板東消費者庁長官記者会見要旨
(平成27年3月25日(水)14:00~14:20 於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

  それでは、最初に私から次期消費者基本計画の策定について一言申し上げます。
  昨日、来年度からの5年間を対象とする消費者基本計画が閣議決定されました。この基本計画には、事故情報の収集の強化、高齢者などの地域での見守りネットワークの構築、企業の消費者志向経営の促進、消費者に身近な相談体制の整備などを盛り込んでおります。また、基本計画の閣議決定を踏まえ、どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられ、安全・安心が確保される地域体制を全国的に整備するために、消費者庁において地方消費者行政強化作戦を昨日決定いたしました。今後、関係省庁と密接に連携をし、本計画の着実な推進に取り組んでまいりたいと考えております。
  私のほうから、あらかじめ申し上げることは以上でございます。御質問よろしくお願い申し上げます。


2.質疑応答

朝日新聞の高橋です。
  消費者基本計画の工程表について伺います。数値目標は限りがあるかなというのが正直な印象です。この前おっしゃっていただいたように、相談件数の増減で悪いが言いづらいところですけど、例えば、化学物質アドバイザーの派遣とかリコール情報サイトの閲覧者とか、これって目標は立てられたのではないかというものもあります。効果測定をするためには、やはり一定の目標を定めるべきだと思うのですけれども、長官御自身、今回の目標について若干少ないというような印象はございますか。
おっしゃるように、数値目標をもっと立てられないのかというのは、これを検討した過程においても我々としても非常に問題意識を持っておりましたし、課題でございました。今御質問にもありましたように、必ずしも数が増えればいいのかというと、例えば相談などについては、いろいろ相談窓口が認知をされるとか整備をされることによって増えていくという部分もあるかと思いますし、一方で、トラブルが増えているのかもしれないということで、必ずしも相談、被害への対応ということに関しても増加すればいい、減少すればいいというふうに単純に言えない点もございまして、数値目標を立てるのもなかなか難しいというのは正直感じたところであります。
  もっと数値目標を出せないのかということも考えたのですけれども、例えば、何かの事業による派遣とかは、結局、アウトカム自体というよりも、いわば、予算や事業のアウトプットの部分にとどまるというものが多いということになるかと思いますので、このアウトカムとしての目標をどう捉えていくのかというのが、なかなかこの分野は難しいということを改めて感じました。ただ、これがある意味ではベストというわけではなく、KPIとしていろいろな指標を挙げさせていただいておりますので、それをもとに現状、それから推移というものを的確につかまえながらその検証をし、目標として新たに掲げるべきものがあれば、またその計画、工程表自体も今後逐次見直しをしていく、特に工程表については1年に1回は見直していきましょうと、そういったことも掲げさせていただいており、これで完全にこの枠組みがセットされているというわけではないと思いますので、適切な見直し、検証、改善をしていきながら、この計画をもとに政策が進んでいくということを担保していきたいと思っております。
日本消費者新聞の丸田ですが、消費者庁に移管される総合調整機能ですが、これまでこの機能というのは内閣府が所管していた、それが、1月の閣議決定で消費者庁に移管されることになっていた。基本法案が国会に提出されるということで、基本計画の中では、法の改正後には基本計画の見直しとか検証評価などが消費者庁で総合調整できるということで、より一層司令塔機能が評価されると書いてありました。なかなか外から見ているとわからないのですけれども、このビフォー・アフターの違いですね。要するに、具体的に各省庁の対応が法改正で変わるのかというのをお聞きしたいのですけれども。
確かに外から見て役所間の関係という意味ではわかりにくい問題かと思いますけれども、総合調整機能が消費者庁に来ることによりまして、担当大臣が行使できる総合調整機能を、消費者庁でしっかり充実して支えていくことであり、今までも事実上総合調整機能的の役割を果たさせていただいている部分は多いかと思います。それがきちんと権限上裏づけされる形で、例えば担当大臣のほうから、ほかの省庁に関して勧告をしていくことなどがあり得るわけですけれども、そういったところについて消費者庁がその部分をしっかり支えていくということになろうかと思っております。事実上、今までも意識しながらやってきているところはありますけれども、法律上の権限では、必ずしも規定されていない部分でそういった努力をしてきた部分点はあるかと思います。より積極的な形で司令塔的機能、旗振り役ということを果たさせていただけると我々も思っておりますし、それを責任として受け止めていきたいと思っております。
日本消費経済新聞の相川です。
  基本計画ですが、先ほど長官が挙げられた目玉の政策は、全て消費者庁の内部でできるようなことばかりです。司令塔として消費者基本計画をつくるときに、一体何をどう頑張ったのか、それが全く見えない基本計画では本当に基本計画の意味があるのだろうかと常に思っています。
  それから、評価指標のことは、私は記事の解説でも書きましたけれども、要するに、総務省は地方の現場、相談現場とか執行の現場に本当にアンケート調査をして、その政策が、法改正とかがどれだけ役に立ったのかを総務省の政策評価では数値で出している。そういうことに、なぜ消費者庁はアプローチができないのかと私はずっと思うのですが、どうでしょうか。
最初に、消費者庁がやる事柄についてだけ目玉として挙げているのではないかというお話でございましたけれども、実は、その裏に消費者庁の司令塔機能の問題はあるかと思っております。
  一つは、最初にちょっと触れさせていただいた安全・安心にかかわる事故情報などの収集、それからそれへの対応ということなのですけども、これは消費者委員会などでもいろいろな分野で取り上げられておりますけれども、やはりまだまだそれぞれの省庁が、例えば消費者安全法の枠組みであったり、消費者政策の大きな意識を持って動いている、あるいは情報を提供・収集していただいているということではないこと、これがいろいろな意味で大きく安全・安心の問題に取り組んでいくときにネックになっている部分があるなと、この場でもたびたびそういう御指摘もあったところであります。
  それで私自身、例えば事故情報一つをとっても、関係省庁とどう連携をしていくか、あるいは関係省庁の所管している領域、様々なネットワーク、そういうものをどう実際上動かしていくのかというのが非常に重要だと思っておりまして、それを一つ一つ努力をして広げていく、そのネットワークを強化していくということをしていかないと、この安全・安心の問題ということにもっと前進した取組ができないと思っております。そういう基本的なかなり地道なところから取り組んでいかなくては、消費者政策全体の前進ができないのではないかという意識のもとで先ほどちょっと申し上げさせていただきました。ですから、これは消費者庁だけでできる話ではありません。そういうふうに関係のところに、まさに働きかけながら大きく政府全体で取り組んでいきたいということであります。
  そのほかも、いろいろな消費者問題への取組、それから消費者行政の前進ということで考えますと、民間も含めて様々なプレイヤーがいるわけです。やはり消費者にとっての利益のためには、事業者に動いていただかなくてはいけないということがありまして、消費者志向経営の促進の問題もそうですけれども、そういう様々なプレイヤーに大きく取り組んでいただくというのが、このかなり変化の激しい複雑・多様化していく消費者をめぐる環境の中で、非常に大きく必要になってきている部分ではないかと思っております。そういう意味で、個々の課題自体についても関係省庁に取り組んでいただくところは、今回御覧いただければ、いろいろ上がっていると思いますけれども、それ以上に大きくいろいろなプレイヤーと協働しながら消費者問題への取組を進めていく、政策への取組を進めていくということを今回の計画の大きな方向性として打ち出させていただいていると思っております。
  具体的な政策の問題については、まだ御指摘のように不十分だということもあろうかと思いますが、これは常に見直し、前進させながらやっていきたいと思っております。
  それから、先ほどアンケート調査を含めまして、もっときちんとした調査なり現状の把握なりということは必要じゃないかというお話がございました。これについては、検証、それから実態をどう把握していくのかということについては、我々としてもいろいろトライをしていきたいと思うところであります。
  総務省は、所掌して大きく各省の政策を評価している立場ですので、その手法と必ずしも同じということではないかもしれませんけれども、消費者問題については、現在あるいろいろな調査や指標だけでは把握できない部分もあるかと思いますので、これについては今後とも努力をさせていただきたいと思います。
安全法ができてもう5年が経ち、消費者庁は5年を過ぎて、更に今後5年間の目標ですので、それが各省にやってもらっていなかったというのは恥ずかしいことで、それをまた堂々と目標に掲げるのはいいですけど、それが目玉というのはもう話にならないと思っています。そして、こういうアンケート調査の声をもとに各省に政策を迫ること自体が消費者庁ができた役割だと思いますので、各省が持っている法律や制度をどこまで変えられるのか、そのために消費者庁ができたはずなので、そういうところでもう少し頑張っていただきたいと思います。
はい。御指摘の点は真摯に受け止めさせていただきたいと思います。ただ、やはり消費者庁もかなり制度的な枠組みというのは、この数年間非常につくってきていると思います。その制度の枠組み自体も、まだ動かすためにいろいろな準備作業、努力をしていかなくてはいけないという部分がたくさんあります。やはり制度が本当に現場も含めて浸透し動いていくということには、相当の努力が必要になるというのは痛感するところであります。消費者安全法の問題は、もっと努力すべきところはたくさんあるかと思っておりますけれども、ほかのいろいろな取引その他にかかわる制度も含めまして、普及であったり各省との連携であったり地方や、様々な主体との連携であったり、そういうことについてはまだまだ努力をしなければいけない。これは今までもしてきたと思いますけれども、一層のエネルギーをかけていかなくてはいけないということを考えているところでございます。
日本消費者新聞の丸田です。
  もう一つですが、基本計画でうたわれている、消費者団体とか事業者団体との連携ということについてなんですけども、昨日の消費者委員会は、委員会を開いてワーキンググループを新たに立ち上げました。それは、消費者行政の新たな官民連携のあり方ワーキンググループというものだそうで、消費者施策を遂行する上で、消費者団体とか民間団体への支援のあり方、委員の中にまだなじみの薄い補償拠出のあり方ということも検討課題に入るということもおっしゃっていましたけれども、消費者庁は基本計画の中で書かれている連携を推進する上で、消費者団体とか民間団体への支援のあり方、これはこれまで地域協議会とか、あるいは法的に基づいた特定適格消費者団体の支援のあり方とかというそういうものに対しての検討はあるかと思うのですけども、横断的には支援体制とか、そういう検討体制というのは何かイメージをお考えなのでしょうか。
一般的な官民連携のあり方について何か検討なり枠組みを何かつくるかというと、そこについて今特に考えるわけではございませんけれども、やはり官民の連携を進めていく上でいろいろネックになっている、あるいはこれをもう少し強化をしていったらいいのではないかという部分については、幾つかこの計画の中にも挙げさせていただいたり、これから検討していかなくてはいけないと思っている点がございます。
  個別の話になってしまうかもしれませんけれども、一つは、やはり適格消費者団体を初めとして消費者の利益のために動く、そういった活動をしている団体にどういう支援、永続的な活動を確保できるための基盤強化ということを考えていくのか。これは、昨日も特定適格消費者団体の認定・監督に関する指針等検討会でも御指摘があったところでありますけれども、そういったところの検討を始めていかなくてはいけないと思っております。それから、先ほど申し上げましたように、消費者の利益のために事業者の取組姿勢というのが重要になってまいりますけれども、それについては、消費者志向経営ということで計画にも挙げさせていただいておりますように、そういった体制の整備なり取組なりを強化していただくのをどう促進できるかということを今後検討し、そのための促進策をとっていきたいと思っております。
  それから、いろいろな主体との連携という点では、法律で規定された見守りネットワークのようなものを整備をしていくというのは、これからの非常に重要な課題になるわけであります。また、地方で官民、それから様々な団体の連携を進めていくという上で、今までもグループフォーラムをやってきておりますけれども、これも5年経ってきて、今後どういう形でもっと実効性ある形で進めていくのか、これを検討して来年度も必要な見直しを行いながらやっていきたいと思っております。

ページ上部へ


消費者庁 携帯サイト
携帯サイトQRコード