体の活動が、様々な形で周知、認識され、その活動の社会的な意義が評価されて寄附なども集まるような形になればと思いますし、実際に正しい活動をしてくださったことで被害救済がなされるということを継続的に続けていただきたいと思いますから、各都道府県では、消費者行政についての先駆的なプログラムを活用して適格消費者団体を支援するといったことも検討していただきたいとも願っているところです。

それと別件ですけれども、昨日、消費者委員会のほうで、消費者基本計画の工程表についての意見が出されて、その中で、先ほどの木村さんの質問とも関連するのですけれども、まず一つが食品表示にあたってはトクホの件で、今回買上調査について、結果が表示どおりでなかったものが出たということを踏まえた上で、その場合の行政処分の基準の明確化というのが一つ提案されておられました。
もう一つが、機能性表示食品について、制度の見直しなども含めた、そういうことも検討すべきではないかということも含まれていました。
この点について、消費者庁として、どのようなお考えでしょうか。

消費者委員会からのご意見はしっかりと受け止めて、これからも消費者行政に生かしていきたいと思います。
トクホの関連でございますが、現在までのところ、規定値に満たないということで公表いたしましたものは、昨年のケース、今回のケースということで二つ、大きな問題が生じたわけですが、昨年の件の悪質性に比べますと、今回は会社においても迅速に自主回収を行うなど、申請者が事態を認識してからのスピードが非常に速かったと。こういった事業者の態度、また今後の再発可能性など、いろいろな観点から総合的に判断した結果、今回の件は、昨年秋の日本サプリメント社の事案とは悪質性において大いに異なる、日本サプリメント社のような長い間隠蔽したという事実はないという前提で、許可取消しまでは必要ないと考えたところでございます。
これから、この二つの先例の間に当たると思われるような事態も、残念ながら、本当に残念ながらですが、次の事態も生じ得る可能性もあるわけですが、その場合は、三つ目の例ができるということになりまして、今の段階では二つしか事例がないので、この要件があればこうといったことを将来にわたってのメルクマールという形でお示しすることができませんので、総合的な判断をさせていただいたという報告にとどめます。類似の事案が起こらないように期待しておりますが、これからも情報収集を怠らないようにして、万一のときには、その段階での科学的知見の進展に合わせた適切な対応を考えていきたいと思います。

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