阿南消費者庁長官記者会見要旨
(平成25年6月5日(水)15:00~15:22 於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

  私からは2点御報告がございます。  
  まずは、訪問購入に係る苦情・相談件数の件について、おわびを申し上げなければいけません。先月23日の記者会見において紹介させていただきました訪問購入に係る苦情・相談件数の推移についてですが、このたび、数値が間違っていたことが判明いたしましたので、訂正させていただきたいと思います。   
  お手元の資料をご覧ください。前回は、改正法の施行前である平成24年において毎月平均約200件の苦情・相談が寄せられていたものが、改正法の施行後は月平均約20件と10分の1にまで激減していると紹介させていただきました。しかしながら、先日、改めてPIO-NETで検索したところ、この数値は間違っておりまして、実際には、改正法施行後においても苦情・相談件数の水準はほとんど変わっていないということが判明いたしました。大変申し訳ございませんでした。   
  このようなことが起きた原因を説明します。まず、PIO-NETで検索する場合には、さまざまなキーワードを組み合わせた検索式を用いることになっています。国民生活センターは、改正法施行日以降に受け付けた訪問購入に係る苦情・相談については、新しく「訪問購入」というフラグを設けて検索式を変更したのですけれども、原課はそのことを認識しておらず、改正法施行後においても従来からの検索式を用いておりました。すなわち、改正法施行以降においては、相談員の方々は、訪問購入に係る相談・苦情があれば、それらに「訪問購入」のフラグを立てるということになっておりますが、我々の従来からの検索式では、これら「訪問購入」のフラグが立てられた苦情・相談群については捕捉できなかったということになります。   
  今後はこのようなことが起きないように、PIO-NETで検索した結果を公表する際には、事前に国民生活センターに照会し、その正式な回答をもって公表するという従来からのルールを徹底することとしたいと思っております。   
  なお、結果として訪問購入に係る苦情・相談件数は減っていなかったわけでありますけれども、消費者庁としては、この訪問購入に係る消費者被害をなくすべく、引き続き改正特商法の広報に努めてまいりますとともに、悪質な訪問購入事業者に対しては厳正に改正法を執行していきたいと考えております。   
  もう1点です。北海道電力の家庭用電気料金の値上げ認可申請に対する意見交換会の結果についてでございます。   
  本年4月24日に、北海道電力より経済産業省に対して家庭用電気料金の値上げ認可申請が提出されました。この件に関して、申請の内容に関する消費者及び消費者団体の皆様の意見を直接聞くため、札幌市において、おととい、3日になりますが、私が出席をして意見交換会を開催したところです。   
  意見交換会においては、参加者からさまざまな意見をいただきました。16名の方が意見を出してくださいました。その中では、停止している泊原発の再稼働を織り込んだ料金算定には納得できない、そしてまた、道の条例で脱原発の視点を持つとしているにもかかわらず、原発に依存し続けていることは問題といった意見が多く出されました。また、今回の査定の対象となる原価につきましても意見が出されておりまして、まず、人件費、調達費、さらには子会社・関連会社との関係等に関し、経営効率化の内容が十分か、厳しく検証すべきであるという意見、そして、消費者への説明をもっと積極的に行うべきという意見がありました。   
  今後は、これらの意見を踏まえて、消費者委員会に設置されました家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会でご議論いただいた上、チェックポイントを作成し、経済産業省と協議していく所存でございます。   
  以上でございます。


2.質疑応答

日本消費者新聞の丸田と申しますが、先ほど、訪問購入の件のミスの件なのですけれども、5月23日に発表されて、いつ間違いに気づかれたのか。その間違いに気づいた経緯というのは、国センのPIO-NETの式が違っていたと、検索の方法ですね。そういうことですけれども、消費者庁でわかったのか、それとも指摘されたのか。その経緯をちょっと教えてください。
消費者庁でわかりました。 まず、配布した資料の最初のデータは、取引対策課の方で数えた数字です。そして、下の方は、消費者政策課の方で計算し、国民生活センターに確認したものでございます。
取引対策課長
先週金曜日の午後に気づきました。
ルールの徹底とおっしゃっていたわけですけれども、ルールというのは、発表する前、要するに国民生活センターの連携とかですね。
そうです。
この場合はやっていなかったということですか。
はい。取引対策課の方がそれをやらなかったということです。政策課の方はきちんと照会していました。
すると、件数が、施行されて以降も変わっていないというふうに考えてよろしいのですよね。
そうです。
その場合、前は10分の1になったということで、その数自体は間違っていましたけれども、法律の実効性といいますか、そういうのはあるということですか。今回の場合は変わっていないというのを、どのようにお考えなのでしょうか。
やはり事業者への周知が徹底されていないと考えましたので、周知の取り組みをしっかりと進めていきたいと思っております。   
  それとまた、具体的な事案については、地方の警察ですとか、消費者行政担当部署において特商法に基づいた執行をやっておりますけれども、地方自治体ともしっかりとこの状況を共有しながら、執行の呼びかけをさらに強めていきたいと考えております。
もう一つですが、この件の場合は、法案の段階で、要するに対象品についていろいろ議論があったと。前回もお聞きしたんですけれども、つまり、これからの分析なのでしょうが、対象外のものについての相談とかそういうものはあって、やっぱり法律の対象の範囲は変えなくちゃいけないんじゃないかとか、そういう検討結果とか、何かあるんでしょうか。
まだその中身を分析していないのです。私も今回のことがあってから、消費者庁でもPIO-NETで検索できるのですから、傾向はわかるはずなのですので、調べて、どのような案件が多いのか、どのような商品にかかわるものが多いのかということをしっかりと分析して、すぐに手を打つ、その情報をきちんと流すということをやらなければいけないと思いました。今はまだ、その情報を分析する体制が十分でないということがありますので、もっとしっかりとした体制をつくっていきたいと考えています。
NHKの橋本です。関連して、2点お伺いさせてください。   
  結局、どうしてミスになってしまったのか。例えば検索した職員の思い込みなのか。要は、どうしてそういう検索する手続を誤ってしまったのかということですけれども。
どうでしょうか。取引対策課。
取引対策課長
取対課ですけれども、長官から説明を申し上げましたように、一応、今のルールとしましては、数字を公表する場合は必ずその都度担当課が国センに確認をとるというルールであったところ、今回に限っては、そこを怠ってしまったというのが原因でございます。
今のご説明は、ダブルチェックというか、歯止めがかからなかったというご説明だと思うのですけれども、それはつまり、検索の仕組みが変わっていたということを職員が知らないというか、気づかないというか知らなくて、それの従来のものだと思い込んで調べてしまっていたということなのでしょうか。
取引対策課長
さようでございます。
そうです。したがって、その情報をきちんと消費者庁内において共有することが必要です。そう思います。
わかりました。先ほどの丸田さんの質問にご説明がなかったと思うのですけれども、なぜ気づいたのかというのは、誰がどう気づいたのでしょうか。
取引対策課長
先週金曜日の話、午後の話なんですけれども、ちょっと庁内で作業をしていたのですけれども、それは全庁でですね。そのときに、我々の数字と事実は違うのではないかという政策課の指摘が入りまして、その時点で明らかになったということでございます。
わかりました。ありがとうございます。
朝日新聞の吉川です。   
  本日、規制改革会議の関係で総理に答申があったと思うんですが、栄養食品の機能性表示の関係で、その制度を緩和せよというような提言内容があったかと思うんですけれども、その点について、長官はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
いわゆる健康食品の機能性表示の容認については、規制改革会議のもとに設置された健康医療ワーキンググループにおいて議論が行われて、今日、その規制改革会議から内閣総理大臣へ答申が出され、それを総理がお話しされたということであります。具体的には、食品の機能性について、国ではなく、企業等がみずからその科学的根拠を評価した上で、その旨と機能を表示できるアメリカのダイエタリーサプリメントの表示制度を参考にし、企業等の責任において科学的根拠のもとに機能性を表示できるものとするという、新たな方策を検討すべきであるとされています。   
  アメリカのダイエタリーサプリメントの表示制度ですが、これは、FDAによって評価されたものではないということですとか、病気を診断・治療・予防することを目的としたものではないということを表示した上で、事業者の責任、自己責任において機能性表示が可能になる制度のことを言っています。 消費者庁としましては、この規制改革会議の答申を踏まえて、制度のあり方について検討してまいりたいと思っております。
関連なのですけれども、今の特保の現状の制度でも、広告の過大な誇大広告とか、そういった問題も消費者委員会などで指摘されているところですけれども、緩和という方向で、消費者にさらなる誤解を与えかねないという懸念もあるんですけれども、その点は、長官はどのようにお考えですか。
消費者庁としましては、いかに事業者がそのような形で自主的に行ったとしても、不適正な表示については厳正に対処していく責任があると思っていますので、この規制改革会議の答申を踏まえて、消費者にとってそれが果たして適正なものなのかどうか、わかりやすく、より選択しやすいという目的に沿ったものなのかどうかということについて、しっかりとチェックしてまいりたいと思っております。
日本消費経済新聞、相川です。   
  先ほどの問題に関連してなんですが、消費者委員会が、科学的な手法に基づく評価、それと正しい情報提供、それと十分な消費者への理解を求める意見を出されていますが、それに関して、事前に何か消費者庁の方からアプローチをするようなことはされないのでしょうか。
これが政府の方針として決まった時点で、消費者委員会のそうした意見も踏まえた上で、どのようなあり方がよいのかということを検討していきたいと考えておりますが。
読売新聞、崎田ですけれども、今週、行政手法研究会、最終取りまとめが出たと思うんですね。それで、課徴金制度のことについて、現時点でどんなことを検討できるというふうに長官はお考えなのか。それはいつごろまでに結論を出したいという具体的なスケジュール感を。
そうですね、行政手法研究会の皆様たちには、大変熱心にご議論いただいて、最終的な取りまとめをしていただきました。本当に感謝しております。   
  この報告書は、行政による早期対応ということで、消費者庁が情報を早期に把握して、消費者への注意喚起や事業者への勧告・命令などを迅速に行うということを求めています。さらに、行政による経済的不利益の賦課制度、そして財産の隠匿・散逸防止策として、被害発生を防止するための方法や事業者の財産を保全するための方法、そして、消費者の被害を救済するための方法について、参考となる制度、意義、その課題を詳細かつ明確に整理していただいておりますので、消費者庁がこれから政策を展開していく、あるいはこれから個別に検討していく際の、いわばベースになる整理だと考えております。それぞれについて、これから検討していくという形になりますが、そのときには、消費者被害の現状や今の法律の執行状況をきちんと踏まえた上で行っていきたいと考えています。したがって、まずは実際の執行状況を踏まえ、問題があればまた検討していきたいと考えておりますし、不利益賦課制度、課徴金の問題も、さまざまにご意見をいただきましたけれども、これも、消費者被害の状況や、今の法律の執行状況を踏まえ、対象事案をどのようなものにするのか、合理的な課徴金の算定はどうあるべきか、ほかの法律への執行の影響はあるのか、ないのかといったこと等について慎重に検討していきたいと考えております。   
  最初におわびを申し上げましたが、特定商取引法の訪問購入の執行も、まだまだ消費者庁としては課題を抱えていて、例えば集まったPIO-NETの情報を、すぐに執行につなげていく体制が、今回の問題で、まだできていないことがはっきりしましたので、そういった体制を強化していきながら、研究会から出されましたさまざまなものについて、これから検討していきたいと考えております。
期限を切ったりとかということは。
期限は切っていないです。
では、これは永遠に検討するのでしょうか。
永遠というわけではありません。   
  急ぎたいのは、早期に被害をキャッチして、消費者を守るために、消費者庁が持っています執行権限を最大限に発揮していくということだと私は、思っていますので、そこの現実問題からしっかりやりながら、併せて検討を進めていきたいと思います。
先ほどの訪問購入の相談件数の件で、何か実害というのはありましたか、何か具体的に。
それは聞いていないです。しかし、そうしたことを把握するために、消費者庁では今、地方の消費生活センターの相談員さんたちをメンバーにした「情報検討ネットワーク」というものをつくっています。そこでは現場からさまざまな情報を寄せていただいていますが、やはりここをもう少ししっかりとしたものにして、情報をいち早くキャッチしたり、こちらから直接聞くなどして傾向をつかみ、素早く対応できるようにする必要があると思っています。
毎日新聞、大迫ですが、健康食品なんですけれども、確認ですが、今般の答申を受けて、具体的な健康食品の表示のあり方を検討していくということでよろしいのでしょうか。
次長
機能性表示の話は、今、ダイエタリーサプリメントの話がありましたが、それを参考にしたルールを導入するということを念頭に置いて、いろんな具体化のためのルールですから、それを詰めていかなければならないと。そういった検討を今後行うということであります。
それは消費者庁がですか。
消費者庁がです。食品表示の一環としてやるということです。

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