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岡村消費者庁長官記者会見要旨
(平成29年3月29日(水)14:00~14:22 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室)

1.発言要旨

本日は製造物責任法、製造物責任をプロダクト・ライアビリティと言っておりますので、PL法ですが、その論点別裁判例の公表について、ご報告申し上げます。お手元の資料をご覧ください。
製造物責任法、いわゆるPL法が平成7年7月1日に施行されてから20年以上が経過し、関連する訴訟情報も蓄積されてまいりました。我々が把握しているだけでも400件を超える数の訴訟が存在しています。
消費者庁では、昨年度からPL法の訴訟情報を公表していますが、今回、公表している訴訟情報を更に論点別に整理・分析し、お手元に配付している資料を取りまとめ、本日ウェブサイト上で公表いたしました。
PL法は、製造又は加工されたあらゆる動産を対象とし、製品起因の事故による消費者被害を救済するための基本的なルールを定めるものです。
このような立法趣旨のみならず、裁判でどのように活用されているか、整理して伝えていくことは大きな意義があることと考えております。
消費者はもちろん、ものづくりに関わる企業や、さらには消費者のために活躍する弁護士、企業法務に関係する弁護士など法律の専門家の方々にも、実務の参考としてご活用いただきたく思います。
また、訴訟情報の収集・公表について、ご協力いただけるのであれば、有り難く存じます。
消費者庁では、引き続き製造物責任法(PL法)の訴訟情報を収集・公表し、法の施行状況について、適切な把握に努めてまいります。
以上です。

2.質疑応答

日本消費者新聞の丸田です。
今のPL法の論点一覧のことですけれども、今ざっと見ても、掲載されているのは注目されてきた裁判例だと思います。これは実務への利用であるとか、これを公表することによる意義ということもおっしゃっていましたが、消費者庁としてこの判例といいますか、裁判の論点とかを同種の製品であるとか、どういうものに活用していくという視点はお持ちでしょうか。

残念ながら生じてしまった被害・損害と、それに関する状況及び法的責任が、司法の場で検討されたという情報については、消費者被害に関わる人たちは、日頃から同種事案の再発防止のために役立てていきたいと心掛けているものと思います。
私どもも判例を公表するだけでなく、こういった論点別に裁判例を抽出・整理・公表することで、改めて注意喚起を図っていくことも当然です。こういった事故情報の収集・公表や、国民生活センターが実施している商品テスト、さらには類似の事案についてADRが行われている場合もあります。特に国センが行うADRの取組などとあいまって、製造または加工された全ての動産に起因する事故の防止のための各種の取組を推進していきたいと考えております。

もう一つですが、これに関連して、製造または加工された全ての動産という、そのPL法の対象で、これについては消費者団体であるとか、弁護士会であるとか、改正も必要になってくるのではないかと。
例えば、具体的な例では今、自動車の分野の中では、自動走行という運転支援システムがあるのですけれども、こういうのがソフトとしている。例えば、事故が起きたときにソフトは対象外だとずっと言われていて、しかし、そういう動産を対象としたものであるだけに、対象自体が入らないということで救済に当たらない。要するに、そういう法的な対象外になっているものが実際あるということであるとか、住宅もそうですよね。住宅部品は対象に入るけれども、その住宅自体はという。そういう改正の要求は長年ずっとあるわけですけれども、論点を整理されて、それを集計されて提示されていく中で、改正の必要性は、どうでしょうか。検討はまだでしょうか。

現段階でご指摘のような改正の動きについて、行政庁として動きを始めているわけではございません。
現在は、収集したPL法に関する裁判例について、今後とも定期的に更新すること。訴訟情報も少なくとも年に1回の更新すること、さらに論点別の裁判例は必要に応じて更新するといった、きちんとした収集・公表の作業を定着させ、これからも法律の施行状況を把握しつつ適切に。もしも見直しが必要なのであれば、見直しの時期などについても判断していく考えでおります。

川口次長

改正についての見解は長官から今説明がありましたが、PL法では、今ご指摘のソフトウエア自体は対象ではないので、ソフトウエアのメーカーの責任ということでは問えませんが、ソフトウエアを組み込んだ自動車は動産でございますので、ソフトウエアが原因であっても、動産である自動車が通常有すべき安全性を欠いていて事故に遭ったという場合は、当然、自動車メーカーがPL法に基づいて責任を負うということであります。また、不動産についても、不動産の一部部品であるものが動産として元々欠陥であったということであれば、製造物責任法の対象になるわけであります。経済社会が変わっていくことで、新たな質問が出てくる場合もありますから、こういうものは改正の必要がなく適用ができるということをしっかり説明していきたいと思います。また、消費生活センターなどでもお問合せが入る場合がありますので、先程長官からADRの話がありましたが、消費生活センターでも今回のものを活用していただいて、消費者からの相談にも対応できるようにしていきたいということであります。

今の説明にもありましたが、この裁判例を見ていただけますと、製造または加工という部分が、大変重要な論点ということになっております。特に第2条については、法的な論点のところですので、非常に大切な先例ができております。例えば、この製造または加工ということだけについて申し上げても、イシガキダイ料理食中毒事件というのがあり、東京高裁でもう確定しているのですけれども、料理をすることで、この調理行為で人の手を加えて、本来の原材料に新しい属性ないし価値を加えたものとして、この法律にいう「加工」に該当するという判断が出ているわけですから、加工という言葉については、新しい属性ないし価値を加えたという判断ができるわけです。法律ができてから20年以上経っている現在ですから、いろいろな私たちの日頃の生活でも様々な展開があると思います。この法律を制定して、その後、消費者庁ができていますが、これからの消費者行政としても、こういった法律を活用して「今日の解釈」もしていくことで、消費者の保護のため、そして、被害の救済のために関係者が力を尽くしていくことが期待されているところであります。
私が着任してから、今までこの法律についてご報告していなかったのですが、大変重要な今回の公表だと考えておりますので、これからも良い情報を消費者及び企業に提供していけるように関係者のご協力を改めてお願いする次第でございます。

健康産業流通新聞の和田と申します。
一部の週刊誌で、トクホに関する記事が出ていたのですけれども、長官がもしご存じでしたら、それに対するお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。

3月23日発売の週刊誌にトクホに関する特集記事が掲載されたこと、そして、その内容についてですが、トクホの一部商品の有効性等に関して疑義があるという記事であったことは承知いたしております。トクホは消費者庁長官が表示の許可をしておりますが、いずれもヒト試験の結果から得られた有効性や安全性のデータを基に、安全性については食品安全委員会に、安全性及び有効性については、消費者委員会に諮問した上で、科学的根拠に基づいてご検討いただき、その意見を聴いた上で判断しているものでございます。
これからも引き続き食品安全委員会、消費者委員会のご意見をしっかりと踏まえた上で、特定保健用食品制度が、消費者の健康の維持増進に役立つ制度となるように取り組みたいと考えております。

記事の内容そのものについては、例えばここは事実誤認ではないかみたいなところという部分の何かお考えというか、ご意見みたいなのはありますか。

内容についてのコメントは余り詳細に立ち入るつもりはございません。ただ、ご指摘の記事だけをもって、消費者庁が日頃から関心を寄せております新たな知見とまで言えるものではないと、本日現在では考えております。
先週も申しておりましたが、3月17日に特定保健用食品について、事業者が許可後に新たな知見を入手したときは消費者庁に報告を義務付ける内閣府令の改正を行ったところでございます。これを受けて、事業者が収集報告するべき知見の定義について、事情通知及び質疑応答集について明確化しております。
そして、消費者庁としては、これからも、事業者から報告される知見だけに頼るのではなく、食品安全委員会等の関係府省庁とも連携し、安全性等の知見を収集して、これらにより得られた知見を精査した上で、適切に対応したいと考えております。

すみません、続けて申し訳ないのですけれども、一部報道では消費者委員会の委員長が、こうした記事が出る背景には、表示のところの昨今のトレンドというのが背景にあるのではないかというような一部報道もありましたけれども、委員長がそうしたお話をされているのですけれども、ここら辺の部分については、何か長官としては。

委員長のご意見及びそれに関連する報道については、今の段階では存じません。

データ・マックスの木村です。
今の関連で、週刊誌の書きぶりでは、国とメーカーが消費者を詐欺した消費詐欺であるというような書きぶりで、国というのは消費者庁とか消費者委員会を指しているかと思うのですが、そういった詐欺呼ばわりされているわけですけれども、そこに対する何か反論みたいなものというのはないのでしょうか。

これまでも単なる記事についての論評は、消費者庁としては発表していないと考えておりますし、今回についても、今の段階では何も考えておりません。

あと週刊誌の記事によると、今回の記事と、第2段が明日発売の号でも掲載されるということですけれども、結構、いろいろ業界にも波紋を広げているかと思うのですが、今後の審査の在り方とか、そういった部分に影響しそうな部分というのは何かありそうでしょうか。

記事のあるなしに関わらず、きちんとした科学的根拠に基づき、食品安全委員会のご意見、消費者委員会のご意見も伺った上で、トクホの許可をしてまいりますし、現在、既に許可されているトクホ食品につきましても、新しい知見の報告をきちんと受け、見直して消費者からのトクホ制度に対する信頼を維持するよう適切に努めてまいりたいと思っております。

関連ですけれども、今のトクホのCMの在り方というのは、かなり過大評価し過ぎ、消費者に過大な印象を与え過ぎているという指摘もあるのですが、その辺りについて、どのように印象を受けているかという点についてお聞かせください。

広告、勧誘、いろいろな論点がありますが、トクホも食品の表示の一環として、表示について不適正なところがあれば、厳正に対応していく所存でございます。

日本消費者新聞の丸田です。別件で2点お願いします。
一つが、格安旅行会社の破産手続によって、一挙に数万人単位の被害が発生したと。これは、深刻な重大な消費者被害だと思いますけれども、観光庁の方では、航空会社の要請であるとか、クレジット関係では、多分経済産業省がということがあると思うのですが、消費者庁としては、被害救済に向けた何か対応というのはお考えでしょうか。

大変残念な事態が発生したと受け止めております。当該旅行会社は、一昨日破産手続開始決定を受けたと承知いたしております。消費者庁としては、現在の旅行中の方々、これから旅行に行くと予定していた方々、そういった旅行者の様々な心配に対して、まずは的確な情報提供が行えるように、観光庁及び国民生活センターと連携して、相談体制に万全を期してまいりたいと考えています。
既に、国民生活センターの対応でございますが、全国の消費生活相談窓口に対して、本件に関する相談が寄せられた場合は、トラブル時に旅行代金の弁済を行う日本旅行業協会等の窓口を紹介するなどの情報提供を実施いたしております。

もう一つですけれども、これは別件ですが、消費者志向自主宣言企業というのが始まっていますけれども、二次分が2社だった。今、たしか43社ということですね。2社というのは、何となく少ないような感じが私はしたのですが、5月が消費者月間ですので、恐らく今週中までに3月分があって4月に発表されるということですけれども、昨年10月にできたプラットフォームであるとか、そういう組織の中で、自主宣言推奨とか促すとかということは何かありますでしょうか。

前もって準備をしていたところが第1グループ。年末年始であるにも関わらず力を入れて自主宣言をしてくださったと理解しておりますので、その次のグループの数が第1回締切りに比べて少なかったことは事実としてやむを得ないと受け止めております。
5月の消費者月間に向けまして、全国の地方にある企業にも、改めて消費者志向経営の取組を働きかけていきたいと考えております。実際のところ、既にそういった取組はしているという企業は非常に多いので、そういった企業に消費者庁及びプラットフォームとの連携を呼びかけて、この消費者志向経営への取組をより大きな活動に育てていくために、少しずつ、そして着実に、という段階だと思っております。企業の方も、準備ができたところから取り組んでいただければ有り難いと願っているところです。

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