阿南消費者庁長官記者会見要旨
(平成25年9月25日(水)14:00~14:22 於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

  こんにちは。
  まず、平成25年度の地方消費者グループフォーラムの開催についてです。
  消費者庁では、平成22年度から、地域で多様な分野で活動する主体の交流、連携の場として、地方消費者グループフォーラムを開催しております。今年は、10月4日の東北ブロックを皮切りに全国8ブロックでの開催を予定しております。このフォーラムが、地域で活躍する消費者団体を始めとした多様な主体が互いに連携して、地域の諸課題に取り組む一助になることを期待しております。
  特に、今年は消費者教育元年と言われておりますが、多くのブロックで消費者教育に関して議論される予定になっております。私自身も、地域の議論に参加するために、可能な限りこのフォーラムに参加したいと考えております。皆様も、どうぞよろしくお願いいたします。
  以上でございます。

2.質疑応答

朝日新聞の小泉です。
  消費者事故調が10月で1年ということなのですが、まず、長官として、事故調の今のあり方についてどのように評価されているのかということと、もし課題があると思っていらっしゃる場合は、その点についてお答えお願いします。
はい、ありがとうございます。10月1日で発足から1年です。調査の対象としては、これまでに6件の事故を選定しております。そのうちエスカレーターの事故、エレベーターの事故について国交省の調査結果に対する評価書を公表し、その中では、単に機械そのものの不具合や既存の法令との整合性だけにとどまらず、事故の再発防止に資するための幅広い視点や考え方を提示いただきました。この点は、さすがに消費者事故調の成果だと思っております。こうした同じような事故が再び繰り返されることのないように、一件一件丁寧かつ幅広い視点から調査を行って、真に消費者の安全に資する成果をあげていただくことを期待しております。
  私はこの1年関わってきて、今までの我が国にはなかったこの制度をつくり上げて、それを実現し、運用していくというのは本当に大変なことなんだなと感じています。それが率直な感想です。この間、担当部署を中心に、全消費者庁を挙げて必死になってやってきたわけですが、ここまでよくやったと思います。
  消費者安全調査委員会の実務を担う専門委員は、ようやく38名になり、消費者からお申出があった案件の全てに対応できるようになってきております。また、事務局であります事故調査室の体制につきましても、調査委員会が行います調査等をサポートするために必要な知識と経験を有する者を公募するなどして、発足当時から徐々に増員を進めてきまして、現在22名の体制になっています。ようやくここまで到達しましたので、体制が弱いのではないかという御指摘もありますけれども、引き続き調査手法の確立や、職員の知識や経験の蓄積を図りたいと思っております。また、商品テストについては、国民生活センターが知見を持っておりますので、国民生活センターとの連携強化も大きな課題だと思っております。そして、事故調査室として調査委員会の活動をしっかりとサポートできるように頑張っていきたいと思います。
  以上です。
関連で、まず1点、評価書の話が出ましたけれども、現状まだ報告書という形ではまだ世に出ていないのだと思うのですけれども、このスピード感についてどのように思われるかということが1点。
  もう一つは、報告書を仮に出した後に、それをどのように社会に反映させていくのか。先日の委員長の会見では、委員長は、例えば、法改正とか省令改正にあまりこだわらないような趣旨の発言をされているのですけれども、その点、長官はどのように思われていますか。
スピード感でいいますと、かなり時間はかかったかと思います。国土交通省が法律に基づいて調査したその範囲ではなくて、もっと幅広く、消費者の視点、消費者の暮らしの視点から考えようよというところを設定するのにかなり時間がかかったのではないかと思っていますが、これからはこうしたものをモデルにしながらやっていけるのではないかと思います。また、社会へのアピールについても、こうした視点での評価を公表いたしましたが、「さすが事故調」と言われるところもありましたので、そうしたことを大切にして、その視点を更に深めて、自ら調査を進めていく中で、わかったことも随時できる範囲で公表していきたいですし、今どのように動いているのかということも公表しながらやっていきたいと思います。そして、それを詰めていった挙句に、今のシステム、方法を変えなきゃいけないということになった場合には、それは当然、堂々と提案をしていきたいと思っております。
別件ですけれども、昨日、レーシックの問題について、被害者の会の方が消費者庁と厚労省にお申入れに来ていると思うのですけれども、このレーシック被害について、いわゆる「すき間事案」というものに当たるのかなと私は思っていますけれども、消費者庁としてどのように対応されていくのか、長官のお考えをお聞かせください。
昨日、みんなの党の三谷英弘衆議院議員と、レーシック被害者の会の方からレーシック手術に関する被害情報を取りまとめた報告書を受け取りました。まずは、このいただいた報告書の内容について確認していきたいと思っています。
  消費者庁としましては、今後の事故情報の推移を注視するとともに、それを踏まえて、厚生労働省と情報共有しながら、消費者に向けた注意喚起を行うなど必要な対応をしてまいりたいと考えております。
  要望書、要請の内容ですけれども、この被害の内容について、消費者庁として主体的に実態を把握すべきということと、リスクを明示しないウェブサイトの広告等によって、リスクを正確に認識する機会がないまま手術を受けて被害に遭うことがないように、広告の実態についても情報収集してもらいたい。もう1点、そうしたことを踏まえて、必要に応じて消費者に向けて情報提供や注意喚起を行うこととでしたので、これを受け止めてやっていきたいと思っています。
  現在、事故情報データバンクに寄せられています事故情報の件数は約70件です。これは「レーシック」というだけでは数が少ないのですけれども、それと思われるような「近視矯正」ですとか「視力矯正」、「屈折矯正」といった言葉を挙げて検索をしてみた結果です。こうしたことを厚生労働省と情報共有しながら、情報提供や、注意喚起などに取り組んでいきたいと思っています。
厚生労働省と連携しながら取り組んでいきたいということですが、今後の実態の把握とか、消費者庁のほうでできることもあるのかなと思うのですけれども、長官のお考えとしては、この問題の主体というのは厚労省だというふうにお考えですか。
医療ですから、厚生労働省が直接の所管だと思います。この前、消費者庁は美容医療について注意喚起しました。それは、医療機関を適切に選択することですとか、手術の内容についてもきちんと確認するとか、リスクについての説明も聞いてからやりましょうという内容でした。このような注意喚起は消費者庁の役割だと考えておりますので、同様に取り組みたいと思います。
毎日新聞の大迫です。
  ちょっと話が戻るのですけれども、事故調の件ですが、より幅広い視点で見たとか、「消費者の視点」とか「暮らしの視点」という言葉が出ましたけど、それは一体何なのでしょうか。国交省さんの場合は、エレベーターとかエスカレーターの事故を建築基準法の視点から見られているということで、ものすごくわかりやすいのですけれど、この消費者事故調はあいまいな視点、言葉だけが提示されて具体的なものが提示されないので、なかなかわかりにくいし、だからこそ時間がかかっていると思うのですけれども、それが課題なんじゃないかと思うのですが、これは一体何なのでしょうか。
私たちは、実際に様々な生活用品や施設を使っていますが、それは、使用者の立場ということだと思うのです。いろいろな使用の仕方があるし、いろいろな場面があるので、そうした多様なところから考えてみる。そして、こういう使用の仕方をしていて事故が起こっている。では、その再発を防ぐためにはどのような注意が必要なのかといったことが使用者の視点だと思うのですね。確かにあいまいだとおっしゃるのはわかりますし、あいまいだから大変だったわけですけれども、そういう視点を消費者事故調としては、評価の視点に据えた、基準にしたということなのです。
使用者の視点という割には、機械とその周辺の、つまり建築基準法の範囲内の指摘にかなりとどまっていた印象があるのですけれども、注意喚起の方法とか、利用者にどういうふうに危険性を伝えていくかというようなことに対しての視点は全く中間報告の中にはなかったと思うんですが、いかがでしょうか。
そうですね。ただ、事故調査ですからね。使用者の視点から見たときに、ここに問題があって、ここを改善すれば直すことができるという評価になるわけですよね。なので、それはそれでいいのではないですか。また、安全についての注意喚起というものは別途出すということだと思いますので、そこは切り分けて進めていく必要があるのではないかと思います。
切り分けるとするならば、それは、例えばエレベーター、エスカレーターの場合なんかは特に、もう建築基準法等でしっかり決まっているので、消費者事故調がわざわざもう一度やる必要がどうしても感じられないのですけれども、いかがでしょうか。
そうでしょうか。私はそうは思わなくて、建築基準法の範囲内で国土交通省から報告が出た。しかし、消費者事故庁は、それは消費者の視点、というか使用者の視点を加味していなかったという評価をしたわけです。ですから、その範囲内ではないと思います。
わかりました。
日本消費者新聞の丸田と申します。
  関連なのですけれども、事故調のことなのですが、先ほど長官の御発言の中で、社会へのアピールについて、「さすが事故調」という評価がある一方、その公表していくということの御発言の中で、今どういうことが動いているのかも公表していくということをおっしゃったのですが、事故調自体が原則非公開という中で、6件の案件がありますけれども、最初、完全非公開だというものが2件あるのです。僕は立体駐車場に対しては、ジャンル自体が、事故はどの事故かということは非公開ですけれども、それは立体駐車場というものなのですけれども、でも、二つは全く製品と役務ということしか出ていない。という中で、検討ワーキングについても、事故調が判断したもの、選んだのだということの重大性というものに対して、やはり公開が必要なんじゃないかと私も思っていまして、それと同時に、長官が就任のときに、途中の検討案件についても、必要とあらば、公開が必要ではないかということもおっしゃったことがあります。1年間やってみて、今の状況に対しての原則非公開について、委員長はそれでいいということをおっしゃっていましたけれども、長官としてはどうでしょうか。
そうですね、あくまでも調査委員会が判断することではありますけれども、私は、最初に申し上げたように、原則公開だと思っています。よほど調査に支障が出るようなことがない限り、原則的には公開の立場でいくということが基本ではないかと今でも思っています。
わかりました。
  それともう一つ、先ほどの質問に関連なのですが、昨日のレーシックですけれども、被害者の方々は、消費者庁が把握した事故件数は36件ということをおっしゃっていました。70件というのは、「レーシック」という言葉に限ったものではなく、レーシックと思われるものも含めた数、それが70ということでよろしいですか。
はい、そういうことです。この前の消費者問題特別委員会で御質問があったときに答えた36件は、レーシックという名称に限ったもので答えています。
被害者の方々は、昨日の会見では、2カ月間の中で54件あっと言う間に来たと、重複されていると思うのですけれども。
そうですね。
それで、先ほどのお話の中でも、美容医療へのシフトが今目立っているということで、消費者庁も広告について、美容医療のホームページの広告について、厚生労働省が管轄していたり、ガイドラインがあったとはいえ、そういうものに対しては消費者委員会とかで建議を受けていたり、提言を受けていたりしていますので、そこの点についてのプッシュというか、そういうことはお考えになりませんでしょうか。
そうですね、まだ安全課と深く検討しておりませんけれども、それはやっていくつもりでおります。
読売、崎田ですけれども、先ほどの事故調の件ですけれども、長官は原則公開とおっしゃった内容とかそういうもの、審議の内容を公開すべきだという意味なのか、非公表になっている案件ですね、そういう案件を公表すべきだというふうにおっしゃっているのか、両方なのか。
審議の内容はなかなか難しいところがあるかと思います。けれども、案件については、調査に入るときに何らかの支障が出る、調査に対応してもらえないというような事態が起こらないことを願っているわけですけれども、そういうことを願いつつも、原則的には公開していくという立場がいいと思っています。やはりお申出された方たちは、広く知ってほしいと願っていると思いますので、そこはお申出された方とのやりとりといいますか、理解を得るための話合いがポイントになってくるのではないかと思っています。そして、事故調のこうした実績が何件か示されていけば、それなりに国民の皆さんも、消費者事故調というのはこういうところなんだなということがわかり、そうした認識が広がれば、公開もしやすくなってくるのではないかと思います。
審議の内容自体は難しいというのは、どうしてですか。
いろいろな意見が出されるわけですし、ヒアリングをしたり、実際に調査した内容についても、赤裸々にその場で出すということになります。ですから、それは全て公開にはなじまないのではないかと思います。
そうすると、実際問題として、1年たっても様子はわからない。消費者の方にとってもわからないという状況が続いているのですけれども、本当に審議しているのか、真剣にやっているのかというのがわからない。
そこら辺が見えないですね。
議事録もあるわけじゃないので、そこも含めて改善の余地はあるのではないかと思いますが。
そうですね、それは検討します。また、調査案件を選定した日から1年を経過したときには、それの経過報告をするということになりますので、最初のほうの案件は経過報告で公表することになります。
それをもってしっかりやっていたかどうかがわかるということですか。
はい。

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