阿南消費者庁長官記者会見要旨
(平成25年10月9日(水)14:00~14:28 於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

  こんにちは。私からは2点あります。
  まず、食品ロス削減に向けた取組についてです。
  まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる食品ロスの削減につきましては、昨年7月に、食品ロス削減関係省庁等連絡会議を設置し、消費者庁が会議の運営を担って、関係省庁が連携して取り組むことといたしました。また消費者庁では、同年10月、「食べもののムダをなくそうプロジェクト」というウェブサイトを開設し、関係省庁、自治体、そして民間団体等における取組やイベント情報などを紹介してきました。今般、ウェブサイトの開設から約1年が経過したこともありますので、これまでの主な取組や今後の予定などを御報告したいと思います。
  これまでの主な取組としましては、まず、消費者向けの周知・啓発パンフレットの作成・配布、農林水産省と連携した政府広報オンラインでの啓発動画の配信、それから地方消費者行政活性化基金、国と地方のコラボレーションによる先駆的プログラムを活用した地方自治体への支援を行ってきました。先駆的プログラムには13の都道府県から、16団体が参加しています。
  中身は生ごみの組成調査とかシンポジウムの開催、料理教室の開催、レシピ集の作成、幼稚園や小学校等における啓発、そして飲食店と連携した食べきり運動の実施などとなっています。
  また、消費者庁初の試みとして、10月12日公開予定の映画「おしん」と共同で食べ物の大切さを訴求するポスター及びチラシを作成し、農林水産省と協力して事業者、消費者双方への働きかけを行っています。このチラシは、先日から始まりました地方消費者グループフォーラムにおいても配布しています。チラシの裏側を見ていただきますと、消費者庁がこの間情報提供してまいりました、できることから始めようという呼びかけが掲載されています。
  そしてもう一つ映画です。食料廃棄の実態等を紹介する9月21日公開のドキュメンタリー映画「もったいない!」に対して、消費者庁の推薦名義を出しております。こうした結果、消費者団体等における勉強会の開催や、マスコミから取り上げられることが多く見られるようになってまいりました。
  食品ロス削減のためには、事業者の取組に加えて消費者の意識改革も重要になります。このため、消費者団体や学識経験者等の助言も得ながら、関係省庁とともに食品ロスの削減に向けて引き続き取組を進めてまいりたいと考えております。
  次に消費者団体訴訟制度シンポジウムの開催についてです。
  これは、消費者団体訴訟制度の周知・広報のために行うもので、既にホームページでは御案内をしております。
  この消費者団体訴訟制度は、あらかじめ内閣総理大臣が認定した消費者団体に、消費者契約法等に違反する事業者の不当な行為について差止請求権を付与することにより、消費者被害の未然防止及び拡大防止を図ることを目的としたものです。平成19年6月の制度運用開始以来、全国で11団体が適格消費者団体として認定されました。この制度が積極的に活用されていくためには、この制度、そして適格消費者団体に対する国民の認知度をより高めていくことが、制度の実効性を担保する上でも必要不可欠だと考えております。
  今回のシンポジウムでは、この制度をわかりやすく解説した寸劇、適格消費者団体の活動報告及びパネルディスカッション等を行うことによって、この制度、そして適格消費者団体について一般の方に広く知っていただくよい機会にしたいと考えております。11月1日の横浜会場を皮切りに全国6カ所で随時開催いたしますので、是非御参加いただきたいと思います。各会場の開催日時の詳細は、配付資料を御覧いただきたいと思います。19年度から開催してきましたが、今年度初めて開催するところは仙台、横浜、金沢、神戸、松山です。御存じのように、東北地方はまだ適格消費者団体がありませんので、団体の設立の促進にもつながればと考えています。
  以上です。

2.質疑応答

NHKの藤谷です。
  事故調の関係ですけれども、先日、パロマの事故の御遺族が、調査開始から1年が経ったけれども、その進捗状況がわからないということと、あと事故機と現場を保存しているのに、まだ見に来られていないというようなことで、意見書を出されたかと思うのですけれども、長官の受け止めについてお聞かせください。
意見書が調査委員会に提出されました。消費者庁としましては、こうした御遺族のお気持ちを真摯に受け止めて、調査委員会ができるだけ早く調査等を行うためのサポートや、被害者や御遺族に対する適切な対応に努めてまいりたいと考えております。また調査委員会におきましては、御遺族の御要望を酌んで、事故の背景要因も含めた幅広い観点から再発防止のための原因究明を確実に行っていただきますように期待申し上げております。
  現場を見てもらいたいというご要望がありました。原因究明のためにどのような情報収集が必要となるかということにつきましては、最終的には調査委員会が判断して実施することになるわけですけれども、まずは事務局から、事故現場に関する情報と要望を委員にお伝えし、検討していただきたいと考えております。
  以上です。
共同の橋本です。
  別件で、消費者団体訴訟制度とも絡んでくるような話ですが、集団的消費者被害回復訴訟の法案が継続審議で、10月開会予定なのか、決まっていないかわからないですけど、国会でまた審議を続けられると思うのですけれども、大臣も何とか成立させたいと、その意向は多分長官ももちろん同じだと思うんですけれども、現実問題として成立する見通しというのは、結構期間的にもタイトなので、ほかの重要法案もありますし、どの程度あるものと見ていらっしゃいますでしょうか。
見通しというのはなかなか難しいですけれども、是非ともこの臨時国会中には成立を目指したいと考えておりまして、今、国会の運営に当たられます議員の皆さま方などに対してお願いに伺ったりということを続けております。
何とも見通しは、我々もちょっと見えてこない、難しいのかなと思ったりもするのですけど、どうでしょうか。
確かに審議時間はタイトになっていると思っておりますけれども、そこを何とかスケジュールにのせていただきたいと強烈にお願いしております。
朝日新聞の小泉です。
  先ほどのパロマの関連で、実際、現場を見に行くかどうかというのは委員の方の判断になってくるとは思うのですけれども、実際、事故調査をする上で現場を見に行くというのは基本的な調査なのかなという気もするのですが、長官御自身としては必要があるのかないのかというと、どのようにお感じですか。
実は、事故を起こした湯沸器自体については、調査委員会が行ったことはありませんが、事故調査室で何回か見に行っております。今回、申出者がおっしゃっているのは、その湯沸器が設置されていた住宅です。そこに見に来てほしいということですので、それにお応えして、見に行く方向で調査委員会にもお願いしたいと考えております。
別件で、公益通報者保護の関係で、団体の濱田さんとかが質問書を出して、それに対して回答をされたかのように聞いているのですけれども、状況について教えてください。
質問書では、9月30日を目途にということになっていましたが、事務局で内容を検討して精査をいたしまして、10月4日に回答書を質問者のお一人である濱田さんにお送りしています。
その内容についてなんですが、その濱田さんたちの意見としては、自分たちが訴えたいことについては反映されていないというのが基本的な主張だと思うのですけど、それに対する回答として、趣旨に合わないから外したというふうな理解でいいのですか。どのように回答されていらっしゃるのか。
もともと求めていた公益通報者保護法を改正するということを前提にして、そのためのヒアリングなどをやってもらいたいというのが濱田さんたちの願いであり、また、23年3月11日に消費者委員会が出した意見書においてもそうした法改正のための調査をすべきだと述べられておりました。それに沿って行ったわけなのですけれども、必ずしも法律改正をターゲットにしてヒアリングした内容などが整理されていなかったという実態がありましたので、そこについて濱田さんたちは御不満に思われたのだと思います。ですので、追加の調査をしたいと考えています。そして、必要とあらば、追加の報告書をまとめ、それに基づいて法律改正などの制度の見直しも含めた検討を進めてまいりたいと考えております。
もう1点、また別なのですけれども、先日報道があったんですが、ソフトバンクが契約者の信用情報について情報機関に送信する際に6万件の誤送信をしたと。それで、実際払っているにもかかわらず未納となってしまったということで、例えば、ローンを組むときに実際不具合が出るとかというふうなトラブルがあったという報道がありました。直接的には消費者庁としては所管ではないということのようですけれども、個人情報の観点からも、消費者規約の観点からも、消費者問題と言えるのかなという気がするのですけれども、この問題についての長官のお考えがあったら教えてください。
そうですね、やはり情報を適正に扱っていくことが基本だと思っていますので、ソフトバンクがこれからどのように体制整備を図るのか、そのことについてしっかりとした回答を出すのか、こういうことに注目していきたいと考えております。総務省が所管の省庁ですので、総務省とも情報共有しながら対応していきたいとして考えております。
長官として、この問題について、消費者問題と捉えて何かしら対応されていくというお考えはございませんか。
それは関心を高めるのは必要だと思っていまして、私も総務省との連携については、消費者庁として意見を言うべきところは言っていきたいと考えています。
日経新聞の小川と申します。
  先日、風評被害に関する意識調査の第2回目の結果が公表されたのですが、あまり数自体は大きな変化がないという御説明だったのですけれども、長官はどのように受け止められているか教えてください。
第1回目と比べますと、余り変わりがないという印象です。これは、全体的に関心が低下しているということではないかと考えています。ですので、関心を持っていただくためのきめ細やかなリスクコミュニケーションをもっともっとやっていく必要があると考えております。その関係で、先日、コミュニケーターの養成も始めておりますが、そうした取組を進めながらこまめに学習会などをやっていきたいと思います。
別件なのですけれども、カネボウの件について、まだ被害者の方の人数がどんどん増えていっている状況なのですけれども、会社の内部調査以降、カネボウ側から何か報告を受けたられたり求められたりというのはされているのでしょうか。
昨日、花王さんが、報道もされていますように、カネボウさんの研究部門と生産部門の一体化を進めるという発表をなさいましたけれども、昨日、消費者庁にも花王さんがいらっしゃって報告をいただいております。私どもとしましては、やはりもう二度とこうした問題を起こさないということが重要だと思っていまして、そのために体制を強化していっていただきたいというのが一点。そして、今もまだ被害者が出ていて1万何千人にもなっているわけですが、これに対しても十分に最後まで消費者への対応をやっていただきたいと思っています。
日本消費経済新聞、相川と申します。
  国内商品先物取引の不招請勧誘規制を緩和することに反対する意見書がかなり多くの消費者団体から出ていると思うのですが、今、消費者庁に幾つの団体から出ているでしょうか。それから、それについて何か消費者庁は対応していく考えがありますでしょうか。
日弁連、主婦連、NACSの3団体からいただいています。政策課のほうでそれを今検討している最中です。
東京都連絡センターとか消団連、全相協からも出ていませんか。
消費者政策課長
今把握しているのはそこだけですけれども、調べてみます。
ちょっと広がってきているので、何かお考えがあれば。
そうですね、考えなければいけないと思っております。
それから、国民生活センターのヒアリングが始まりまして、年末までに大臣に結論を出さなければいけないと。その結論は、消費者庁の結論でもあり、政府の結論でもあることになるということのようなのですが、今後どのように進めていかれるのでしょうか。
10月2日にこの行政改革推進会議独法改革に関する分科会ワーキンググループからヒアリングを受けております。そこでは、消費者行政の体制整備のための意見交換会が7月23日に公表いたしました中間整理の基本認識に基づいて説明をしております。このあり方については、今後、この意見交換会において機能の一体性の確保、そして機能の維持、充実という考え方に立ちながら消費者庁と消費者委員会、そして国民生活センターの三者の連携に関する検証結果などを踏まえた検討を進めて、今後の独法改革の中で結論が出ることになると承知しております。
  先ほども申し上げましたが、消費者庁が説明をしましたのは、国民生活センターが司令塔機能の発揮、そして地方消費者行政の推進、消費者への注意喚起の3点から、消費者行政の推進に不可欠な存在であるということです。今後は、意見交換会において年末までに結論を出していただくように、大臣がお決めになるということになります。
それから、公益通報保護のこの回答書は、長官はウォッチねっとの集会でも同じようなことをおっしゃっているのですが、おっしゃった内容とはかなり齟齬があると思うのです。随分回答文について。それから、やはり誤解に基づく質問だから回答しない、誤解に基づくので取り上げていないというようなことも書かれているのですが、これについて担当課から御説明がいただけないでしょうか。
その説明は、濱田さんにもお送りしましたが、今度お会いして、直接説明し御意見を伺う場を設けることになっております。そこでの御意見を踏まえて更に中身を検討していきたいと思います。
毎日新聞、大迫です。
  事故調なのですけれど、あちこちから遅いと言われているわけですが、その理由と対策を教えてください。
前回も申し上げましたけれども、やはり立ち上げたばかりで、体制の整備と、そしてそのスタンスというものを決めるのに時間がかかったことが最大の原因だったと思います。これからは、体制の整備も一応整っておりますし、調査する視点というものもはっきりといたしましたので、それに基づいて、できるだけ早く調査を進めるように努力していきたいと思っています。
すみません、視点て中間報告のことですか。
評価書です。
日本消費者新聞の丸田と申します。
  関連なのですけど、事故調について、先日、パロマの被害者遺族の方が来られました。遅れた理由とかというのは今おっしゃっていたことだと思うのですが、この事故調自体は被害者に寄り添うという一つのキャッチフレーズがあって、被害者の方がお話をしても、なぜ遅れているのかがよくわからないというのを記者の前でおっしゃっています。つまり基本的にはそういう不信とか、被害者遺族に対しての説明の仕方とか、不信とかというのがあるような気がして、それは公にするということではなくて、被害者に寄り添うということであれば、正直に話すべきではないかと私は思うのですが、まず、この点について。これまでの説明の仕方について、ずっと記者会見される方は、被害者の方は不信を持っておられる。その改善とか、そういうのは何かお考えはありますでしょうか。
本当におっしゃるとおりで、被害者の方たち、そしてお申出された方たちにどうやって寄り添っていくのかということがテーマです。私は今、調査室のほうに、定期的にお申出の方たちに報告していくという仕組みをつくろうということで検討してもらっています。そうすれば、たとえその時点でまだ何も進捗していないにしても、こういう状況ですということを真摯にお話して、そして御意見を伺うという関係ができますので、できるだけ早くそうした体制をつくりたいと思っています。
それともう1点ですが、これまた違う話で、消費者団体訴訟制度シンポジウムが開催されると。それで、今現在、適格消費者団体は11団体ですけれども、今度新しい集団的な制度もそうなのですが、つまり提訴の段階で一般の方にわかるような形にすべきではないかということがまず一つありまして、つまり、今の制度でも、1団体ずつがいろいろな形で公表されていますけれども、例えば今、訴訟が何件あるかということに対して、消費者庁が何らかの形で公表していくとか、つまり、結果としては報告をされますけれども。
途中段階ということですか。
そうです、少なくとも提訴の。それは、どこに対して、どういうあれがということを庁としてまとめていくような、そういう制度であれば、注意喚起であるとか被害防止とか、あるいは防止まではいかなくても注意するとか、そういうことになっていくのではないかと思うのですが、こういうシンポジウムを開催することが制度の周知ということに、当然なんですけれども、その改善とかそういうことは何かお考えはありますか。
そうですね、考える必要がありますね。途中段階のものでも、あそこの適格消費者団体はこれをやっているとか、やりかけているとかという情報が共有できればいいのですけれども、ただ、差止請求をする相手方事業者に、まずは、意見を出すわけで、いつの段階からオープンにするかというあたりのことは難しい問題ではないかとも思います。
団体の自主性に任せられているところがありますよね。ただ、裁判に提訴したことも団体の自主性ですけれども、それをどこかでまとめてやるべきではないかなと思っておるのです、つまり庁として。
提訴した段階でならですね。
はい。
そうですね。はい、御意見として承りました。

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