阿南消費者庁長官記者会見要旨
(平成25年11月20日(水)14:00~14:28 於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

  こんにちは。
  まず、食品表示等の問題に関する対応についてお話しします。
  今般の食品表示等の問題について、先週のこの会見の場において、11日に関係府省庁の会議を開催し、消費者庁を中心に、政府一丸となって対応していく方針を決定したと申し上げました。既に消費者庁で必要な調査を実施するとともに、この方針に基づいて各省庁も関係業界団体の参集する会議を開催するなどの取組を行っております。また、先週の金曜日の15日には、消費者庁、公正取引委員会事務総局本局及び公正取引委員会地方事務局等との緊急連絡会議を開催したところです。更に、今週18日には、事業者向けの食品表示問題相談窓口の設置、そして食品表示問題相談員の配置、食品表示問題に関するウェブサイトページの開設を行うなど消費者庁が行う対応について急いで実施に移しているところです。引き続き消費者庁として必要な対応を速やかに実施していくとともに、関係省庁と連携しながら政府を挙げてこの問題に迅速に対応してまいりたいと考えております。
  以上です。

2.質疑応答

日本消費経済新聞の相川です。
  自民党の提言を受けて、景品表示法をどのように強化されるのでしょうか。
自民党の提言は大臣に提出されました。大臣から御指示が来ると思っておりますけれども、景品表示法については、特に地方における権限の強化ということを含めて今検討しているところであり、最終確定には至っておりません。やはり地方の協力を得ながら景品表示法を運用していくということが非常に重要になってくると考えておりますので、そうしたことについて今検討しているところです。
消費者委員会から二度権限が出ておりまして、その中で、措置命令権限と合理的根拠提出要求権限、4条2項を都道府県に移譲しろということを2回言われていて、消費者庁は、できないと言い続けてきました。その理由に、要するに、対応できない都道府県があると反対している都道府県が10県ある。そしてなおかつ、その執行力が更に弱体化するということでした。私が取材した時点で、消費者庁ができてから一回も指示処分が出されていない県が22県ありました。これについて、何らかの具体的な対応策をとられて措置命令権限を移譲されるのでしょうか。
その内容を検討しております。昨日、徳島県知事から同様の要請を受けておりますし、先週、三重県知事から森大臣に対して要請が出されております。
  私は、この月曜日に、北陸ブロックの消費者グループフォーラム参加するために金沢に行ってまいりましたが、石川県においても、既に立入調査などを実施しているという説明を受けました。やはり各地方自治体のそうした取組を更に進めてもらうことが重要だと思っていますので、権限を強めるという方向で検討したいと思っております。
ただ、人がいないと、一人とか二人で担当している、一人も景品表示法の担当者がいない都道府県がありました。一部の自治体から出ているのはわかっていて、でも、それができないと、全て一緒じゃないとできないのでできないと消費者庁に言い続けてきたのですよ。それを何ら消費者庁がやらないのか、ガイドライン以外何もつくらないのかと言われて、消費者庁がやるのが、措置命令権限の移譲だというのであれば、本当に人がいなくて景表法が執行できないと、その景表法、この数字はどう変わっているか教えてください。一度も指示処分が出されていない県が今何県ありますか。それに対して、何らか消費者庁として都道府県の支援をしたり、都道府県でできるようにするための対策をとられるのでしょうか。
数については詳細に把握しておりませんが、都道府県のこの間の要請なども受けながら、何らかの対応をとっていきたいと思っております。それを都道府県がどう判断されるか、人数を増やすのか、予算を増やすのかということは、それは都道府県の御判断ということになりますけれども、それを促すような今の状況であるということを御理解いただくということが必要だと思っております。今、先進的に進められている都道府県の事例などを紹介しながら働きかけを強めていきたいと考えております。
共同の橋本です。
  自民党の提言の中で、罰則強化も検討課題にという内容があったのですけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
そうですね、今も措置命令に従わない場合には懲役又は罰金が科せられるということになっております。そこについては課徴金の制度も含めて、将来的な検討課題であるとは思っておりまして、その検討に踏み出すのか出さないのかということについても今検討しているところでありますが、この景品表示法に基づく措置命令を受けた事業者が不当表示を繰り返すということは極めて限られておりますので、不当表示を排除していくためには、まずはこの措置命令をより多く行っていくことが重要であろうと考えております。
そうすると、まずは、措置命令をより多く出せるような環境・仕組みづくりの優先度が先で、罰則強化というのは、その後の将来的な課題というお考えですか。
今、例えば制度を考えるにしても、そうすぐにできるわけではなく、十分に検討しながらやっていかなければならない課題ですので、それは将来的な課題と位置づけております。
朝日新聞の小泉です。
  一番始めの御説明で、公取との緊急連絡会議をやったということですけれども、具体的にいつ、どういうメンバーでやったかを教えてください。
先週金曜日に、公正取引委員会は官房総務課長、総務課長補佐、総務係長、取引企画課係員、地方からは、地方事務所の所長ですとか、担当課の方たちが出ています。当庁からは、表示対策課長、そして表示対策課総括係長が出席しております。
  内容ですが、11日に開催された政府の関係府省庁等会議の資料に基づいて表示対策課長が説明しております。大きく3点で、景品表示法ブロック会議を前倒しで開催するということ、事業者団体からの講師派遣要請に対する対応を行っていくということ、そして、景品表示法執行ネットというのがあるのですけれども、検索性を高めるための入力方法について話合いを行っております。
読売新聞の崎田ですが、そもそも権限強化というのは都道府県に対して措置命令を与えるかどうかというのを検討しているということでいいのでしょうか。
そうです。
改正案というのは、いつごろ出すという予定なのですか。
今検討中でありまして、できるだけ早くまとめたいと思っております。
早ければ来年の通常国会というのは。
そこは申し上げられません。
可能性としてはありますか。
何とも申し上げられません。
そもそも都道府県自治体への行政指導ができますけれども、指導では不十分なんでしょうか。
都道府県は、立入調査と、指示ができます。
指示だと不十分だということですか。
自治体の知事からお話があったのは、立入調査も報告徴収も措置命令を前提にしないと弱いという仕組みになっているので、措置命令をやることができるようになれば、しっかりとした報告徴収もできるとおっしゃっています。
ということは、確認なのですが、措置命令というのと指示で止まるのと何が違うのですか。
指示は、こういうことがあって気をつけなさいと指導的な部分になりますけれども、措置命令は処分ですので影響が大きいです。指示でも都道府県の任意で名前は公表できますので、力はありますけれども、措置命令は、命令に従わなかったときには罰則もついていますので、より強い権限になるということだと思います。
今回の一流ホテルとか、地元だったら旅館とかの名士になると思うのですけれども、そういうところは措置命令を打たれて、もう一回違反とは考えにくいのですよね。
そうですね。
そうすると、行政指導を強めて公表するだけでも十分効果があると思うのですけれども。
そのような考え方もあると思います。
そもそも、さっきから言っていましたけど、指導している行政が少ないと、そういうことが問題だと思うのですけれども、その辺に対しては。
そうですね。確かに今まで、相川さんがおっしゃったような自治体が多くあったものですから、なかなかそこが踏み込めなかったわけですけれども、やはり今の事態というのは全国的規模で、各地方に広がっている問題であるというところが非常に大きいと思うのです。
  私、石川県に行ったときに、立入調査の話をうかがいました。知事ともお話しさせていただきましたが、石川県は金沢をはじめとする観光でしっかりと地域を活性化していこうという政策をとられているわけです。そういうところにとっては、偽装なんかがあったら、それは石川県に対する信頼を損なうことにつながるといった捉え方をされていましたね。全国の自治体には、やはり同様に思っていらっしゃる方たちは非常に多いのではないかと思います。
それで最後に、そういう意味であれば、都道府県自治体側と産業育成とか観光をケアしないといけない立場であるので、なかなか逆に措置命令が出しにくいのではないか、公表しないということも考えられると思うんですけれども、産業育成部門と監督というのが同居しちゃうことになって、結果的には措置命令は出ないのではないかという気がするんですが、その辺の認識は。
どうでしょうか。石川県の場合は、石川県の消費者行政を担う県民文化局だったと思いますけれども、そこが景表法を所管しています。産業育成の部分は、農林水産等の部局が担当しています。そこを一緒になってやることが重要なのではないかと思います。要するに、消費者の信頼にかかわる問題であり、消費者から支持されなければやっていけないわけです。それは、消費者の選択の権利を保障するということが、つまりその県の産業を育成していくことにつながるのだという考え方でやっているということだと思います。ですので、消費者の信頼を獲得するために景品表示法を担当している消費者行政部局がしっかりと働いて、立入調査をしたということだと受け止めています。
では、都道府県自体は手心を加えずにちゃんとできるというふうに思っておられるわけですね。
はい、そう思います。
関連で、相川です。
  要するに、合理的な根拠の提出要求権限が景表法は大変大きいので、措置命令権限よりもこっちが欲しいと言っているところが多かったのですが、この措置命令権限と一緒じゃないと動かせないということはずっと消費者庁が言ってきまして、これは考えられているのでしょうか。
今のところ、その措置命令の権限を自治体が持てばそれはできるわけです。なので、そういう考え方を持っています。
それからもう1点ですが、インジェクション牛というのが、インジェクションビーフというやわらか牛というものが今回すごく注目されているのですけれども、このアレルギー表示、この牛を食べたらアレルゲンは何が含まれていますでしょうか、そういうことをきちんと本当は書かなくていいのかと。インジェクション牛を例えば100グラム食べたときに、どのような物質でアレルギーを引き起こす可能性があるのか教えてください。
例えば乳製品、乳成分を使って結着していれば、乳製品のアレルギーである人はアレルギーを発症します。ですから、やはりそこは気をつけて情報提供しなければいけないと思います。ホテルや百貨店でも、そうしたことをちゃんと情報提供することが大切ではないかと考えております。
今調べているのですが、カゼインナトリウムと卵白リゾチームとか、これって本当に消費者のほうに知識がないと聞かないのですよね。この辺はやはり優良誤認なんかで片づけられる問題ではないと思いますが、いかがでしょうか。
ホテルでできることとして例を挙げればアレルギーをお持ちの方は教えてくださいということがあります。そして、それに応じたお料理メニューを紹介するといったことは可能だと思います。ラベル表示ではアレルギー表示は、任意の品目もありますけれども、一応7品目は義務づけられています。ところが、ホテルのメニュー等では、それが義務づけられていないということですので、何らかの消費者とのやりとりの中で気をつけるということができると思います。また、業界では自主的にそういうことをやっているところもありますので、そうした取組を紹介するなどということをすすめていきたいと思います。
カゼインナトリウムがほぼ入っていると思われます。
何が入っていると。
カゼインナトリウムです。これは、乳の大変強いアレルゲンなのです。これって10ppm以上で表示義務があるのですが、こういうものが本当に啓発とかで済まされるのかと私は大変思います。
そうなりますと、食品衛生法においての問題になりますので、そこで検討していきたいと思います。
確認なのですけれども、先ほどの質問でも出ましたが、消費者庁としては、もともとそういう権限を都道府県に寄与するということは難しいという見解だったけれども、今回はそれについても法改正を検討するということですけれども、これは今の自民党を初めとする政治のほうから検討しろというふうな提言が出たのを受けて検討するという理解でよろしいですか。
それもありますし、自治体からの要望もあるということです。今までは自治体によって、やれるというところと、とてもできませんというところがあって、なかなか踏み切れなかったというところがあったわけですが、今回は自治体からもかなりの要望が出ているということを踏まえて検討を始めているところです。
朝日の岩波です。
  今の件に関連してなんですけれども、通常こういった全国的な問題が全国に波及していった場合に、消費者庁として地方にきちんと足元を持てというか、執行部隊を地方にきちんと、そういうところを強化しろという方向性の話が出てくるのであれば理解はできるのですが、逆に権限を移譲しろと、地方にやらせろという方向性で今議論がわき上がっていて提言も各地から出されている、そういった状況について、長官としての御見解を教えてください。
消費者庁に全国的規模で景品表示法の執行権限を持たせて、それに伴って体制を整備するとなると大変な体制をつくっていかなきゃいけないということになります。現在、表示対策課の職員は約50名で、それではとても足りないです。手がなくて、地方に権限をやれと言っているのかと言う方もいらっしゃいますけれども、そうではなくて、これは地方と一緒にやっていくことだと思うのです。消費者行政というのは、地方でもしっかりとやっていくために体制を整備してきているわけですから、地方の消費者行政部局と一緒になって消費者庁が進めていくことが大事だと思っています。各地の細々としたところまでは消費者庁はとても行けないです。見ることができないです。地方の目をもらいながら、地方の力をかりながら、全体として健全化を図っていくということが必要だと思っています。
となると、これまでの体制では不十分だったと。それは、権限を移譲しないと、こうした問題には対応できないということが発生して初めてわかったということなのでしょうか。ちょっと意地悪な伺い方をしているのは、消費者庁がこれだけ消費者のためにという省庁として出てきて、肝心なところが権限を地方に移譲しますというのは、ちょっとある意味、消費者庁としての役割がどこかで低く評価されていると、これまでの執行についての疑問が噴出してきたというようなことなのかなという理解をしているのですが、そういったこれまでの執行と、あとは人員がどうしても足りなかったということ、それがこれまでなかなか解決されてこなかったこと、そして、今回こういった全国に波及したときに、地方に移譲しろという声が上がってきたこと、そこについての御見解を改めて教えていただけますか。
4年前、ちょうど今5年目ですから、4年前に消費者庁をつくりました。そのときは、消費者行政を進めるための一元的な組織をまず国につくりましょうと決めました。しかし同時に、消費者行政の強化は、地方自治体の課題でもあるということがしっかりと決められたのですね。そのため、地方における消費生活センター及び相談窓口の整備ですとか、相談体制の充実といったことを強力に推進していきましょう、そのために地方をしっかりと応援していきましょうということで、この間、地方の消費者行政活性化のための基金を創設するなど必死の取組を進めてきているわけです。ですから、もともと消費者庁だけがやるべきだということではなく、地方の体制整備を充実・強化し、地方と一緒になってやっていくことが、それが消費者を守ることなんだという考え方でスタートしています。ですから、最初から何千人もいれば、それはいいかもしれませんけれども、そういうことではありません。この間、消費者庁は、毎年、10人くらいずつ体制を強化してもらって、今必死になって仕事をしているという状況ですが、それをさらに強化するとともに、もともと地方と一緒になってやるという考え方だとご理解いただければと思います。
関連ですが、今おっしゃった話はよくわかるんですけど、そうすると、なぜ今まで地方に権限を移譲しようとしなかったのでしょうか。
権限を一緒に担ってもらいたかったのです。ですが、先ほど相川さんがおっしゃったように、地方の消費者行政の体制は、年々薄くなっていっていた。予算も減らされ、消費者センターの相談員さんも減ってきた。消費者行政を担当する専任の職員もずっと減ってきたという状況だったわけです。そうした中で、地方は、それはとてもという思いがあったのだと思います。それが、今のような結果になっているということだと思います。
相川です。
  措置命令権限が下りても、人が増えるほど都道府県の職員数が甘くないと、今、職員数の削減を図っていて、甘くないと口を揃えて現場の人たちは言っていました。そこのところの対策が何もないまま、この状況だから、措置命令権限だけを移すと、ほかにガイドラインをつくるだけだと、それって本当に地方からの理解を得られているのですか。
措置命令権限の付与とガイドラインと、そして全関係府省庁の連携も強化します。ですから農林水産省、厚生労働省、国土交通省、その他にも全体として御協力をいただきながら体制を強化していくことを考えております。
消費者庁から具体的に何か対策は出るのでしょうか。
今考えています。
関連して、反対する自治体はあったと思うのですけども、その辺は会議で議題とかにするんですか。
そうですね、丁寧に説明して御理解いただく。実際に権限があっても、なかなか難しいところもあると思いますけども、サポートの体制ですとかも完備していきたいと思っています。
日本消費者新聞の丸田と申しますが、15日では、先ほど長官お話しになった公取との地方会議ですね。その中で、景表法執行ネットの検索性を高めるとおっしゃったのですか。
はい。
これは都道府県とつながっているところだと思うのですけど、これは技術的なシステムを変えるのか、それとも、消費者庁が都道府県に対して支援するとか、そういうことも含めてでしょうか。
すみません、私はそこまでは把握していないです。表示対策課長が参加していますので、お話を聞いていただければと思います。

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