阿南消費者庁長官記者会見要旨
(平成25年12月10日(火)14:00~14:14 於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

  こんにちは。
  まずは、12月4日の参議院本会議におきまして、消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律案が全会一致で可決成立いたしました。
  この法律は、これまで費用や労力などの問題から、訴訟手続を行うことをためらって泣き寝入りをしてきた消費者の被害の回復を可能とする制度を創設するというものであり、私としましては、この職につく前の団体訴権制度をつくる運動をしていた当時から、一日も早い成立と、制度の樹立ということを願っておりましたので、このたびようやくその願いがかなったと、大変感慨深く思っております。
  改めて国会議員並びに国会の関係者の方々を初め、長く検討に携わっていただいた消費者団体、そして学者、事業者、関係省庁、マスコミの皆様方、そして職員に感謝申し上げたいと思います。
  法律は成立いたしましたが、施行は公布の日から3年以内とされております。今後、消費者庁といたしましては、消費者、事業者双方に対する本制度の周知、広報や、特定適格消費者団体の認定、監督の指針であるガイドラインの策定など制度の円滑な執行に向けた準備を速やかに進めてまいりたいと考えております。
  2点目です。この制度にも関わるものですが、差止請求事例集解説セミナーを開催いたします。お手元にチラシもあると思います。
  消費者団体訴訟制度は、御存じのとおり、あらかじめ内閣総理大臣が認定した消費者団体に、消費者契約法等に違反する事業者の不当な行為に対する差止請求権を付与するということによって、消費者被害の未然防止、拡大防止を図ることを目的としたものです。
  平成19年6月の制度運用開始以来、現在、全国で11団体が適格消費者団体として認定され、この間、適格消費者団体が行った差止請求によって契約条項が改定されるなどの改善事例が蓄積されています。今回のセミナーでは、これら改善された事例をまとめた事例集をテキストとして使用し、どのような勧誘行為、そして契約条項や広告表示が差止請求の対象となり、それからどのように改善されたのか、適格消費者団体の役職員、弁護士等が実例を紹介しながら解説いたします。このセミナーは、適格消費者団体の差止請求活動について広く知っていただけるよう、どなたでも参加できますけれども、とりわけ中小の事業者の皆様におかれましては、契約条項の改定等の自主的な取組につなげていただくこと、また、消費生活相談員の皆様におかれましては、相談現場で御活用いただくことを期待しております。
  来年1月27日の札幌会場を皮切りに、全国9カ所で開催していきますので、是非多くの方に御参加いただきたいと思います。
  また、消費者裁判手続特例法につきましては、これまでの国会審議において、この法律の円滑な運用を図るという観点から、国民に十分な周知を行うよう御指摘がなされ、この法律の附則第7条においても、公布後周知を図るよう定められております。今回セミナーを実施するに当たり、この機会を利用させていただき、同法について消費者庁職員が説明を行い、周知、普及を図ってまいりたいと考えております。
  もう1点です。食品表示等の問題に対する対応についてです。
  今般の食品表示等の問題について、昨日、官邸で第2回食品表示等問題関係府省庁等会議を開催いたしましたので御報告いたします。
  この会議では、食品表示等の適正化に関する対策パッケージを取りまとめました。具体的には、個別事案に対する厳正な措置とその早期化、関係業界における表示適正化とルール遵守の徹底、そして事業者の表示管理体制の強化や、国、都道府県の行政の監視・指導体制の強化など、景品表示法の改正を含む抜本的な対応を柱とした内容です。
  このうち景品表示法の改正等の中で検討する課徴金制度の導入等につきましては、昨日のうちに消費者委員会へ諮問しており、速やかな検討をお願いしたいと考えています。
  併せて、関係省庁を通じて、各業界団体等から提出された調査結果を報告いたしました。今回は、関係省庁を通じて延べ60団体、20万を超える事業者に働きかけを行っております。また、食品表示の偽装、誤表示が報告されましたのは延べ23団体307事業者であり、それぞれ表示の是正や管理体制の整備などを行っている旨の報告を受けております。
  また、クール宅配便につきましても、一部の事業者から不備があったこと、そして温度管理徹底の取組を進めている旨の報告がありました。
  今般の問題は、この報告で終わりではありません。事業者の方々には、国内外の消費者の信頼を取り戻すため、これから表示適正化に向けた取組を徹底、継続することを期待しております。
  消費者庁としましても、対策パッケージの具体化に向けてリーダーシップを発揮していきたい。そして、政府を上げてこの問題に迅速に対応してまいりたいと考えております。
  以上でございます。


2.質疑応答

共同の橋本です。
  今、長官がおっしゃった景表法改正の課徴金のところなのですけれども、昨日諮問されて、今後、消費者委員会で調査部会などをつくって多分議論していくことになると思うんですけれども、大体どれくらい法案が固まるまでに時間がかかる、どれぐらいでやりたいというお考えなのでしょうか。
具体的な制度設計について御議論をいただきます。できるだけ早期に成案を得たいと考えておりますけれども、現時点におきましては、そのスケジュールについては申し上げる段階にないです。
日本消費経済新聞、相川と申します。
  消費者被害集団的回復裁判特例法が成立したのですが、公布はいつになりますでしょうか。
  それから、具体的に修正で盛り込まれた内容で検討事項が上がっていますが、それに向けての検討体制はどのようにされますでしょうか。
公布は12月11日の予定です。また、ガイドラインや、財政支援など、いろいろな課題が出されておりますけれども、それぞれについて個別に検討会を立ち上げていきたいと考えております。
それから、補正予算の閣議決定が間もなくだと思いますが、今回、措置命令を地方に移すということも含めて、地方の強化が必要なのですが、どのぐらいの額でどのような内容になりそうなのでしょうか。
今、補正予算の検討をやっていまして、もうすぐ決定されると聞いております。消費者庁もそれに合わせて補正の要求をしておりますが、幾らになるかはまだわかりません。
朝日新聞の小泉です。
  午前中の大臣会見の中で、今日、世界一安全な日本創造戦略というのが閣議決定されて、その中のメニューで、食品に対する消費者の信頼を揺るがす事案についての対策の強化というふうな項目が盛り込まれたという話があったのですけれども、もし何か具体的にどういう内容なのか御存じだったら教えていただきたいなと。
ちょっとそれはわかりません。当然盛り込まれることになるかと思いますけど。
日本消費経済新聞の相川です。
  5日に閣議決定された好循環実現のための経済対策の中に、三つ項目が消費者行政計画に盛り込まれていて、それに表示のモニターが入っているのです。やはり地方からそれを見て、一般素人の人に表示のモニターを委嘱しても、今回のような「食べてもわからない偽装表示のものをわかるのでしょうか」という質問が実は来ていまして、これについてどうお考えですか。
モニターを公募しますけれども、そのための予算も確保しようと考えておりますが、モニターさんには、消費者としていろいろなところに食べに行っていただくとかして、ちょっとこれ疑問だなと思ったことを消費者庁のほうに知らせていただくという程度の活動の仕方というのですか、それで十分ではないかと考えております。そうした市民の監視の目があるという制度だということを広くわかっていただくためのものだと考えております。
ダイヤモンド社の鈴木と申します。
  今の食品表示モニターについての関連ですが、これ、例えばモニターとして募集する方は、何か消費者庁のほうで審査をしたりとか、こういう方にというような選別というのはどうふうになるのでしょうか。例えば、こういう言い方はしたくないのですが、適切でないといいますか、ライバル業者をおとしめるために恣意的な通報をするような方が混ざってしまうようなリスクというのもあるのではないかと思うのですが。
そうですね。公募によりたいと思っています。全国的な地域のバランスですとか年齢のバランスなんかも考慮しながら、応募していただいた上で選考するという形をとりたいと考えています。またモニターさんには研修会などにも参加していただくということになります。
公募の選別のプロセスは一応あるということですね。
はい、そうです。

ページ上部へ


消費者庁 携帯サイト
携帯サイトQRコード