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岡村消費者庁長官記者会見要旨
(平成28年8月9日(火)17:00~17:28 於:中央合同庁舎第4号館6階 消費者庁記者会見室)

1.発言要旨

本日から板東長官の後任として、大変身の引き締まる思いがする重責でありますが、消費者庁長官を拝命いたしました岡村と申します。何とぞよろしくお願いいたします。
皆様方からのご指摘、また今後の消費者行政がよりよくなるための建設的な注文を、いろいろお聞かせいただける大切な記者会見の時間ときいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2.質疑応答

朝日新聞の毛利と申します。よろしくお願いいたします。
まず初めに、抱負をお伺いしたいのですが、消費者庁としてどんなことをやっていきたいですか。

消費者庁は来月で設置から7年ということですが、懸案でした制度の充実という点では、これまでの長官のもと、職員一同、本当に頑張ってくれておりまして、いろいろ整ってきております。が、まだまだこれからも向上の余地がある分野もあることは間違いありません。特に今年は、4月から、景表法の改正ということで課徴金制度が導入され、更に、10月からは消費者の被害回復のための裁判手続特例法も施行される大切な時期ですので、今までにつくり上げてきたものを、より一層充実させ、更に新しい試みについては、しっかりと定着させたいと考えています。
そして、それにあたっては皆様方からのコメントが非常に重要です。職員一同、張り切ってやってくれるはずですから、メディアの方たちのお力もとても大きい分野ですので、お力添えをいただければと思っています。
もちろん、先ほども申し上げましたが、私自身、勉強してまいりますので、よろしくお願いします。

先ほどの職員への挨拶でも消費者行政に余り携わってこなかったということですが、外から見て、この消費者庁という役所はどんな印象を持たれていたでしょうか。

霞が関のほかの役所に比べれば若いですが、その分、進取の気性に富みますし、これからの発展が大いに国民からも期待されている役所だと思っています。
この何日かで感じているのは、これだけやっているのですから、もう少しアピールしてもいいのかなという分野もありますし、一方で、これだけ社会が変わっているのですから、向上のための努力を続けなければ、ということもあります。外から見ての消費者庁は若い役所ですが、成長過程にあることも有利に使う形で伸びていければと思っています。

これまでずっと法律関係、検事としてやられていたと思うのですが、消費者庁も30本以上、所管する法律があって、長官の中で関心のある法律が、もし今の段階でありましたら教えてください。

全て大事だと思っているのですけれども。情報化、高齢化、国際化(グローバリゼーション)、この3つの社会の変化に対応する部分については、複数の法律が関係しますが、力を入れてやっていきたいと思います。
高齢者については、なかなか大変です。地方について、相談窓口は全国にあるわけですけれども、拾い切れない被害もあります。また、消費者庁のホームページはかなり充実しておりまして、いろいろ注意喚起もなされているのですが、そういったものに接することができない立場の人もいます。そういうことを考えますと、情報弱者・消費者は事業者と情報力・交渉力の格差があるというところから「消費者のための役所」として出来たと先輩たちから伺っている消費者庁設置の原点が、今も、とても大切な指導理念だと思っています。
そして、情報化社会については、インターネットも本当に普及しましたし、外国からの情報も含めて、新しい課題にも力を入れていきたい、というのは抱負の1つです。

3代続けて女性長官ということで、ご自身の中で求められている役割というのは、どんなところを感じていますか。

霞が関の平均の男性のこの年代の人よりは、女性のほうが消費者としてのキャリアが長いのかなと思うことはあります。ただ、これも男女差というよりは、一人一人の生活と経験、生き方の違いだと思います。
3代続いたということは、ある人にとっては女性目線も期待できるということで意味があることかもしれませんし、女性だけが続くことについてどうなのかという批判をする方もいるかと思いますが、そこはバランス良く。皆様方からこういった機会にコメントをいただいて考えていきたいと思っています。

最後に、着任早々ですが、徳島への移転問題については、長官自身どういう受止めでいらっしゃるのでしょうか。

前長官から、現時点では、大臣のお示しくださった方向性がベスト、と伺っております。その方向を目指して、8月末までに政府全体で結論を出していただけるときいておりますので、引き続き、政府内での調整作業に力を入れてまいりたいと思っています。

こんにちは。徳島新聞社の伊藤と申します。よろしくお願いいたします。
先ほどの関連といいますか、大臣がお示しになった方向性とは河野大臣ということでしょうか。

河野大臣がかなり長く皆様方と時間をともにされたと伺っております。
河野大臣がおっしゃられたように、「消費者行政新未来創造オフィス」ということで、新しいことについて3年間しっかり可能性を探っていく、そして、その間、徳島県のご協力もいただいて、「消費者行政にとってプラスになる価値」をこれからつくっていきたいと考えています。
ただ、そういったオフィスをつくるにあたりましても、政府全体の意見が一致しなければなりませんので、そこを今、作業しているところでございます。

よろしくお願いいたします。
共同通信の平田といいます。よろしくお願いいたします。
これまでのご自身のどのようなキャリアを今後の消費者行政に生かしていきたいと考えられているかという点を詳しくお尋ねしたいのですが。

今回この重い責任の職務を命じていただけたのは、今までやってきたこと全てに関係していると自分では思っています。
直近では、法務省で人権擁護局の仕事をしていたわけですが、これは、弱い立場にある人の目線で、その人が人間として平等に生きていけるように配慮するという、国として一人一人の人間に着目した行政をしているところでした。
安倍総理が昨年9月、国連で日本政府のコミットメントとしておっしゃっていましたけれども、世界全体で2030年までに持続可能な社会を目指す目標(ゴール)を17つくっているのですが、そのうちの12番に、責任ある消費と生産という部分があります。この役所でいう倫理的消費とも近いと思うのですが、消費者と生産をする企業とのいずれに対しても責任を求めるという目標です。日本の社会に暮らしている人ひとりひとりが、より良い暮らしができるように、国としても努力していく、それが世界から見ても日本がよい社会であるということになるのですが、この法務省でやってきた仕事は、消費者行政についても同じ、非常によく似ていると感じました。それが、先ほど申し上げました消費者庁設置時の原点、消費者の立場で考えていく、ということです。
そして、これは国だけではできない、NGO、NPO、そして皆様方メディアの方、また社会の見守る力、つまり社会の同じ消費者の中でまだ気づいていない人たちがいるなら消費者同士で啓蒙し合うことも、非常に重要と思っています。
直前までやっておりました人権の仕事は、社会的には弱いとされている立場の人の目線で国の役所が努力するものでしたが、その前に金融庁にいましたときには、特に高齢者を狙った悪質な詐欺のような投資話の案件がかなりありまして、私も関与するようになりました。よく知られている例では、アメリカで運用するから、あるいは東南アジアで環境ビジネスに投資するからなどと言ってお金を集めて、実際はそういうことはしていなかったという案件がありました。
アメリカの案件で、被害者を代理する弁護士の先生方といろいろ打ち合わせをさせていただきまして、そのときに、アメリカでは行政委員会が当事者となって裁判所に申し立てて消費者保護のために財産保全ができると知りました。当時は、苦労しながらアメリカの政府に動いてもらって少しでも日本の被害者を救済できるように、とやっていたのですが、その後、日本でも制度が工夫され、被害者救済のための裁判手続特例法の運用開始のときに立ち会えるということは大変光栄なことだと思います。まさに今までやってきたことを生かしたいと思います。
その前に、国際的な金融機関で働いていたことがあるのですが、大手グローバル企業が環境・人権や消費者の立場に配慮することによって成長する、あるいは、非常に21世紀型ですけれども、そのビジネスに消費者の声が影響する、という場面を見てきました。日本もまさにそういう時期ですから、外資系で働いていた経験も生かしたいと思っています。
弁護士として仕事を始めたときは欠陥マンションなど日々起きる多様な案件を知りました。普通の暮らしをしているだけでも、えっ、というようなことが起きてしまう残念な時期も日本にはありました。今であっても、全ての事案を救済することができるわけでもないですし、私たちも一人の消費者となったときは、まだまだ泣き寝入りをすることだってあります。そういった被害を少しでも減らしていくために、できることに全力を挙げたいと思っています。

あともう一点、冒頭でこの役所について、まだまだこれから向上の余地があると、どういった点に、何か向上の余地があるとお考えでしょうか。

これはもうもちろん相当今までの長官がやってくださっていますが、例えば地方につきましても、大きな組織があるところもあれば、まだまだ充実した相談体制と言えるのかどうかわからないところも小規模な市町村ではあるときいています。国全体にとって、よりよい方向になるように配意するのが国の役所だと思っていますから、地方公共団体とも打ち合わせながら進めていきます。4月から始めた高齢者見守りネットワークも、やはり地域の力が大事だと思います。
また、消費者の声を大事にする企業が成長する社会を目指すことには力を入れたいと思っています。そういった中で、悪質な事業者に対しては、景表法の課徴金制度もこの4月から導入されましたので、その運用を定着させていきたいと思います。
先ほども申し上げましたグローバリゼーションとも関係しますが、国境を越えて事業者が日本で物を売っているのがボーダーレスなインターネットの世界ですから、国際協調も必要だと思います。ただ、一朝一夕にはいきません。特に、相手国に消費者庁のカウンターパートの役所がない場合は、国境を越えた被害についての回復はなかなか難しいという現実があります。すぐに結論は出なくても、何年か先に多少はよくなったと皆様方にご評価いただけるような、畑を耕し、種をまき、苗を育てる仕事をやりたいと思っています。既に始めていることもありますので、それをご報告できるような形に育てられるよう、目標は持っております。

日本消費経済新聞、相川と申します。よろしくお願いいたします。
先ほど長官がおっしゃられたのですが、高齢者の権利をうたう、わけのわからない権利をうたう投資話、あとファンド、これもわけがわからない、実態がないファンドによる投資話で被害が非常に増えています。今回、特商法で権利の見直しとかは行われたのですが、ここのところがやはり被害の救済とかは手つかずだと私は思っていて、長官はその辺にどのようなアプローチが足りないと思っていて、何かその辺でお考えが、何が今足りないとか、何かできることがあるかとか、そういうふうにお感じになっていることがありますでしょうか。

本当に重要な課題だと思います。足りないと言ったら、全てについて十分なものというのはないのかもしれません。ただ、民事の裁判もありますが、その前に少しでも被害を少なくしたいと思いますし、できれば被害になる前に気づく人を増やしていきたい。ですから、個別事案の救済と同時に、啓蒙・啓発教育活動というものを二本立てでやっていくのがいいのではないかと考えています。これには、小さな被害でも声を上げていただいて、それを国民生活センターにご連絡いただく、そして、それを全国のネットワークに広げていく。先ほども申し上げましたように、注意喚起をしても気づいていただけない人たちもいるわけですから、若い世代は親世代と頻繁に連絡をとっていただきたいと思います。閉じこもりがちな高齢者の方が地域社会と触れ合えるような工夫も必要かと思いますし、「騙されないで」と多角的に発信していくべきとも思っています。ですから、皆様方に新聞で記事にしていただけるのは大変ありがたいと思います。高齢者の方たちの中には、ネット情報を見なくても、新聞なり地域の連絡板は見てくださるという方もかなりいると理解しております。

それから、消費者庁には弁護士さんは過去に大変多くの方が関わってくださっていて、今もまさに仕事をしてくださっているのですが、検事という方がトップに座るというのはとても異色だと私は思っていまして、この検事という立場でお仕事をされてきたことを、消費者庁の行政にどのように生かしていきたいと思っていらっしゃるか。

実は、検事というのは、余り知られていないかもしれないのですが、霞が関の役所などに100人以上出向していて、いろいろな組織で法律に関係する仕事をやっております。私自身も、検事でありながら金融庁でそういった仕事をさせてもらっていたわけです。
弁護士と検事と裁判官は基礎的な教育を一緒に受けています。同じクラスで勉強していた仲間が、それぞれの分野で、それぞれの専門性を磨いて、今、皆様方がイメージしているような弁護士像、検事像となり、また裁判官というのがあるのだと思います。
私自身は、弁護士17年、検事が今年で16年、その検事16年のうち長く行政をやっております。金融庁に出向していたときは、川口次長と同僚ということで、いろいろお世話になった次第です。また、年金をとかしてしまったような詐欺に関する仕事をした経験もあり、「悪質なことをやる人を許さない」という強い意思を持って立ち向かう訓練をさせてもらったと思います。
ただ、悪質な人に立ち向かわなければならないということ自体、余りいい話ではなくて、そういう人がいないほうがいいわけです。悪質なビジネスが成り立たないよう、賢い生活者が、より多い社会にしていく啓発活動をしていきたいと思っています。
相川記者は大変ご高名と伺っておりますので、その筆力をもって、ぜひ全国の消費者に、灯台の光となるような記事を書いていただければと思います。

ありがとうございました。

ほかの皆様方にも、今日お時間を使ってこちらにお運びくださっていることに、とても感謝しています。
皆様方が、消費者庁がこれから発していくサインを日本の津々浦々に届けてくださるからこそ、我々も次の課題に立ち向かっていけますので、ぜひ一緒にやらせていただければ、と思います。徳島の方には特にお世話になりますが。

よろしくお願いいたします。

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