阿南消費者庁長官記者会見要旨
(平成26年3月19日(水)14:00~14:20 於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

  こんにちは。私から1点あります。
  消費者被害額の推計についてです。
  一昨日、消費者被害に関連する数値目標の整備に関する検討会を開催いたしました。その中で、昨年1年間の全国の消費者被害額が約6兆円に上るとの推計結果をお示しいたしました。現時点では暫定値でありまして、夏に予定しております消費者白書での公表に向けて精査していくこととなりますが、今回の推計値は我が国のGDPの1%以上に相当するという大変深刻なものとなっておりまして、改めて消費者行政の大切さを再認識しております。
  検討会には私も参加いたしましたが、有識者の皆様からは、今回の推計結果は消費者行政を中長期的に検証・評価するための指標となるものであり、国際的に見ても遜色のない精度のものとなっているという評価もいただいております。田口座長を初め、検討会に御参加いただきました皆様に、この場をおかりして改めて感謝申し上げたいと思います。
  消費者庁といたしましては、消費者被害の未然防止、被害救済のための仕組みの充実などを通じて、消費者被害を減らすための取組を一層進めてまいりたいと考えております。
  また、今後、毎年この推計を実施し、消費者行政の道しるべとなるような重要な指標に育てていきたいと考えております。
  以上です。


2.質疑応答

朝日新聞の小泉です。
  先ほどの被害額の推計の話ですが、6月に向けて精査をされるということですが、具体的にどのようなことを考えていらっしゃるのかということと、あとは前回の内閣府時代の調査とはやり方が根本的に違うと思うのですけれども、今後毎年やっていく調査というのは、今回の調査のやり方というのが基本になるという理解でいいのでしょうか。それとも、また少しずつ精度を上げるということで変えていくというような形になるんでしょうか。
そうですね。今回の調査方式で毎年やっていくつもりです。精度を上げるための検討もあわせてやっていきますので、少しずつ変わるところはあるかと思いますが、基本的にはこの調査方法でやっていく考えです。
  そして、今回の推計値ですが、平成20年の国民生活白書で公表いたしました3.4兆円という数値とは単純に比較できないものになっています。かなり的確に被害経験値を把握して出しておりまして、平成20年国民生活白書の当時の推計方法と比べて、いくつか改良している点がございます。
  その1つは、意識調査を行って、回答者によりきめ細かく被害経験を聞くということで、実態に近い被害件数を把握しているということです。2008年当時の質問では、「あなたは、平成18年4月から平成19年3月までの間に、購入した商品や利用したサービスについて被害を受けたり、また、振り込め詐欺による被害を受けたことがありますか。」としていました。それを今回は、より具体的に、「けが、病気をする等、安全性や衛生に問題がありましたか」、「機能・品質やサービスの質が期待よりかなり劣っていたか」、「思っていたよりかなり高い金額を請求されたか」、「表示・広告と実際の商品・サービスの内容がかなり違っていたか」というように聞いております。このように、2008年当時は、自分が消費者被害に遭っていたとしても、それに気がつかなかった、自覚しなかった消費者が多かったと思われますが、今回はそれに気づくことができるような設問の仕方をしたことで、より実態に近い結果になっていると考えています。
精査というのは、具体的に何を。
消費者政策課
消費者政策課でございます。
  白書の時期までには精査をするというふうに長官が申しましたが、具体的には、もととなりました意識調査、この個票の中身のチェックですとか、あるいは使っておりますPIO-NETのデータのチェック、実際に推計作業に反映したものが正しく反映されているかどうかという細かいチェックが必要ですので、そういうことを精査というふうになります。
大きく変わるわけではないという見方ですか。
消費者政策課
はい。
日本消費経済新聞、相川です。
  算定方法の質問項目なのですが、「機能・品質やサービスの質が期待よりかなり劣っていた」というのが69%を占めます。この「期待より」というところに対して、委員からも疑問が出ていて、確かに埋もれている消費者被害を拾おうとしたという質問としてはわかるのですが、この質問が7割来ているということに対して、少し今後何か考えるのかということと、今回1万円に満たない人たちは、ほとんど消費生活センターに相談をしないというところがあって、4割程度が1万円以上で相談しているということで、1万円で分けて算出・推計をしているのですが、ここのところの構成がどうも理解できないのですが、ここについて、もう少し御説明いただけないでしょうか。
すみませんけれども、消費者政策課に聞いていただけますか。確かに、それは疑問が出されていましたね。
それから、あと今回参考値にしてとどめたところについては、今後どのようにお考えなんでしょうか。
さらに検討していきたいと思っていまして、今は参考値にとどめていますが、もう少し実態を把握しながら、推計の方法等もきちんと検討してやっていきたいと思っています。
消費者政策課
消費者政策課でございます。
  参考値につきましては、例えば、安全性の問題というと、誰がどういうふうに見積もるかという話が検討会の中でも聞こえましたけれども、こういうものを例えば額でお示しすることが妥当なのかどうか、その辺の観点も検討会の中では指摘をされましたので、推計額という、被害額という形にこだわらずに、どういう形でまとめてやればいいかというのは、また別途検討が必要じゃないかというふうに考えてございます。
そうですよね。例えば、けがをしたとか亡くなられたとかということを金額だけであらわせるのかどうかということでしたね。
読売の崎田です。
  消費税の増税まで、あと2週間を切りまして、以前に電話相談の状況を報告していただいたと思うんですけれども、その後、何か変わっていたものはあるのか、あるいは相談状況等で検証か何かされましたでしょうか。
どうでしょうか。私はその後、把握していませんので、消費生活情報課に聞いていただけますでしょうか。
時事通信社の辻本と言います。よろしくお願いします。
  先ほどの被害額の6兆円なんですけれども、この推計を今後具体的にどういうところで活用していこうとお考えなのか、長官の何かお考えがあれば。
大変大きな数字ですが、まずは消費者白書に掲載して、国民の皆さん方に情報提供することが一番かと思います。そして、消費者庁にとりましては、初めての推計値ですが、これはこれから消費者庁が消費者行政を進めていく上でのターゲットとなる消費者被害がどの程度のものなのかということを明らかにした数字になっています。現実がこうだということですから、ここを踏まえて、これから、消費者庁はもっともっとやらなくちゃいけないと実感していますが、そのための指標にしていきたいと思っています。
日本消費者新聞の丸田と申しますが、リコール情報サイトのことでお聞きしたいんです。
  国民生活センターが3月11日にステロイド含有の漢方クリームのことについて、テストした結果を発表しました。それは、リコール情報サイトに載っておるのですが、国センの発表では、本当は入っていないはずなのに、強いステロイド成分が入っているということで発表していて、こちらでも情報提供したということなのですけれども、リコール情報サイト自体は、その医療機関の自主的な回収が載っておるんですけれども、商品名とか、要するに処方の期間とか、あるいは販売数とかは、そこまでは書いていないんです。4月4日に説明会を開くということが載っているわけです。
  この情報サイトというのは、つまり、一応、向こうから来たものをそのまま載せるということと、それと、それをチェックしながら、緊急性があるものについては、何らかのコメントが載るとか、そういうことをしているのかどうか。消費者庁としては、緊急性がないということをどこかで判断するのかどうかということをお聞きしたいんですけれども。
その件は、国センと情報共有しながらやっていまして、リコール情報サイトにも掲載いたしましたが、今後注意喚起をするかどうかは安全課のほうで検討しています。リコール情報サイトに載せた時点でも、きちんとその掲載したことを公表すべきだったと私も思っていますが、これから内容をしっかりと把握した上で、注意喚起なりを発していきたいと考えています。   それに関しては、安全課から。
消費者安全課長
当該医療機関の件は、リコール情報サイトに載せたのが最初の情報だと思いますが、リコール情報サイトに載っている情報が今わかっている情報の全てでございまして、今、御質問があった処方名についても、例えば、番号で1番、2番と、そういう形で処方されているので、明確になかなかわからないという状態でございました。
  それから、量であったり、いつからのものであったりということも説明会に及んでも、どの時点でわかるかわからないということでした。それを調査しながら明確にしていくということでしたが、直近のものにはステロイドが入っているというテスト結果が何本かありましたので、これは緊急性があると判断して、ロット番号が載っているわけではないのですが、情報をいち早く載せたという位置づけのものでございます。
ということは、あの医院だけの話として、消費者が見た場合は、あそこの医院に受診した人が対象になりそうな感じになるんですけれども、そうではなくて、もっとあるとか何かという。
消費者安全課長
あの医院だけです。
先週お話があった特保の関係ですけれども、自主点検を要請されるということでしたが、その後の状況等何かありましたら、教えてください。
先週の3月14日付で担当課長から公益財団法人日本健康・栄養食品協会宛てに通知を発出いたしまして、その協会を通じて会員企業の特保の許可取得企業に対して自主点検を依頼しております。自主点検をしていただく回答日ですが、4月14日、1カ月間で報告いただくようにお願いをしております。
日本消費者新聞、丸田ですが、国民生活センターの松本理事長は、国センの今後の活動として、調査活動を重視していきたい。国民動向調査をずっとやっていらっしゃるのですけれども、先ほどの意識調査との連携とかというのは、それは考えられないのでしょうか。
そうですね。私も理事長からそういうお話も聞いておりまして、動向調査の部分は意識調査とあわせて協力しながらやるということはあり得ると考えております。いずれにしろ、国民生活センターと消費者庁の間で相談しながらやっていきたいと思っています。
もう一点、別件でベビーシッターの関係で事件になっておりますけれども、いわゆるネットを使ったベビーシッターの利用について、消費者庁として何かしら、例えば、注意喚起等をお考えかどうかお聞かせください。
私も報道でしかまだ知らないのですけれども、とんでもない問題だと思っています。警察の捜査が入っているということですので、その真相が明らかになるまではなかなか難しいのですが、私は、便利に利用することができるけれども、保護者の皆さん方には、相手をしっかりと確認して、どこで保育をするのか、預かってくれるのかとか、相手の連絡先だとかをちゃんと確認して、またそういうことを書面等でも確認してするなどして、気をつけて利用していただきたいと思っています。
  その関連で、政策課にPIO-NETに寄せられていますベビーシッターに関する相談を調べてもらいました。平成15年度から25年度、11年間の間に、144件の相談が寄せられています。これは事実関係が確認されたものはないのですが、そのうち、危害に関する相談は9件でした。そして、25年は危害が3件、安全・衛生に関するものが3件だったのですけれども、具体的には、「ベビーシッターサービスの会員になっているけれども、必要なときにベビーシッターが派遣されないで困っている」ですとか、「病児保育を依頼したけれども、広告でうたわれていたサービスを提供してくれなかったため、子供の病状が悪化した」、「産褥のシッターを頼んだが、質の悪いシッターだった。苦情を申し出たが返事がない」、「1歳5カ月の女の子をシッターに預けている間に前歯が折れた」、「シッターの管理会社の対応が事務的で不満だ」といった相談でした。
消費者庁として、何か注意喚起を今のところは考えていないのでしょうか。
捜査で真相が明らかになることがまず前提かと思いますけれども、とにかく消費者庁も今は報道による情報しかありませんので、そうした情報収集もしながら、今後、注意喚起も考えていきたいと思います。

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