阿南消費者庁長官記者会見要旨
(平成24年8月22日(水)14:00~14:30 於)消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 よろしくお願いします。
 今日からまた毎週このような会を持たせていただきますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 今日は1点だけ私のほうから御報告をさせていただきます。
 消費者安全法に基づく事業者名の公表を含む注意喚起を実施いたします。
 私が長官に就任して以来、初めての実施ということになります。消費者安全法に基づく財産分野の注意喚起ということで、今回の案件で、消費者庁発足以来、財産分野の注意喚起は10回目、今年で6回目ということになります。
 事案の詳細は、後ほど今日の3時半から予定をしておりますが、担当課より説明をさせます。特定の事業者が実在している無関係の事業者の業務内容を無断で引用したパンフレットをつくって、それを勧誘に使って、消費者に不当な勧誘行為を行っていたものであります。社名は後ほどお聞きください。信託受益権を勧誘していた事業者です。
 以上です。

2.質疑応答

共同通信の澤野と申します。
 昨日の大臣会見でも聞いたのですが、介護ベッドによる死亡事故が後を絶ちません。注意喚起による対策だけでは不十分な点があるのではないかと思います。これまでさんざん注意喚起をしてきたにもかかわらず、死者は減っていません。今後も恐らく死者が出るでしょう。これに対して、消費者庁は一歩踏み込んだ対策が必要かと考えますが、いかがお考えでしょうか。
平成19年度の死亡事故8件から、今年度の1件まで、かなりの死亡事故ということで、事業者からも、安全使用マニュアルが配布されて、注意喚起もされていますけれども、依然として続いているということで、これはやはり重大な問題だと思っております。
 事業者は、安全使用マニュアルを病院、高齢者施設、自宅介護の家庭など、その介護ベッド用手すりが使われているところに配布をして呼びかけているということであります。また、平成21年3月にはJIS規格が新しく改正されて、すき間の基準強化が図られているということです。
 また、事業者によって挟み込み防止用具というものも案内されていると聞いております。消費者庁のほうは、平成22年10月、地方自治体等を通じて介護ベッド用手すりの使用上の注意喚起を行っております。「介護ベッドここが危ない」というものが市町村の担当課を通じて病院などへ配布されていますが、その後も事故報告があったときですとか、事故原因の調査が終了したときなどに注意喚起を行っています。平成22年度に3回、23年度に4回、24年度に1回行っています。
 また、22年の10月に、厚生労働省と経済産業省を通じて介護保険施設、老人福祉施設及び医療機関の施設管理者、そして関係事業者・団体に対して事故の防止に向けた取り組みを要請しております。
 この介護ベッド用の手すりは、高齢者や要介護者が日々使うものでありまして、死亡や重傷といった非常に痛ましい事故を1件でも減らすために、さらにどのように取り組むことができるのかということで、今後も検討していきたいと思っております。
 そして、経済産業省に対して、何かやったらいいのではないかという御意見もいただいておりますけれども、消費者庁としましては、経済産業省や関係省庁などと連携をとって、意見を具申するということが消費生活用製品安全法上の立ち位置であります。今年の6月、経済産業省と厚生労働省が都道府県の所管部署に病院、介護施設、福祉用具レンタル事業者などに対して、注意喚起と点検依頼を行っています。
 また、死亡事故が改正前のJISの製品で起こっているということがありまして、まずは点検と、そしてその後の新しいJIS規格に基づいて、どのように行われているのかということについての点検を消費者庁としては見守りたいと考えております。そして何かあれば一緒に対策をとりたいと考えております。
今おっしゃったことは、全部知っています。それ以降も死者が出ているから問題ではないのですかと言っているのに、何で踏み込んだ対策ができないのですか。
全国の病院、介護施設及び福祉用具レンタル業者等、約27,000箇所について、経済産業省などが注意喚起と点検の依頼を出していると聞いておりますので、その点検状況を見て、考えていきたいと思いますが。
それをやれば1人も死者が出ないと長官はお考えですか。
いえ、そうは思いませんけども。
毎日新聞の大迫です。
 食品表示の一元化と国センの組織改革について、それぞれまとめが出ましたが、阿南長官も消費者団体の事務局長というお立場で関わっておられました。そのときの御主張と今回のまとめ、少しずれがあったかな、と感じたのですけれども、それぞれについての評価、御見解をお聞かせください。
まず、表示一元化については、検討会で非常に熱心な議論をしていただきまして、今回まとめられております栄養表示の義務化ですとか、アレルギー表示の強化の仕方ですとか、用語の統一ですとかの対策が打ち出されました。
 このようにまとめていただきましたので、今年度中に法律をつくっていくという作業を進めて、できるだけ早い時期にその法律を提案したいと考えております。しかしながら、残された課題がたくさんありまして、加工食品の原料原産地表示問題ですとか、遺伝子組み換え表示の問題、添加物の表示などもこれからの検討ということになっておりますので、立法化作業とあわせながら、検討していくことになると考えております。
 栄養表示ですとかアレルギー表示については、非常に希望も強いので、そこを先行させながら、残りの課題をできるだけ急いで検討していきたいと思っております。
 それと、国民生活センターの問題についてですが、今日検討会議の最終会合が持たれまして、最終的な取りまとめが行われました。国民生活センターを国に移行するというその形は、消費者庁に独立性を法的に担保した特別の機関として置くということが方向性として出されております。
 国に移行するにしても、さまざまな移行の場所があると私も思っておりましたけれども、国民生活センターの現在の機能を維持し、後退させないで、より強化していくこと、そして、消費者庁、消費者委員会、さらに地方消費者行政など、全体の消費者行政の強化、充実につなげていくということがこの検討会のミッションでありましたので、こうした観点で言えば、非常に画期的な結論を出していただいたのではないかと思っております。
 今後は、政務三役に御判断をいただいて、それに従って消費者庁は実現していくという形になると考えております。
NHKの三瓶です。
 北海道で浅漬けで亡くなっている人がいます。過去にも繰り返し亡くなっている人がいて、どうやら背景にはつくる際の基準とかルールとか、そのあたり強制力があるものが何もないというようなことのようですけれども、そのあたり消費者庁も注意喚起はしてますけれども、一歩踏み込んで、ほかの省庁に対して何かしたほうがいいのではないかというようなことをお考えではないでしょうか。
私も本当に何とかならないものかと思っていました。消費者庁の注意喚起は、これまでに比べますと早かったと思っております。事業者名も公表いたしましたが、これだけではなかなか未然防止ですとか、拡大防止につながっていかないのではないかと思っています。厚労省と連携をとりながら、もっと早く注意喚起をするとか、農水省がその後、漬け物の業界に対して、ハクサイを塩素消毒する際の塩素の基準もちゃんとチェックをするように申し入れているようですけれども、そうした情報を消費者自身も共有するのが大事ではないかと思っています。
 私があのときに何を感じたかといいますと、売っている浅漬けって危ないのかなということと、市販品というのは塩素消毒をしているということだが、それって大丈夫かなということでした。
 そしてまた、1人の消費者としては、自宅で浅漬けをつくるときには、一体どうすればいいのか、プロがつくっても防止できないことであるならば、私たち消費者はどうしたらいいのかと疑問に思いました。こういうことへの情報提供が必要ではないかと思います。
 今回の事業者が、塩素基準に満たないものを出してしまったという原因をはっきりさせるということと、家庭で浅漬けをつくったりするときにはどう処理したらいいのか、しっかりと洗わなくてはいけないとか、まな板を区別しなくてはいけないとか、そんなことも情報提供していくことが必要ではないかと思います。そこは厚生労動省や農林水産省との連携が必要だと考えています。
そのあたりは、具体的に何かやりたいというところまで持っていらっしゃいますか。
まだそこまでは。安全課と少し具体的に打ち合わせて、農林水産省の情報をもらうということなどを考えていこうという話を今始めているところです。
もう一つ長官は就任後、各課から所管事項説明等あって、ある程度消費者庁が今何に取り組んでいて、これからどうしていくのかというところを御自身でも整理ついてきたかと思うのですけれども、真っ先に取り組みたいこと、どれも緊急性高いと思いますが、中でもこれにはこだわりを持ってやっていきたいのだというものがあれば、この機会に教えてください。
ありがとうございます。
 先ほど介護ベッドの問題もありましたし、今のO157の食中毒の問題もありました。
 各課が必死になって取り組みをしているのです。けれども、その仕事の仕方に、もう一歩自分が消費者として問題をとらえるという発想を高めていく。消費者庁の職員の一人ひとりが、例えば介護ベッドの問題は大変だよねと、こんなに続いているけれども、どうしたらいいのか、できることを考えてみようというスタンスに立って、みんなで検討できるような、そうした体制をつくりたいと思っているのです。
 そのために、まず私自身が一人ひとりの職員と認識を共有できる、そういう関係をつくりたいと思っています。意思疎通ができるようなよい関係。そこからしか人が変わらない、出してくるものも変わってこないと思っていますので、少し時間はかかるかもしれないですけれども、それが一番早道だと思いますので、そんなところから始めたいと思っています。
消費者目線のところだと思うのですが、それとは別に政策課題というか、消費者庁の抱えている課題の中で、これを真っ先にやっていきたいというものがあればお聞かせください。
消費者庁の抱えている課題の中でですね。
 この前、官邸から消費者安心アクションプランとして放射能と食品のリスクコミュニケーションと、そしてもう一つは高齢者の消費者被害撲滅のための取り組みについてご提起いただきました。一番最初にやるのは、これだと思っています。
 高齢者被害は、本当になくならないどころか増えているという状況ですので、この秋にキャンペーンを張れるような、そういうものを今考えているところです。放射能と食品のリスクコミュニケーションについても、大規模なリスクコミュニケーションでなくて構わないので、小さな単位で各地でいっぱいやれるようなリスクコミュニケーションを考えています。
日経新聞、村上と申します。
 よろしくお願いします。
 昨日、東京電力の発表で、アイナメという魚から2万5,800ベクレルという過去最高の放射性セシウムが検出されたという発表がございました。
 先ほど長官がおっしゃられた安心アクションプランですか、リスクコミュニケーション、こういったまだかなり高いレベルの放射性物質を含んだ食品が出てきてしまうという中で、どのように取り組んでいかれるのか、もうちょっと具体的にお聞かせいただけませんでしょうか。
各地でいろいろなモニタリングをしたり、測定をしたりということをやっていますので、まずはそういう情報を集めて、消費者に提供するということを、しっかりやっていきたいと思っています。
 同時に、他省庁や地方自治体がとりくんでいる対策についても、消費者庁から情報発信するということをやりたいと思っています。また、リスクコミュニケーションの場をいろいろ持とうと考えていますので、そうした情報を整理してお伝えしていきたいと考えております。
関連で食品と放射性物質についてお伺いします。
 国が定めた基準のほかに流通業者や消費者の間では、もっと厳しい基準のほうがいいのではないかという意見があります。自治体によっては、国の基準よりもさらに厳しい基準を設けているところもあります。これはダブルスタンダードだと思うのですが、長官はどのようにお考えでしょうか。
確かに、低い基準を設けている事業者さんがいることは知っておりますが、私は事業者さんがそうした取り組みをするのは構わないと思います。それぞれ自分で基準を設けて検査をして、それを消費者に情報提供していくというのはいいことだと思います。
 消費者にすれば、そういうものも、選択するための情報の一つですので、それはそれでいいではないでしょうか。気をつけなければいけないのは、国の基準について、なぜそういう基準が設定されたのかということを、事業者の皆さんにも同時に提供していただくということが必要なのではないかと思います。
 そうしないと、それこそダブルスタンダードになってしまいます。選ぶのは消費者です。さまざまな情報や、データの中から選ぶのは、消費者の権利ですから、それは尊重しなければなりません。ダブルスタンダードにしないよう事業者さんたちにもお願いしたいと思います。

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