阿南消費者庁長官記者会見要旨
(平成25年11月6日(水)13:30~13:56 於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

  こんにちは。私からは2点あります。
  消費者被害に関連する数値指標の整備に関する検討会を開催いたします。
  このたび、この検討会を11月11日から開催することとなりました。これは、消費者行政を検証・評価する上で必要な数値指標、特に消費者被害の経済的損失額について推計方法などを検討するものであります。
  我が国の消費者被害の総額がどのくらいの規模のものかということにつきましては、消費者庁設置以前に内閣府が作成した平成20年版の国民生活白書の中で、最大3兆4,000億円と推計したものがあります。これに関し、今回、有識者による検討会を開催し、より現状を反映した推計について御議論いただいた上で改めて推計を行い、その結果を来年の消費者白書に掲載することを目指します。詳細につきましては、この会見の後に消費者政策課担当者から御説明する予定でございます。
  もう1点、ホテルのメニュー表示に係る関係団体への要請についてです。
  ホテルが提供する料理等のメニュー表示に関連して、実際に使われていた食材と異なる表示が行われ、現在は業界において表示の適正化に向けた自主的な取組の動きがあると承知しております。消費者庁はこうした業界の取組を促進するため、景品表示法の不当な表示の考え方、そしてメニュー表示等の食品表示に係る過去の違反事例をわかりやすく取りまとめ、お示しすることといたしました。本日、関係団体に対し傘下の事業者に周知させること、そして、その周知状況と表示の適正化に向けた取組状況について消費者庁へ報告することを要請いたします。これにより、業界における自主的な取組がなお一層進むことを期待しております。
  以上です。

2.質疑応答

朝日新聞の小泉です。
  メニュー偽装の関係なのですが、今日要請される団体は、具体的にはどこになりますか。
社団法人日本ホテル協会、一般社団法人日本旅館協会、一般社団法人全日本シティホテル連盟の3団体です。
わかりました。
  報告を求めるということですが、これは期限のほうはどのようにお考えですか。
期限は、今日から1カ月を目途に報告をいただこうと考えております。
もう1点、その事例集をまとめるということですが、過去の違反事例というのは、大体何件ぐらいあるのですか。
今日後ほどブリーフィングで資料をお渡しすることになると思いますが、メニュー表示に関するもので、事例で挙げているのは8事例です。そして、メニュー表示以外で食品に関するものは28事例を挙げております。何事例かについては具体的な詳しい内容をお示しします。
最後にもう1点、今回の件について、当然、景表法での違反についてということを今調べていらっしゃると思うのですけれども、いわゆる食品としての表示義務の面で、いわゆる食品関連の法律、JAS法とかのほうでの規制がないというふうな実態があると思います。このことについて長官としてはどのようにお考えになっていますか。
そういうところもあるとは思いますけれども、景品表示法は、嘘をついてはいけないという法律です。消費者に誤認させてはいけないということですので、その観点から言いますと、景品表示法でしっかりと確認していけば、何らかの対策はとれると考えておりますので、消費者庁としてはそれを中心に進めたいと思っています。
JAS法についても共管だと思うのですけれども、いわゆる飲食店で販売したものに関して表示義務というのは必要ではないかという意見もあると思うのですけど、それについてはどのように思われますか、必要だと思われませんか。
そうですね、JAS法ですと、対面販売の場合は、消費者がそこで質問をしたときに、それにお店の人が答えるという前提でつくられています。ですので、その辺については、必要とあれば、検討もしていきたいと考えてはおりますが、今のところは、景品表示法を、JAS法も含めてですが理解していただいて、それに沿ってやっていただくということをお願いするということが中心になります。
東洋経済の井下と申します。
  前回の会合で、このメニュー表示の問題、メニュー表示が大切な情報であるという認識がとても甘いということをおっしゃっていましたけれども、その後もいろいろな会社から表示の間違いというか偽装というかそれが続いているのですが、改めて今の御認識を教えていただけますか。
どんどん広がっていますが、消費者に正確な情報を伝えて、選んでもらうということについての認識がとても足りないと思います。それも一流と言われる事業者にそういうことが蔓延しているという状況ですので、もう一回しっかりと学んで、認識を新たにしてもらいたいと思います。
では、今の景表法とかほかの法律とか、法整備の部分をちゃんと準備すればこういう間違いは起きないということですか。
そうですね、基本的にはそういう考え方です。
周知させるように日本ホテル協会とかお名前出ましたけれども、日本百貨店協会は入っていないのですけれども、これは昨日、協会のほうで通知をしましたというあれが出ているので含めていないということでいいんでしょうか。
そうです。百貨店協会については、昨日高島屋の問題がわかったわけで、含めていません。それまではホテルが中心でしたので、ホテル協会のほうにお願いすることになりました。百貨店協会についても、少し様子を見て、報告ですとか改善策がちゃんと示されて、実践されるという状況であれば、必要もないのかと思いますが、状況を見ながら、必要ならば、要請なども考えたいと思っています。
では、百貨店協会には、現在、消費者庁からは要請はしていない。
していません。
わかりました。
読売の崎田ですけど、今のことに関連してなんですけれども、昨日、高島屋とか松坂屋などホテル以外のものもこれは広がりつつありますけれども、それに対して消費者庁としてはどういうふうに、現時点で検討できると、対応策みたいなものはあるのでしょうか。
そうですね、まずは業界の自浄作用というのでしょうか、自主的な取組に注目したいと思います。景表法に触れるおそれがあるという状況がどんどん広がっているという状況でありますので、少し様子を見て、対応策を考えていきたいと思います。
自主的な取組が進まないというふうに判断すれば、今回みたいに業界に要請するというのは、これから二度三度というか、2段階、3段階でやっていくという考え方ですか。
考えられます。
すみません、もう1点だけ。非常に素朴な質問で恐縮ですけれども、メニューの件で、ブラックタイガーを使っているのに車海老ですと言っていた、これは単純に優良誤認ということでアウトということになるのですか。
そうですね。そうなりますね。
それは普通に考えればわかることだと。
普通に考えればわかることです。
日本消費者新聞の丸田と申します。
  関連なのですが、御発言では、景表法をわかって理解して認識していただきたいと、自主的な取組に対して任せたいと。それで、インチキ表示で売った利得、インチキ表示で商品を売ったときの利得、不当利得としてとどまるわけですけれども、消費者庁は今年6月に行政手法の研究会で、不当利得に対して吐き出させるというその方策とかをまとめたものを出されました。これは必要に応じて検討していくということでしたが、例えば、その中では景表法の課徴金の問題がある。その行為を抑制するという意味ですね。そういう検討というのは何かお考えでしょうか。
この前、行政手法研究会で考え方を整理して方向性を出していただきましたので、今の消費者被害といいますか、こうした問題の状況を踏まえながら、何が必要なのか検討を進めていきたいと思っております。景品表示法では以前、課徴金の制度が提案されていましたけども、消費者庁ができて消費者庁に景表法が移った際に、外された制度です。そうした課徴金の制度も含めて検討していきたいと思います。
ということは、あの報告書も踏まえて検討を開始されるということでしょうか。
今の法執行の状況を見て、必要だとあれば。
それを頭に入れながらですね。
はい。
NHKの田辺と申します。
  今日は3時から業界団体の方を呼ばれてこういった虚偽表示についての説明を消費者庁としてされるということですが、こういった食品に関する虚偽表示、こういった表示は駄目ですよというようなことを、これまで業界団体に周知したりとかそういった取組というのは消費者庁として何かされてきましたでしょうか。
学習会とか説明会とか。
はい。
説明会というのはちょっと今までやったことがないかもしれませんね。ちょっと担当課のほうに聞いてみないとわからないですけども。
ホームページを拝見しますと、こういった牛脂注入の加工肉なんかというのはきちんと表示しないといけないということがホームページでは周知されていますけども、実際にはそういった勉強会をやるとかというのは、されたことがあるかどうかはまだわからないということですね。
はい。
わかりました。
日経新聞の小川と申します。
  百貨店に関しては、自主的な取組が進まないというふうに判断すれば要請もあり得るという御説明だったのですけれども、今回、ホテル業界に要請をされるというのは、現時点ではやはり自主的な取組が進んでいないというふうに判断されたからなのでしょうか、そちらの理由を改めて教えてください。
やはり消費者にとってはショッキングな話だったわけです。阪急阪神ホテルズの報告が消費者庁にもあり、自主的な取組も公表されたわけですけれども、その後の阪急阪神ホテルズを見ていますと、本当に自主的に改善策をやっていけるのかどうかという点については疑問を感じるところがあります。例えば、偽装ではなく誤表示といったような説明などはやはり不誠実だと思いますので、ホテルから要請しましょうということにしました。
時事通信の川村です。
  今回の要請に関してですけれども、こちらは業界団体に要請するということで、消費者庁が今個別に調査をされている件とはまた別に、業界団体にそういう今までの違反に当たったケースであるとか、そういうものを周知してもらおうという趣旨でよろしいですか。また別にということですか。
別です。今、消費者庁が調査をしておりますものは、そのまま調査を継続します。
昨日、百貨店の高島屋のが出たばかりなのでなかなか難しいとは思うのですが、ホテルの問題と今回百貨店から出てきた問題というのは、結局根っこは同じようなお話なのか、それとも少し百貨店の場合は違うという部分、質が違うような部分があるのか、見ていると同じように見えるんですが、現時点ではどのように見られていますか。
やはり同質だと思います。
では、その後の対応を見るということですか、百貨店は。
はい。
すみません、テレビ朝日の内田と申します。
  昨日の高島屋の記者会見では、誤った表示をしてしまったと、偽装ではないようなことを言っていたようなのですけれども、見方によっては偽装ではないかという見方もありまして、報道とかで見ている限りでの情報かもしれませんが、長官としてどういうふうに受け止めているのかな。本来であれば、景品表示法は誤ろうが偽装であろうが、不当表示という形で間違ったものは直しなさいということなのでしょうけれども、長官としてこの高島屋のケースというのはどういうふうに受け止めておられるのかというのをお聞かせ願えれば。
「誤表示」と言おうと、意図的な偽装はなかったと言おうと景品表示法から判断からすれば、消費者に誤認を与える偽りの表示に変わりはありませんので、そういうところから見れば同じですね。厳正な対応をしていきたいと思います。
産経新聞の西尾です。
  報告は1カ月以内という目途で上がってきて、またいろいろな問題が明るみになってきた場合なんですけれども、これだけいろいろ出てくると調査も非常に大変だと思うんですが、これは一つ一つやっていくとしか今のところ言えないんでしょうか。
報告していただくことは、事業者に事例集を周知するということがまず一つです。それと、周知状況とメニューにおける表示の適正に向けた取組状況についてですので、そこでは実態と改善策が示されるはずです。
その対応とは別なのですけれども、実際これだけいろいろな問題があると、例えばアレルギー表示をしなければいけないような加工肉の問題ですとか、優先順位をつけて調査していかなきゃいけないのではないかなと思うのですけれども、対応としてはどのようにされるのでしょうか。
どういう不適切な表示があったかということを事業者自身がまず調べます。同時にそれについてどうしていくのかということを報告させますので、それを精査するという形になります。ですから、今回の業界への要請に関して、自ら消費者庁がいちいちそれについての事実を確認に行くとかというようなことは、よほどのことがない限りしません。
先ほど、景表法の課徴金の話がありましたけれども、長官としては、課徴金の制度は必要だと思われますか。
どちらとも言えません。抑止力にはなると思いますけれども、ほかにもいろいろな制度がありますので、そうしたものとの整合性を考えながら、しっかりと検討していかなければならないと思っています。
  消費者庁創設を目指していた当時の私の意見は、景表法に課徴金を導入すべきだというものでした。
今もそうなのですか。
今は、研究会での議論を聞いていますと、やはりもう少し広い目で、いろいろな法律を検討した上で導入するかどうかということを判断していく必要があるのではないかと思っています。
丸田ですが、今の御発言なんですけれども、これは消費者庁ができる前からやっているわけですし、あるところは、食品業者が大問題になったときからやっているわけなのですよね。そのときに、消費者庁ができるきっかけの中の一つとしては、やはり不当利得吐き出し制度という、そういうものが設置法の附則6項で設けられていた。それが幾つかありましたけれども、そこをいろいろ検討してきて今年5月に出た。しかも、それは景表法の改正、要するに、課徴金をつけるという、それが消費者庁に来てから省かれてしまったという、そこの上に立ってもう一度検討ということでしたので、不当利得ということについては、景表法自体、今、措置命令という形ですから、表示の改善とかということですので、そうすると、消費者国民の公正性という意味では、やはり不当利得がどういう形で社会に還元されるか、あるいは吐き出されるかということにおいては課徴金とかそういうのを早急に考えるべきじゃないかと思うのですけども、今、長官のお話だと、長官自身はそういうふうに思われていたということですよね。
はい。
それは、検討自体を先ほど頭の中に入れながらということでしたけれども、これは報告で来て、いろいろな形が広がっていくと思うのですけれども、それは具体的にどういう検討が着手されるかというのは、今のところどうなのでしょうか、わからないのでしょうか。
今のところまだそこまで至っていないです。でも、必要だとは思っています。
すみません、TBSの小川といいますが、日本橋の三越本店でも加工肉を不正表示していたということがありまして、こうして毎日毎日いろいろな問題が出てきますけど、改めて所感をお願いします。
本当にどこまで広がるのかと思っていますが、こんな消費者の信頼に対する裏切り行為はないと思います。食品を提供する、食材を提供する業界全体が汚染されている状況なのだろうかと感じていますので、何とか一刻も早く消費者の信頼を回復するための業界の取組を促進させたいと思います。
毎日新聞の大迫ですが、ホテルに関しては、今日要請されるからいいとして、百貨店は様子を見られる。しかし、そのほかのメニュー表示というものが何回か質問に出ていますけれど、これについては、なぜ何もされないのでしょうか。別に景表法の説明をされるということ以外に、何もメニューを何かの法律に入れていくというようなことはされない理由を教えてください。
まずは今回の調査を進めて、実態を踏まえて必要に応じて対応をとっていきたいと考えています。
例えば、今、レストランとかに入ると、メニューが本当かなとどうしても思ってしまうわけですけども、それはどうしたらいいのですか。それについては何か対応策、外食のメニュー全体についての対応策というのは何もとられないのでしょうか。
今回のホテルへの要請などを通じて、おそらくそれが全体に波及していくということになると思います。ですので、自分から改善していく、直していくという動きを見きわめたいと思います、必ず波及していくと思いますので。
関連ですが、今議論されている新しい食品表示法の中で、外食の表示について表示義務なり規制なりを入れる必要があるとはお考えになりませんか。
それも検討テーマの一つになるとは思っています。中食、外食の表示については、食品表示法の施行までに、まず現在ある基準を一元化していくわけですが、その作業を終えて、次の検討課題になっています。議論をいただく中で、そうした中食、外食の表示、メニュー表示がどうあるべきかについては当然意見として出てくると思いますので、その際には検討を早めるとか、同時並行で進めるとかということも考える必要があると思っています。

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