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岡村消費者庁長官記者会見要旨
(平成29年4月19日(水)14:00~14:29 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室)

1.発言要旨

皆様こんにちは。3点ご報告申し上げます。
まず、「倫理的消費」調査研究会の取りまとめの公表について申し上げます。
消費者庁では、一昨年(平成27年)5月から、「倫理的消費」に関する調査研究会を開催しておりました。先月、最終研究会を開催したところでございますが、本日、この倫理的消費に関する調査研究会の取りまとめを公表いたします。
お手元の資料にご注目いただきますと、サブタイトルとして「あなたの消費が世界の未来を変える」となっております。これは、この研究会の中間取りまとめ時点から付けられているサブタイトルですが、このメッセージそのものが消費者への呼び掛けとなっております。
公正かつ持続可能な社会のためには、消費者一人一人の選択が重要であり、消費には社会を変える力があるという、エシカル消費の大きな可能性がそこにあることを示唆しております。
今回の取りまとめでは、中間取りまとめの後に例として出された、動物福祉、エシカルファッションなどにも触れ、研究会で更に深く議論されましたエシカル消費の必要性についての記述が加えられております。
また、消費者庁で行ったエシカル消費に関するウェブアンケートの結果も盛り込んでおりますが、「エシカル消費」や「倫理的消費」といった言葉の認知度が低かったことから、今後の普及・啓発の必要性も、より明確になっているところでございます。
調査研究会の取りまとめを踏まえて、これからも消費者庁としては引き続きエシカル消費の重要性を伝え、地域版プラットフォームの構築や、エシカル・ラボの開催など、具体的な取組の促進を進めてまいります。詳しくはこの後、担当課から説明申し上げます。
第2のご報告事項は、高校生向けの消費者教育冊子教材の公表についてでございます。
消費者庁では、若年者向け、主に高校生を対象とするものですが、そういった若者に向けての消費者教育冊子の教材を作成いたしましたので、本日そのデータをホームページに掲載し公表いたします。これもお手元に資料が届いていることと思います。
この教材は高校生を主な対象として、成年年齢の引下げという動きも踏まえまして、消費者が主役の社会の実現に向け、自立した消費者を育成することを目指した教材です。
授業で活用することを想定し、消費者教育推進会議や推進会議における「若年者の消費者教育に関するワーキングチーム」の委員、試作版による研究授業での意見などを取り入れて作成いたしております。かねてより取り組んでおります消費者教育推進の取組の一環でございます。
この教材に関する今後の展開ですが、まずは徳島県を実証フィールドとする「新未来創造プロジェクト」として、徳島県内の高等学校を中心にこの教材を活用した授業を行っていただき、教材の検証をするとともに、モデル授業例を収集いたします。
また、徳島県以外でも本教材を活用した実践授業にご協力していただける高等学校があれば、多様な授業例を収集いたしたいと考えております。
そして、今年度の活用を通じての検討や検証を踏まえて、来年度以降、全国へ展開していく予定でございます。
この件につきましては、明日4月20日木曜日に改めて担当課からご説明する場を設けますので、何とぞよろしくお願いいたします。
3点目、最後のご報告事項ですが、「遺伝子組換え表示制度に関する検討会」の開催についてでございます。
遺伝子組換え表示制度については、平成27年3月に閣議決定されました消費者基本計画において、食品表示に関するほかの検討課題とともに、順次実態を踏まえた検討を行う事項と位置付けられております。
これに基づき、昨年度、消費者庁では検討会の立ち上げに向けて、

  • (1)表示対象品目の検証
  • (2)分別生産流通管理等の実態調査
  • (3)消費者意向調査などの必要な調査

を実施してまいりました。
今般、これらの調査結果も出そろい、準備が整いましたので、遺伝子組換え表示制度の在り方についてご議論いただくための検討会を設置することといたしております。
この検討会では、様々な分野でご活躍されている方々から、幅広くご意見を頂戴したいと考えて、学識経験者、消費者団体、事業者団体等から10名の方に委員をお引き受けいただいております。
第1回の検討会は、4月26日水曜日の10時から開催いたします。この第1回検討会では、先ほど申し上げました三つの調査結果についてもご報告させていただく予定でおります。
詳しくは、食品表示企画課までお問い合わせください。
以上でございます。

2.質疑応答

朝日新聞の藤田です。
エシカル消費ですけれども、長官個人としてはどのような可能性や重要性があるとお考えでしょうか。

国連の持続可能な開発サミットで日本も参加して採択されました、2030年までに国際社会が目指す「持続可能な開発目標」の、特に12番「責任ある生産と消費」に関連する、消費者庁の国内実施の一つの取組と位置付けております。
この持続可能な開発目標、SDGs(エス・ディー・ジーズ)と呼んでおりますが、17のゴール及び関連する多数の目標があります。今すぐに実現できないこともありますが、今すぐ取組を始めるべきことも多くあります。
消費者庁では、倫理的消費の一つとも考えられますが、既に食品ロスの削減に長く取り組んでおります。食料のことにとどまらず、一般的な消費全般について、より持続可能な社会を実現する方向に、一人一人が取り組んでいけるきっかけになればと思います。消費者庁としても広くこういった概念の存在を世の中に伝えて、気付きのある方から実践していただければと考えております。
これは消費者庁発足以来、長く取り組んできております消費者市民社会の実現、また、消費には社会を変える力があるというメッセージの発信、さらには安心・安全な消費を拡大することにより、GDPの5割を超える家計消費の活力を強化し、日本国全体としてもより豊かで安全な暮らしを目指すものであると同時に、国際的な目標ともリンクしております。国内の実施の一つの施策でございますから、日本としては世界から見てもモデルとしての一つの取組を示せればと思っておりますし、これには行政だけではとてもとても力が足りません。事業者・企業の方、消費者団体の方、そして一人一人の消費者が、こういった概念について理解を深め、未来をつくっていくための消費活動を考えていくきっかけになればと思っております。

時事通信の斉藤と申します。
高校生向けの教材についてお聞きしたいのですけれども、ここに成年年齢の引下げの動きも踏まえてということが書いてありますけれども、長官は、若者にどういったことを消費者教育の中で身につけていってほしいのか、どういうふうに活用していってほしいのか、ご所見をお願いします。

教材の1ページを開きますと、「消費者が主役の社会へ」というメッセージがありますが、日々の暮らしの中で、生活者、消費者は様々な選択の場面があります。いろいろなクイズがここは書いてあるのですが、教材の3ページを見ていただければ、子どものころから、少しずつ自分の意思で、自分の選択でライフステージに合わせて生活の場が広がり、消費の場が広がっていきます。
これまでは、民法では成年年齢を二十歳と定めていたために、学生である人が多い二十歳前後の人たちについては、まだまだ社会でも見守るという法制度があり、未成年者の契約の取消権がございました。
今般、民法を改正する動きが進んでおりますので、18歳から成年ということになりますと、これまでは18歳、19歳の人にあった未成年者契約取消権がなくなる、消費という選択・買い物をするということ自体がもう契約ですから、そういったことを18歳になる前からしっかりと学んでもらう、社会の構成員として自立した生活者になるための教育の一環であります。
徳島県では原則として、全ての高校1年生にこの教材を使っていただくということになっていますので、まずは消費者被害の防止について、高1の段階から勉強を始めるという全国的な動きにしていきたいと思っております。
そして、こういった自立した消費者が社会全体をリードしていくことで、自分が被害に遭わないだけでなく、周りで困っている人がいたら、その人たちにも助言できるような賢い消費行動ができる社会人になってほしいと思いますし、さらには、地域全体で、判断能力が万全であったときとは違う状態になっている生活者への協力ができるようになればと思いますし、そのほかにも、障がいのある方も含めて、地域全体でより生活者の暮らしが安全で豊かなものになるように。その構成員の養成のためには、若いうちから勉強していただければと思うところでございます。

共同通信、平田です。
質問というか要望というか、1点ありまして、昨日の午後6時過ぎに、非常に残念と言わざるを得ない広報の対応があって、いわゆる個別案件とは別の件ですけれども、もう広報の基本中の基本というか、イロハのイが抜け落ちているのではないかというようなことを疑わざるを得ない対応ぶりだったのです。これは改めて、そういったところを抜本的に見直した方が良いのではないかというようなことがあって、ちょっと詳しいことはこちらからこれ以上話せないのですけれども、そのことについてどう受け止めていらっしゃるのか。

大変申し訳ありません。私が聞いていないということ自体、残念な事態なのかもしれませんので、ご指摘を踏まえて、状況を確認した上で、個別にご報告いたしたいと思います。

単なるミスとか過失とかだったら、まだいいやと思ったのですけれども、どうやらそうではなくて、もうそういう認識のもとで、そういった対応をされたということなので、事実関係を確認していただいて、例えばですけれども、ほかの省庁の広報はどうやっているのかというところから。あと、各課の広報姿勢というところの研修というのをもう一回見直した方がよいのではないかというような事案でした。

かしこまりました。ご指摘は重く受け止めますので、まずは事実を確認させてください。

データ・マックスの木村です。
別件ですけれども、昨日の消費者委員会で、東京都が公表した機能性表示食品で、目のピント調節をうたった商品で、肝機能障害、肝炎が発生したという内容ですけれども、その件について、今、消費者庁の方では精査中ということなのですが、ちょっと確認ですが、もし問題ありという場合は、その事実関係を公表される予定でしょうか。

個別の案件についての、ご報告は差し控えますが、一般的な件では消費者庁として事故原因を確定した場合には、具体的な事業者名や製品等の詳細情報を公表いたしております。ご指摘の件について、そういった消費者庁として事故原因等が確認できる事態になるのかどうかも、今の段階ではご報告できない状況です。

あと、今回の件に限らず、機能性表示食品で、健康被害情報というのは、ほかの商品とかで、消費者庁の方に何かあったら届けるようにということがガイドライン等で望ましいというか、基本的にルール付けられているかと思うのですが、実際にこれまで施行されて2年が過ぎたのですが、具体的に届出企業からあがってきているのかどうかというところなのですが、いかがでしょうか。

機能性表示食品の届出等に関するガイドラインは、ご指摘のとおり、届出食品による健康被害の発生及び拡大のおそれがある場合は、消費者庁食品表示企画課に連絡をいただけるようにとお願いしているところです。
ただ、そういったガイドラインに基づく報告を頂いた場合は、個別に調査を進めることになりますので、報告があったかどうかという点も含めて、個別のことについてはお答えしておりません。

日本消費者新聞の丸田です。
さっきの3項目の中で二つお聞きしたいのですが、エシカルの方では、この取りまとめをどう活用するかということかと思うのですけれども、先ほど長官のお話の中で、地方版のプラットフォームを、徳島というところで形成してということですけれども、全国版プラットフォームのご予定はあるのかということが一つ。
もう一つが、教材の方ですけれども、成年年齢の引下げということもあってということは分かるのですけれども、要するにこれは第1弾なのか、それとも教材としては、例えば安全もあるし、表示もあるのだと思うのですけれども、これが教材としては第1弾と考えてよいのか、それともこれで終わりなのかということをお願いします。

まず第1点ですが、全国版のプラットフォーム、将来の課題だと思います。現在はまだ、先ほども申し上げましたが、エシカル消費、倫理的消費といった言葉の認知度自体が低い、具体的には研究会でのウェブアンケート、2,500人を対象としたアンケートなのですが、年齢としては16歳から65歳までなのですけれども、そこで倫理的消費、エシカル消費という用語についての認知度は6%、エシカルといった言葉でも4%、まだまだ認知度すら低い状況ですので、そこで先ほど、普及啓発の必要性ということを申し上げたのです。10代、20代の若者の方の認知度が高いというところには期待が持てるのですが。
まずは地域で、スモールスタートとなってしまうかもしれませんが、できるところから始めてみて、その成果を踏まえて、将来、同様の地域版の取組を全国の幾つかの地域でできるようになってから、全国のことを考えられればと思います。その意味で、国際的な目標ともリンクすると申し上げましたが、まだまだ道はこれから先が長いと考えておりますので、継続的な取組が必要だと思います。
同様に、高校生向けの消費者教育の教材についても、これで満足、完璧というつもりは全くございません。まず第1弾として、こういった教材ができたことだけでも大きな一歩だと思っておりますし、こういった徳島県の高校1年生約6,800人がこれで勉強してくれるということですので、そこでのフィードバックを得ながら、この契約に関する教材についても向上を目指すことは当然です。生活の安全は命・身体の安全にも関わる重要なことですから、消費者庁としても取り組みたいとは思いますが、まずは学校の教育現場に受け入れてもらいやすい契約をめぐる教材から、そしてこれがちょうど未成年者取消権により保護されなくなる18歳、19歳の消費者の人たちのこれからの暮らしに役立つように優先順位が高いとされていますので、ここから始めたいという考えでおります。
一般的なパンフレットなどもたくさんつくっておりますし、消費者教育は様々な角度から継続的に進めていかなければならないものです。全県で原則として高校1年生は全員勉強を始めてみるという取組自体、画期的な試みだと思いますので、何らかの形で成果を全国的にフィードバックすることを目指して頑張ってまいります。

もう1点、別件ですけれども、個別案件になるので一般論でもよろしいですが、ジャパンライフの件です。17日が預託法の措置命令の中で報告を求めていた期限が一つありました。3項目ほど、指示とか何かを含めるとあるのですけれども、ジャパンライフの方は対応についてお答えできないという対応をしています。消費者庁に報告すべきことの文書なり結果なりが来ておりますでしょうか。

大変申し訳ありませんが、これも個別の案件で事業者と消費者庁のみが現在事実を把握しているところでございますので、この場での報告は恐縮ですが、今の段階では差し控えさせていただきます。いずれ、ご報告できるときがくれば、報告いたします。

一般論ですけれども、そういう処分した段階で、指示あるいは措置で、期限を付けて報告しなさいよということに対して、しなかった場合はどのような措置になるのでしょうか。

一般論で言えば、対応した企業の方は対応したという発言をされている場合が多いと思います。企業の方でノーコメントをされている以上、一般論として消費者庁がどうするかと言われましても…。いろいろな事情があって、そのときまでにはできなかったという主張を事業者の方がする場合は、その事業者の方の主張が正当なものかどうかについて、行政庁としては判断をしつつ、引き続き既に出されている命令の遵守を求め続けるというのが一般的なことだと考えております。

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